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なにを隠そう、私はバリスタ…なんちゃって (上) [あいうえおーすとらりあ]

今まで誰にも知られまいとひた隠しに隠してきたことなのですが、私はコーヒー職人「バリスタ(barista)」です。それも、”なんちゃって度メーター”が振り切れてしまってるレベル、名乗った瞬間、本物のバリスタに熱々のエスプレッソを鼻から注ぎ込まれそうなレベルです。

シドニーの英語学校に、実地で英会話の能力を磨く授業があったんですね。当時、その学校がイタリア系メーカーのLAVAZZA(ラヴァッツァ)と提携してバリスタコースを作っていて、そのおこぼれ的な講座に参加し、たった4回(週1回で1ヶ月)、計約20時間ぐらいでバリスタの資格証をもらったのでした。オーストラリア全土で通用するらしいので、日本で食い詰めたら再渡豪してカフェで働こうと思ってます。ちなみに、LAVAZZAに申し込めば誰でもとれます。

オーストラリアはイタリア系移民が多く、カフェ文化が発達してます。イギリス系の紅茶文化はどこに?と思うぐらい。メニューも日本と違います。「ブレンド」や「アメリカン」は原則としてありません。主要メニューはこちら。リンク先の左の画像もご参照ください。

フラット・ホワイト(flat white)カフェ・ラテ(cafe latte)カプチーノ(cappuccino)マキアート(macchiato)、そしてすべての基本となるエスプレッソ(espresso)です。

日本人にとっては、フラット・ホワイトの発音が一番難しいと思います。日本語ではF/L/Wの音が全部落ちてしまうので、「らっとゎいと」みたいに聞こえるそうです。カプチーノの写真はあまりよくありません。たぶん入れてから撮影までに時間が経ってしまったのだと思います。

それはともかく、種類を上げたからには説明をするべきなんでしょうが、そこは天下のなんちゃって。メモしたノートや資料をすべて実家に置き逃げしてきたので、記憶を頼りに書くしかありません。間違っていたら教えてください。細かいあれこれは長くなるので省きました。

まずは、すべての基本エスプレッソです。

ドトールにある全自動ではなく、一部のスタバで使っているような手動式のエスプレッソマシーンで作ります。こんな形の機械です。家庭でこんなのはもちろん使えませんが、家庭用の手動式もあります。全自動より手動式のほうが、自分であれこれ工夫できます。

主なコーヒー豆は、アラビカとロブスタですが、高品質なのはアラビカです。同じアラビカ種でも産地、熟成度、その年の天候、焙煎方法などによって味が違います。この辺はワインと似ていると思います。

ちゃんとしたエスプレッソを入れるには、豆の表面がオイルでテカテカ光っていて、焙煎具合が均一(色が均一)なものを選びます。開封前なら1年は持ちますが、開封後は密閉容器にいれて冷蔵庫に保管し、5日以内に飲みきるのがベストです。かなり大変なので、安売りしてるからといって大人買いしてはなりません。好みの豆を少量ずつ買いましょう。

豆は1回ごとにひきます。本物のバリスタはこのときに、天候(湿度や気温)にあわせてミルの歯の細かさを調整します。私は偽者なので、歯の調整つまみに触れてはならぬ!と厳命されました。ひいた豆をひしゃく状の器具(フィルター)に入れて、軽く押し固めてから余分な豆の粉をはらいます。このときに豆が粗すぎたり固め方が足りないと水っぽいコーヒーになり、細かすぎたりぎゅーぎゅー固めすぎると、焦げ臭いコーヒーになります。

用意ができたら、ひしゃくをマシンに取り付け、事前に温めておいたカップ/グラスをセットし、お湯を注ぐボタンを押します。ここまで4秒以内。ここでモタモタすると、豆が焦げてとんでもない味になります。きちんとセットできてないとお湯があふれて大惨事になります。うまくいくとこんな感じになります(一番上の写真)。

すべてがうまくいくと、ぴったり10秒で完璧なエスプレッソができます。たぶん70CC弱ぐらい。

きちんとできたエスプレッソは三層構造になっています。一番上にはベージュ色の細かい泡。その下に薄い油膜。そしてコーヒー。大事なのはこの「油膜」で、芳醇な香りや風味のもとになるものです。揮発性なので泡がなければあっという間に飛んでしまいます。抽出に時間がかかっても飛んでしまうし、ひいた豆がスカスカだと洗い流されてしまいます。もちろん、抽出後に放置してしまうと、泡が消えて飛んでしまいます。

慣れてくると見ただけで良し悪しが分かりますが、最初は味見しないと分かりません。エスプレッソをがんがん味見すると、だんだんラリったみたいになってくるので危険です(←ラリったことないけど)。そんなこんなを乗り越えてエスプレッソが作れるようになると、やっと次の段階、ミルクを使ったメニューに移ることができます。(つづく) 


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大鷲の健

今晩は。
コーヒーを「おいしく淹れてくれる人」に当たると、この世のものとは思えないほど、おいしいコーヒーを飲むことができるので、ある意味、カフェ・喫茶店巡りは自分にとってギャンブルと同じです。
すごいですねー。バリスタ。(あえて言い切らせてください。)
テクニック、メモメモ・・・・。
先日、店内でも飲ませてくれる某チェーン店で「コーヒー豆100gください。」と言ったところ、「すみません、200gでしかお売りできないんですよ。」と、あっさり断られてしまいました。
「一人暮らしなので。」と言ってもダメ。鮮度のいいうちに飲みきってしまいたいっていう気持ちがわかんねえのか、この野郎・・・という気分で店を後に。
「鼻からエスプレッソ」ならぬ、「いきなり口にあつあつのおでん」という気分でした。下品ですみません。
by 大鷲の健 (2008-04-16 21:58) 

rio

>大鷲の健さん、ほんとギャンブルですよね。

オーストラリアでもしょぼいカフェとか、バリスタがたまたまいなくてほかの店員が作るときなんか、この世のものとは思えない味で出されたことがあります。ペーパードリップだと、だれがやってもそれほど失敗はないと思うんですが、失敗したエスプレッソをわたされると「こんなものでカネとるのか!」と怒りがわいてきます。っていうか、実際に怒ってる人もいました(笑)

豆の保存状態よりも店の都合を優先するなんて、チェーン店ってそういうところがだめですねえ。ただ、ドトールのように、お客様相談室に言えば徹底的に動いて改善しようとしてくれるところもあります。お試しください。
by rio (2008-04-16 22:20) 

大鷲の健

えーと・・・・まさしくそのお店だったので、なんとも、いやはや・・・・。
伏せ字ができなーい・・・。
by 大鷲の健 (2008-04-16 22:26) 

rio

>大鷲の健さん、そうじゃないかなと思ってわざと書きました(笑)。ほかのチェーンで豆を買う人、あまり見たことないですから。なぜかドトールで買う人は多いですよね。

お客様相談室は匿名メールでもOKですし、必ず何らかの丁寧な返事がくるはずです(経験者は語る)。
by rio (2008-04-16 23:30) 

まりふぁな

最近ウチの近隣のセブンイレブンではどの店もこぞってコレ売ってます。

カプセル式“ホームバリスタ”システム ネスカフェ ドルチェ グスト
http://www.sej.co.jp/products/dolce_gusto0711.html

ちなみにどの店舗でもレジ前に実機を置いてて試作+試飲できます。
俺は残念ながらコーヒー党ではないので、飲んでもよくわかんないだろ~さ?ってコトで試飲もしてないんですけどねw

それに触発されて記事書かれたんかなぁ?って勝手に思ってたんすけど、改めてリンク先読んだら今のところ北海道/近畿限定販売なんでした(汗

“本物バリスタ”rioさんから見てこの手の商品っていかがなもんですか?
「これさえあれば貴方もバリスタ♪」は実現可能っすかねw
by まりふぁな (2008-04-17 10:11) 

rio

>まりふぁなさん、こんなのがあるんですね。初めて知りました。

北海道は分かるとして(←商品の動向を読むのによく使われるし、喫茶店がつぶれないことで有名)、なんで近畿なんでしょうか。セブン・イレブンだったら関東のほうが強いでしょうし、喫茶店文化だったら名古屋が上ですし。

味は…全自動なので、飲んでみないと何ともいえませんね。ただ、これって、パソコンのプリンタと同じ商法なのでは?マシン本体より、この「専用カプセル」ってやつで稼ごうというビジネスモデルの気がします。

市販の豆やミルクが使えるなら家庭用としては手軽でいいと思いますが…カプセルをセブン・イレブンで売ってるってことは、やっぱり「専用」なんでしょうね。となると、「売れ行きが悪くて販売中止」なんてことになると目も当てられないので、私だったら様子を見ると思います(←小心)。

ちなみに、記事はarea 71さんのブログでカフェの話が出たことがきっかけでした。
by rio (2008-04-17 11:01) 

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