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なにを隠そう、私はバリスタ…なんちゃって (下) [あいうえおーすとらりあ]

(上)で作ったエスプレッソに、蒸気で温めたミルクをそそいで基本メニューを作っていきます(3枚目の写真)。このスチームミルクがまた、なかなか難しいんですね。

エスプレッソマシンの横にスチームが噴出す棒がついています。ミルクをピッチャーに入れ、そこにこの棒を突っ込んで蒸気を出すんですが、この時に温度計を必ずセットしなければなりません。適温は65度~75度。60度未満だとぬるすぎるし、80度を超えてしまうとミルクが焦げ臭くなるのです。

本物のバリスタの中には、これを手と音だけで判断する人がいます。ミルクが泡立ってくると音が変わるんですね。しかーし!人間が感じる温度は、プロといえども一定ではありません。なので、本物中の本物は、やっぱりきちんと温度計を使います。スチームミルクは、上が泡、下がミルクです。泡のきめ細かさが腕の見せ所です。

ミルクは傷みやすいので、スチームした後、棒をかならずきれいに拭かなければなりません。

準備ができたら、これをエスプレッソに注ぎます。いろんな種類を同時に作るときは、以下の順番でやるとミルクが無駄になりません。

1、カプチーノ…泡がどばどば入るように、気合をいれて一気に注ぎます。細かい泡の弾力であふれる心配はないので、えいやっ!とやってしまうことが重要です。もしあふれても拭けばいいだけで、泡が無いよりはましです。最後にチョコパウダーをふりかけます。私はシナモンのほうが好きです。

2、カフェ・ラテ…オーストラリアでは耐熱グラスを使ってました。きちんとできているかどうかを客に見せるためだそうです。始めは泡が入らないように静かに6割ほど注ぎます。残り4割は泡が入るように一気に注ぎます。最終的に、泡が3センチぐらいになれば成功。本物のバリスタでも、カフェ・ラテが一番難しいそうです。

3、フラット・ホワイト泡が入らないように静かに注ぎます。一番簡単です。

4、マキアート…これも”見せる”ためにグラスを使います。スプーンでミルクをすくい、エスプレッソの中心に静かに注ぎます。美的センスが問われます(大げさ)。

ここからさらに応用していくんですね。ミルクにあらかじめチョコパウダーを入れてスチームしたものをカフェ・ラテの要領で注ぐと「カフェ・モカ」。コーヒーの香りや風味がチョコで完全に打ち消されるので、邪道だ!という人もいますが、ほっとした甘さがほしいときに向いてます。マキアートにキャラメルシロップを注ぐと「キャラメル・マキアート」、そのまんまです。普通サイズのエスプレッソ=ショートに対し、倍量のエスプレッソ=ロングもあります。強烈です。

LAVAZZAで資格をもらうには、コーヒー豆や焙煎方法などの座学と実技の講習を受け、それぞれのテストをクリアする必要があります。実技テストは、エスプレッソ、カプチーノ、カフェ・ラテ、フラット・ホワイトを、1回分のスチームミルクで過不足なく作る、というものでした。

留学生20人で一緒に講習を受けていたのですが、最後の実技テストで、自他共に認める不器用な私がなんと最優秀賞に輝きました(自慢)。おいしいコーヒーは、手先の器用さよりも、きちんとした知識と作業の丁寧さが重要だと思います。景品はLAVAZZA製のマキアートグラス(ペア)と、コーヒー豆のセットでした。飛行機の中でグラスの一つはふちが欠けてしまったのが残念でしたが、物より思い出。

バリスタは世界大会もあり、日本人が上位入賞(優勝?)したりもしてます。一緒に講習を受けた中には、バリスタになりたくてオーストラリア留学を決意した女性もいました。優秀なバリスタはオーストラリア全土で引く手あまたです。(おわり)

(おまけ)
ペーパードリップは豆からでる油分をこしとってしまうので、アメリカンのような薄いコーヒーには向きますが、エスプレッソは作れません。

カフェ・オ・レはフランス語。ドリップ、サイフォンなどで入れたコーヒーとミルクを1:1の割合で注いで作ります。カフェ・ラテとは別物です。


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シカオ

『ドリップ、サイフォンなどで入れたコーヒーとミルクを1:1の割合で注いで作ります』=スタバだと、カフェミストっていいますね。

実は気まぐれで、数年前スタバでバイトしてました(笑)
バリスタの手前でやめてしまったのですが。
牛乳、大嫌いで飲めないのですが、スチームミルクは泡のあるうちは飲めたりしました。
なべで沸かしたミルクとスチームしたミルク、なぜあんなに違うの?
って言うくらい、スチームミルクは甘くなりますよね。

今でもよく行きますよ。スタバ。
でも、やっぱり手動で、豆の滓を「タンターン!」て棄ててるところに行きます(笑)
by シカオ (2008-04-17 22:32) 

rio

>シカオさん、数年前のスタバと言えば、日本でブームを巻き起こしていた真っただ中。その中でバイトされてたわけですね!

豆のかすを「タンターン!」って、あれ、楽しいですよね。うまくできたあとなんか、へっへー♪みたいな感じで。

全自動のドトールはあたりはずれがありませんが、スタバは店によって、店員によって、味が違いますよね。スタバの「あたり」の時は、なんでアメリカ資本なんだろうと思うぐらいおいしいと思います。

ミルクですが、鍋でわかすと鍋底や鍋肌に接しているところはこげるほどあつくても真ん中がぬるいってことになりますよね。かきまぜるとこげ味が広がるし、真ん中だけ使うってわけにもいかないし、ということで、鍋で温めるのはだめなんだそうです。

ホーローの鍋をつかって弱火でじっくりかきまぜながら温めるマシかも、と思ったりもするんですが、時間がものすごくかかるし、ミルクの水分が飛んでしまってやっぱりスチームミルクよりは落ちるかもしれません。
by rio (2008-04-18 02:04) 

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