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留学保険、ムダにとられてなるものか [あいうえおーすとらりあ]

大手保険会社の「保険料不払い問題」に続き、「保険料取りすぎ問題」もニュースになってますね。端的に言えば、前者は支払うべき保険料を支払っていなかった”事件”で、後者は実態に合わない(=ムダな)保険商品(主に火災保険)を売っていた”問題”です。

いずれも原因は「申告主義」です。客が申告してこなかったら保険料を払わない、あるいは、客が申告した内容を確認しないままムダな保険商品を売る。約款がとても複雑で、しかも老眼の人には絶対読めないような細かい字で書いてある(←意図的か?)ので、気づかないまま損をしている人がたくさんいると思います。

でも、世の中には(私のように)約款を読むことがまったく苦にならず、しかも「保険に1円でもムダなカネをかけてなるものか」という強い決意を抱いている人間もいるわけです。たとえどんなに数字に弱くても。

※以下は記憶を頼りに書いているので、細かい点では不正確かもしれません。

そこで留学保険の話なんですが、私はオーストラリアへの渡航前に、東京海上日動で海外留学保険に入りました。保険期間は1年間で、保険料は約3万5千円(学生ビザ)。これ、実際に留学された方ならお分かりだと思うんですが、各保険会社が出している固定プラン(1年間モノ)の約4分の1の金額なんですね。なんでこんなに安くできたのか。

結論から言うと、保険会社が出している固定プランではなく、完全フリープランで保険を組んだからです。それができるのが東京海上日動だったんですね。

そのためにはまず、必要な保険を整理しなければいけません。

私は海外留学の手続きに際して、オーストラリアに事務所を構えている日本の無料エージェントを利用しました。ネットで検索すればいくらでも出てきます。お勧めはこちらです。もう一つ上げるとすれば、ここも悪くないと思います。無料エージェントは、学校への入学手続きやビザ申請の手伝いはしてくれますが、保険などは自分で手配することになります。これがいいんですね。

余談ですが、日本に事務所を構えている日本の有料エージェントを使うと、手数料なのか何なのかよく分からないカネを10万~20万円、あるいはそれ以上とられますさらに、たいていのエージェントは留学パックみたいなのを作っていて、あらかじめ保険が組み込まれています。当然、保険会社の言いなりの内容です。なので、無料エージェントと比べると、トータルで50万円前後(1年間)も費用が違ってきます(ひどいところはそれ以上)。

閑話休題。送られてきた資料を読んで、オーストラリアの学生ビザは豪政府の医療保険の加入が義務付けられていることを知りました(←額は忘れましたが、安かった)。都市部でケガや病気になって医者にかかった場合(歯医者を除く)は、8割まで保険がきくというんですね。「都市部」ってのがミソで、砂漠の真ん中で行き倒れてフライングドクターのお世話になったら保険はおりません(笑)。でも留学をする場合はほとんど「都市部」にいますよね。アドベンチャーな旅をする時には、オーストラリアで現地の旅行保険に入ればいいわけです。というわけで、傷病治療関係傷害と疾病に分かれる)は一番安いものに決定。

次は死亡関係です。死んでからカネがどかどか入っても仕方がないですし、火葬してから日本に運んでもらえば費用もほとんどかかりません。さらに、傷害で死ぬことはあるかもしれないけど、法定伝染病にでもかからない限り疾病で死ぬことはない(法定伝染病なら国がなんとかしてくれるだろうし)という読みで、死亡関係は傷害死亡のみ一番安いものに決定。

傷病になった場合に日本から親族を呼ぶ「救援者費用」ってのもあったんですね。ちょっと迷いましたが、お骨を持って返ってもらうことになったらカネがかかるので、これも一番安いものに決めました。

次に、損保関連です。具体的には、ホームステイやシェアルームの賠償責任保険(火事や器物破損など)と、携行品損害保障(破損・盗難)の2つです。傷病関係より保険料が高いのにびっくりしました。が、さすがに必要だと思ったので、賠償責任は一番安いもの、携行品損保は、持ち物のうちで一番高かったノートパソコンをカバーできる保障額に決めました。現地で買ったものについての保険もありましたが、そんなものはクレジットカードの保険で充分(そもそも、そんなに物を買わないし)。

あとはノーオプション。ここまで決めてから東京海上日動に電話すると、「完全フリープランは直営店の窓口対応のみとなる」とのこと。傲慢ですねー。「言いなりプランを飲めないなら会社まで来やがれ!」ってことです(←言いすぎ)。でもまあ、仕方がないので電車賃を払ってわざわざ出向きました。

対応に出てきたのは私と同世代の若手社員(当時)。見たこともない分厚い資料を広げてマニュアルトークをしようとするので「プランは考えてきましたから」と制し、事前に作ったメモを見ながら一つ一つ説明してもらった上で、「じゃ、それはいりません」「はい、それもいりません」と消していきました。その話の流れで「もっと安いものは無いか」とせっついたところ、言えばやっぱりあるんですねー。損保関連で「これは店頭には出してないんですが…」と。店頭と言ったってスペースが必要なわけではなく、ネットとパンフレットに載せておけばいい話なのに。「なんで出してないのか」と尋ねると、「利用者が少ないから」との答え。出してないから少ないんだろうが!

と、そんなところで怒っても仕方ないので、ああそうですかと流し、もちろん安いほうを選んで、要求どおりの内容で試算してもらいました。結果が約3万5千円/1年間。留学保険は半年の次が1年間で、10ヶ月とかの中途半端なのはできないんだそうです。その時点で学校は半年しか申し込んでおらず、7ヶ月ぐらいで帰ってくる可能性もあったのでその辺のところを詰めると、「帰国後に申請があれば、残りの期間の保険料は返す」とのこと。こういうことも聞かないと言わないんですよね。

まあなんやかやで、「じゃあ、それで」とお願いした時に言った彼の一言。「レアケースなので上司の決裁が必要なんです」。結局、その場で完結せず、彼が上司の決裁をもらった後に郵送で契約書を送る、という二度手間になってしまったのでした。「レアケース」と言っても、私は自分に不要なものを削っただけ。日本の保険業界では、それが上司の決裁が必要なぐらいに特殊な状況なんでしょうか。

それでも自分で考えた通りの保険が組めたことには満足でした。彼の対応も悪いわけでは無かったし、東京海上日動そのものには何の不満もありません。ただ、保険料をムダに支払わないために客がここまでしなければならないという状況は、ちょっとおかしいんじゃないかと思います。

この話には後日談があります。ある夜、シドニーで車道を横切っている途中、ちょうど真ん中あたりで、肩掛けカバンのヒモが突然切れたんですね。あ!と思ったときには地面に落ちていて、しかもそこへ猛スピードで車が!とっさにカバンを見捨てて自分だけ車道を渡りきりました。その結果、カバンは私の身代わりになってはねとばされ(泣)、車はそのまま逃走…。横断歩道の無いところを渡っていた私が悪いのですが。

中には小さいデジカメと電子辞書が。デジカメは年季モノで買い替えを予定していたのですが、電子辞書は留学のために買ったばかりで。すぐさま修理に出して(送料はメーカー負担)、請求額が約1万5千円。これ、「携行品損害」なんですねえ。なので、東京海上日動に請求したら、テキパキとした感じの良い対応で、全額きちんとおりました。保険料3万5千円で、1万5千円の修理費が保障されたんだからこれは上出来じゃないでしょうか。これが12~13万円も支払っての1万5千円だったら、保険のありがたみを感じることはなかったかも。

顧客(消費者)をないがしろにした事件が続く日本ですが、顧客の側も、言いなりになってたまるものか!という気構えを持つことが大切だと思います。為せば成ります。


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ERI

この度米国留学することになり、学校指定の保険の他にも入る様にいわれましたが、費用が高く、悩んでおりましたが、こちらのブログが大変参考になりました。
私も東京海上日動にしたいと思います。貴重な情報ありがとうございました。
by ERI (2014-04-10 22:52) 

rio

>ERIさん、コメントありがとうございます。

いまさらのお返事ですみません。古い記事でどこまでお役に立てたかわかりませんが、留学生活を満喫されることをお祈りしております。
by rio (2014-08-21 00:15) 

かい

今年からイギリスに一年ちょい留学するものです。こちらの保険情報、大変参考になりました、わたしも保険に何十万もかけたくなくて悩んでいました。本当に役立つ情報ありがとうございます。私も早速必要な保険を考えて東京海上日動に連絡したいとおもっています。

もし、まだこちらのコメントご覧になっているのであれば

〉損保関連で「これは店頭には出してない
〉んですが…」と…

の記述のところですが、どういう名前の商品(もしくはサービス)だったか教えていただくことは可能でしょうか。


すみません、差し支えなければ教えていただけたら幸いです。
by かい (2015-06-02 14:03) 

rio

>かいさん、こんなに遅いお返事で平に平にご容赦を。。。今でも間に合いますでしょうか。

商品名は記憶がさだかではないのですが、たしか、なんちゃらパック、うんちゃらセット、のように呼びやすい名前はついていなかった気がします。さすが店頭に出していないだけあって堅苦しい内部的な名称で、それで記事を書いた時点でも覚えていなかったのではないかと。

ただ、もう10年近く前のことですからお役に立てるかどうか。。。
by rio (2015-08-24 22:30) 

Gianluigi

私もオーストラリアへの大学院留学する予定の者です。
素晴らしい情報をありがとうございます。
「完全フリープラン」ってまだあるものでしょうか。

保険業界って本当に不親切なもので、ネットで調べても簡単には出てきませんで…。

10年前とのことで、今は対応していない可能性もありそうでですね…。

もしかすると徒労に終わるかもしれませんが、明日とりあえず東京海上日動の福岡支店に行ってみます。

またご報告します。
by Gianluigi (2015-09-10 22:12) 

rio

>Gianluigiさん、コメントありがとうございます。プランの名称は変わっているかもしれませんが、補償内容をすべて選択できるプランはあるみたいですね。

10年前とちがって今はネット販売の保険も充実していますし、代理店特約みたいな形で直営の支店と同じ商品を扱っているところもあるようですね。

いずれにしても保険業界には「便利なパッケージならこれ、安く整えたいならこれ」というような顧客目線での対応は望めないので、こちらがよく調べて質問をぶつけていくしかなさそうですね。

がんばってください!
by rio (2015-09-11 00:27) 

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