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バラク・オバマさんは黒人か? [けっこう気になる]

タイガー・ウッズさんは黒人か?でもいいんですが。「読んでるブログ」あまのさんのところで取り上げられていたので、ちょっと考えてみたくなりました。あまのさんの記事はあくまできっかけで、この記事と直接関係しているわけではないので、あしからず。

日本人同士の会話の中では、オバマさんは「黒人」だと思います。オバマさんのお母さんは白人ですが、オバマさんは白人には見えません。アジア人でもないので、じゃあ黒人だよね、っていう感覚。

ざっくり言えば、日本人にとって、肌の色が黒い人はみんな黒人。白い人は白人。黒くも白くもない人はアジア人。言葉は必要性に応じて増えたり減ったりするのが基本ですから、日本社会の中では、こうしたおおざっぱな分け方しか必要なかった、ってことなんだと思います。

ただ、日本人が「黒人」と呼ぶ人種には、アフリカ系だけでなく、インド系、アラブ系、南米系、南太平洋系など、いろいろな系統が含まれています。外国人と話すときには、これが、難しいことになってくるんですねえ。。。

私の体験談を少し。

シドニーで出会った肌の黒いブラジル人の女性は、「Black」と呼ばれることを嫌っていて、
「Afro-Brazilian」(=African Brazilian、アフリカ系ブラジル人)と呼んでほしいと言ってました。「Black」に差別的な響きを感じてしまうからだそうです。

なるほど了解、と納得して、ある時。

肌の黒いアメリカ人男性と話していて、「Afro-American」を使ってみました。するとその男性に、「俺、アフリカ系ちゃうでっ!」と言われました。実は彼、「南太平洋諸島にルーツを持つ黒人」だったんですね。「じゃあ、何て表現したらええの?」と尋ねたところ、「Black」という答えでした。

もう一人、別のアメリカ人男性と話していたときのこと。彼の肌の色は、日本人から見るとどう見ても「黒人」でした。が、私も知恵がついてきたので、「Black」とも「Afro-American」とも決めつけずに、率直に聞いてみました。

彼いわく、いままで「Afro-American」だと言われたことも、「Black」だと自分で思ったこともない、とのこと。というのも、彼の英語は「スペイン語訛りのアメリカ英語」なんですね(←私は、いまいちよくわかりませんが)。つまり彼は、英語圏の人と話している限り、発音・アクセント・言葉遣いで南米系アメリカ人ってことが分かるので、アフリカ系に間違えられることはないのだそうです。また、「Black」というとアフリカ系のイメージがあるので、自分はあてはまらない、とのこと。

ややこしい。っていうか、無理。みんな言ってることが違うし。わからない。できない(T。T)

ただ一つ、よくわかったのは、日本人の感覚でいう「黒人」の中には、少なからず、「”Black”って言葉でひとくくりにすんなよっ!」と思っている人たちがいる、ってこと。そして、そういう人たちは、自分のルーツにこだわりがあるのでそう考えている、ということでした。

↑京都人が「うちらを関西人やいうてひとくくりにせんといておくれやす」と主張するのと似てますね。似てないかな?似てますよね?

そのあたりに気を配るとなると、

日本人同士の会話の中で、オバマさんを「黒人」と表現することは”あり”だが、
オバマさんと直接話す場合は、彼の自己認識を尊重して「Black」ではなく、
「Afro-American」を使うべき。


という結論になります。一生のうちにオバマさんと話す機会があるのか?という難問が残りますが、私はとりあえず、こんな形で運用しています。


余談ですが、「混血」という言葉にも同じようなことがいえます。日本では少し前から、「混血」はほとんどつかわれないですね。字のイメージがえぐいからかな。

代わりに「ハーフ」という英語を使っていると思います。でも、両親の人種や国籍が違う人たちの中には、「ハーフ(半分)ではなく、ミックス(mixed)だ!」と主張する人もいます。「ハーフ」や「ミックス」という言葉を使いたくない、という人もいます。そういう人は、「父が○○で母が○○」と表現します。

結局、相手がどう受け取るか、なんですよね。なので、マニュアル化や、「こうすべき」といった強制ができるタイプの問題ではないんだと思います。

15年ぐらい前に、アメリカで表現の「政治的な正さ」(Political Correctness)を追求する運動が巻き起こったことがあります。当事者のだれもが傷つかない言葉を選んで使う、というこの運動の中で、Afro-Americanやmixedなどの表現が使われ始め、定着したのだと記憶しています(違っていたらごめんなさい)。

ただ、この”PC”は言葉狩りの側面も強く、批判や反動も大きかったようです。”PC”のばかばかしさをパロディにしたそのものずばりの名前の童話集も出版されています。↓

政治的に正しいおとぎ話

政治的に正しいおとぎ話

  • 作者: ジェームズ・フィン ガーナー
  • 出版社/メーカー: ディーエイチシー
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: 単行本

政治的にもっと正しいおとぎ話

政治的にもっと正しいおとぎ話

  • 作者: ジェームズ・フィン ガーナー
  • 出版社/メーカー: DHC
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 単行本






    『赤ずきんちゃん』など、よく知られた童話を、”政治的に正しく”表現するとこうなるよ、という本。童話なので、すぐ読めます。訳文はたしか、デーブ・スペクターだったと思います。かなり笑えます。興味のある方はぜひ。きっと図書館にもあるはずです。

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コメント 3

KGB

よく私も「大阪と和歌山のミックスだ」と言ったり言わなかったりします(謎)

日本にも関西人、どさんこ、九州男児みたいな「地域性」がありますけど、おそらく外国の方には全く分からないでしょうね。もっと言えば、黄色人種の東アジアの人々は総じて「Asian」になるか、「Yellow」になるかのどっちかかと。

そういや、バレーのブロードの名称が「Korea」だったり「China」だったりする訳で。でも日本人ってアジア人っていう感覚、持ってるのかなぁ…。
by KGB (2008-12-10 18:11) 

rio

>KGBさん、きつねうどんに梅干、お好み焼きにオレンジジュース、ということでしょうか(謎)

口語では、BlackやWhiteが使われることはよくあります。でもなぜか、Yellowだけは使いません。かなり差別的なひびきがあるのと、Asianという便利な言葉があるからなんでしょうね。

日本国内に住んでいるとアジア人という感覚はありませんが、非アジア地域に住むと、アジア人だなあと感じることがたくさんあると思います。

群れで行動する、群れになると行動力が鈍る、歩くのが遅い、おしゃれの平均値が高い…などなど、いろいろありますが、いちばんはっきりするのは、これ↓です。

アジア人は長時間、う○こ座りができる。

ヤンキー座りともいいますが、欧米人は、練習しないと長時間できるようにはなりません(短時間でもできない人も)。やったことないから、できないんですね。ウソのようなホントの話です。

というわけで、これからは、う○こ座りをするたびに、アジア人を実感してください。
by rio (2008-12-11 15:39) 

rio

>KGBさん、きつねうどんに梅干、お好み焼きにオレンジジュース、ということでしょうか(謎)

口語では、BlackやWhiteが使われることはよくあります。でもなぜか、Yellowだけは使いません。かなり差別的なひびきがあるのと、Asianという便利な言葉があるからなんでしょうね。

日本国内に住んでいるとアジア人という感覚はありませんが、非アジア地域に住むと、アジア人だなあと感じることがたくさんあると思います。

群れで行動する、群れになると行動力が鈍る、歩くのが遅い、おしゃれの平均値が高い…などなど、いろいろありますが、いちばんはっきりするのは、これ↓です。

アジア人は長時間、う○こ座りができる。

ヤンキー座りともいいますが、欧米人は、練習しないと長時間できるようにはなりません(短時間でもできない人も)。幼児期にしかやったことないから、大人になるとできなくなるんですね。ウソのようなホントの話です。

というわけで、これからは、う○こ座りをするたびに、アジア人を実感してください。
by rio (2008-12-11 15:40) 

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