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普通のおばさんが大ブレイク/イギリス [これはいいね]

いやー、鳥肌がたちました。

いつもイジワルな目線でチェックしているtechnobahnですが、最近は”トンデモ研究”をちっとも載せてくれなくなったので、つまんねえなあと思っていたところでした。

そこへ、目に入って来たのが「ユーチューブで普通のおばさんが大人気」というニュース。発信元のイギリスでは、すでにこのおばさん、マスコミの寵児となっているのだとか。

なんで?と思った方、とにかくまずこの動画を見てください。私はもう、背筋がぞくぞくしまくりでカゼをひくかと思うぐらいびっくらこきました。

英語圏のあちこちの国では、”スター誕生”のようなオーディション番組がしょっちゅう開かれています。映画『ドリームガールズ』でビヨンセを食う歌唱力で大ブレイクしたジェニファー・ハドソンも、アメリカのアイドル発掘番組の出身者でした(彼女が映画の中で歌った『One Night Only』は心を揺さぶられまくりでした)。

この手の番組はすべて同じスタイルで、女性審査員が真ん中、両脇は男性審査員。バックは観衆。その前でパフォーマンスを披露し、99%の挑戦者が審査員からぼろかすに言われる(rio調べ)ところを見どころにしています。

おばさんが登場したのは、イギリスのオーディション番組『Britain's Got Talent』の第3シリーズで、4月11日に放送されたばかりだそうです。

名前はスーザン・ボイル。アマチュアシンガーおよび教会のボランティアで、元自治体職員。独身。

登場するなり、会場からは失笑が漏れています。審査員(サイモン・コウウェル)の質問は明らかにやる気がなく、年齢の聞き方も露骨。スーザンが「47歳」と答えた直後に会場はまたもや失笑。「年齢なんて私の一部に過ぎないわ(That's just one side of me)と明るく切り返したスーザンの様子を、舞台袖の司会者2人までが小バカにするという…。

審査員に夢を聞かれたスーザンは、「シンガーになること」「目標はエレイン・ペイジ(←ミュージカル『キャッツ』「メモリー」を歌った人)と答えますが、そのたびに会場は苦笑、審査員はあきれ顔。演目を聞かれて、「(ミュージカル)レ・ミゼラブルの中の『I Dreamed a Dream』」と答えると、余りの難しい選曲に、ついに審査員まで失笑してしまいます。

もちろん、↑これらはすべて”演出”です(たぶん、いや、きっと)。テレビ局はそれなりに調査して、99%のぼろかす組と、1%のTalent(才能)を見つけてきているのです。

でも、ジェニファー・ハドソンがオーディション番組「アメリカン・アイドル」では7位に終わったように、日本と違って、歌唱力がなければ絶対にデビューできません。たとえ1%枠のTalentでも、その場で実力を発揮できなければ、ぼろかすに言われる厳しさがあります。

ところが、スーザンが歌い始めた途端、審査員も含めて会場中が鳥肌(たぶん、いや、きっと)。歌い終えてとっとと退場しようとするスーザンを慌てて呼びとめ、「歌う前はみんながあなたのことを笑っていた。でもいまは、誰一人として笑う人はいない。すばらしかった!」(←金髪のおねえさん)などとほめたたえたのです。

スーザンは満場一致で勝ち抜きを決めました。きっと近いうちに、CDを出し、映画かミュージカルでデビューすることでしょう。

もうすでにウィキペディアの英語版に彼女のプロフィールなどなどがくわしくアップされていました。

簡単に要約しますと、スーザンは1961年生まれのスコットランド人で、9人兄弟姉妹の末っ子。父は工場の在庫管理、母は速記のタイプライターというごく普通の家庭で育ったそうです。審査員のひとり、サイモンが手がけるSyco music(←ソニー・ミュージック系のレーベルだそうです)と契約するとのこと。

歌が好きでコンサートを聴きによく足を運び、自分でも地元の小さな会場で歌ったりもしていたのだとか。1995年、地元のショッピングセンターで開かれたオーディションでは「緊張して」落選。そこから一念発起してボイストレーニングを始めたのだとか。

その間に父が亡くなり、兄弟姉妹はすべて実家を離れ、母も2007年に亡くなり…という、まあどこの家庭にもある紆余曲折を経て、いまは10歳の猫と暮らしているそうです。

それでもって、やっぱりというかなんというか、最後まで一緒に暮らしたこのお母さんは、ずっとスーザンを応援していて、「『Britain's Got Talent』に出なさい!」と励まし続けていたのだとか。末っ子スーザンは「そんなのまだ無理…」と思っていたそうですが、ついに決心。お母さんを亡くして以来、初めて人前で歌ったのがこのオーディションだったとのこと。

そんなわけで、今後きっと、日本のメディアでも取り上げられるようになるでしょうね。私が知らないだけで、もう取り上げられているのかも。彼女の歌が世界中でヒットしたりなんかすれば、ハリウッドが映画化に…なんてこともありそうです。

人生、何がおきるかわかりません。好きなことをコツコツ続けていれば、必ずチャンスは巡ってくる。それをつかむかスルーするかは自分次第。ということを改めて感じました。エイエイオー!


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古都の侍

こんばんは。

TBの件は了解しました。
歌う前と歌い始めた瞬間のオーディエンスの温度差と言えば、ないですねぇ。歌い終わったら、もう会場は祭り状態。
すごい、上手い。ホント、上手い。
音楽好きなんだろうなぁ、って歌っている表情が物語ってましたね。

47歳ならば、おそらくは松田聖子とかと同い年でしょうか。人生さまざまですね。

とりあえず明日からも、何とか地球の端っこを自分らしく生きていこうと思いなおしたこの記事でした。

by 古都の侍 (2009-04-20 02:22) 

夕焼け

おはようございます^^

この番組でデビューした歌手ではポール・ポッツが超有名ですね。日本でも有名です。今でもオペラ、クラッシックのジャンルではどこも「お勧めCD」として紹介されてますし。しかし実際に映像やストーリーなしで聴いてみますと、「微妙」という感想になってしまいます^^
名前はど忘れしましたが、審査員席でいつも右端に座っているプロデューサーが全ての仕掛け人でありまして、番組内容、出場者、会場演出、その後のレーベル契約までの権限を持っていたような・・・ポールポッツも歌う曲を制限されて一般にはサクセスストーリーとされてますが、ワタクシなんかは「見世物として歌わされている」という印象なんですよねぇ~「素人感」で売り出している為、歯の矯正もさせてもらえないそうな・・・

http://www.youtube.com/watch?v=QWNoiVrJDsE&feature=related

この子のビブラートなんか神レベルなんですが、デビューしてからイマイチになってしまいました・・・純粋な才能に損得勘定が絡んで困った事になってるみたいで・・・

番組としては十分面白いのですが、その後の商業的な仕掛けに「?」がついてしまうんですよねぇ~何か後ろ向きなコメントになってしまいましたが、溢れる才能を、才能の無い輩が食いちらかしている現状がちょっと悲しく感じます・・・
ん?バレーもなんか似たようなケースがあったような・・・


by 夕焼け (2009-04-20 09:17) 

夕焼け

ハハハ^^
スイマセン。プロデューサーの名前、rio殿がちゃんと書いてますね^^
そうです、そうです、サイモンコーウェルでした^^
by 夕焼け (2009-04-20 09:35) 

rio

>古都の侍さん、technobahnの記事では「1000万回」になっていたYou Tubeの閲覧件数が、今日(20日)付の読売新聞では「3000万回」に増えてました。ここ数日で2000万回もアクセスが増えたようです。

ボイルおばさん、なんかキャラも立ってる感じですし、そのうち日本のバラエティが呼んだりしそうですよね。HEYHEYとか。


by rio (2009-04-20 22:05) 

rio

>夕焼けさん、商業的な仕掛けは避けて通れないと思います。「音楽」というジャンルがそもそも、商業ベースで誕生してますから。。。

ただ、ほんとに実力がある人は、どういうスタートの仕方をしても自分の望む高みへ登っていくと思うんですね。そのときにいちばん重要になるのは、何があっても登り続ける能力だと思います。

日本でも、木山裕策が「HOME」で紅白出場まで果たしましたよね。私はこの人を深夜のオーディション番組に出てきたときから見てました。歌は確かにうまいのですが、声、身長、世代などほとんどが平井堅ともろかぶり。

どうやって売るのかなあと思ってたら、やっぱり、本人の病気と妻子もちというところを徹底的に前面に出しました。島田紳助がかなりかんでいるようですが。木山裕策にとってはここからが本番だなあという感じです。

なんか話がそれてしまいましたが、ボイルさんは47歳。マイケル・ジャクソンのようなジェットコースター人生を歩むこともないでしょうし、あのキャラを活かして楽しく歌っていってほしいです。
by rio (2009-04-20 22:32) 

夕焼け

>楽しく歌っていってほしいです。

あいや~全く仰る通りでございます~^^それが一番だと思います。

>ほんとに実力がある人は、どういうスタートの仕方をしても自分の望む高みへ登っていくと思う~

あ、rio殿もそう思う?ワタクシ時期になると膨大な数のミュージシャン志望のデモトラックを聴くんですが、コピー世代が多いせいか、技術的なもんは申し分ないんやけど、クリエイティブな部分っての?個性っての?魂みたいなもんがビンビンに感じるのが少ないんですよねぇ~
文章だってそうじゃありません?頭が良くても文才っての?やっぱセンスがないとシビれる文章は書けないだろうし。
だからこそそういう原石というか、スンゴイ才能が出てきた時は、規則でガチガチに縛り付ける事なく世に送りださないけんのかも・・・で、後は本人次第と。うん、そういうのが一番ですよねぇ~ワタクシもほんの少し身が引き締まりましたよ^^

木山祐策さんですか?調べてみるとavexに所属してるみたいで・・・しかしこの方のいるレーベルは独立していく方や他のアーティストのプロデュース、アレンジなどを手がける方が多いんですよね。シンガーソングライターというのはいつの時代もやっぱ強いですよ。何か持ってるモンがあれば必ず残っていくと思います。

スーザン・ボイルさんの動画もシビれたんですが、やっぱありきたりかも知れませんが、ワタクシはポール・ポッツのデビューが衝撃でしたねぇ^^

http://www.youtube.com/watch?v=1k08yxu57NA

初めて観た時は涙がチョチョぎれました^^



by 夕焼け (2009-04-22 08:38) 

rio

>夕焼けさん、お返事が遅れてすみません。

「技術先行」はどの分野でも同じみたいですね。小説や脚本などの分野でも聞いたことがあります。それだけでなく、いわゆる一般的なサラリーマンでも、ミスなくソツなくツマラなく仕事をする若者が増えてるのだとか。

でもきっと、↑この状態って、若者側よりも若者を選別する側の問題…というか必然なんだろうなあと思ってます。

黎明期~草創期は選ぶ側も玉石混交、なんでもありなところがあってそれが勢いになってたんだと思います。方向性が見えてないだけに、なにを選んでも「リスク」なので、リスクをとるということ自体に悲壮感がなかったんじゃないかという気がします。

でも、そうやって選別が進み、世代交代を重ねると、だんだんと粒がそろってきますよね。その”粒ぞろい世代”が選別する側に出世した時点で、なにがリスクで、なにが無難かということがはっきり見えてきます。

そうなると、人間はなかなかリスクを取れないですよね。その個人の問題もあるでしょうが、それよりも組織防衛の論理が強くなってきますから。会社でいえば、いわゆる「大企業病」の始まりです。

「個」の自立性が弱いところが日本人の大きな特徴だと思っているんですが、ここをなんとかしなければ、停滞感はなかなか払拭できないような気がします。
by rio (2009-04-29 12:13) 

古都の侍

「こんにちは」か、「こんばんは」か悩む時間帯ですね・・・
何故かギョーカイ人っぽく、「おはようございます」にしておきます。

美声おばさんのスーザン・ボイルさんの続報が出ていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090525-00000064-zdn_n-sci

Youtubeで、3000万回再生ねぇ・・・すごいですなぁ~

by 古都の侍 (2009-05-25 18:23) 

rio

>古都の侍さん、動画情報ありがとうございます。公式サイトに行ってみたんですが、重くて重くて。世界中からの注目度がすごいんでしょうね。英語というだけでこのアドバンテージ、というところにも関心してしまいました。
by rio (2009-05-25 23:50) 

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