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橋下VS週刊朝日の記事…を読む前にもう謝ってたのか。 [けっこう気になる]

大嫌いな橋下君がたいそう怒っているという話を聞き、問題の週刊朝日をわざわざ購入してさあ読もう、おっとその前に…とPCを立ち上げたら、週朝がもう謝ってました。

で、記事を読んだ感想。週朝、ばっかじゃねえの?

橋下君のルーツが被差別部落にあること、父親が暴力団員だったこと、政治手法がレベルの低いポピュリズムであること、政治信条なんてどこにもないこと、テレビ業界から飛び散ったうんこであること、などは、すでに週刊文春やら週刊新潮やらその他もろもろのメディアが書きまくったことで、特に目新しくないですね。

橋下君はそういうバッシングを利用するという“得意技”で選挙にも勝ち、新党結成にこぎつけ、ってやってきたんだから、まあお互い様。持ちつ持たれつ、と言ってもいいんじゃねえの?ぐらいに思ってました。

なのに、なんで週朝については取材拒否なのか。”バカ朝日”とかってツイッターでつぶやいてアンチ朝日を煽る、ってな、いつものパターンにならなかったのか。そこが気になったわけですよ。

で、読んでみて自分なりに納得した点。記事「ハシシタ 奴の本性」は、何の批判にもなっていないただの悪口です。しかも、橋下君の性格や政治面など“安全”な部分への悪口は地の文で書いて、被差別部落に関する部分は、取材相手にしゃべらせてカギカッコで書いてしまってる。卑怯ですな。

いくら橋下君が大嫌いな私でも、これは許せないなと感じたのはここ。「なんでもかんでも相談所 所長」と書かれた名刺を出したという90歳の老人のくだりです。

阪神ダイガースの野球帽をかぶった関西弁丸出しのおっさんは、こんな話から始めた。「橋下さんの父親は水平社あがり(被差別部落出身)で、それに比べて母親の方は純粋な人やと思う」

たったこれだけの文字数で、阪神タイガースおよびそのファン、関西弁を話す人、年配の男性、水平社、被差別部落、そして血筋があらゆる意味で”純粋”じゃない人、のすべてを差別してます。しかも、「水平社あがり」と書いたあとにわざわざ「(被差別部落出身)」って書き足してるところが最低だ。

90歳の老人が言ったことにしてるけど(←そもそも、この老人は実在するのか?とすら思ってしまった)、その発言をあえてチョイスするところが、確かに橋下君が会見で言ったとおり「恐ろしい」っす。ネット上の落書きでも、ここまで背筋が寒くなるものにはなかなかお目にかかれませんぜ。

週朝はなんでこんなメディアになってしまったんだ???山口一臣編集長(←中途入社の星…を売りにしてた人)は、まともな人だと思ってたけど…と思いつつ、お便り欄の編集長記を確認してみると、1年半も前に編集長が変わってた(笑)。河畠大四。記事の署名で見覚えがあるな。読み方わからんけど。

編集長の交代も大きな要素ではあるでしょう。でもたぶん、それだけじゃない。朝日新聞社は今回、「週朝を出している朝日新聞出版は別会社」とか卑怯な言い逃れを図りましたね。取材する立場だったらそんな言い分、絶対に認めないくせに。

それはそれとし、「別会社」ってのが今回の一件のミソなんだろうな。

朝日の出版部門が切り離されたのが2008年…だったかな。理由は新聞不況によるコスト削減。特に人件費。で、切り離したあと、本体の朝日新聞社で雇用した社員たちはそのまま籍を残して“出向”とするしかなかったのですが、その代わり、朝日新聞出版の独自採用をせっせと増やしたらしい。

その結果、出向組とプロパーとの間にものすごい給与格差(1.5~2倍?)があるって話です。もちろん、出向>プロパー、ですね(あくまでもウワサ)。そんないびつな労働環境でいいものが作れるわけはなく…でも、週刊朝日は稼ぎ頭。なんとしても売らんかな、飛ばせ飛ばせどこまでも!って感じになってしまったんだろうと想像します。(余談ですが、AERAはカネがかかりすぎて儲からんらしい。そうなのか…?)

だからって、「この連載で橋下の政治手法を検証するつもりはない」とか「初めに断って」しまって、悪口と差別で6ページも埋めてしまうなんて、正気の沙汰とは思えない(そんなものに370円も払った私も頭がおかしい、と思う)。河畠大四とかいう人はたぶん、クビだろうな。

さらにさらに嫌なのは、この一件で“被害者”になってしまった橋下君が、またきっとその逆バネを利用する“得意技”に走るだろうと予想されること。発端がなんであれ、メディアに露出すればするほど橋下君ペースだからね。橋下君を叩くつもりで書いた記事が、不気味なことに橋下君の栄養となり、偶像がさらに肥大化して、気づいたら“物言えば唇寒し”になっていくわけだ。それこそが、ほんとにほんっとに恐ろしいことなのに。

被差別部落出身の政治家を描いたノンフィクションとしては、魚住昭の『野中広務 差別と権力』が有名ですよね。出自を調べ上げ、そこから培われた政治手法・政治信条を考察した名著だと思います(野中の思いはひとまず脇に置いて、読み物として優れているということです)。

なんで週朝はそんなふうに考察できなかったのか…あ、「この連載で橋下の政治手法を検証するつもりはない」って最初に言い切ってたからかー。そこ、読んだのに忘れてた。うっかりうっかり…って、なるかーい!

悪口しか書けないなら、せめて、読んで盛り上がれる“悪口”にしてください。それもできないなら…370円、返してくださいm(_ _)m


(おまけ)
『野中広務 差別と権力』には、麻生太郎が「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」と言った、と書かれてます。発言の真偽をめぐってもめたようですが、麻生が筆者の魚住や発言元の野中を訴えなかったところをみると、ほんとなんでしょう。

で、その麻生太郎は、おなかが痛くなって総理をやめたのになぜか返り咲きを狙っている安倍晋三のマブダチなんですよね。っていうか、麻生ママと安倍ママがママ友で、息子たちはそれぞれマザコン、っていう関係性なんだとか。で、安倍ママはことあるごとに、「晋ちゃん、何かあったら麻生のぼっちゃまに相談するのよ」と言っていたとかなんとか。ってな話が、何年か前に週刊誌に載ってたことを思い出しました。

だから、安倍君は橋下君と組まなかったんだね。うん、謎はすべて解けた。(ほんまか)
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ナスカ

わーい♪久しぶりの政治ネタだー\(^ー^)/ おバカな私に教えてください。今回は何故、橋下くんVS朝日新聞社の構図になっているんですか?橋下くんVS佐野氏ではなく。単行本ではなく週刊誌の連載だからっていう単純な事ではないんですよね? 18日の報ステでは一切この件には触れず、19日はちらっと古館がしゃべった程度。『DNAってとこから間違ってる』とかなんとか。報ステにゲストで佐野氏出た時は持ち上げてた感もあったのに、都合悪くなるとソッポ向くマスコミ怖ーい。 こちらの地域では部落・同和問題ってあまり聞くことないので、よくわかりません。ただネット等で見る限りでは、とても怖いって印象です。選挙区では維新から候補者って話は聞かないので、民主VS生活が第一VS自民だと思われます。←住んでるとこバレちゃう
by ナスカ (2012-10-20 00:47) 

rio

>ナスカさん、橋下君のプラスになりそうなことなんて一言も発したくないのに…朝日があまりにもアホ過ぎて書いてしまいました。

佐野ではなく朝日を標的にしたところが、橋下の法律家としての発想なんだと思ってます。表現の自由は最大限許容する、ただし、それを世間に流布させるかどうかの判断については厳しく追及する、という。

つまり、佐野が何を書こうと勝手だけれど、それを載せた朝日が許せない、という図式化ですね。

この裏には当然、朝日を叩くことで極右系の支持を回復し、総選挙につなげようとの狙いがあると思われます。そういうタイプの政治家だということが明らかなのに、相手の思うツボに自分からはまりに行った朝日は…アホだという言葉しか思いつきません。。。

また、今回の連載は、「佐野眞一+本誌取材班」となってます。取材班は記者2人。佐野眞一いわく、これは朝日新聞出版との“共同作品”だそうです。

佐野はあくまでフリーライターであり、編集権を持っているのは週朝、そのトップは河畠大四ですよね。なので、訴訟を考えた場合、トカゲのシッポ切りで終わるフリーライターを狙うより、メディアそのものを狙ったほうが効果が高い、ということもあると思います。

被差別部落と闘ってきた組織にも派閥があります。“怖い”という印象を世間に広めてしまったのは、部落解放同盟の糾弾闘争ですね。差別した人間のもとへ集団で押しかけ、徹底的に追及して二度と差別をしないと誓わせる、という手法です。

これには、「部落差別が“当たり前”だった時代には一定の効果があった」という見方があります。一方、「“怖いから黙るだけ”という状況を生み、根本的な解決をより難しくした」という批判もあります。私はどっちも正解だと思ってます。この糾弾闘争が次第にエスカレート=リンチ化し、各地で監禁・傷害事件を引き起こしたことが“怖い”イメージとして定着してしまってますね。

一方、“寝た子を起こすな”論というのがあって、私の理解では、自民党系・共産党系の団体はこっちの立場に寄っていたと思います(違ってたらすみません)。そっとしておけば次第に忘れられていくor部落?だから何?という時代がくるから、というスタンスですね。

これにも賛否両論あります。感覚的に言うと、被差別部落問題=関西特有の問題、と思ってしまう人が多いのは、“寝た子を起こすな”論の影響だと思ってます。(実際には、被差別部落は全国津々浦々、どこにでもありました。天皇制と密接に結びついた社会構造のため、関西に“多い”というのは事実ですが)。

とかなんとか言う話はさておき、東京には“東京維新の会”という支店があるそうです(←最近知った)。で、そこに所属する議員(都議?)が、「いまの日本国憲法は“無効”だ!明治憲法こそが“有効”である!」との主張を議会に出そうとしたとかなんとか聞きました。

橋下君が一喝して引っ込めさせたそうですが。なかなか香ばしいメンツで政党を作ったんだなあ…と秋晴れの空を見上げてしまいました。鼻くそほじりながら。
by rio (2012-10-20 10:23) 

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