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Vリーグ男子:さあ面白くなってきた!――1周目終了で大混戦 [バレーボール]

Vリーグ男子1周目は、豊田合成が無駄のない&隙のないブロックとレシーブの連係で全勝、あとはほぼ横一線、というかなり面白い展開になってきました!今日の東京開催の試合で、サントリーがまさかの阿部の乱調に苦しみつつもFCをくだして踏みとどまったのですね。一方、3勝3敗対決だった堺と東レは、フルセットに引きずり込もうとする堺の粘りを東レが必死に振りほどいて3位に浮上。いずれも、それぞれの選手たちのメンタルになかなかのインパクトを残したのではないかと思います。

東京会場の第1試合はサントリーvsFC東京。FCは立ち上がりからチーム全体のリズムがおかしく、第1セットだけでも、奥村のブロードに絡めた攻撃がサインミス?で打てない(2回も!)、完全アウトのサーブをリベロが触ってしまうなど、それをやったら勝つものも勝てなくなるでしょうという凡ミスを連発。東京だけどサントリーのホームゲームだし柳田くんキャーッ!!!な謎の雰囲気にのまれたか。

FCも仕掛けてはいたんですよね。いつも通り奥村のブロード攻撃を早い段階で見せておいて、中盤以降で奥村にBクイックを打たせたり、ブロード攻撃をおとりにした手塚のライトバックアタックを狙ったり、と。ただ、それが凡ミスで゛流れ”にならず、うしろからついていく展開になってサーブが弱くなり簡単にサイドアウトを取られて……という悪循環。 第3セット序盤では、8点目までに6人中5人がサーブをミスるという前代未聞の失態を見せてしまったのでした。フルセット続きだった1周目前半で勝ちを拾えず心が折れかかっているのか、昨日の東レ戦に続きぱっとしない試合運びでした。

一方のサントリーは、サーブで奥村や前衛サイドを狙って攻撃を分断する作戦……なのですが、サーブが入らなかったり緩すぎたりでいまいち。阿部がショートサーブで奥村に取らせる作戦は、奥村が自分でとってBクイックを決めてきたのでこれまた不発。さらに、阿部がアンダーの2段トスをミスったり、ツーアタックをネットにかけたり、胸元にとんできた2球目の処理をミスってボールがネットに刺さったり(そして阿部、キレる)などなど、とにかく乱調で、先行していても波にはぜんぜん乗れていなかったのでした。

そんな両チームだったのでずっと低いレベルで競り合いつつ、各セットでFCが決定的なミスしたのでした。第1セットではサントリー21-FC19の場面で奥村のブロード/手塚のライトバックアタックのサインミス、第2セットでは13-12で同点のチャンスに手塚がバックアタックをミス、第3セットは12-15とリードしている場面から、鈴木がクイックをアウトにするミス2回、タッチネット1回で同点に。坂本監督のコメント「チャンスを生かすことができなかった」に深い苦悩を感じてしまうのでした。

そして第2試合は東レvs堺。前日に快勝している堺が、第1セット序盤からいきなりニコラをシャットアウト、石島出来田スイッチで出来田のサイド攻撃、ペピチのサービスエースなどやりたい放題……と書きたいところなのですが、全然そんなことなかったんですね。文字にすると堺が大暴れしているようですが、堺の選手たちは全然余裕がなく、むしろ東レのちょこまかした低いバレーにまきこまれて焦ってる、という感じでした。

堺がそうなった理由はたぶん、サーブが弱かったからではないかと。東レは堺の強力サーブをかなり警戒していて、ペピチのサーブのときにはニコラまでサーブレシーブに参加させ、4枚体制にしていたほどでした。一方、堺は東レのちょこまかを抑えるために(たぶん)前衛サイドを狙うサーブを打っていたんだと思いますが、このコントロールサーブが東レにとっては好都合だったのかも。

これが第2セットになると、堺のサーブ自体が入らなくなってしまったのですね。私のメモが正しければ、佐川・石島・ペピチが2回ずつ、松本と2枚替えで入った松岡が1回ずつ計8本。さらに、千々木は前衛に石島・出来田・ペピチが並ぶ強いローテでサーブを打つのですが、これがなんとも弱気な入れとけサーブで。。。これまでの試合で、千々木が強いサーブを打てているときはたいていそのセットを取ってるんですよね。逆に、ミスったり入れにいったりしているときはダメです。歯がゆいですな。。。

もう1つ、堺がやろうとしてなかなかできなかったことがありました。ニコラ対策ですね。ニコラのライト攻撃、特にバックアタックに対しては、ストレートをしっかり締め、クロスに打たせて拾う作戦だったと思います。ニコラはクロスに打つときにコート中央を辺りを狙い、サイドラインやエンドラインまで長く打ったりインナーに打ちおろしたりしない傾向があると思うのですね。なので、あげるのはそれほど難しくないと思うのです。

でも、上がらない。腕にあたるけどつながらない。もしくは、つながっても返すだけで攻撃にはならない。これまた歯がゆい展開でした。ニコラのコースを守っているのは主にペピチで、彼がなんとか真上にでも上げてくれればよいのですが、大きくはじいてしまったり手が届かなかったり。。。

ただ、こうしたサーブやレシーブの修正をしてくるのが今季の堺です。転んでもただでは起きない。第3セットに入るとサーブの威力が戻ってきて、その結果、東レちょこまか加減が弱まり、堺の流れに。10-11の場面ではついにニコラのバックアタックを上げ、石島が決め同点に追いついたのでした。

東レはすぐにタイムアウトを取り、明けた最初のプレーでニコラにバックアタックを打たせて流れを引き戻そうとしますが、やっぱり堺はラテン系。いったん波に乗ったら異様に粘り強い。つなぎまくってラリーを続けて石島、のパターンで13-12と逆転すると、あとはリードを保ち続けてこのセットを奪ったのでした。その勢いに東レは失速気味で、サーブやアタックでミスを連発。第4セットも流れは堺かと思われたのですが……。

水を差したのは千々木でした。オーバーハンドのサーブレシーブで後ろにそらすミスに始まり、サーブミスや中途半端なアタックで足を引っ張ってしまいます。千々木はこのセットだけでなく、試合を通じてちょっとヘンだったんですね。アタックは25本打って得点6・失点3。効果率は12%です。サーブで狙われたと言ってもミス1本以外は崩されていたわけではありません。

これまでの試合でも、要所で絶対に決めてほしい場面で逃げのフェイントを打つ傾向があった千々木ですが、今日の弱気ぶりは極端でした。ブロックにあてて外に出したいのか、リバウンドを取りたいのか、ブロックの間や横を抜きたいのか、指先を狙いたいのか、なにをしたくて打っているのかよくわからない感じ。

これが最後の最後でも出てしまったのですね。第4セットは東レがずっとリードを保っていたわけですが、19-23の場面から、石島のレフト攻撃を皮切りに、ブロックやサービスエース、東レのミスもあって同点に追いついたのです。会場の雰囲気は完全に堺。私を含めて誰もがフルセットまでいくと思ったはず。

東レはこの試合であたっていたのクイックに託して24点目を先に取りました。松本がコミットでターン打ちを防ぎ、井上がクロス側でレシーブの構えだったのですが拾えなかったのですね。

そして対する堺、佐川が選択したのはまさかの千々木。この試合で唯一、まったく機能してないアタッカーを選んだのです。井上のサーブレシーブが大きく乱れ、佐川はライト側サイドまで走ってのトスアップ。前衛は千々木と松本、後衛にペピチと石島という難しい場面ではありました。

ただ、ペピチも石島も開いてたので上げることもできたはず。それでも佐川は超ロングトスで千々木に上げたのですね。そのトスがネットから離れすぎて千々木は助走ができず、ほぼスタンディングでブロックの上を越して返球してしまうという。近くに井上がいたし松本もいたので、リバウンドをとってもよかったんじゃないか、もしくは軽くあてて外に出すこともできたんじゃないかと思うのですが、なんであんなにイージーに返してしまったのか謎です。

チャンスボールをもらった東レは当然のごとくニコラのバックアタック。拾われて負けた第3セットの反省からかこれをサイドラインいっぱいの長いコースに打ち、判定はイン。東レが逃げ切ったのでした。

最終盤のこの攻防は千々木だけの責任ではありません。李のクイックを上げられなかった井上、その次のサーブレシーブをミスった井上がリベロとしてどうなの?ということもあります。佐川がなんで千々木に上げたのか?上げるならもっと精度の高いトスにできなかったのか?ということもあります。ただ、それ以上に、千々木はアタッカーとして、キャプテンとして、なにを意図してあの1本を処理したのか。そこがよくわかりません。

堺の当初のかみ合わなさ加減はだいぶ改善されてきましたが、ここで出てしまったかと。試合後、みんなが引き上げたあとも印東監督が佐川をコートに残してずっと何か話をしていたのが印象的でした。


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maki

バレー観戦、rioさんのおかげで楽しかったですよ♪
ビールを売る綺麗な方がいらしたときは3度見くらいしてしまいましたが・・・
ん?野球はみにきてませんよ、と(去年もいましたっけ?気づきませんでした)
一昨日の試合は2セット目くらいからだったかな?ぺピチが決めたときに石島選手からぐっと抱き合っていたのが印象的で。私は泣いてしまいそうでしたよ。石島選手、本当に嬉しかったんだなって(こんなんでいいんでしょうか?)
昨日の試合では最終セット終盤、苦しんだところから急にシンクロしていって。
惹きこまれました。オーロラの出現みたいにあまりにも突然で。
何が起こるのかわからないのが堺のバレーの面白さなんですかね?
by maki (2015-11-23 09:21) 

rio

>makiさん、ビールを売るおねえさん、7度見ぐらいしてしまいました(笑)。おのののかより上じゃね?とか失礼なことを思いながら。野球みたいにゆったりしたスポーツならよいのですが、バレーは飲むと目が追いつかなくなりそうですよね(^^;

昨日の東レ戦は、堺が第3セット以降いきなり息を吹き返したように見えますが、実は第1、第2セットとやっていることは大きく変わってなかったと思います。ただ、相手のスパイクやブロックへに慣れることに時間がかかったことと、サーブを強く打てなかったことでもたもたしたのだと思います。

第1セットでペピチはいきなり2本サービスエースを取っているのに、そのセットを落としたらもう心が折れてサーブが入らなくなるという(^^; 

土曜日のサントリーとの試合でも、第1セット完勝しての第2セットで、なぜかサーブが弱くなってもたつきました。で、第3セットでまたがんばるんですよね。この゛第2セットの壁”問題をなんとかせねば、苦しい試合が続くような気がします。

でもまあ、それも含めて堺っぽい。要所で堺がつないでつないで粘って決めたら会場がどっとわいて一気に堺ムードになる面白さがありますよね。野球の阪神の試合みたいにメガホン持って野次れたらもっと楽しそうなのですが(笑)、バレーファンの方々はみなさまお行儀がよいので私も隅っこでおとなしくしています。
by rio (2015-11-23 11:34) 

デイちゃん

協会は、石川がVリーグに出場すればもっと観客動員できるかも・・・と皮算用してるのかもしれませんが。

今のとこ、リオで活躍できそうな全日本候補っていますか?(男子は出場できるかわかんないけど)

柳田も思ったほどじゃないかも・・・って感じですね。チームにフィットしてないのかしら。
伏見って、207cm・118kgになってますが、体重20kgくらい減らさないとだめなんじゃないですかね。すぐ怪我しそう。

私は女子は上尾の松本に期待してたんですが、あんまり・・みたいですね。
あと久光の選手達が死んだ顔して試合してたのが気になりました。

by デイちゃん (2015-11-23 18:59) 

rio

>デイちゃんさん、石川がVリーグにきたらそのチームの試合はすごいことになりそうですね。現時点でも、いまのところ最下位のサントリーの試合が柳田効果で満席ですから。。。

ただ、こういうブームって結局、一過性ですよね。清水、福澤、八子、石島、越川などなど一通りブームになってますが、やっぱり五輪に出られないと人は去っていくわけで。

全日本候補……難しいですね。。。若手だと出来田ぐらいでしょうか。今夏のW杯に呼ばれなかった石島・越川は必要な選手だと思いますが、この2人をチームにいれて誰が統率するんだ???という、バレーとかけ離れたところでの問題が出てきそう。彼らには北京でチーム崩壊している前科がありますから。

なによりもまず、セッターとリベロが固まらなさそうだから悩ましい。。。この2つの要が決まらないとチームの形ができないですよね。

伏見は山内と同じぐらい何もできなくて、夏には山内が呼ばれたわけで、その実力(の低さ)は推して知るべし、ですね。獲得した東レが責任もってしっかり育ててほしいです。
by rio (2015-11-24 22:15) 

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