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リオ五輪・ロシア戦 やっとチームらしくなってきた。 [バレーボール]

予選第4戦のロシア戦、日本の良さが出たものの、終わってみればストレート負けという残念な結果になりました。それにしてもロシア、昔から五輪シーズンは夏でも気合が入ってましたが、今回は南半球で゛冬”だからなのか、ドーピング問題の欠場をなんとか免れたからなのか、いつにも増してものすごい気合ですね。ここまでアルゼンチンやカメルーンといった格下相手にも゛温存”なく撃破してきた流れのまま、日本戦でも気持ちを切らさず。コシェレワの笑顔がいっちゃってる感じになっててとても怖かったです。。。やっぱりおクスリを……(違)

スト負けではありますが、韓国戦のぶさいくな負け方やブラジル戦のしょうもない負け方と違って、今回はできることはやり切った上でのスト負け。ただ、伸びしろはまだまだあるはずなので、この調子でアルゼンチンにすっきりと勝って決勝トーナメントに進み、準々決勝に山場を持っていきましょう。そこで金星をあげれば、あとはトーナメントの妙。メダルまでワンチャンスあるよ、ってな感じになってくるかもしれません。

それにしても、この試合のチーム状態、2009年のシーズン末にちょっと似てませんか?選手の組み合わせをあれこれ試してしっくりくるパターンを見つけ、さあこれで練り上げていこうという段階。真鍋体制第1期は1年で離陸したのに、第2期は4年かかった。この差は何なのか、いずれ真鍋監督の振り返りを聞いてみたいです。

そんな真鍋体制第2期の゛初日”とも言えるロシア戦のスタメンローテはこちら↓

田代⇒宮下   島村⇒山口     鍋谷⇒石井

 木村      荒木       長岡⇒迫田  L佐藤
-----------------------------------------------------------------------
ゴンチャロワ ジャラジコ(MB)   コシェレワ

スチェルバ  フェティソバ(MB) コシアレンコ(S)  Lマロワ


第2期初日は、正確に言うと第2セットからですね。第1セットはまだ離陸できずもがいてました。原因は明らか。先発した田代、狙いはいいものの、トスが低い・短いだらけでアタッカーが打ち切れず、ブレイクどころかサイドアウトも取れなかったこと。佐藤がまたしてもイン/アウトの判断ミスやお見合いを連発し、セッターへの返球もクイックが使える精度にはいたっていなかったこと。守備で長岡がほぼ空気になっていたこと。この辺りでしょう。

なので、田代⇒宮下、長岡⇒迫田は妥当だと思いますが、もう1つ、鍋谷⇒石井とするあたりがつらいところですね。ブロックとレシーブの連係が悪かったりサーブレシーブでお見合いしたりしても、リベロは佐藤だけなので交代できない。サイドの交代で流れを変えようにも、選択肢が鍋谷か石井しかない。どちらも攻撃の決定力が弱く、サーブとレシーブで鍋谷、ブロックでは石井なので悩ましいという。

大会本番、予選を半分過ぎてなお選手交代のパターンを模索しないといけないチーム事情が垣間見えて、準備不足なんだなあと改めて感じました。

それでも、宮下、迫田、石井を先発させた第2セットはよかったですね。「あれだけミスして自滅していいわけねえだろ!」って声も聞こえてきそうですが、宮下が吹っ切れたように笑顔で、ぐだぐだな守備陣にもかかわらず走り回って献身的にトスを上げ続けたところがとてもよかったと思います。韓国戦、カメルーン戦がトラウマになるんじゃないかと心配でしたが、これなら大丈夫でしょう。

クイックおとりのレフトやバックセンターというパターンも、試合の中で少しずつ修正されて相手ブロックを振れるようになってなによりでした。サイドアタッカーが打ちやすいところまでトスをしっかり伸ばすとブロックがついてきてもなんとかなることが体感できたでしょうし、センター線もトスを高い位置でさばけば多少コンビがあってなくてもなんとかしてくれると実感したのでは。

だからこそ、このセットはジュースにもせず、先行逃げ切りでとってほしかったなー。日本のサーブ&ブロックの圧力がじわじわと効いていて、ロンドン組がアメリカやブラジルに勝ったときのような雰囲気になりつつあっただけにもったいなかったです。

参考までに、8月8日にあったロシアvs韓国で、韓国は第1セットを25-23で競り負けたあと、第2セットは23-25で競り勝ってます。今回の日本とよく似た試合展開で、サーブでくずし、ブロックとレシーブの連係で拾って切り返すパターン。

しかも、韓国のセッター、イ・ヒョヒはブロックがどん引きするぐらいヘタで、片方のひじが曲がったり身体がまわったり。これだけブロックがヘタな代表セッターはほかにブラジルの北京・金メダリスト=フォフォンぐらいしかいないのでは……というヘタさで、その上からばかすか打たれてましたが、それでも接戦に持ち込んで1セットはもぎとってるんですね。

なので、日本がやれないわけがない!って終わってから力んでも仕方ないのですが、伸びしろはまだまだまある、というところはしっかり確認して、1試合ごとに成長していってほしいと思います。

最後に、本日の解説=テラマワリンは好プレー/ダメプレーを1つ1つ指摘し、好プレーがなぜうまれたか、ダメプレーはどうすればよかったのか、わかりやすく解説していてとても面白かったです。特に、鍋谷がフェイントを狙ってブロックされた場面で「あれは自分でフォローしないと」という指摘、私はセンターがフォローに入れよ!と思ったのですが、確かに強豪チームの選手は自分でひょいっと上げますね。勉強になりました。

さて、予選最後のアルゼンチン戦。決勝トーナメント進出をかけた戦いになってしまいましたが、今日のようなサーブ⇒ブロックとレシーブの連係があれば勝ちは固いでしょう。気負いすぎずに自信をもってやってほしいと思います。山場は準々決勝ですから。

(おまけ)

第3セット12-17のラリー、木村がダイレクトボールを打たずに両手で返して拾われた場面。そのあとの木村、両手をぴょこぴょこ振りながら足をばたばたさせて最後に両手で自分の頭をぺたん!って……なんじゃあれ???地下アイドルの萌えパフォーマンスか???田中みな実か???……、……、不覚にもかわいいと思ってしまいました……orz

ただ、試合後のインタビューでアナウンサーが「お疲れ様でした」と声をかけたのに対し、おっさんみたいなキレ声で「えっ?[むかっ(怒り)]と聞き返していて、木村はやっぱり、いろんな意味ですごいなと思いましたとさ。


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絢

こんにちは!
私も今日はリアタイで見ました。

本当に2セット目からが面白かった。
オリンピック中の試合で一番良かったです。

やっぱり田代より宮下の方が、サーブもディグもブロックやネット際のプレーも、落ち着いていればトスも良いですね。
ボールへの反応が早いし読みも良いと思います。
竹下もテンパってる時期が長かったので、育成に時間がかかるのは仕方ない。
宮下の事は優しく見守ります。

ミドルへのトス、今日はダメだったような。。
荒木は辛かっただろうなー、上がってこないし上がっても低くて合わないし。

やはり頑張らなきゃなのは、佐藤あり紗ですね。
レセプションが苦手というのが全身から溢れ出してる。逃げるし。
あと、2段トスでなぜトスしないのかやはり不思議。
ドリが怖いのか、何なんだろう。
たまに雑なプレーもあるし、ブロックカバーで自分とこに来たら驚くように慌てて取るのが謎です。
強打のディグは良いと思うんですけどね、、。

まぁ次回も楽しく見ようと思います。
by (2016-08-13 18:01) 

YM

今日は主審がダメダメでしたけど、的確にチャレンジシステムを活用していました。
にこやかなジャッジ裁きに思わず信じそうになりましたが、騙されちゃあだめですね。
オリンピックなのに審判のレベル低っ!

宮下のトスさばきはまだ65%ってとこでしょうか。 でも、足も捥げよとばかりにボールに飛びこんでいく姿を見て、レシーブに関してはいつもの宮下に戻ったんだなと安心しました。
迷いがありませんでしたよね。 イキイキしてた。 あとはその調子のよさをトスに生かすだけ。
くれぐれも怪我をしないようにして。

長岡は替えられるほど悪かったですか? 迫田はレシーブやフォローで頑張っていて、その頑張りが迫田>江畑となったと思うのですが、走る1歩目の歩幅が広いよなってずっと思ってます。 ちょこちょこっと走るところをバタバタと大股走り。 つまりは上体に足がついていけてないように見えます。 反復横とびは遅いだろうなあ。

次のアルゼンチン戦によもや負けることはないと思いますが、2戦続けて途中交代させられた長岡の士気が下がっていませんようにと祈るばかりです。


by YM (2016-08-13 21:21) 

オーソノ

こんばんは。
今大会は拾う、繋ぐを重視した守備重視(にせざるを得なかった)のチームとして作ってきた結果が少し出ましたね。

セットが高いロシアの場合はブロック間に合う、ワンチが取れる、切り返しが多くなるでラリーをモノにするという、日本の得意とするパターンに持ち込めたと思います。

そんな中、不器用を公言してはばからない迫田の無様にさえ見れる必死のレシーブ、これ全日本に召集されて以降の明らかな積み上げと思います。Vリーグならば攻撃の代名詞ともなる迫田が繋ぎで貢献する。その姿を見て五輪一年生の一層の奮起を期待したい。

一方でロシアの広末(自己の独断)ことコシェレワ、ワンチを含めたファーストタッチをアンダーですが、ほぼ100%きっちりセッターに返してました。こういう地味なプレーが粘り負けしないロシアを支えていたとおもいます。

そして、この試合アタック得点1点の荒木は宮下ととことん話し合うべきでしょう。宮下の方から近づくこはないでしょうから、荒木が出張ってほしい。

もうやってる?いやもっとです。セットでサイドのブロック振るのが低く、短くの原因なので、攻撃の枚数を増やすことに転換する。その為にはやはりMBが鍵を握っているとおもいます。

by オーソノ (2016-08-13 22:39) 

rio

>絢さん、私もリアルタイムで見てたのですが、柔道⇒仮眠⇒バレーの流れでまぶたがもたず、試合後に爆睡してしまいました(^^;

いやほんと、やっと五輪らしい試合が見られました。ロシアがラリーになるとサイド頼みになるのは昔からですが、荒木を中心にあれだけブロックにかけられると、やってる選手も楽しいでしょうね。

セッターは、私も宮下のほうがいいなと改めて思いました。そもそも高度化した現代バレーを20歳そこそこできちんと操れているセッターなんていないですよね。

宮下よりかなり上の世代なら、ロビアンコが23歳?ぐらいで世界バレー金メダル、ヒョウ・コンが25歳ぐらい?でW杯金、翌年のアテネでも金をとってますが、それももはや10年以上前の話。

今大会では、ブラジルのダニエルリンスもセルビアのオグニェノビッチも30歳を超えてますし、アメリカのグラスで28歳?ぐらい。宮下、よくやってると思います。

荒木へのトスも第3セットはきれいにきまった場面もあったので、もうちょっと時間があれば・・・という印象です。結果論ですが、セッターが若手なのに、竹下のときと同じようにアタッカーを競わせて選ぼうとしたところに無理があったのかもしれませんね。

佐藤は厳しいですね。ロシアの強打を何本も上げたことが、レセプションのミス、ディグの位置取りの不確かさ、イン/アウトの判断の甘さ、つなぎの甘さなどで帳消しどころか借金になってしまってます。

これって佐藤だけの問題ではなく、要するにVリーグレベルのリベロは世界では通用しない、ってことになりますね。佐野が海外を渡り歩いた理由にいまさながら納得です。

現状では、佐藤はほかのレシーバーやブロッカーに指示をだす余裕がないでしょう。8月12日時点でレセプションランキングで10位以内に日本の選手は1人も入ってないですし(木村が11位、石井が12位)、この点は真鍋体制第2期の大きな課題となってしまいました。

ちなみに、次のアルゼンチンはセットランキング、レセプションランキングで、セッターとリベロがそれぞれ10以内に入ってるんですよね。日本は足元をすくわれないようにがんばってほしいと思います。
by rio (2016-08-14 02:38) 

rio

>YMさん、主審もだめだめでしたし、ロシアのマリチェフ監督もだめだめですね。

ルール上はOKとは言え、審判の判断が明らかにあっているのにチャレンジするのはいかがなものかと。遅延行為でイエローを出せばいいのに、と思ってしまいました。

長岡の攻撃面は悪くなかったと思います。ただ、サーブ、レシーブ、ブロックの貢献度を総合的に考えると、ってところなんでしょうね。改めて映像を見返してみても、長岡は決してさぼっているわけではないけれど、ふわふわしている時間が多い印象です。

途中交代と言えば島村もそうですが、やはり、若手セッターが若手アタッカーを率いて五輪で戦うという構想に無理があったんでしょうね。1,2,3がすべて若手だと、誰かのミスを吸収することが難しいし、逆に相手を翻弄するような付加価値を足していくことも難しい。「2」のところにベテランがいないから、「1」「3」で手堅くいくしかない、ということなのかもしれませんね。
by rio (2016-08-14 03:01) 

rio

>オーソノさん、ロシアはラリーになるとサイド頼みですから何とかなりましたね。あ、負けたのでなんとかなったわけではないか(笑)

でも、これが例えば中国だと、ラリーでちょっとでも甘い返球をしてしまうと高速クイックが降ってきますよね。アメリカだとアキンラデオがまわってきます。ロシア戦ほど粘れるか、心配です。

荒木は竹下のときにもずっとクイックが合わず、「入りが遅い」と言われてたと思います。

ただ、それはネガティブなことではなく、荒木のクイックの特徴だと思うんですよね。日本のほかのセンターと違ってゆっくりめに全力で入ってくるので、相手ブロッカーはどうしても足がとまるという利点もあるわけで。

その荒木のリズムと、両サイド/バックのアタッカーのリズムがうまくかみ合うポイントを見つけ出すことがセッターの腕の見せ所なわけで。例えば、竹下がやってたみたいに荒木をCクイックに回り込ませるとか。あるいは、B→Aに流れて打たせるとか。こうした辺りも今後の課題でしょうね。
by rio (2016-08-14 03:19) 

排球屋敷

日本の女子バレーは弱いのにマスコミが事実を伝えないので、悪循環に陥っているのは、男子と同じですね。今回はイランが男子のアジア代表として久しぶりにベスト8に進み、日本との差が広がったと思っています。
by 排球屋敷 (2016-08-14 21:47) 

rio

>排球屋敷さん、男子は日中韓がもたついていている間にイランが抜け出しましたね。これでオーストラリアの強化体制が整えば、アジアは2強多弱時代になりそうです。。。

それと比べて女子は「弱い」というのとはちょっと違うと思うのです。宮下、長岡、石井、島村、鍋谷、古賀あたりの成長に加え、新鍋、岩坂あたりが中核を担い、そこに木村や荒木といったベテランが絡む構成になっていれば、2大会連続メダルはかなり現実的だったと思います。

ここまでの試合を見ていると、新鍋、岩坂が漏れていることが特に響いているように感じます。。。
by rio (2016-08-15 01:10) 

M.H

 先日の《伯剌西爾戦》第2セットの競り合いガ無駄ジャー無い
証明の如き試合&〔3タコ勝ち〕!

 此の日も、異様な『存在感』が在った「迫田」君。
 剛直に撃キ込むニャー他を圧してゐました!

 言われる通リニ・・・〔火の鳥〕のノビノビバレーが、憶する
事無く出せタ一戦。
by M.H (2016-08-15 15:17) 

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