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Vリーグ男子:堺vsサントリーの作戦について想像してみる [バレーボール]

堺ブレvsサントリーの2回戦はサントリーの完勝でした。チーム成績のうち、堺が上回ったのはブロック本数だけ。それも柳田はじめサントリーのサイドが1枚ブロックにぶつけるようなポンコツプレーを繰り返したからという敵失なのでした。

堺の伊藤・千々木のニコイチは本日なかよく欠場。新人・高野が起用され、案の定狙われて、堺のサーブレシーブ79本のうち50本を受ける結果に。にもかかわらず、アタック決定率は松本についで2位の45%でした。石島・ウォレスは30%台に沈んでいます。特にウォレスはミスが4本もあり、効果率にすると20%です。

なぜかDAZN解説席に座っている宮崎謙彦はこれまでの放送で何度も「野球でも打率3割だったらすごい。だからバレーもアタック決定率3割あればすごいこと」と意味不明のことを言っていて、何から伝えればいいのかわからないまま試合が進んでとにかく誰か早く注意してあげればいいのに、と思ってたんですね。

で、本日の試合。最初なかなかエンジンがかからなかったエスコバルのアタック決定率について実況が「35%、これは低い!」と宮崎にふったところ、蚊の鳴くような声で「そうですね・・・」って。おい、野球の打率の話しよろよ、持論なんだろ、なにひよってんだよ、っていう。そんな荒れたツッコミをしてしまうほど私の心はささくれだっております。堺の6連敗のせいで。

このブログでは選手のプレーのことをよく書いてますが、堺を今の状態にまで崩壊させた直接の責任者はもちろん真保監督ですね。ウォレスがやる気をなくして不良化してしまったのも、たぶん”作戦”が理解できないまま単なる打ち屋をさせられ、しかも負け続けているからでしょう。

これまでの試合の真保采配が私にはどう見えているか、まとめるとこんな感じです↓

1、サーブは好きに打て
→ 強く打つことを必ずしも要求していないようです。なので、「○○を狙って強く打て」というムズカシイことなんて決して言わないのでしょう。強く打つときは”強く打つ”ことが目的であって、狙ったりなんてしないのです。
→ なので、ブロッカーはサーブが打たれるまで、サーブ&ブロックの準備ができません。どこを狙うのか、強いのか弱いのかがわからないからです。出たとこ勝負のバクチ感、たまりません。

2、ブロックは好きに跳べ
→ ブロッカーの勘で跳びたいところに跳んでいいみたいです。なので、ノーブロックで何度も決められてますが、それは織り込み済みなんでしょう。そもそもサーブ戦略がないので、ブロック戦略を立てようがありません。
→ なので、跳ぼうとしてたところから攻撃されなかったときにヘルプに行ったりもしません。行きたければ行ってもいいけど、行かなくてもいいみたいです。
→ それ以上に、万が一、ブロックに跳びたくない気分のときは跳ばなくてもいいみたいです。

3、アタックは打ちたいヤツが打て
→ アタッカー4人がシンクロして攻撃するなんてムズカシイことを試したのは開幕のJT戦だけでした。今は打ちたいヤツが開いて好きに打てばいい、という方針に変わったみたいです。
→ なので、ここ3試合ほど打ちたくない気分のウォレスは全然開きません。開いてないのにトスが来るから、チッって感じで適当に手打ちして拾われるかミスってます。たぶん、打ちたくないオーラを出してるのにトスを上げるほうが悪いのでしょう。

4、つなぎやフォローはやりたいヤツがやれ
→ Vプレミア最弱リベロを抱える堺としてはつなぎやフォローでどれだけチームワークできるかがカギだと思ってたのですが、真保采配は違うみたいです。守備力の高いウォレスが積極性をまったくなくして真正面のボールさえも上げられなくても、特に指示も注意もないみたいです。つなぎをやりたいヤツが飛び込んでボールを上げても、そのときほかの5人がやりたくなければつながなくてもいいみたいです。

こんな斬新な堺を相手に、サントリーの山本は第1セット、序盤でセンター線を多用してそこからサイドへ展開、というオーソドックスな攻め方を仕掛けました。エスコバルはクロスしか打たなかったしできもイマイチだったけど、堺のブロッカーはエスコバルのクロス打ちとストレート打ちのちょうど中間に跳びたい気分だったみたいで、エスコバルはインナーが抜けたので特に問題なしでした。そして危なげなく勝ちました。

第2セット、山本は堺のブロックが組織化されてないことやサーブが弱いことを把握し、序盤から塩田を徹底して使ってきました。そして危なげなく勝ちました。

第3セット、なんとここで堺が動いたのです!ブロックは好きに跳べ、をやめて、開始直後からサントリーの塩田のクイックにコミットブロックを仕掛け、エスコバルのレフト攻撃のクロス側を1枚ブロックで跳ぶ作戦に。

シロウトにはうまく理解できないこの作戦を、サントリーも理解できなかったのでしょう。コミットされてるからとりあえず塩田をはずしてエスコバルにトスをまわし、エスコバルは「なんか1枚でクロス締めふうになっててなにこれワナ???」ってな動揺でミスって、サント1-堺4と走られかけたのです。

でも、そこまででした。サーブに下がったエスコバルが2連続エースで4-4の同点とし、次のプレーで塩田がコミットブロックをかわしてクイックを決めて逆転。真保采配、有効期限短かったっす。コミットはそのままなんとなく解除され、10点過ぎるころには、ブロックは好きに跳べ、に戻ってました。

第3セットはそこからサントリーがグダってジュースにもつれ込み、しかも落としてむだに試合を長引かせたのですね。今季のサントリーはこのグダりグセが見えるので要注意です。

で、第4セット、気合を入れなおしたサントリーは、クロスを打ちまくっていたエスコバルに徹底してストレートを打たせるという、当たり前すぎる発想で作戦と呼んでいいレベルかどうかもよくわからない何かしらを繰り出してきたのです。そりゃ、成功しますよね。だって堺はエスコバルがどこに打とうと関係なく、ブロックを跳びたいところに跳ぶんだから。

真保監督、これまでに植田体制や南部体制の全日本代表で戦術コーチやらブロックコーチやらをされてきた方です。影響力の大きな方ですよ。その真保監督が全日本代表でやってきたことを堺に持ち込んでくださった結果がこれです。真保采配の崇高な理念を選手たちが低レベルに体現しているだけなのか、そもそも真保監督があさっての方向を見ているのか、結論は2レグの間に出てしまいそうですね。


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Vリーグ男子:サントリーvsJT、山本湧が代表入りすればいいなと思った件。 [バレーボール]

11月20日(日)当日は堺のブサイクな試合を見てふて寝したのですが、今週は祝日もあったし東京は大雪だったしで、ほかの試合も観てみました(謎)。少しつぶやいたパナソニックvsジェイテクト戦、そしてサントリーvsJT戦、この2試合は面白かったなー。共通するのは、4チームともベンチも含めてよくまとまっていること、作戦が明確なこと、サボる選手がいないこと、です。

パナソニックvsジェイテクト戦

パナソニックは、クビアクの守備から攻撃への切り替えが速く、確実に助走に入っているので、深津がそれに合わせてトスを上げるようになったんですね。決していいトスばかりとは言えなかったりするのだけれど、クビアクが個人技で確実に決める。強打しなくても、ましてや反則まがいのプッシュをしなくても点は取れるんだよ、と。

その実践として彼は、ボールが飛んでくる方向をちょっと変えて(ときにちょっとブロッカーの腕にあてて)相手の死角に落とすだけ、というフェイントを多用してますね。深津の合わない(低い)トスに対してガーガー要求を出すのではなく、そういうトスが来るならそれに合わせた攻撃をすればいいという柔軟性を感じます。

そうやって深津とクビアクがお互いに合わせるようになった成果でしょう、1レグ最終戦はとてもテンポがよく、ジェイテクトに立ち止まって考える時間を与えないほどゲームを支配していました。どんくさい展開だった開幕戦と比べると雲泥の差です。

ジェイテクトも、サーブで徹底してクビアクを狙い、清水・福澤にまとをしぼって……と一生懸命だったのですが、なんせクビアクがそこらのリベロよりサーブレシーブがうまいもんだから、なかなか思うような展開に持ち込めない。逆に、クビアクのレシーブからクイックを使われてしまっては太刀打ちできないですね。

パナのセンター線は立ってるだけが前提だったのに、クビアクの加入とモッタパエス監督の采配……じゃなかった、モッタパエス・チーフコーチの采配で機能し始めるようになっています。
※監督とコーチ、すぐ間違ってしまうんですよね、パナのときだけ。不思議。

パナはこのまま、難しいボールは全部クビアクに処理してもらって、誰が打っても決まる簡単な局面を清水・福澤にまかせる試合を続ければ、優勝候補筆頭であり続ける気がします。たとえそれで福澤がなにか勘違いしようとも問題ない(どうでもいい)。勝てば官軍ですから。

サントリーvsJT戦

DAZNでは大庭実況・梅北解説でさらに面白いことに。JTの唐川のプレーに「近年はリベロのオーバーパスがヘタになりましたね。あんな簡単なボールも上げられない」ってばっさり(笑)。梅北さん、さすがにフォローいれてましたが、おっしゃる通り。唐川は前季より少しマシには見えますが、それでもびっくりするぐらいヘタなリベロだと思います。

ブコビッチ監督は唐川が強打に飛び込んでいく姿勢をかってるのかもしれませんが、それはリベロの資質というより無鉄砲なだけなのでは……。ただ、他チームには唐川よりまだヘタなリベロがいるからまあ、気を落とさずにね。
※梅北解説はただ辛口なだけでなく、公平な目で良いプレー、悪いプレーを指摘して説明してくれるので楽しいです。

それはさておき、サントリーは山本がどんどん良くなってますね。新人枠だった前季、エバンドロがケガ、阿部もケガ、チーム混乱、なのにやなぎゃる効果で会場は満席などなど、わけのわからない状況で後がなくなってからチームを託され、なのに常に笑顔でプレーして入れ替え戦を勝ち残りました。

その度胸はダテじゃなかったようです。山本の強気ぶりを表すときによく大胆なツーアタックが例に上げられますね。確かに、山本の場合は苦し紛れのツーアタックが少なく、たいていは、アタッカーにトスを配給できる状態で攻撃の選択肢の1つとして打つ”正しい”ツーアタックです。

JT戦では、レフトを向いた状態から2、3歩ステップしてジャンプし、クイックおとりのレフト平行?と思わせてトスフェイントをしてました。上手、と思いましたですよ。結果はぎりぎり拾われてましたが(笑)、これは反応したJTの守備をほめるところかと。

ただ、山本のほんとの強気なところ、度胸満点のところはたぶん、サーブレシーブが乱れた場面、もしくはラリー中で2段トスになった場面かなと。セットプレーではいろいろトリッキーな山本が、乱れた場面では余計なことをせず、丁寧なオープントスをサイドに上げるんですね。高くてゆったりとしてアンテナまで伸びて打ちやすそうな。

アタッカーにとって打ちやすいということは、ブロッカーは止めやすくレシーバーは拾いやすい――そう考える人が日本バレー界には多いようで、だから、止めにくく拾われにくい攻撃にするためにと、乱れた苦しい態勢から”速い”攻撃を仕掛けるんだろうなと。その結果、どシャットをくらったりふかしてアウトになったりを繰り返している印象です。
※東レのタテBのように必殺技にまで昇華させているケースもあるので、この考え方が一概にダメだとは思わないのですが。

ただ、いつもにこにこ山本はそんな血走ったプレーをしないのですね。乱れて浮いたボールはサイドにきれいに送って、あとはまかせたよにこにこ!っていうセッター。この割り切り、なかなかのものです。で、まかせられるアタッカーが柳田なわけですよ。
※エスコバルもだけど、ここの信頼関係はもうちょっと時間かかりそう。藤中にはきれいに上がっているように見えますが、藤中側の技術面に課題が……。

日本バレー界はいまだに、アタッカーがセッターに打たせてもらってる状態が主流でしょう。だから、セッターからちょっとでも合わないトスがくると逃げのフェイントをしてみたり、一か八かでブロックにぶつけてみたりと、ガキのわがままみたいなことをするんだろうなと。

柳田はそこが賢いんですね。あとはまかせた!とふんわり飛んできたトスをどう打てば決まる確率が高いか、瞬時に判断して、ブロックをよく見て打ち分けてます。技術的にはまだまだかもしれませんが、プレーの方向性はクビアクと同じです。そして、同じカテゴリのアタッカーがもう1人=石川ですね。このクリエイティブな3人が一緒に代表コートに立てば、上背がないことに苦しみつつも、いろいろ面白いバレーを見せてくれそうな気がしてわくわくします。

そんな山本のクセはたぶん、トスミスった!と思ったときにアタッカーが決めきれなかった場合、ほぼ必ず、同じアタッカーにトスを上げるところでしょう。アタッカーのモチベーション維持には非常に重要なことだろうし、たとえそれが相手にばれてても、あとはまかせた!とできる度胸があって、アタッカーにも個人技でなんとかできる技量があれば、それは長所として機能し続けるでしょうね。

ただ、長所と短所はつねに表裏。山本のそうしたクセが長所として機能するのは、正セッターとして実質1年目の今季だけかも……といういらぬ心配も。

一方、対戦していたJTの深津兄は、トスミスだろうがアタッカーのミスだろうが、ちょっと決まらないと迷ってしまうのか、レフト、センター、バックライト……と順ぐりにトスをまわしてしまうという。深津兄がこのモードに入ったとき、JTはいつもグダるんですよ。で、ブコビッチ監督が選手をとっかえひっかえし始めるんですよ。そのせいで余計にグダるんですよ。

パナvsテクト戦の第3セット、深津弟は序盤から中盤にかけてクビアクを温存し、劣勢ながらも切り抜けてジェイテクトの守備の目をそらしました。で、中盤以降にまたクビアクにボールを集めてたたみかけたんですね。その作戦を授けたのはたぶんパンナコッタ、じゃなくてモッタパエス監……じゃなくてチーフコーチだと思いますが、兄津もそういうところを学んだほうがよいのではと思いました。

最後に

クビアク、サイドから強打をするときにまずはクロスを打つことが多い気がします。それが決まらず連続でトスが上がってきたときはストレートを打っていることが多い気がします。これ、完全に教科書通り=基本の打ち分けですよね。教科書ではまず、高いトスをしっかりクロスに打ち切るところからすべてが始まり、ストレート打ちや軟打へと展開していくわけで。クビアクのすごさは基本が誰よりもしっかりしているところからくるんだなと改めて感じました。

一方、日本では男女を問わず、ストレート打ちが得意な割にクロスの決定力がないアタッカーが多いように感じます。だからラリーでストレート側を締められると決めきれずにブレイクできないという。何なんでしょうね、これ。高さとパワーの差じゃないことだけは確かですね。


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Vリーグ男子:堺vs東レをそれでもみてしまった件。 [バレーボール]

言わんこっちゃない。堺は東レにもスト負けで1レグ、2勝5敗。最大の敗因は伊藤の凡ミス連発(サーブやサーブレシーブ含む)とウォレスのやる気メーターがついにゼロになってしまったことですね。真保監督は試合後のコメント「復調の兆しが見えている」と言ってますが、立場上、そう言うしかないんでしょう。どうひいき目に見たって復調どころか悪化してますよ。

開幕のJT戦で目をぎらぎらさせてやる気を見せ、チームメイトの怠慢プレーを熱く叱っていたウォレスが、この試合では怠慢プレーを連発。ラリー中に開かずに上がってきたトスをチャンスボールで返したり、ブロックのタイミングがまったく合ってなかったり。いいトスは拾われ、悪いトスはアウトにし、サーブは入らず、守備は消極的。やっちまいましたね、堺。優秀な外国人を腐らせてしまいました。そのうちどこか故障したことになって戦線離脱してしまうのでは……と心配です。

堺の1レグ終了時点での成績、ブロック決定本数1位。ちょっと意外ですが、石島・出来田・ウォレスが並ぶローテが強いのかな。ただ、ブロックシステムはほぼ崩壊していて、ブロック能力の高い上記3人+松本が個人技で稼いでるんですね。

なので、サイドの基準やコミットとリードの切り替えはばらばら。トスを振られるとヘルプに行くことを諦めたり、ラリーが続くとブロックに跳ばなかったり。その結果、東レ戦では何度もノーブロックで打たれる場面がありました。

で、そのほかの項目では、アタック決定率8位サーブ効果率7位サーブレシーブ成功率8位サーブ得点8位。サーブ失点も8位なので、ひたすら入れとけサーブを打っていることが数字に出ています。FC東京の定位置を堺が奪っているの図。どう考えても入れ替え戦への直行便でしょう。

印東監督時代、チーム成績がこんな悲惨な状態になったことは1度もありませんでした。むしろ、ほとんどの項目が常に上位でした。

ちなみに、堺のなかでサーブ効果率最上位は全体15位の出来田です。出来田と言えば前季、サーブが全然入らずに1億3000万人の出来田ファンを悲しませていたことは記憶に新しいところ。ですが、現在は高い打点から直線的に狙うジャンピングフローターをものにしていて、オフの間にきちんと練習したことがうかがえます。その出来田のサーブ時に内藤をピンサで出す真保監督。何がしたいんだろう。

今日のDAZNの解説席は元東レでJVAのお偉いさんの梅北さん。辛口だけどほめるところはほめる。各選手やチームの特徴もきちんと把握していて、説明は端的かつ的確。実況に無茶ぶりされても、説明できないことは「私には説明できません」とはっきり言う。正しい解説者ですね。

その梅北さん、第1セット序盤で東レが走った場面で実況から「東レのどういうところがいいですか?」と振られ、「東レは何もやってない。堺が間延びしてるだけ」とばっさり。この試合、総括するとこの一言に尽きますね。

さらに梅北語録(の要旨、順不同)
「最もよくないブロッカーは跳ばないブロッカー」←石島が跳ばなかった場面
「ブロックされたら、それはアタッカーのミス。1枚ブロックでシャットアウトされるようなチームは負ける」
「フルセットで負けるということは、勝ち切れるだけの力がないチームだということ」
「前から星野選手はサーブが入らないね」
「今のはパスのミス。塞翁が馬というか」←李のぶれたパスに藤井が走り込み、李にCクイックを打たせた場面
「今のはプロとしてお客さんに見てもらうようなプレーではない」←堺の怠慢プレー連発のラリー
「この場面でやってしまうとは……」←藤井が必然性のないツーアタックを打ってブロックされた場面
「練習ではやっててもなかなか実戦ではできないんですよ。だから決まったらこれだけ喜ぶんです」←東レがラリー中の難しいボールをニコラに託し、ニコラがそれをチャンスボールにせず打ち切って決めた場面

↑解説席に座る人はこういうことをもっと指摘するべきだと思うのですよ。よくないことはよくない、怠慢は怠慢、偶然の=再現性のない好プレーをもてはやすのではなく、練習の成果を発揮した=再現性のある好プレーをほめる、などなど。指摘とほめるところのバランスを取りつつ、ノイズ化しないように落ち着いた語り口を保つ。DAZNの解説が全部そうなればいいんだけど。

そしてそれが、選手やスタッフの耳にも届けばいいんだけど。


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Vリーグ男子:できてきたサントリーと壊れてきた堺 [バレーボール]

Vリーグの試合をすべて観戦することが物理的に無理なのでどうしても堺の試合からになるのだけれど4連敗。いやいや、だったら東レを見たりクビアクを見たりしたいっすよ。女子のトヨタ車体、今季から多治見監督・印東総合コーチ・内田コーチ他の体制で、今日の岡山シーガルズ戦なんてかなり面白かったです。それでも堺を見てしまう義理がたいわたくし(謎)

結果だけみると第1・第3セットがジュースという接戦、スト負けだったとしてもそこそこいい試合だったのでは?と思ってしまいそうですが、なんのなんの、堺は負けるべくして負け、サントリーは勝つべくして勝った印象です。

明暗をわけたのはチームワークの差。堺はまたしても学級崩壊で、個々の選手が勘と経験と個人技で戦ってるだけ。なのでセンター線は機能しないし、最後も詰めきれずに負けてるんですね。そんな戦い方でも接戦になるのは堺の選手の能力がそれだけ高いという証明にもなるのだけれど、このパターン、もう見飽きたっす。

今日の試合は永遠の空回り王子・千々木をはずし、伊藤ハム絶賛ダイエット中を投入。伊藤はほんと、もったいない選手ですね。守備型サイドとして代表の一角に定着できたはずのポテンシャルの高さとセンスの良さ。視野も広いし、位置取りもいいし、でも余りにも時間をむだに消費しすぎました。

石島ウォレスはつまらなそうに、ただノルマをこなしているだけの試合ぶり。それでもウォレスは、おかしいと思ったことを今日は冷静に伝えていました(ポルトガル語はわからないけど)。でね、それをあの丸い通訳の方がちゃんと訳せているのか、そこも気になるんですよ。

今日の試合で、どうにか返球したレベルの2段トスが柳田に上がり、それをスタンディングで態勢を崩しながら打ったんですね。で、堺の前衛はブロックに跳ばなかったわけですよ。後衛でそのコースにいたのがウォレスで、彼はたぶん、ブロックに跳ぶと思ってたんでしょう。意表をつかれた感じで拾えなかったのですね。

で、堺がタイムアウトを取り、ウォレスが何か言ったことを通訳の方が「どうして、ブロックに跳んだの」と訳したのです。真保監督は一瞬、答えに詰まって、「とにかく、ブロックを2枚しっかり跳んで」みたいなこと言ってました。

ウォレスはおそらく「なぜ、ブロックに跳ばないんだ」と指摘したと思うのですよ。柳田はレフトとセンターの間の位置で左肩が思い切り下がってる状態だったので、低い位置からクロスに長く緩く打つしかできなかった。2枚でブロックに行けば楽勝だったはずです。なのに、いかなかった。ウォレスにとっては予想も理解もできないことだったんでしょう。先日の試合で後衛の伊藤に上がったボールを伊藤が打たなかったときと同じぐらい、あ然とした表情でした。

それをタイムアウトのときに指摘してくれているのに、変なふうに通訳され、日本人選手は誰もまともに聞いておらず、真保監督が適当に優しいこと言ってお茶を濁す。ウォレスのモチベーションが上がるわけないですよね。攻守ともに優れてるセッター対角なんてなかなかいないのに、もったいない。

実はこのプレーの前にも、エスコバルが無理やりな2段トスを強引に打ちにいったとき、堺はブロックに跳ばずにレシーブ態勢を取り、結果、決められてるんですね。

これ、昭和の女子バレーだとよくありました。ネットから離れた位置からの長く緩い打球だとブロックのタイミングを合わせづらいので、ブロックを利用されて外に出されるぐらいなら跳ばずに拾え、ってやつ。中田(とうとう)代表監督が解説席に座ってたときによく「跳ぶな!」って叫んでましたね(哀)。堺はそれをやっちまってるんですよ、平成もかなり進んだこの時代に、男子バレーで。

このチーム、壊れてんな、と思いましたですよ。タイムアウトのときの暗さなんてぞっとします。体格よくて能力高い選手たち、なのに宝の持ち腐れ感がハンパない。

一方のサントリー、山本柳田塩田の軸がだんだんしっかりしてきて、観ていて楽しいです。体格面では見劣りする3人ですが、常にプランA、プランB、プランC・・・と次善の策を持ってるところが面白い。なので、うまくいってない流れのときでもモチベーションを維持できている。そういう活気のあるチームに気持ちが入りますねー。

塩田は今日の試合で、Aクイックの位置で踏み切ってから相手ブロッカーの右肩の外側まで空中移動してクイックを打ってましたからねー。いわゆるA→Bの流れってやつで、堺の松本が全盛期の頃によくやってた印象がありますが、最近のセンターは打たされている選手が多いせいか、余り見かけなくなった技です。リードブロックをかわすには有効だと思うのですが。塩田はターン打ちもきれいで速くて確実で、おおっ!ってなります。

ここに星谷とリベロ鶴田が加わると新生サントリーの完成形になるんでしょう。という世代交代のプレッシャーを感じてのことか、今日は鈴木がよかったですね。攻撃面では、速い入りからしっかりジャンプしての強打。相手の流れをばっさり切るセンターらしい攻撃力を見せてました。課題のブロックの横移動も、堺のセンター線が機能していないために、それほどアラが見えず。もともとサイドでしっかり構えたときのブロック力は高い選手ですから、今日は鈴木向きの試合展開だったんでしょう。

気になるのはエスコバル。もともと下半身が重めな感じでしたが、開幕から1ヵ月、明らかに太って跳べてないですよね?筋肉が多いからパッと見ではわからないけど、腹回りなんか前任者のエバンドロを上回り椿山に迫るボヨン感、じゃないですか?日本のVリーグ程度だと身体追い込まなくても仕事できるし、ぐらいに思ってるんでしょうけど、前任者たちみたいにケガしても知らないよ。

DAZNの実況いわく、ジルソン監督には「テングになるな、日本バレーを甘く見るな」と繰り返し言われてるそうですが、逆に言えば、そういうことを何度も言われるほどテングになりやすい性格ってことなのかも。ブロックに跳ばない相手と試合してたら気合も抜けるってもんでしょうけど、ここはやはりジルソン監督を見習ってほしいものですな。
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Vリーグ男子:堺vsパナ戦がただ長引いた試合だった件。 [バレーボール]

楽しみにしていた堺vs合成ががっぷり組み合わないまま堺が自滅する消化不良試合に終わり。昨日(11月12日)はドタバタでバレーを観る隙がなく、見逃し配信はあとまわしにして本日(11月13日)の堺vsパナ戦。もはや堺がパナが、ってことはどうでもよくなりつつあって、クビアクウォレシュを見たいという。

第1セットの序盤のラリー、スパイクレシーブでコート中央にあがったボールを後衛のクビアクが打ち切って決めた場面。堺の伊藤はこのプレーを見ての反省文を英語で30000 words以上にまとめてウォレシュに提出すればいいと思います。

それはさておき、試合そのものはセットが進むにつれてどんどん単調になっていき、半ば以降は両チームともサイドの打ち合い。で、誰かがミスるかブロック1枚にアタッカーがぶつけるかして点数が入るというレベル。センター線は、堺の出来田、パナの山内がフルセットをフル出場して打数1桁ですからあくびが出ます。

堺の場合は佐川のサイドへのトスがネットに近かったり割れてたり低かったりと悪い癖が出ていて、高い打点で打てる出来田を活かせていなかったんですね。一方のパナは、深津が山内を使おうにもまだ決められた通りにしか動けないもんだからラリー中になかなか上げられない。で、つい清水に頼ったりなんとかしてくれるクビアクにまかせたりしてしまうのでしょう。

実際、公式記録の各選手の得点力を見ると、両チームではクビアクとウォレシュがずば抜けてます。ウォレシュには例の言い訳=高さとパワーってやつを使えるかもしれませんが、クビアクと日本人選手の得点力の差についてはどう説明するんでしょう。いや正直、クビアクと福澤が一緒にコートに立ってたら、福澤のプレーがいかに雑で賢くないか、一目瞭然で比べられてしまいます。

福澤はこの試合でアタック決定率63%、1枚ブロックで気持ちよく打たせてもらってにこにこしてましたが、それをお膳立てしてるのはクビアクだからね、っていう。クビアクのパスが正確にセッターに返るし、そのあと攻撃に入ってくるし、トスが上がればなんとかして決めてくるし、というところで深津が逆サイドに振っているわけで。

それを無駄に渾身の力で打ちおろしてる能天気な福澤を見ると、これはもうこの人の生き方そのものなんだな、変えようがないんだな、と思ってしまいました。先日、どこぞの記者会見だか講演だかで「まだ諦めてません」って言ってたようですが、ただ諦めなければいいってもんじゃない。まずは痛いヤツって思われてるところから卒業しようか、って感じです。

悪態ばかりついてても仕方ないので、面白かったプレーについて。やっぱりクビアクがらみなのですが、深津がクビアクの活用にだんだん慣れてきてるのかも。サーブレシーブが乱れたところからワンハンドでライト側にいたクビアクにセミを打たせたりして、これってなかなかの信頼関係だなと感じました。

そのクビアクは軟打が面白い。日本人選手の多くは軟打を打つときに、空中で力を抜いて手首で押したりひねったりしてますよね。なので「プッシュ」という言われ方をするし、打球がふわっと山なりになってしまうことが多いのではないかと。厳密にはプッシュはホールディングに抵触する反則すれすれ(というか反則)のプレーです。

一方、クビアクは映像で見る限り、フェイントを落としたい場所にボールが行くように手のひらで”面”を作り、ボールの軌道に合わせて手を伸ばして"面"にボールを当てて落としてるように見えるのですね。テニスや卓球と同じ原理で、彼のプレーは「プッシュ」ではありません。クビアクの打ち方だと余分な力が加わってボールが浮いたり回転したりせず、狙った場所にストンと落ちます。

で、クビアクすげえなあ……と思ったのですが、よく考えたらこれ、リードブロックでボールを目で追っていたときに視界に入ってくるクビアクの手や腕の感じで、軟打か強打か見極められそうな気がします。いや、それよりもリベロがしっかり見ていれば見破れそうな気がします。って、そんなシロウトが思うほど簡単なもんじゃないんですかね?

堺のウォレシュも軟打が上手です。この試合の最後の失点はダメでしたが、強打・軟打の打ち分けのセンスと軟打の技術ではたぶんイゴールより上だと思います。

彼の場合は明らかに強打警戒をせざるを得ない助走・ジャンプ・フォームからボールの勢いを殺すのがうまいですよね。ブロッカーやリベロがしっかり見ていたとしても、警戒のほうが強ければ脳からの指令が遅れて反応できない。なので、ウォレシュのほうがクビアクよりも慣れるまで時間がかかりそうな気がしました。

この2人の次の対戦、さらにはウォレシュとイゴールの対戦も楽しみなのですが、ただ残念なことに、堺はこの日もウォレシュにおんぶにだっこの試合。石島が絶不調で下げられ、千々木は永遠の不安定王子で、フルセットの14-14から完璧なバックアタックのトスをまさかの白澤1枚ブロックを恐れて中途半端にひねり打ちしてアウト。チームを一気に盛り下げ、ウォレシュのやる気なしフェイントにつながり、シャット→ゲームセット、になったのでした。

なので、堺はこのまま低空飛行→不時着になってしまう恐れがありますね。部長も監督も代わり、代わった部長が1シーズン腰かけで辞めるのかと思いきや今すぐにでも辞めさせられそうな堺。「立つ鳥あとをにごさず」という格言をたぶん知らない石島。例の社会学用語で端的に言い表せそうな千々木・伊藤の排他的関係性などなどにウォレシュがいつまでも付き合うとは思えず。真保監督、もはや正念場ですな。


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