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『ビッグファットキャット』シリーズ [レビュー]

※レイアウトが崩れてます。すみません。。。 

 

英語を学ぶにもいろいろ目的があると思うのですが、そのとっかかりにおすすめしたいのが『ビッグファットキャット』シリーズ。いわずとしれた2002年の大ベストセラーで、準備偏(←と勝手に名づけた)は発売3ヶ月で150万部が売れたそうです。物語は第1巻から第7巻(2004年)で完結しましたが、いまも売れ続けている評価の高い本です。

 

準備偏がこちら↓   

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

 

どの英語の教科書よりも、英語の本質を分かりやすく説明しています。しかも文法用語はゼロ。英語を英語のままで理解できるよう、丁寧に誘導されています。私はこのシリーズを読んでからシドニーに行ったのですが、とても役に立ちました(←シドニーにもって行けばよかったと思ったぐらい)。

 

私は中高生のときの異常な英語教育(←主に塾)で、英語の基礎の部分が混乱したまま大学生になってしまって非常に苦労した経験があります。この本を読んだときに、「なるほどね!」と感動したのと同時に、「こんなふうに最初から教わりたかった」と強く思いました。英語の文法って、近代日本語と比べると信じがたいほど簡単です(=近代日本語は文法が壊れているので信じがたいほど難しい)。

 

しかーし!このシリーズのすごいところはそれだけではありません。準備偏からすでに物語が始まっているんですね。

 

テーマは「人生」。主人公のエド青年は心優しいパイ屋さん。大きな街でサラリーマンをしていたのですが、「おいしいパイを焼くパイ屋さんになりたい!」という長年の夢を追って会社を辞め、念願かなって小さな街に自分の店を開いたのでした。まさにDream comes trueなんだけど、なんか違う。客は少なく、やって来るのはいつもデブで凶暴で無愛想な猫。ブルーベリーパイばかり狙って食い荒らし、エドのことなんかてんで気にせず、ついには居座ってしまいます。そんな日常にある日、背の高い灰色のソフト帽をかぶった男が現れて…。

Big Fat Cat and The Mustard Pie (BFC BOOKS)Big Fat Cat GOES TO TOWNBig Fat Cat AND THE GHOST AVENUE (BFC BOOKS)BIG FAT CAT AND THE MAGIC PIE SHOP ビッグ・ファット・キャットとマジック・パイ・ショップ (BFC BOOKS)Big Fat Cat vs. MR.JONES (BFC BOOKS)ビッグ・ファット・キャットとフォーチュン・クッキー (BFC BOOKS)BIG FAT CAT と雪の夜 (BFC BOOKS)
物語が進むにつれて、少しずつ文章が長くなり、単語に振られている日本語ルビは減っていきます。それにあわせてエドの人生観も少しずつ深まっていき、「英語力アップ→エドへの共感が強まる」という相乗効果を生み出すしかけになっています。児童文学の体裁でとっつきやすくしていますが、扱っているテーマは普遍的で、子供よりもむしろ、人生をある程度の年月歩んできた大人のほうが感情移入できると思います。
レイアウトは一種の「絵本」なので、全ページに絵があります。それを見れば地の文(ナレーションの部分)は理解できるようになっています。巻末には一文ごとの解説がついているので、何度読んでも分からない文章はここでチェックできる親切設計です。
さらに重要なのは、物語の中にリアルな会話文がたくさん含まれていること。心優しいエドの話し方、エドの仲間やライバルの話し方、年配の人の話し方、マスメディアの放し方、などいろいろな人の会話が出てきます。子供向けに書かれた本の場合、どうしても会話文が”道徳的”になりがちですが、このシリーズはとてもリアル。この辺りが物語を読む醍醐味で、受験英語やTOEICでは絶対に身につけられない分野でもあります。
そのほかにも、ショートマンガや、ショートストーリー、パイのレシピ、おすすめ本の紹介など、さまざまな”おまけ”がついているのがうれしい。繰り返し読みたい気持ちにさせてくれます。公式ホームページでは「CD版企画」もあると書かれてますが、今の所はまだのようで…。出してほしいなあ。

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小太郎

オイラが学生の頃はトリッピー?(こんな名だったと思う)という英会話教材が流行ってました~イングリッシュアドベンチャーと言ってシドニーシェルダン、フィービーケイツが広告塔になってたような記憶があります。どんな雑誌にも宣伝してたような・・人気あったみたいです。

今でも不思議なんですが学生のときに英会話のジオスに一年通いました。
プレップコースと呼ばれてましたね~確か・・・一週間に一度先生と会話して、生徒達と変な単語ゲーム(くだらないゲーム)して・・意味なかったな~自分で払ったんですよね~授業料・・・
手っ取り早く覚えようと思って「モルモン教」の宣教師達の所に転がりこみました~ただでいくらでも会話出来るし、飯は食えるし、天罰があたりそうですが・・・
日本語はアクセントというのが余り無い為、英語で会話するときって最初恥ずかしくありませんでした?ジオスの時はすぐに「~は日本語でどういう意味ですか?」と質問してたんですけど、宣教師の奴らはユタ州から日本に来たばっかりのが多かったんで英語しか喋れないんですよね。ジェスチャーなども交えて会話してよっぽど勉強になったな~会った当時の頃、ヘリコプターが飛んでいて
「あ!ヘリコプターだ~」
と言ったら大爆笑されました~アクセントが無いのでおかしいのでしょうか~
ヤニー、エンヤとかの音楽を聴いてたみたいなので、オイラがバンドでメタリカ、メガデスなどコピーしてたのは内緒にしてました~
by 小太郎 (2008-03-05 02:52) 

rio

>小太郎さん、「あ!ヘリコプターだ~」って、子供しか言いませんよね(笑)。日本語でも爆笑するのではないかと。

会話するとき恥ずかしかったかなあ…?以前、大阪出身の先輩と話をしていて分かったんですが、一部の大阪人って英語でも笑いをとろうとしてしまうんですよねー。

もうそのために頭はフル回転で、どのタイミングでどういうイントネーションでどういうジョークを飛ばせばウケるか、そればっかり考えてた記憶があります。

しかも私の場合は子供と同じで(笑)、ちょっとでも新しいこと覚えると使ってみたくて仕方なかった記憶があります。わざわざ自分で話題を振って使えるタイミングにもっていって、ここぞというときにビシッと決めて”どや顔”をする、という、おかげでおとなしいタイプの日本人や韓国人には迷惑がられてました。

なので恥ずかしいというよりも、話題に乗り損ねることのほうが屈辱的、笑いをさらわれることのほうが一大事(←大げさ)。そんな時はネタの仕込みの甘さを反省しながら家路につき、リベンジを誓うという生活でした。

↑これって大阪人の習性かも。そういえば高校のときもずっと、朝の電車の中でネタを仕込み、下校後は1人反省会をやってた気がします。
by rio (2008-03-05 03:38) 

にこたま

英語と資格というのは確かに変な話ですが、まぁ世間では通っているので
仕方がないかと。資格ですが、先日環境計量士の試験が終わってしまった
ので(結果は不問ということで(orz))、何かやろうかと思っていたところです。

私の場合は、英語は元来嫌いで、会社でもTOEICの点数を取りなさいと言
われていますが、無視してます。人事部(総務部)としては、スキルアップというより社員の点数をつけたいだけだと思いますよ。まぁ、でも英語は勉強はしたいとは思っていたので、お勧めの教材を試してみたいですね。ために
なるんなら、TOEICでもいいかなとは思いますが、うちの会社の先輩でTOEIC700点以上の方がいらっしゃるのですが、その方は英語はおろか日本語もまともにしゃべれない有様でして、まぁ極端な例でしょうが役立たねぇ~なんて考えております。
by にこたま (2008-03-05 12:30) 

rio

>にこたまさん、私も英語がずっと嫌いだったんですよ。文系のくせに英語ができないというタイプでした。原因ははっきりしてて、高校受験の勉強、特に塾でのめちゃくちゃな英語学習で文法の基礎が大混乱したからです。

高校に入ると最初に「5文型」というのを習いますが、これを一生懸命やってるのは世界中で日本ぐらいなんですね。山ほどある英語文法の説明法の一つに過ぎず、しかも英語研究者からは「?」がつけられている類のものなんですが、日本ではこれが唯一の「真実」として教えられています。

もちろん、ネイティブは「5文型」なんて考え方はしませんから、この時点でずれが生じています。

you give me a chocolate が第4文型で、
you make me happy なら第5文型、

なんてほんっとどーでもいい知識なんですね。

なのに日本の受験英語では、第5文型をもとにして、いまだにあの悪名高き「並べ替え問題」なんてやらせてます。なので、かつての私みたいな英語嫌いが増え、文法を意識しすぎて話せないという事態になっているのではないかとにらんでいます。

英語教材はいいものを使ってるのに、運用がおかしいから効果が出ないってことなのかもしれません。『ビッグファットキャット』を読むと、そのことがよく分かります。
by rio (2008-03-05 15:54) 

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