「させて頂きます」は奴隷の言葉 [けっこう気になる]
言葉の話題が続いているのでこのチャンスに「させて頂きます」問題を書いてしまいます。私は言葉に目くじらを立てるタイプではないと(自分では)思っているのですが、自分では使わないように心がけている言葉はいくつかあります。その中で一番気をつけているのが「させて頂きます」。私の恩師はこれを「奴隷語だ」と批判していましたが、いまやNHKのアナウンサーでも普通に使ってますよね。
「する」の謙譲語・丁寧語は「いたす」なのに、なんで「させて頂く」が普及してしまっているのか。広辞苑(第五版)の「いたす」の項目には、「させて頂く」という用例は載っていません。yahoo!で使える大辞林や大辞泉にも載ってません。しかし、例解古語辞典(第二版)には載ってるんですねえ。古いからかなあ。なんだかねえ。一部では「やらさせて頂きます」なんて人もいてうんざりします。これは学校教育にも大きな問題があると思います。
私は学生の時に塾で小中学生に国語を教えていて、当時のカリキュラムでは(いまも?)中3で「敬語」を学習することになってました。文科省は中2までは敬語の知識を必要ないと考えているわけで、それも面白いんですが、それよりも気になったのは、教科書の「謙譲語」の説明です。
複数の教科書を見比べてみたのですが、どの教科書にも、
相手より自分を一段低めて言う言葉
相手よりへりくだって言う言葉
などと書かれていたんですね。こんな表現がなぜ文科省の検定をパスしているのか。このことを傍証にして「教科書検定は、検定ではなく検閲である」と主張することも出来ると思うのですが、ややこしくなるのでその話は置いといて。
この表現が問題なのは、もちろん「一段低めて」「へりくだって」の部分です。広辞苑(第五版)には「へりくだる」の意味として、「他をうやまって自分を卑下する」と書かれています。「卑下する」を引くと、「自分を劣ったものとしていやしめること」とあります。つまり、日本では、中3にして、相手より自分を下に位置づけ劣ったものとしていやしめる言葉遣いを学んでいるというわけです。皮肉をこめて「国語教育は道徳教育である」と言われるゆえんの一つです。
「させて頂く」は使役動詞「させる」に謙譲語「頂く」がくっついたものです。使役動詞は自分が人に何かを命令する時に使う言葉ですが、それを相手が自分に何かを求める状況で使い、さらに「劣ったものとしていやしめる」謙譲語までくっつけてしまう。教科書的に言うと、二重に卑下した言葉なんですね。まさしく「奴隷」の言葉遣いです。
しかーし!中3といえば、社会科では公民(当時)を学習する時期。「敬語」と前後して、日本国憲法を習ってるんですね。学校によっては前文を暗誦させるところもあると思いますが、その中にこんな一節があります。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
すごいですねー、文科省。国語と社会で同時期に正反対のことを学ばせているわけですから。日本国憲法の精神にそった教科書が作られていれば、謙譲語は上述のような説明には絶対にならないはずです。中3は大人の都合=縦割り行政の矛盾を押しつけられているわけで、由々しき問題です。
このことから、「現代日本には尊敬語・謙譲語は必要ない。丁寧語があれば十分」と主張している学者もいます。「です・ます」と「お」をつけるだけになれば確かに簡単になります。ただそうなると、ただでさえ切れかかっている古典文化と完全に切れてしまう可能性がありますし、「あらたまる」「かしこまる」といった奥ゆかしい文化が廃れてしまうことも考えられます。
そうなんです、勝手に納得してますが、敬語ってのはもともと、自分を劣ったものとしていやしめる言葉ではなく、「あらたまる」「かしこまる」ための言葉なんですね。古典文法は『源氏物語』をひな型として完成したとされていますが、その論理性は現代文法と比べてとてもはっきり(しっかり)しています。
詳しく説明する能力はないので端的に書きますが、古典文法の「敬語」は、
丁寧語…目の前に人がいて、直接、話をしていることが重要
尊敬語…会話の中に出てきた主語が重要(主題)
謙譲語…会話の中に出てきた目的語が重要(主題)
という区別なんですね。
もともと身分制の世界ですから、身分の違う者が直接会話することは(建前上では)ありえません。なので、あえてへりくだる必要性も無い。これを平等主義社会に移し変えた時に、敬語のロジックではなく、前提となっている身分制のほうを移植してしまったんですね。ありえないミス(?)だと思います。
それはともかく、古典文法のルール通りに敬語を使えば、敬語はとても簡単です。自分を卑下するようなこともなく、「させて頂く」なんて表現を使おうなんて気持ちには間違ってもならないと思います。
(例)
「医者の役をさせて頂きました」
→会話の流れで「医者の役」が重要なテーマだと考えるなら、「医者の役を致しました」「医者の役を頂きました」となります。「いたす」は丁寧語としても使えるので、「医者の役を致しました」と言えば、謙譲語・丁寧語のダブルで使えてとてもお徳です。
→丁寧語で「医者の役をしました」と言えば、会話のテンポ重視で肩が凝りません。
→「医者の役をくれた人」のことを重要なテーマだと考えるなら、「医者の役を下さいました」と尊敬語を使います。
「販売を中止させて頂きます」
→「販売すること(をやめる)」が主題なので、「販売を中止致します」となります。これまた、謙譲語・丁寧語でダブルでお徳。もちろん、「販売を中止します」(丁寧語)でもOK。
「責任を果たさせて頂きたいと思います」
→こういう決意表明は、目の前にいる人に訴えていることが最も重要なので、丁寧語で「責任を果たします」と言うべきです。
こんなふうにパターン化すると「あれも違う」「これも違う」とあちこちから文句が出そうですが(笑)、そういう反論もだいたいこのわけ方で説明がつくんですね。それよりも大切なのは、この考え方なら少なくとも奴隷になる必要はない、という点です。お試しください。
いやー、使ってます。
意識せずに、口から出てしまっています。
例を挙げて下さったので、よく分かりました。
私事ではありますが、我が家の2人の子供は、
インターナショナルスクールではなく、現地の学校に通学しています。
もちろん、日本語を学校で教わることが無いわけですが、
もうとんでもないことになっています。
覚える日本語は両親から得るものが主で、
子供の口調や話す内容に、普段の自分たちの言動が反映されて、
情けなく、また反省せざるを得ない日々です。
外国で暮らしても祖父母がいると、日本で暮らす以上に丁寧の言葉使いを覚えたりするケースを聴きます。
彼らは、日本語を話す時にに文法上かなりノルウェー語、
英語の干渉を受け始めています。
僕、来る、
日本語では、話し手に向かって来る時にでも、
「今からそちらに行く」という言い方をしますよね。
英語ではGo(行く)は、話し手(聞き手)から離れていく時に使われ、
Come(来る)は話し手に近づいてくる際につかわれますが、
彼らの中ではもうすでに厳密に存在しています。
話の節々に所有格があり、日本語で言うと倒置法だらけで、
動詞が先にくる・・・・。
その上で、敬語の構成に影響があるように思います。
日本での生活圏以外で謙譲語、丁寧語、尊敬語を使いこなすのは
かなり難しいように思われ、この先のことを案じています。
すみません主題から離れてしまったので、この辺で失礼いたします。
by area71 (2008-04-14 17:15)
rioさん、こんにちは。親知らずの調子はどうですか。
私も少し前までは、「させていただく」が嫌で嫌で他の人の文章まで「いたします」などに直していたのですが、さすがに「させていただく」があまりに一般化してしまい逆らえなくなりました。みんながrioさんみたいに「変だ」と思っていてくれればいいのですが、「させていただく」としないと丁寧じゃないと受け取る人が増えた結果、使わざるを得ない状態です。私は「ご提供させていただきます」なんて変な敬語使われてもうれしくないですけど。
最近はちょっとしたことでどこから攻撃されるかわからないので、おかしかろうが何だろうが過剰に謙譲語を使っておけばいいだろうという傾向にあるのは確かです。
広まったのはテレビで頻繁に使われるようになったからでしょうか。「させていただく」くらいへりくだらないと「何様!?」ってバッシングされると警戒しているのでしょうか。でも本当にそんなことでバッシングされるのだろうか。バッシングする方が恥ずかしいだけだと思うんですが。ワールドグランプリ(だっけ?)に聖子が出てきたとき「歌わせていただく」「応援させていただく」「試合を見させていただく」って「させていただく」の連発だったなあ。えらい気を遣っているんだろうなあ。
テレビ局が連携して辞めてみるとかなり影響があると思うんですが。
敬語じゃないですが、テレビのテロップもよく変な例がありますね。前に竹下が「ビンタされました、延々と」って話してたときに「永遠と」って出てました。間違うくらいならテロップ出すな~。
まとまりなく失礼いたしました~。
by うりぼん (2008-04-14 18:15)
>area71さん、日本語って難しいとよく言われますが、話し言葉はたぶん、かなり簡単ですよね。
「僕、来る」でも倒置法だらけでも意味が伝わりますし、アクセントやイントネーションも気にしなくていいですし、そもそも母音が5個しかないし。一方、書き言葉はとんでもなく難しいので、海外在住の方々は、正しい日本語の文章を書き取らせているというお話をよく聞きます。
goとcomeはほんと難しい!私は大学等に留学したわけではないので適当な英会話しかできないレベルです。なので、goとcomeで迷うとすぐに言葉が出なくなります(泣)。
ホームステイしていた時に、ホストマザーが「dinner is ready」と呼んだ声にそこの家の5歳の子が「I'm coming !」と答えたのを聞き、おおお!と目からウロコがぼろぼろはがれました。よく考えたら中学校で習った範囲なんですが、やっぱり実体験で出くわすとインパクトが違いますよね。
by rio (2008-04-14 18:34)
>うりぼんさん、こんにちは。親知らずですが、ただいま6時半ごろなので、あと2時間ほどでヤクが切れると思います(笑)。
「させて頂く」を使うのは言い換え表現を知らないからだ、という指摘をどこかで見かけたことがありますが、広まったのはきっとそういうことなんでしょうね。「です・ます、より丁寧で何にでもつけられる敬語」という感覚で、テレビに出る人たちが便利に使い出して。
「させて頂く」という一つの単語として敬意を表すだけの言葉(です・ます並みに)にまで無意味化すれば、それはそれで受け入れるべきかもしれませんが、現状ではまだ生臭いにおいがして使う気になれません。
少なくとも、アナウンサーは使うべきではないですね。彼らは入社時から徹底して敬語の訓練を積んでいるはずで、その時に「させて頂きます」なんて言い方は習っていないはずです(とかいって、習ってたらあごがはずれますが)。NHKの女性アナが普通に使っていたときはほんとがっくりしました。
この件、一億総白痴化を狙った政府の陰謀、なんて筋書きにすれば、小説が書けそうです。地味すぎて誰も読まないと思いますが(笑)
by rio (2008-04-14 18:43)
福岡の一部の地域では、「行く」と「来る」がごっちゃになります。
電話なんかで、「じゃ、今から来るけん。5時ぐらいには着くよ~」とか言います。(「今から行く」の意味で使います。)
なんでだ、福岡・・・。
by madoka (2008-04-14 19:13)
よくご指摘くださいました。 あれは耳障りです。
よくTVでタレントが何かをレポートする時とか司会をやっている時に、なんでもかんでも“させて頂きます”って最後につけてますよね。
それさえつけてれば丁寧に言っていると思っていんでしょうね。
アナウンサーもそうですから、これはもう直らないかも。
あと、“あげる”って言葉がありますよね。
“犬に餌をあげる。”って。 犬に・・・・あげる・・・・
子供を連れて行ってあげる 食べさせてあげる。 何とかしてあげる。 あげる・・・・あげる・・・・・
“やる”でしょ! と思うのですが。
“やる”っていうのが乱暴に聞こえるからか、小説の中でもこの“あげる”を使う作家は少なくありません。
違和感があります。
もうひとつ、“ありがとう”と“すみません”
感謝を表現するのは“ありがとう”の方がいいのに、すみません、すみませんって。
“ありがとう”は大切な美しい言葉です。
よく意味を噛み締めて、たくさんの“ありがとう”が言える世の中になるといいですね。
by YM (2008-04-14 20:27)
>madokaさん、不思議ですねえ???
NHKの『ゆく年くる年』のように、共通語では現地から出発するのが「行く」、現地に近づくのが「くる」ですよね。宣教師や商人などヨーロッパ人の影響でしょうか。だとしたら長崎や鹿児島でもそうなってそうですよね。
なんでだ、福岡…。
by rio (2008-04-14 20:45)
>YMさん、「やる」問題、「ありがとう」問題、ありますね。この手の問題はほかにもたくさんあると思います。
「あげる」は「やる」の謙譲語ですが、その目的語に子どもや犬や植物がくるようになったのは、きっと彼らの地位が上がったからだと思います。「われわれは平等である」と言ったときの「われわれ」の中に、犬や植物も含まれるようになったんですね。なので、個人的には気になりません。
「ありがとう」については、Yahoo!の知恵袋で面白い投稿がありました。閲覧数だかコメント数だかで1位に輝いていて偶然みたんですが、コンビニかどこかの店員さんで、「ありがとうと客に言われると気分が悪い」という内容でした。
まさかーと思ったんですが、ものすごい数のコメントがついていて、ちらっとのぞくと賛否両論だったんですよ(笑)。世の中には客から「ありがとう」と言われてムカッとくる人がいるんですね。
中には「ムカッとくるのは関西弁の時が多い」とかいうコメントまであって、それは差別というもんだろう!と思ったんですが…よく考えたらこれ、なるほどなあと思うところもあって。
札幌時代、慣れた頃に大阪から彼女が遊びに来て食事に行ったんですが、行く先々で「ありがとう」って言ってたんですね。大阪弁なので「と」にアクセントがあって、大阪だったらまったく気にならなかったのに、札幌弁になじんだ耳で聞くとすごく馴れ馴れしく聞こえたんです。
京都は今でも「おおきに」を使いますが、大阪では廃れてしまって、お礼を言う文化だけが残ったんだと思います。それが、関西圏を離れると、違和感どころか腹を立てる人までいるというのはカルチャーショックでした。
言われてみれば「ありがとう」に敬語は入ってませんが、「すみません」には敬語が入っているので、「ありがとう」を馴れ馴れしいと感じるのもあながち間違いではないんでしょうね。
ちなみに、知恵袋の議論は最終的に「その人の言い方による」という方向へ落ち着いていました。マニュアル的な使い方をするのではなく、状況に応じて使い分ける器量があれば、気持ちは伝わりますよね。
by rio (2008-04-14 21:07)
長崎でも行くと来るは英語と同じ使い方をしていました。 今も?
ん十年前、東京で知り合った同郷の友人が指摘していましたっけ。
“今から来っけん、そこで待っときんしゃい。”=I'm coming. は普通。
ご安心あれ、福岡。
ありがとう・・・・
そうですねえ、すみませんよりちょっとなれなれしいかも。
じゃあ、ありがとうございますはといえば、丁寧だけど杓子定規的で舌を噛みそう。
アメリカ人のThank youみたいに気軽に言える言葉があればいいですね。
その日本版が“どうも”かなあ。
でもこれも聞くにつけ、どうもの次は何なのよって思うし、いいかげんっぽくって嫌いです。
by YM (2008-04-15 20:46)
>YMさん、ふっふっふ。「ありがとう」はなれなれしい、「ございます」をつけると長ったらしい、「どうも」は横着だ、という方のためにこそ「おおきに」があるのです。ふっふっふ。
「おおきに」が京都に残ってるといっても、店の人と中年以上しか使わないんですが、聞くたびに便利な言葉だなあと思います。「き」にアクセントが来るんですが、その前の「おお」をやわらかく発音すると好感度アップ。お試しください。
ちなみに私は、コンビニで物を買ったりしたときは「どうも」を使います。仕事で人に会ってお茶など出された時には「ありがとうございます」を言います。道を聞いて教えてもらったときも「ありがとうございます」かなあ。
「すみません」は相手がわざわざ何かしてくれた時にしか使いませんね。そのときは「どうもすみません」と言っていることに今気づきました。
by rio (2008-04-16 00:05)
すんません、京都人な俺としては基本線全国どこ行っても店から出るときゃ「おおきにありがとぉ♪」つってます。
これを「ムカツク#」とかいうガキいたら(例え逆切れっつわれても)キレますってw
※全ての京都人がそぉいうとは限りませんし、キレるとも限りません、念のため。
ちなみに(rioさんはご存知やと思うけど)京都の飲食店では店員に「おおきにっ♪」って声かけるとおあいそ(チェック)の意になります。
居酒屋は勿論、和食洋食サ店だろ~が全店共通デスw
そぉいえば、俺自身はペットにエサを「あげる」とかいうのも京都ではむしろ一種の方言やと思ってるクチです。
以前他から来たヒトに「京都って凄いね~?幼稚園ぐらいの子が『お兄ちゃんが○×しはった~っっ(号泣』とかって泣きながらでも敬語つかってんのな?」とかいわれて逆に驚いたりしたモンです。
尊敬とか謙譲とか意識してるワケやなくて京都弁ってそぉいうコトバやと思ってますが何か?…みたいな。
と述べててふと思ったんすけど、京都人は「敬語」とか「丁寧」とかって思ってなくてもそぉいう言葉遣いが多い=憎しみや侮蔑があっても表面的な物言い自体は柔らかいからこそ、他の出身のヒトからすると「上辺丁寧やけどハラでは何考えてっかわからんくて怖い↓」とかいわれんのかなぁ?と。
…まぁ実際何考えてっかわからん“怖い”ヒト多いっすけどね?(ニヤニヤ
by まりふぁな (2008-04-16 01:01)
連カキすみません↓
てか変則チャットというかモグラ叩きとゆ~か(汗
rioさんと入れ違いにレス入れ倒してほんま申し訳ないっすm(_ _)m
by まりふぁな (2008-04-16 01:05)
>まりふぁなさん、コメントはいつでも大歓迎です。
「おおきに」、いい言葉なのになんで大阪では廃れてしまったんですかねえ。子供の頃、近所に「新興ショッピングセンター」って、いかにも下町の商店街のおっさんおばはんが無い知恵しぼってつけたような名前の雑居ビルがあって、早い話、市場がビルに入っただけなんですが、買い物をするたびに「おおきに」が飛び交ってました。それがいまや、大阪では年寄りと落語家しか使わない言葉になりつつあります。
私は京都で働いてた時期があるのですが、「いけず」には何度もでくわしましたよ(笑)。大阪弁なのでまだマシでしたが、東京弁の同僚なんかもっといじめられてたと思います。
京都人の感覚がよく出ていると思うのが水道やガスのメーターです。町家のメーターって全部家の中に取りつけられてて、通りに面してのぞき窓がついてますよね。これを京都ネイティブに聞くと、「美観のため」という人もいれば「警戒のため」という人もいて、かなり面白いです。
ほかにもいろいろあって、京都話と京都人話、語りだしたら止まりません(笑)
by rio (2008-04-16 01:48)
あらっ、YMさん、長崎もね~!? 福岡だけじゃなかったいね~(^^)。
”I'm coming情報”ありがとうございます。おおきに~。(←九州人だけど使ってみた。)
それにしても、rioさんの推理、当たったねえ!拍手~!
あとは、どなたか鹿児島のかた、いらっしゃいませんか~(笑)?
by madoka (2008-04-16 02:11)
>まりふぁなさん・追伸
いま気づきました。「おおきには店の人と中年以上しか使わない」と断言してしまいましたが、これだとまりふぁなさんが店の人みたいですよね、じゃなくて、中年以上みたいですよね。すみません。「店の人と京都ネイティブしか使わない」と訂正します。
by rio (2008-04-16 10:50)
>madokaさん、ネットで見る限り、熊本や鹿児島でも「行く」「来る」が逆みたいですね。不思議。
というわけでちょっと調べました。宣教師の影響とかテキトーなことを書きつつ、きっと古語なんだろうなと思って辞書を引いてみると、やっぱりそれらしき単語が出てきました。
「まかる(罷る」)ですね。「権力の支配と制約のもとで行動する」というのが本来の意味だそうです。その用法を、私はずっと「退出する(行く)」だけだと勘違いしてたんですが、なんと、
話し手側の「行く」の意を、聞き手に対してかしこまり丁重に言う(大辞泉)
という用法(つまり「来る」の謙譲語)があるんだそうです。
例)人のもとにまかれりける夜→ある人のもとへ”来た”夜 (古今)
おお!まさしく九州弁!この使い方がいまでも九州に残ってたんですね。勉強になりました。
by rio (2008-04-16 11:25)
rioさん、ご配慮ありがとうございます。
…ていうかそこはあえてスルーしていただいた方がw
実際ネットでの文章+アタマの中身はガキですが、生物学的には問答無用でオッサン領域に入ってますんで…(滝汗
しかも実際rioさんのご指摘は的を射てると思いますし。
いくら京都人といっても子供(中高生あたりまで)は「おおきに」って頻繁には使いませんね。ついでにいうと「完全プライベートな会話」ではとりわけあまり使わない気がします。
やはりどっちかというと「売り手」の際によく使うコトバなので、働くようになってから頻繁に使い出す→「買い手」の際にも普通に口に出る・って流れかと。
しかも(ここら辺が他所の人にはアレなんすけどw)実はあまり「謝意」とかいう意識もなく、いわば前置詞か接頭語のように出るモンでして。
※丁度以前の記事であった「大阪の子の語尾には“なぁ”が必須」みたいなカンジが近いかも知れませんw
それにしてもレジ打ちしてて「ありがとう」でカチン#とくる程ナーバスな感受性してるなら、関西圏で飲食店に入った際、一見客やのに「まいどっ♪」っていわれたらブチギレするんやない?って思えて笑ってしまいますがw
by まりふぁな (2008-04-17 10:43)
>まりふぁなさん、なるほど、「社会人用語」みたいになってるんですね。
関西出身で京都の大学に通ってる学生でも、ネイティブじゃなければ「おおきに」って言わないですもんね。
それに、京都の「おおきに」にはいろんな意味がこもっている場合があって(笑)。話を打ち切りたくて「おおきに」って言われてるのに、うれしくなって話を継いでしまう人なんか見かけると、心の中で「やばいよー!もうそのへんで口をとじてー!」と叫んでしまいます。
by rio (2008-04-17 11:22)
へえ~!
「罷る」って、「身罷る(死ぬ)」みたいに、「行く」のイメージ(離れていくイメージ)ですけど、「来る」の謙譲語の意味もありましたか。
じゃあ、「今から来るね~」は、丁寧な言葉遣いだったんですね!(自覚なしですが…^^;)
そう言えば、時代劇なんかで、「仰せにより罷り越しましてございます」とか言いますね。「来ました」をすごく丁寧に言ってる感じでしょうか。
どこの地方でもそうでしょうが、方言って、どんどん「年寄りのもの」になりつつありますよね。
博多華丸・大吉なんかの博多弁も、あれは(わざとでしょうが)かなり年配な人のしゃべり方です。
この辺りでは「せ」がどうしても「しぇ」になっちゃう人、というのがいたものですが(「先生→しぇんしぇい」)、それもさすがに最近は見かけなくなりました。
あ、でも、ヤワラさんの話し方なんかを聞くと、紛れもなく九州人のしゃべり方だよなあ…と思ってイヤな気持ちに…もとい!えーと、微笑ましい気持ちになります(笑)。
関西弁は、お笑いの影響もあってか堂々と全国に通用する方言で、田舎者としてはちょっと羨ましいです。
by madoka (2008-04-17 23:09)
オイラの職場では普通に「どうもスンマシェン」と喋る従業員もいますよ~その人は熊本出身なので熊本弁かと思ってました~
福岡ではついに2人を刺したオッペケペーが逮捕されましたね~
今日は朝からヘリコプターがうるさかったな~しかも2機。
天神はそうでもなかったのですが、西新(ドームの近くの街)では先月からパトカーは多いし、スーパーには等身大の犯人の似顔絵が入り口付近にベタベタ貼ってあったし、職場にも警察が聞き込みにやってきました~
by 小太郎 (2008-04-17 23:26)
>madokaさん、そうなんですよ、九州の人たちはいまでも奥ゆかしい謙譲表現を守っていたのでした。
「罷り越す」の「罷る」はまたちょっと違ってると思います。たぶんこれは、「身分が高い人・場所から身分が低い人・場所のところへ移動する」という意味なのでは。なので訳せば「来ました」なんですが、「○○さんの命令であなたのところへ出向いて来ました」っていうニュアンスでしょうね。
いまでは「関西弁」としての地位を確立していますが、関西弁って全部違うんですよね。お互いに接している大阪、京都、奈良でも違いまし、そこから同心円状に広がった地域ではもっと違います。なので、テレビにのって全国に広まった「関西弁」がいいのかどうかは…難しいところです。
まず「関西弁」ってくくりを子どものときに使ったことはありませんでした。あくまでも「大阪弁」「京都弁」「神戸弁」でしたよ。
「関西弁」をメジャーにしたのはさんまでも紳助でもなく、ダウンタウンだと思いますが、彼らの「関西弁」や「関西ネタ」は「尼崎弁」だったり「尼崎ネタ」だったりするわけですよね。
さんまや紳助はそういう場合ずっと「大阪弁」「大阪は」って言ってきたんですね。でも、正確に言えば大阪出身ではない。ダウンタウンも、その後輩たちも、大阪以外がいっぱいるってことで、いつのまにか「関西弁」ってくくりができたんでしょうね。枠が広がって受け入れられやすくなったのが功罪の「功」、地域ごとの違いや微妙な語感を薄れさせてしまったのが功罪の「罪」ですね。
例えば、「ごっつ」なんてダウンタウンが出てくるまでは、大阪北部では年配しか使わない言葉でした。京都はそもそも「ごっつ」を使わないと思います。ダウンタウン以降、若者が使うようになったんですね。
「われ」なんてのはかなり”汚い”言葉、チンピラ言葉で、子どもが冗談で「われ」を使っても怒られるほどだったんですよ。いまのような”ちょっと激し目のツッコミ”みたいなノリで口にできるような言葉ではなかったし、使われていた地域的もかなり限定されていたと思います。
『じゃりン子チエ』は当時の大阪の下町の雰囲気をかなりしっかりと伝えている漫画ですが、「われ」を使うのはカタギではない人たちだけです(笑)
話はそれますが、「関西人はお好み焼きを食べながら飯を食う」というのも、”そういう人もいる”というレベルの話を、ダウンタウンがおもしろおかしく脚色した典型だと思います。
ダウンタウンが『4時ですよーだ』を終えて東京に行ったのは私が中学校の時でしたが、その頃までは「お好み焼きにライス」なんて食べ方をしている人を見たことも聞いたこともありませんでした。ディープ大阪の中心地・西成出身の人とその話になったことがあるんですが、その人も同意見。
ダウンタウンはそうしたあれこれを、「尼崎のうちの周辺では」と言わずに「関西では」と言って広めてきたんですね。そういう意味では、良し悪しは別として、日本の文化にかなり大きな影響を与えていると思います。
いつの頃からか、京都や神戸の人たちが「関西ってひとくくりにされたくない」「大阪とは違う」って言い出すようになりました。私が子どもの頃は、そんなの当たり前やん、って感じであえて言う必要のなかったことなんですね。時代はかわっていくんですね。
とりとめのない話、失礼しました。
by rio (2008-04-18 02:43)
>小太郎さん、そんなお近くに…ご無事で何よりです。
なにやら叫んでたという報道もありますし、高校中退でひとり暮らしで月3万5千円の家賃を滞納するほどカネが無かった22歳。なにから手をつけていいのかわからないぐらい、バランスの悪い暮らしぶりですよね。
よほどの孤独の中で生きてきたのかなと想像しています。罪を憎んで人を憎まず、というところまではなかなか超越できませんが、「犯罪は社会の病理」という言葉はあてはまる事件ではないかと思います。
by rio (2008-04-18 02:47)
ゆ、なゅ
by ゆー (2023-03-10 19:46)