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「私たちの敗北、それでも」/毎日新聞 [これはいいね]

Yahoo!に配信されている毎日新聞のコラムが与良正男の「発信箱」に変わってから、よく読むようになりました。みのもんたがやってるTBS『朝ズバッ』にも出ているそうですが、そっちは見ていないのでよく知りません。しかし、活字で見る限り、前に配信されていたどうしようもない年寄りの自慢話(岩見隆夫の『近聞遠見』)と比べて、率直、簡明。庶民感覚で政治を批評している良いコラムだと思います。

3日付は道路特定財源が話題です。福田首相が「道路特定財源の09年度一般化、および暫定税率の維持」をぶち上げ、対する民主が「暫定税率維持は受け入れられない」と切って捨てたことを受けて。

毎日、朝日、読売、日経、産経各紙の社説はそろって「道路特定財源の一般財源化には大賛成、暫定税率撤廃にはこだわるな」の論調で、同党(←民主党)の対応に批判的だった
(中略)
この主張には読者からも「庶民の暮らしの厳しさが分からないのか」といった批判が寄せられた。
(中略)
よって、政治戦略のうえでは、ここまでは小沢一郎民主党代表の勝ちである。与野党の歩み寄りを求めてきた私たちの社説も敗北したといえるのかもしれない。

こうした自分たちの感覚と世間とのずれを率直に認めたコラムは、記憶にある限りほとんど読んだことがありません。

新聞のコラムを書く人たちは、社内的に功成り名を遂げ、政界に深く食い込んでいる(癒着ともいう)エグゼクティブな”大物”記者たち。ふんぞり返って書くのが当たり前になっていて、庶民の立場で書いたつもりが上から目線になっている。それに気づけるような現場感覚はとっくに失っていて、「我々は常に正しい」世界で生きています。

与良のコラムは明らかに↑と一線を画してますね。小沢が勝ったかどうかはともかく、全国紙が横並びで庶民感覚とずれていたことをきっちり指摘している点が新しいと思います。

福田首相は暫定税率廃止を”国民に”謝罪してましたが、ちゃんちゃらおかしい。廃止されて困るのは国交省と建設業界(=自民党の支持母体の一部)、恩恵を受けるのは車の所有者たち。どっちの”公益”が大きいか、一目瞭然です。誰に向かって謝ってんだ、って話です。

そのまんま東なんかは、「道路特定財源が廃止されれば生活道路整備がさらに遅れ、道路建設の借金も返せなくなる」なんてウソばっかりついてますが、そんなことはありえません。一般財源化して、国会のチェックを受けた上で必要な道路建設だけに出費すれば済むことですから。道路特定財源をバックに権力を振るってきた知事や道路族議員は困るのでしょうけどね。

それはともかく、与良のコラムは、

政界は緊張感がようやく増して、衆院解散・総選挙のムードが少し出てきたことだけはよかった。

と続きます。そして、

いずれ、有権者が選挙で政治を動かす。「次」に進むために私もあきらめない。

いやー、ほんと率直。好感が持てます。「有権者」を主体性がはっきり分かる「主権者」という言葉に代えてくだされば完璧です。私もあきらめない。


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