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日本、「聖火警備隊に警備はさせない」 [今日のニュース]

泉信也・国家公安委員長が明言しました。「あの方たち(←聖火警備隊のこと)がどういう資格で警備を行っているのか不明。国内の警備は警察が行う」。当たり前だと思います。そもそも、IOCがこんな手法を認めてしまったのが問題だと思います。国家の主権にかかわることなのに。

フランスでは、柔道の金メダリスト・ドイエから、期待のホープ・リネールに聖火を手渡そうとした瞬間、警備隊の一人が、有無を言わせずに聖火を消し、何の説明もないままトーチを持ち去って行きました。アメリカでは、ランニングコースをいきなり変更した上、最終的にはバスで運搬。これでは聖火リレーの意味がないとの批判も当然ですね。

「北京に聖火が着く」というメンツだけにこだわっている中国。五輪精神のなんたるかが理解できていないのでしょう。世界中で、中国がいかに国際社会とずれているかを宣伝してまわっているようなものなのに、中国内では情報統制されていて、中共に都合のいいようにしか情報が流れない。北京を開催地に選んだことがそもそも間違いだったという声も上がり、「誤輪」なんて見出しをつけていたメディアもありました。

中国は北京五輪の終了をもって「成功」とし、国威発揚を図る計画でしょう。しかし、ダルフール紛争、環境汚染問題、チベット問題、そして聖火リレーの混乱と、開催前からこれだけぐちゃぐちゃになった五輪は史上初。ボイコットが起きたモスクワ五輪、ロス五輪と並び、不名誉な記憶として歴史に刻まれてしまいました。

この異常事態、魯迅の『阿Q正伝』を想像させます。主人公の阿Qは頭が鈍くて世間からバカにされてるような存在ですが、「精神的勝利法」ってのを編み出してそっくり返ってる。よしもと新喜劇で池乃めだかがポカスカなぐられたあとに「今日はこれぐらいにしといたろか」と立ち上がる、あれです。

そういう中国人気質を治すことを志して、医者の道を捨てて文学を選んだ魯迅。いまでも最高レベルの尊敬を集めているはずなのに、魯迅のメッセージは全然活かされていませんね。

ちなみに、ダライ・ラマ14世は一貫して北京五輪を支持していますし、招待があれば開会式にも出たいと言ってます。また、チベットは独立を求めているのではない、外交・防衛は中国の支配下でよい、それ以外の自治権を求めているのだ、との立場も改めて明言。対話を呼びかけ続けています。

「騒乱はチベット僧に変装した人民解放軍が扇動していた」という情報も含め、中国側がこのまま問答無用、説明拒否、対話拒否を続ければ、混乱が世界規模に拡大するんじゃないかと思います。


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まりふぁな

おひさです。

聖火リレー絡みで騒がしい昨今ですが、これ一体なんなんすかねぇ?
そりゃまぁ元をただせば中国のもろもろに問題がありまくりなのが原因ではあるんやけど、各地で抗議行動?してるヒトらのセンスもちょっとどぉなんよ?っていいたくなってるのは俺だけっすかね?

あらゆる機会を使ってアピールするって手法はありかもしれんけど、「先進国」な方々がこぞって「五輪を政治的プロパガンダに利用する」ってのはあまりにもスマートさに欠けてる気がして仕方ないっす。

背景とかは全然違うけど、“調査”捕鯨を無理矢理妨害しまくる某緑豆団体とかも「俺が【正しい】んやし、それをどんな手段で主張してもいい」的なめっちゃ俺様理論全開な姿が正直ウザぃです。
※これに関しちゃ食うためにやってんのにしれっと“調査”とか述べてる我が国も個人的にはかなりウザぃんですが。

今となっては(名実ともに)何のための戦争なのかもわからんままにドロ沼を這いずり回ってる「世界の警察」な国も相変わらず同じ臭いがぷんぷんしてるし。


日本のバカ親・バカ大人に限らず、なんかもぉ世界中がジャイアンばっかしなんかなぁ?と思うと、なんとも厭世観にさいなまれそぉデス…↓
by まりふぁな (2008-04-11 22:55) 

rio

>まりふぁなさん、北京が開催地に決まった経緯がそもそも、「これを機に中国を国際社会の一員として迎える」という”教育効果”を狙ったものでしたから、混乱は起こるべくして起きたともいえますね。

人民解放軍がチベット僧に変装してラサでの騒動を煽った、という情報が正しいとすれば、中共もまた、五輪を利用してチベットを押さえ込もうとした(そして失敗した)のかもしれません。

それはともかく、五輪はいまやプロパガンダそのものです。開催地の政治力、経済力をアピールし、西側諸国の”正しさ”をアピールする場ですから。ただ、それをあからさまにしないのが人間の知恵だと思うんですね。

中共もそんなことぐらいわかってると思うのですが、なにせ国内人口が巨大ですから、中共への不満から目を逸らさせるために、メンツにこだわらざるを得ないという事情があるのだと思います。国民の信頼を失う形で中共がこければ、内戦が起こりかねないですからねえ。。。

日本の調査捕鯨は食うためですが、これには文化を守る重要な意味があると思います。食品も含めたクジラの加工技術は日本の伝統文化ですが、クジラが手に入らなければ技術が消滅=文化が消滅してしまいます。技術・文化は一度途絶えてしまうと、復活させるのはほぼ無理ですよね。なので、政府はシコシコとクジラを獲ってるんだと思います。

グリーンピースとシーシェパードは、この狭い業界の中でイデオロギー対立やスポンサー争奪競争をしているそうですから、もうぐちゃぐちゃですね。

アメリカのイラク戦争失敗は、横須賀の米兵によるタクシー運転手殺人事件など、予想外のところまで飛び火してますよね。以前もここでちらっとかきましたが、米軍で前線に送られている下級兵士は、兵役と引き換えに大学進学を約束されている苦学生だったり、貧困地域で就職口が軍しかなかったりするそうです。

それでも兵士が足りなくて、今度は永住権をダシにして発展途上国から兵士を集めているわけで、今回の容疑者もその1人ですよね。そういう意味で、コントロールがききにくくなっているのではないかと。これってかなり危険だと思います。

by rio (2008-04-12 05:58) 

ピピ

聖火リレーの騒動は本当に見苦しく、五輪史上、前代見聞ですね。
チベット、新疆ウイグル自治区の右派が叫ぶ独立問題は五輪と関係なく、中国に絡んでいつもくすぶっている問題ですから、
「五輪開催地を中国に選ぶべきでなかった」というのはどうかと思います。
少なくとも、日本、韓国はかなり昔に開催していますし、それから随分と遅れをとっています。近代化が遅れていたことが原因ですが、確か共産国でも過去に開催されていますね。
実際に、貧しさゆえに民度の低い中国人民が「五輪開催であらゆる事柄において国際水準に合わせる」という目標を掲げ、かなり前進していきました。政府機関のサービス、交通網の整備、マナー、医療水準、教育、行政などの進歩が大きいです。
北京だけでなく中国全土で底上げされ、これでも随分と「文明的」になり、暮らし易くなりました。
五輪開催があと4~8年遅くても、チベット問題は解決していないでしょう。
ダライ・ラマは四十数年もこの問題をほったらかしにして、まるでVIP気取りでアメリカなどを訪問しています。「独立する気はない、外交、防衛は中国に任せる」という都合のよいことを言っておきながら、こんな事態になってしまっているんですよ。
こんな人が中共に信用されるはずがありません。
ダライ・ラマのリーダーとしての資質の低さを感じずにはいられません。

チベットの右派を勢いづかせてしまったのは、
そもそも「西側」がダライ・ラマに「ノーベル平和賞」を熟考することもなしにあげてしまったからです。
こんな無責任なことはないと個人的に感じています。
「西側」の人たちが「チベット問題」の何をわかっているんですか、と問いたいです。

聖火リレーでどちらが見苦しいのか、というと明らかにチベットの右派の手段を選ばないやり方です。世界中に移住し、無職でウロウロしている連中がやっていることです。

ラサ暴動に関して西側のメディアは「暴動鎮圧」という都合のよい言葉を使わずに、「ショップ店員5人焼殺事件に対する取締り」と書くべきです。
亡くなったのはショップ店員の23歳以下の漢族の女性5人(うちチベット族1人を含む)
放火したのはチベット族の23歳以下の5人(男女混同)。これを「刑事犯罪」と呼ばずに「暴動」としているところがそもそもの間違いです。
by ピピ (2008-04-14 12:09) 

ピピ

追加ですが、中共がなぜ、ダライ・ラマがアメリカに出入りするのを嫌うかというと、一連の「暴動」をアメリカの組織が支援しているという見方があるからです。これについては、おそらくネットメディアだけが報じているのだと思います。
ダライ・ラマに誠意があるのであれば、それなりの対応の仕方があるはずです。結局のところ、反中共派なんですよね。
だから、中共に「『非暴力』も『独立する気はない』も嘘だ」と言われるのです。
ショップ店員はラサ市内の洋服店です。今どきのキレ易い若者が洋服店の店員の態度に「頭にきて」やったとも考えられます。

漢族と融合しているチベット族もいれば、漢族だけが経済的に豊かであると曲解して不満を抱いているチベット族もいるわけですから。
by ピピ (2008-04-14 12:32) 

rio

>ピピさん、中国は五輪開催に絡み、人権問題を解決することを国際的に公約しました。それを反故にしてしまっていることは明らかで、弁解の余地はないと思います。

ピピさんの主張はいつも同じことの繰り返しで、失礼ですが、これ以上議論する気持ちになれません。「西側にチベット問題の何が分かるのか」などというご発言からも、ピピさんに議論する気持ちが無く、ただ中共の言い分を押し付けたいだけだと感じております。

どういう事情があってそこまで中共に肩入れするのかわかりませんが、少なくとも、中国内よりも日本国内のほうが、手に入る情報量も質も上だと思います。ピピさんが中共の姿勢をまったく相対化できていない、客観視できていないことからも、そう断言できます。
by rio (2008-04-14 12:55) 

ピピ

「人権問題」とひと口に言われても、すぐにパッと解決できることではありません。それは中国に「今すぐに民主化しなさい」と、いっているのと同じことです。
その国の内政、事情があるのですから、五輪開催を契機に民主化できるものではありません。

現在の中共は過去のどの時代と比べても、理性的で人間的に思えます。
今、中共を刺激するよりも、応援、支持してあげた方が得策=世界のため、と感じています。

公約の「人権問題」は具体的に何を指すのでしょうか。チベット問題も含めて、というのならば、チベット問題を知らない人が言及できる事柄ではないと感じます。
私にはどういう事情もなく、自分の『感受性』で感じたことを発言しているだけです。
中国の新聞報道はひと昔と比べてかなり成熟しています。
民度が上がっているぶん、ジャ-ナリズムもただただ、中共を弁護するだけで、内容のないものでは市民が失望します。
中共は世界情勢も含め、事実を報じたうえで、中共の政策の正当性を主張しているのです。
西側メディアの騒ぎ方について、中国の人権専門家が報告書をまとめたとのことでしたが、結論は「中国は人権侵害は何もしていない。西側は偏った見方をしている。つまるところ、中国の目覚しい経済成長が面白くないんだろう」というオチには大ウケしました。
by ピピ (2008-04-14 13:39) 

rio

>ピピさん、感受性でご発言されるのは結構ですが、議論をお望みなら、論理的一貫性を意識してください。

私が「議論する気持ちになれない」と書いたのは、ピピさんの書き込みが、単なる感情の爆発にしか思えないからです。悪しからず。
by rio (2008-04-14 15:36) 

ピピ

特に議論を望んでいるわけではありません。
私はrioさんの意見に反論というよりも、西側メディアを相手に反論しているつもりです。
あちら側の人とこちら側の人では当然、利害関係が違い、論点も異なります。
大ウケしたと書いたのは、西側メディアがいろいろ報じても、当事国にそんな風にしか受け止められていないのでは、「全くのれんに腕押しだなー」と客観的にみて感じたからです。「経済成長が面白くない」説を肯定しているのではありません。
「客観性」という意味では、チベット問題について、「ダライ・ラマももう少ししっかりしたらどうか」、「他にチベット民族をまとめることのできるリーダーはいないのか」という議論が西側から出てこないのは何故でしょう。

「北京五輪の機会の逃したら、チベット民族の血がこの世から消えてなくなってしまうのを心配したうえでの暴動だろう」と推測する識者もいれば、
一転して「暴動は僧侶に扮装した人民解放軍が扇動した」という説もあり、
一体、何が本当なんでしょう、と私の方が疑問だらけなんです。

オウム真理教も顔負けの大量の武器が寺院から発見されているのに、
「棒きれと石ころしか持たない人を攻撃しないで」という文化人までいます。
「そのエネルギーの一部でいいから、イラク戦争に向けて」と思うのは私だけでしょうか。(←かなり嫌味)
by ピピ (2008-04-14 19:29) 

rio

>ピピさん、ご指摘の論点はすでに登場しているものばかりです。私としては、なぜそれを「出てこない」と断言されるのか、ということのほうが不思議です。また、イラク戦争についての批判は、勃発した2003年からだけでも、相当なエネルギーが注がれています。チベット問題の比ではないでしょう。
by rio (2008-04-14 20:38) 

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