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Vリーグ男子:できてきたサントリーと壊れてきた堺 [バレーボール]

Vリーグの試合をすべて観戦することが物理的に無理なのでどうしても堺の試合からになるのだけれど4連敗。いやいや、だったら東レを見たりクビアクを見たりしたいっすよ。女子のトヨタ車体、今季から多治見監督・印東総合コーチ・内田コーチ他の体制で、今日の岡山シーガルズ戦なんてかなり面白かったです。それでも堺を見てしまう義理がたいわたくし(謎)

結果だけみると第1・第3セットがジュースという接戦、スト負けだったとしてもそこそこいい試合だったのでは?と思ってしまいそうですが、なんのなんの、堺は負けるべくして負け、サントリーは勝つべくして勝った印象です。

明暗をわけたのはチームワークの差。堺はまたしても学級崩壊で、個々の選手が勘と経験と個人技で戦ってるだけ。なのでセンター線は機能しないし、最後も詰めきれずに負けてるんですね。そんな戦い方でも接戦になるのは堺の選手の能力がそれだけ高いという証明にもなるのだけれど、このパターン、もう見飽きたっす。

今日の試合は永遠の空回り王子・千々木をはずし、伊藤ハム絶賛ダイエット中を投入。伊藤はほんと、もったいない選手ですね。守備型サイドとして代表の一角に定着できたはずのポテンシャルの高さとセンスの良さ。視野も広いし、位置取りもいいし、でも余りにも時間をむだに消費しすぎました。

石島ウォレスはつまらなそうに、ただノルマをこなしているだけの試合ぶり。それでもウォレスは、おかしいと思ったことを今日は冷静に伝えていました(ポルトガル語はわからないけど)。でね、それをあの丸い通訳の方がちゃんと訳せているのか、そこも気になるんですよ。

今日の試合で、どうにか返球したレベルの2段トスが柳田に上がり、それをスタンディングで態勢を崩しながら打ったんですね。で、堺の前衛はブロックに跳ばなかったわけですよ。後衛でそのコースにいたのがウォレスで、彼はたぶん、ブロックに跳ぶと思ってたんでしょう。意表をつかれた感じで拾えなかったのですね。

で、堺がタイムアウトを取り、ウォレスが何か言ったことを通訳の方が「どうして、ブロックに跳んだの」と訳したのです。真保監督は一瞬、答えに詰まって、「とにかく、ブロックを2枚しっかり跳んで」みたいなこと言ってました。

ウォレスはおそらく「なぜ、ブロックに跳ばないんだ」と指摘したと思うのですよ。柳田はレフトとセンターの間の位置で左肩が思い切り下がってる状態だったので、低い位置からクロスに長く緩く打つしかできなかった。2枚でブロックに行けば楽勝だったはずです。なのに、いかなかった。ウォレスにとっては予想も理解もできないことだったんでしょう。先日の試合で後衛の伊藤に上がったボールを伊藤が打たなかったときと同じぐらい、あ然とした表情でした。

それをタイムアウトのときに指摘してくれているのに、変なふうに通訳され、日本人選手は誰もまともに聞いておらず、真保監督が適当に優しいこと言ってお茶を濁す。ウォレスのモチベーションが上がるわけないですよね。攻守ともに優れてるセッター対角なんてなかなかいないのに、もったいない。

実はこのプレーの前にも、エスコバルが無理やりな2段トスを強引に打ちにいったとき、堺はブロックに跳ばずにレシーブ態勢を取り、結果、決められてるんですね。

これ、昭和の女子バレーだとよくありました。ネットから離れた位置からの長く緩い打球だとブロックのタイミングを合わせづらいので、ブロックを利用されて外に出されるぐらいなら跳ばずに拾え、ってやつ。中田(とうとう)代表監督が解説席に座ってたときによく「跳ぶな!」って叫んでましたね(哀)。堺はそれをやっちまってるんですよ、平成もかなり進んだこの時代に、男子バレーで。

このチーム、壊れてんな、と思いましたですよ。タイムアウトのときの暗さなんてぞっとします。体格よくて能力高い選手たち、なのに宝の持ち腐れ感がハンパない。

一方のサントリー、山本柳田塩田の軸がだんだんしっかりしてきて、観ていて楽しいです。体格面では見劣りする3人ですが、常にプランA、プランB、プランC・・・と次善の策を持ってるところが面白い。なので、うまくいってない流れのときでもモチベーションを維持できている。そういう活気のあるチームに気持ちが入りますねー。

塩田は今日の試合で、Aクイックの位置で踏み切ってから相手ブロッカーの右肩の外側まで空中移動してクイックを打ってましたからねー。いわゆるA→Bの流れってやつで、堺の松本が全盛期の頃によくやってた印象がありますが、最近のセンターは打たされている選手が多いせいか、余り見かけなくなった技です。リードブロックをかわすには有効だと思うのですが。塩田はターン打ちもきれいで速くて確実で、おおっ!ってなります。

ここに星谷とリベロ鶴田が加わると新生サントリーの完成形になるんでしょう。という世代交代のプレッシャーを感じてのことか、今日は鈴木がよかったですね。攻撃面では、速い入りからしっかりジャンプしての強打。相手の流れをばっさり切るセンターらしい攻撃力を見せてました。課題のブロックの横移動も、堺のセンター線が機能していないために、それほどアラが見えず。もともとサイドでしっかり構えたときのブロック力は高い選手ですから、今日は鈴木向きの試合展開だったんでしょう。

気になるのはエスコバル。もともと下半身が重めな感じでしたが、開幕から1ヵ月、明らかに太って跳べてないですよね?筋肉が多いからパッと見ではわからないけど、腹回りなんか前任者のエバンドロを上回り椿山に迫るボヨン感、じゃないですか?日本のVリーグ程度だと身体追い込まなくても仕事できるし、ぐらいに思ってるんでしょうけど、前任者たちみたいにケガしても知らないよ。

DAZNの実況いわく、ジルソン監督には「テングになるな、日本バレーを甘く見るな」と繰り返し言われてるそうですが、逆に言えば、そういうことを何度も言われるほどテングになりやすい性格ってことなのかも。ブロックに跳ばない相手と試合してたら気合も抜けるってもんでしょうけど、ここはやはりジルソン監督を見習ってほしいものですな。
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恭介

わたしは土曜日はバレー観戦の日と決めているので女子も含め観たい試合はほぼ観れました。どれもクソつまらなかったですが....
土曜日のワーストプレイヤーを発表すると一位は合成の内山・二位はJTのるぶりっち・三位はシーガルの宮下ってとこでしょうかね。
合成の内山はヒドかったです。高松がケガ?か何かでベンチにも入っておらずかわりに入った背番号1番山田。序盤2本連続アウト、それ以降一切山田にはあげなくなりましたね。どんなにムリな体制でもライトのイゴ様へ。決まるわけがない。しかしその徹底ぶりはすさまじいってゆうよりも、セッターとしての資質を問いますね。そんなんだから山田は益々居場所をなくして消極的なプレーばかり。半泣き状態でしたよ。初めてのスタメンで緊張もしていたでしょうに、それを突き放すセッター兼棒入ってるからキャプテンですよね?彼が代表の一次収集にも呼ばれない意味がよくわかりました。ルブリッチはもう育成枠なんですけど、第三セット後半はヒドかったですね。いいトス以外全部柔打で逃げていました。フェイントにすらなっていないとゆー。落とす場所がへなちょこなもんだから当然拾われるわけですよ。そして極め付けは宮下。一応日本代表しょってるわけですから彼女の成長には期待を込めて初戦かっらみていますが......。まずやる気ないよねってゆー。rioさんおっしゃる通り手抜き感が半端ないです。ほっとんどジャンプトスしないですね。おまけにアンダーでの処理が多い。アンダーでBクイック上げた時はビビりました。そんなもん練習せんでいいからってね。レシーブとサーブは申し分ないのに、肝心要のセットアップがヒドすぎる。ここ数試合見てて思いましたが、宮下ってセッター好きじゃないですよね。ハイキューの影山のようにセッター命になれってわけじゃないけど、嫌々やらされていそう....。

堺も連敗中。伊藤キャプテンが足を引っ張りまくっていましたね。デキタに関しては空気でしたし。初戦は堺のバレー楽しいな!って思っていたのに.....。もうそろそろ外人=打たせ屋OPみたいな構図辞めたらいいと思います。パナソニックなんて連勝はクビアクのお蔭だからね。ダンチとは段違い!笑。なんてね。
取りあえず合成が融けて堺が崩壊してきてJTの迷走は既定路線としても、安定の東レと腐敗、あ、間違った不敗のパナあたりに勢いのあるサントがどう切り込んでくるか。ジェイテクトもいい感じになりつつあるけど地味なんだよな~
by 恭介 (2016-11-20 09:18) 

カワカワ

初めましてリオさん。
堺ブレイザーズのファンです。いつも読ませていただいてましたが、ここしばらくのチームの状況に矢も盾もたまらずコメント欄に登場してしまいました。お目汚しすいません。

堺なんですが、
練習すらこのスタメン6人でやってるの?と聞きたくなるようなバラバラ感。石島がキャプテンの時はここまで酷くなかったですよ。仲は悪かったと思いますが。
世代交代も含めて千々木や伊藤を核にしてチームを作り上げたいという上の意図はわかりますが、無理でしょ。少なくとも石島キャプテンの時は敗戦の責任を負っていて自分が引っ張ろうという意志を感じました。(ただ自分を棚に上げて人のミスにキレてましたが。)今のキャプテンにはそれが見えてこない。

不思議なのは横田です。以前は潤滑油としてチームの流れを左右する存在だったはずなのに今は常時ベンチ。明らかに故障を抱えてるベテランを何故抜かせないのか?彼のやる気のないピンチサーブでゲームセットになった時、つい毒づいてしまいました。このままだとパナソニックのアキトさんですよ…と。

堺はここが正念場だと思います。スタッフも含めてチーム一丸となってこの状況を打破出来るか否かが今後のチームの命運を分けるでしょうね。
私は最後まで見届けるつもりですが。

それにしてもサントリーの季節労働者たち(=助っ人外人)は間違いなく日本を舐めてますね。前任者も前前任者も。スタンリーは故障でほぼ出られず、エバンドロなんて日本で体調管理してからオリンピックに参加してましたから。エスコバルも身体能力高そうなステキな労働者ですが太っちゃうなんて…きっとお酒が美味しいんでしょうね。



by カワカワ (2016-11-20 11:20) 

rio

>恭介さん、宮下の試合は観ていて、あれじゃあ代表は背負えないなと思いました。まあ、遅かれ早かれ、中田姐さんの根性論に叩きつぶされるでしょうね。狩野舞子のように。

うっちーとるぶりっちーに至っては、観てもないのに容易に想像できるという(笑)

内山はトスの引き出しが非常に少ないセッターですよね。野球で言えば草野球の捕手、直球かカーブしか要求できず、二盗を刺せないタイプ。

イゴールまで持っていくシステムで優勝したんだから、他チームは当然、その対策を練ってきますよね。それを返り討ちにするほどの伸びしろが、内山・高松・白岩になかったということだったとしたら仕方ありません。今季をしのいで戦力補強にかけるしかないでしょう。

でも、そうではなく、鍵を握る3人に、優勝の栄光をいったんぶち壊して新たなものを築く勇気がなかっただけだとしたら・・・合成はまた万年二軍に戻ってしまうかもしれません。

そうならないように、古賀がいる間に次の道筋を見出してほしいですね。
by rio (2016-11-20 13:54) 

rio

>カワカワさん、コメントありがとうございます。週末のたびに堺に一喜一憂・・・を通り越して四憂ぐらいさせられてしまうこの感じ、跳び蹴りをかましてやりたいです。

石島がキャプテンだったときは千々木・伊藤世代がまだ新人でしたし、黙って言うこと聞いとくか、って感じだったんでしょうね。印東監督の時代に世代の歯車がまわりかけましたが、中間世代にその実力がなかった。結果、いまだに良くも悪くも石島のチームですね。

とは言え、その石島も居場所をなくしてビーチへ転向するわけで。千々木・伊藤世代は目の上のたんこぶがとれてラクになるぐらいに思ってるかもしれませんが、世の中そんなに甘くない。

組織論的に言えば、困ったちゃんなのに生き残っているキャラには、実は組織バランス上の重要な役割があるわけで。来季、堺から石島が抜けると確実にバランスが崩れますから、雪崩現象が起きる可能性があるんじゃないかなと心配しています。

周り始めた世代交代の歯車を止めることはできません。松本の引退も時間の問題です。一方、中間世代は人数が多いのにほとんど控えで実戦経験が乏しく、その結果、その下の新人・若手がさらに実戦経験を積めていない。ってな具合の構造問題を抱える堺で、スカウトを担当する部長が横転。この難局を真保監督、どうやって乗り越えるつもりなのか・・・

私がこのクラブチームの株主だったら、最初に社長を更迭しますね。
by rio (2016-11-20 14:13) 

小幡大好き

宮下がだめだと全日本女子のセッターは、誰が適任なのかと考えましたが、私としては、やっぱり宮下しかいないという結論に達しました。
うーん、宮下の部屋の机から、ドラミちゃんが現れて何かいい道具を出してくれないかな。本当に。


by 小幡大好き (2016-11-20 21:20) 

rio


>小幡大好きさん、セッターは運動能力とセンスが重要なことは言うまでもって感じですが、それ以上に、自分自身をアップデートし続ける能力があるかどうかがカギだと思ってます。

竹下はその能力を持っていたから、159cmながら通算10年代表を務めてメダルにたどりついたと思うんですね。

運動能力とセンスがある→起用して課題を与えてみる→伸びる、このサイクルにはまるセッターを早く見つけて、そのセッターの長期政権にすれば、地位が人を作ってくれるはず。

そう思って宮下を推してきたのですが、どうも彼女は自分自身をアップデートする能力が欠けてるんじゃないかという気がしてきました。戦術理解も疎い感じですし、ダメモトで試してやろうという冒険心も薄いのではないかと。

でも、田代になると運動能力でかなり見劣りしますよね。まあ、ブラジルのフォフォンみたいに運動能力が高くなくても金メダルとるセッターはいますが。

そんなこんなで最近は・・・松浦寛子と言いたいところですが、さすがに言えないなあ。
by rio (2016-11-21 23:20)
by rio (2016-11-21 23:28) 

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