あいうえおーすとありあ 【か…カモメ】 [あいうえおーすとらりあ]
【か…カモメ】
英語では「a seagull」と呼ばれ、どこのビーチや港でも群れを作っています。また、街中の噴水や池のある公園にも群がっていて、人間をまったく怖がらないどころか、エサをくれるのをがまん強く待っているのです。その姿勢は、厚かましくて頭の悪そうなハトと比べるととても好感が持てます。
カモメたちは、まず人間から適度に離れたところに集まります。そしてじっと人間のほうを見つめます。人間が少しでも動くとすばやくその場から離れ、安全を確認してからまた戻ってきます。何か食べ物をこぼすと、その場所をしっかり覚えていて、人間が立ち去ったあとに突進してくるのです。
ちなみに、ハトはカモメも人間もおかまいなしに近寄ってきて、カモメが目をつけているエサをむさぼっています。一回り以上も大きいカモメが、ハトが近づくとそれとなく避けて警戒しているのとは対照的です。そのせいでどのハトもでぶでぶと太っているので、生活習慣病になっているに違いありません。“ハトは平和のシンボル”と考えがちですが、イギリス人の知人によると、平和のシンボルは白ハトの「a dove」(スキンクリームの商品名にもなっているあれです)で、街中にいる“駄ハト”の「a pigeon」とは明確に違うそうです。
それはさておき、カモメの話でした。カモメはエサを投げてくれる人がいることもちゃんとわかっていて、投げるまねをするだけで羽を広げ、得意技の“空中キャッチ”の体制をとります。何回かしつこくやってみると、群れの中でも諦めてしまうやつと、何回でも基本の体制を取り続けるやつがいて、カモメにも個性があるんだなあと妙に感心してしまいました。
群れにはボスカモメが必ずいて、たいていは人間の正面の一番いい場所に陣取ります。その上で、ギャーギャーという鳴き声とともに、首を伸ばしてヒラカモメに突進して周りから追い払うのです。たまたまヒラカモメがエサをくわえようものなら、すごい剣幕で駆け寄って奪い取ります。でも、周りに気をとられてばかりなので、たいていの場合はエサを捕り損ねてしまっているようです。人間って意地悪ですからねえ。
そんなカモメたちなのですが、残念なのは顔が怖すぎること(写真参照)。ハトの丸い目と比べると、ほとんど殺し屋の目つきですよね。鳴き声も決して愛嬌があるとは言えず、やはり人間のおこぼれなんか狙わずに海で活躍して欲しいなと思うのでした。
次回は【き…QVB】観光客にも人気のちょっとかわったショッピングモールです。
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