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世界バレー 大逆転でセルビア・モンテネグロに勝利 [バレーボール]

 2セット取られての大逆転、スポニチ情報(高橋疲労、木村けが。過去記事参照)が報われて何より。ここ一番の大勝負を制したことで、盛り上がりはイタリア戦まで持ち越せ、TBSも大助かりだろう。得点率を考えると、日本の4強進出はほぼ無いといわざるを得ないが、もともと目標は5位(←勝手に決めた)なので、この自信を糧に快進撃を続けてほしい。

 評価ポイントはやはり、2セット取られたあとの10分間で戦略を練り直し、それが的確だったことだろう。逆のパターンはよくあった。2セット連取しているのに、10分間で対策を立てられ、フルセットで落とすというのが、一時期の全日本のイメージにすらなっていた。それから比べると、少しずつ強くなっているのは間違いないようだ。竹下の奇跡のブロックも的確な分析があってこそだ。

 竹下が試合後、「何も変える必要はなかった。第2セットの終盤から日本のリズムが出てきたから」(中日スポーツ)とコメントしたのも注目に値する。これまでの日本は”次につながる負け方”がなかなかできなかった。よくも悪くも愚直に相手に向かっていって崩れるパターンが多かったのだ。しかし今回は、落としたセットの中で次への流れを作っていたことが逆転につながった。そういうかけひきができるチームになりつつあることはとても明るいニュースだと思う。

 こうなってくると、改めて1次リーグの疑惑のA組にやるせないものを感じてしまう。確かに1次リーグは突破して、1次敗退→13位で終わった前回大会の二の舞は避けられた(ちなみに会場はドイツ。時差の関係で日本の放映時間に配慮するのは難しく、そのため”抽選”にも天の声が働かなかったと思われる)。しかし2次では、A組から上がってきたほかの3カ国はいずれもあっさりと3連敗。1次の同組同士は対戦しないため、星のつぶしあいが起きず、結果的にD組1、2位のセル・モン、イタリアばかりか、3位のキューバまで日本よりも得点率で上位に食い込んでいる。つまり、運営者が日本の目先の勝ちにこだわった結果、「メダル獲得」の可能性を遠のかせる結果になっているのだ。

 それだけではない。中国、ロシア、ブラジル、アメリカといった強豪が1次、2次で星のつぶしあいをする組み合わせになったため、中国とアメリカが4強に残れず、5位~8位決定戦にまわってくることが決まった。おそらく日本とキューバがここに加わることになるだろう。となると、これまでの実績から言えば、日本が5位に入ることは非常に難しい。むしろ8位で「まあそんなもんだろう」と納得されてしまうような組み合わせになるのだ。

 たらればを言い出すときりが無いが、1次で台湾に勝っていたらよかったんだという意見もあるかもしれない。しかし、その場合でも2次でキューバ、セル・モン、イタリアのうち二つは勝たなければ4強確実とは言えず、いまとそれほどかわらない状況だっただろう。

 今回の大会で日本は確かに実力を出している。試合ごとに進化もしている。ただそれは、国際バレーボール連盟、日本バレーボール協会、テレビ局の”金(カネ)のトライアングル”に支えられている結果だということを忘れてはならない。開催国であること、組み合わせ、試合日程(対戦相手の順番)、すべての面において日本に有利な条件でお膳立てされた大会なのだ。ジャパンマネーを意識した極端な大会運営が、結果的に全日本の足をひっぱっている。

 オリンピック出場権をかけたワールドカップも、オリンピック最終予選とアジア大陸予選を兼ねるという奇奇怪怪な大会も、毎回、日本で開催される。北京オリンピックに向けても状況は変わらないだろう。”金のトライアングル”は違った意味で、日本の黄金時代をつくりあげてしまっているのだ。無念。


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コメント 2

marco

はじめまして、
対イタリア戦は見ました。
良いところまでいってたので、3-0とはいえ、惨敗の印象がありません。
選手は実力を出し切ったとおもいます。
ですが、ホームなら、確実にチャンスをものにして勝つべきだったんです。
ですが、ものにできず、負けてしまった・・・

そのことと、おっしゃるところの「金のトライアングル」が何故かダブるんですが
気のせいでしょうか・・・
記事でおっしゃる「金のトライアングル」は、そうだったのか!と感心すると共に、ああ、やはりそうだったかと言う思いもありました。
ジャニーズがでてきて、ニッポン!!と叫ぶ場面がでてきて不愉快でしたので
僕は音は消して見てました。(もしファンでしたら、ごめんなさい・・・)せっかくの解説は聞きたかったのですが・・・
(^。^)
by marco (2006-11-13 21:47) 

rio

marcoさんはじめまして。コメントありがとうございます。別記事で書きましたが、スポーツ報知はmarcoさんと同じ見立てでしたね。わたしもいつも「ホームなら…」と思ってしまうのですが、連盟がいう”4大大会”のうちワールドカップとワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャン)は毎回、日本開催です。ほかにも日本開催の国際試合がわんさかあって、日本にしてみれば「ホームが当たり前」になってしまってるんですよねえ。そこから生まれる弱さは、監督や選手の努力だけではいかんともしがたく…。

ちなみにバレー中継とジャリタレの組み合わせ、なんとかなりませんかねえ。長い長いバレー低迷期をそのやり方でつないできた努力は評価しますがどんどん過剰になっている気がします。フジがV6のデビューをワールドカップにぶつけた(だから名前が「V6」)ころからひどさが増してきたような気がします。ジャリタレを出さないと会場が埋まらないという人もいるけど、ジャリタレを出しているからチケットが高くなっているというのも事実です。
by rio (2006-11-14 08:26) 

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