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世界バレー 日本2勝目!しかしA組は大混戦で… [バレーボール]

 このブログでけなしまくった山本の大活躍でプエルトリコに競り勝ち2勝目をあげた。よかったよかった。疑惑のA組で、下から順番に対戦していくという露骨な日程にもかかわらず1次敗退なんてことになったら、目も当てられないところだった。

 下位3チームに3連勝し、2次進出を決めてから余裕をもって上位2チームと対戦する。これが今回の男子のシナリオだった。しかし、中国戦でいきなりつまずいた上に、アルゼンチンが初戦から2連敗。順当勝ちして2次進出を決めたポーランドを除き、いきなり大混戦になってしまった。

 日本は現在2位だが、上位との2戦を残している。下位相手にこれだけ苦戦している現状では、相当厳しい戦いになるだろう。どのチームにも2次進出の可能性が大きい現状では、上位対戦を残した日本は不利だ。またしても、連盟と協会のお膳立てが日本の足を引っ張る結果になった。日本があとひとつ勝てば2次は確実だが、2連敗すると最後のイスを得点率で争う可能性が高くなる。現在、ポーランドとエジプトを除いて、得点率はほとんど差が無い。今年のワールドリーグのように、一気に崩れたり、調子が出ないままあっさり寄り切られる試合をひとつでもしてしまうと、1次敗退が迫ってくる。

 ベテランだらけの男子では試合を重ねながら強くなる(女子の木村や荒木のように)ことを期待するのは難しい。一方、ベテランの持ち味のはずの「崩れない試合」「相手が嫌がる試合」もなかなかできない。あらゆる意味で凡庸なチームなので、ベンチ采配がいつもにも増して重要になってくる。残り2戦、対中国戦のような迷走は許されない。

 プエルトリコ戦では朝長を先発させた。阿部のトスを打ち切れるサイドアタッカーがいない以上、阿部の高さを犠牲にしてでも安定した試合を目指したということだろう。また、朝長の起用はセンター線を使うというメッセージでもある。実際の試合を見ていないのでなんともいえないが、他国チームは今回も、おそらく日本のセンター線を重視していないのではないか。

 日本には、少なくとも90年代以降(あるいは現タレントの川合以降)目立つセンターが出ていない。上背があるだけで、速さ、パワー、技術、どれをとっても世界に見劣りする選手が続いている。比べて、サイドアタッカーはなんとか世界に通用するエース級(中垣内、泉川、加藤など)を生み出してきている。そのため、いつもサイドががっつりマークされ、あげるところがなくなって崩れるというパターンだった。カットが乱れることも多く、そうなるとセンターは使えず、2段トスも打ち切れないことがデータにしっかり出ている。他国にとってみれば、日本戦はサイドをマークしてればOKというのが”常識”ならぬ定式なのだ。

 プエルトリコ戦の1、2セット目は(意識していたのかどうかわからないが)、そうした対日本戦の”常識”の裏をかいた格好になった。ところが、インターバルが明けた3セット目を落としてしまう。スポーツナビにコラムを書いている田中夕子さんのブログによると、朝長は相手がセンターを警戒してくると読み、あえてセンターを外した組み立てをしたところ、相手は相変わらずサイドを警戒してきたので裏目に出たということらしいのだ。なんとも不自然な展開である。どういう根拠で判断したのだろうか。

 田中さんのブログにはその背景までは書かれていないが、これは”ベンチとコートのコミュニケーション問題”植田監督、なにやってんですか…の記事参照)の一端なのではないか。センター中心の組み立てが当たっているのだから、3セット目も序盤は同じ組み立てで様子を見て、それから判断するのがセオリーだろう。2セット目の途中からセンターへの警戒が強まっているというデータが出ていたのなら話は別だが。あるいは、センターを外したもののセンターへのマークがそれほどでもないと試合中に気づいたのなら、さっさと2セット目までと同じ組み立てに戻せばいい。もしチームとして、3セット目は最初からサイド中心で行くということにしたのなら、セッターは朝長ではなくトス回しの速い阿部を起用したほうがいい。

 インターバルの間に、植田監督およびスタッフはどういう分析をし、指示やアドバイスを出したのか、あるいは、試合中のタイムアウトにどういう指示を出したのか、知りたいところだ。2セットを連取したことで、3セット目はセッターに丸投げしたのだろうか。また、リベロの津曲はほかの選手にどういうアドバイスをしたのか。守備の責任者であるリベロは、後衛からコート全体を見通し、細かい修正をしていく役割も担っているはずだ。相手のマークがセンター寄りかサイド寄りかでブロックカバーの位置取りも違ってくるので、リベロからのアドバイスは欠かせないのだ。

 勝ち負け以前に、どうもしっくりこない全日本。練習を積んで練り上げてきたチームという感じがしないのだ。かといって、いまは過渡期で、今後の成長が期待できる、という感じでもない。とりあえずベスト8、という受身の目標以外に方向性のないチーム、といえば言いすぎか。


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