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映画『Mr.ビーン、カンヌで大迷惑?!』 <ややネタバレ> [レビュー]

             

観てきました。映画の日に行ったのに、館内はがらがら。同時間帯に上映されていた『アース』のほうへみなさん行かれていたようで。『アース』も以前に書いた通りの”いい映画”ではあるんですが、けっこう寝てる人も多かったんですよね(笑)。それに比べると、ビーンは客を寝かせない(←当たり前)。

ビーンのジョーク、ギャグ、ユーモア、どたばたはもはや定番。安心して笑ってられます。序盤のフランス語でお世辞を言われる小ネタから、中盤の資金稼ぎの中ネタ、終盤のカンヌ映画祭を皮肉った大ネタなど、「観る人の教養と興味と関心によって笑いの深さや広がりは違うけれど、全体として=大人から子どもまで存分に笑える」という緻密な構成は健在。

三谷幸喜の『THE 有頂天ホテル』の時も思ったのですが、良質なコメディって1回みただけではすべてを”発見”できませんよね。何度も観て仕掛けを見つけるのが楽しみだったりもするわけです。

この映画でいい味だしているのが、写真の真ん中の男の子。1996年生まれのマックス・ボルドリーです。2005年頃から子役業を初め、今回の映画に抜擢。イギリス人ですが、2003年までモスクワとワルシャワに住んでいたことから、英語とロシア語のバイリンガルです。

映画でほぼ同年齢のステパン(←10歳)を演じたわけですが、表情が豊かでうまい。特にほんとに楽しそうに笑うところがすばらしい。小汚いおっさん=Mr.ビーンだけに印象が偏らないための重要なポジションをしっかりこなしています。

もちろん、ステパンは飾りとしてのみ用意されたわけではありません。

ステパンはビーンのせいで父とはぐれてしまいます。仕方なくビーンと行動をともにし、知恵を出し合いながら父を探すわけですが、なんとそのビーンともはぐれてしまいます。そして最終的に、「ピンチを自力で切り抜けて、両手を挙げて最高の笑顔を見せているステパンを、父が(←ここ重要)発見する」というエンディングへとつながっていきます。

そうです。今回の映画では、「父と息子の関係性」、特に「自立」が全編を通じたテーマの一つになっていたのでした。だからステパンは11歳でも9歳でもなく「10歳」なんですね。このテーマ上では、ビーンはステパン親子にとっての”トリックスター”的な存在です。主役はあくまでステパン。父とはぐれてからの成長ぶりを髪型で表現したり、ビーンとはぐれる前の「大道芸」ではビーン主導だったのに再会後はステパンが主導していたりと、10歳の少年が成長していく様子がさりげなく、でもあちこちに盛り込まれています。

映画に盛り込まれているテーマはほかにももっとあるはず。入れ子細工のように、普遍的な笑いの中にいくつもの普遍的なテーマを含ませて、でも説明的なセリフや場面はまったく用意しない。ほんと「知的」ですね。


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ロイヤルダービー.com

映画「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」につき
ブログに記載された方を対象として、
もしよろしければのお願いメールでございます。

このたび、Mr.ビーンとのコラボ商品開発として
「Mr.ビーン×スマートネクタイ」なるユニークな
商品の販売を開始したご案内でございます。
紳士服のコナカ全国300店舗でご覧いただける
本商品につきまして、もしよろしければ、ブログに
リンク張りのほど、よろしくお願い申し上げます。

■ Mr.ビーン公式ウェブサイトでのご案内
http://blog.eigafan.com/beansworld2/product/

■ スマートネクタイ直営店
http://www.royal-derby.com/

■ 紳士服のコナカ・ウェブサイトでのご案内
http://www.konaka.co.jp/item/61/61_007.html
by ロイヤルダービー.com (2008-02-04 09:56) 

rio

↑なにをずうずうしくお願いしてるんでしょうか(笑)

そんな宣伝はちゃんと広告費を払って自前でやってほしいですねえ。コナカのためにブログ書いてるわけじゃないし。あえて削除はしませんが、私がこの商品を含め、コナカの商品を買うことはないでしょう。
by rio (2008-02-04 18:36) 

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