SSブログ

JR脱線事故で活躍の救命医自殺、父が勤務先を提訴 [けっこう気になる]

so-netがメンテナンス(←という名の嫌がらせだな、こりゃ)をしている間のニュースなので、ちょっと古いんですが、神戸新聞(26日付)からの引用です。
 
尼崎JR脱線事故で、救助活動をした済生会滋賀県病院(同県栗東市)の医師が自殺したのは、病院から指示された講演活動が重なり、必要な支援もなかったからだとして、遺族が病院側に一億円の損害賠償を求め二十五日、大津地裁に提訴した。
 
(中略)訴状などによると、(亡くなった元救命救急センター長の)長谷(貴将)さんは二〇〇五年二月に同病院に着任。同四月に起こった脱線事故で発生から約四時間後に現場に駆けつけ、第一線で救助活動にあたった。

 その後、通常の救急業務に加え、病院の指示で国内外の会議などで数多く講演。事前準備などで多忙を極め、職場での嫌がらせも受けた。しかし病院は人員補充などをせず、肉体的・精神的負担が増大してうつ状態になった末、〇六年五月に自殺したとされる。
 
京都新聞(26日付)もこの件を報じています。
 
訴状によると、長谷さんは2005年4月に起きた脱線事故で、救命活動に当たった。その後、マスコミの取材や講演の依頼が殺到し、病院はPRになると積極的に協力するよう指示した。長谷さんは対応や準備に追われ、仕事を自宅に持ち帰ることが多かった。同僚から公然と中傷される「モラルハラスメント」などもあったとされる。
 
記事は訴状(弁護士が原告の言い分をまとめたもの)段階なので、これだけですぐに病院側を”悪い”と決めつけることはできません。ただ、就任直後に起きた大惨事で、いち早く現場に駆けつけて活躍したほどのタフな医師が、なぜ自殺するような事態に陥ってしまったのか。事故から自殺までの1年間に何があったのか。非常に気になります。大津地裁に傍聴に行きたいぐらい。
 
救急の現場の過酷さや医療崩壊といったテーマはもちろん、労働環境問題、職場でのいじめ、中高年の欝と自殺、メディアスクラム、など今日の社会問題が凝縮されている訴訟です。なんでメディアはこれを大々的に取り上げないのか。イージス艦もムネオも大事だけれど、このニュースも同じぐらい重要だと思います。神戸、京都の各新聞にはしっかりと続報を出して欲しいです。
nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 4

area71

メールアドレスのほうに送っておきます。
by area71 (2008-02-29 20:05) 

まるこめ

はじめまして、rioさん。
去年のバレーボールの記事からこちらを知り、話題の豊富さと視点のするどさと痒い所に手が届いてる感が心地よく、そのまま毎日チェックするのがクセになっておりました。

いつもはそのとおり!と同意するばかりで何も書くことがなかったのですけど、今回の記事は更に激しく同意!!と思いましたので、書き込みました。

今行政で「自殺対策」という施策がいろいろなされていますね。でも私は、「うつ病の早期発見」とか「うつにならない考え方」とか「傾聴の大切さ」を説くことも意味はあると思いつつ、根本的な社会構造や人災に近いものがあるだろうと言いたくてたまらない事例が沢山あるような気がします。

>事故から自殺までの1年間に何があったのか。非常に気になります。大津地裁に傍聴に行きたいぐらい。

私もすごく知りたい、と思います。

>救急の現場の過酷さや医療崩壊といったテーマはもちろん、労働環境問題、職場でのいじめ、中高年の欝と自殺、メディアスクラム、など今日の社会問題が凝縮されている訴訟です。

どれも関心がある問題です。
この記事自体、rioさんのブログを読んでいなければ、知ることがなかったと思います。
売れる話題ばかりでなく、これからの社会を動かすために役に立つような記事をもっと知りたいなといつも思っています。とはいうものの、自分もアンテナを高くしてなきゃいけないですが。。

by まるこめ (2008-02-29 22:35) 

rio

>area 71さん、メールありがとうございました。
by rio (2008-03-01 17:33) 

rio

>まるこめさん、コメントありがとうございます。

ほんとに便利な時代になって、ロイターのページでは世界中のニュースが読めますし、共同通信のページでは日本全国の地方ニュースが読めます。全国紙も、産経と毎日を筆頭にニュースのネット配信を進めていますし(「天下の朝日」はいまだにあぐらをかいてる感がありますが)、世界の有力新聞の日本語サイトも増えてきました。

ほんの10年前まではまだ、「情報を取ること」に苦労する時代だったと思いますが、いまではネット環境さえあれば情報には困りません。すべての情報の良し悪しを判断するのは不可能ですが、関心のある分野、自分の専門分野については、メディアが流すニュースを批判的にチェックすることが誰にでもできるようになりました。

活字中毒気味の私にはうれしい限りです(笑)。バレーもその他の話も、「私はこんなふうに感じました」というスタンスで、こつこつ書いていきたいと思います。
by rio (2008-03-01 17:49) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。