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5月の胡錦涛・国家主席の来日はチベット旗で [今日のニュース]

          チベット旗.jpg

 日本のマスコミは「中国メディアによると」という形で、チベット族の独立運動を「暴動」と呼んでいます。かつて、日本占領下の朝鮮半島で起きた三・一独立運動を「三・一暴動」と呼んだのと同じ発想です。日本のマスコミは歴史から何も学んでいないのでしょうか。

そして中国政府。チベット独立運動が「暴動」なら、中国共産党が誕生するきっかけとなった「五・四運動」もまた「暴動」となってしまうことをどう考えているのか。そこんとこはっきりしてほしいですね。

チベットはすでに半世紀以上も独立運動を続けています。古来、幾度となく大国に侵略・支配され続け、清王朝滅亡でようやく独立を達成したのもつかの間、その後に成立した中国によって民族自決権を否定され、「中国固有の領土」とされたまま現在に至ります。

5月には中国の胡錦涛・国家主席の来日が予定されています。中国はこれまで、「日本における国家主席のカウンターパートは天皇」との立場を崩さず、来日を拒んでいましたが、小泉路線の崩壊を見て取って方針を転換したのでしょう。しかし、事はそう甘いものではありません。

チベット族を支援するネットワークTibet Support Network Japan
胡錦濤来日時に日本中をチベット旗だらけにするOFF
を初めとして、オン/オフのラインで抗議・支援活動が広がっています。

「チベット旗だらけにするOFF」の活動は特にユニークです。中国では、チベット旗(雪山獅子旗)の掲揚は独立運動を助長するとして禁じられているそうです。胡錦涛・国家主席がイギリスを訪問した際、チベット弾圧に反対する市民がチベット旗を振って”歓迎”したため、パレードが中国内で報道できなくなったのだとか。それを日本でもやろうという呼びかけです。

デモや大声の威力活動ではなく、もちろん、投石・投卵や何かを燃やすといった暴力活動でもなく、ただあちこちにチベット旗を掲げ、チベット旗を振ってお出迎えする。中国系メディアがそれを報じなくても、ネットを通じて世界中に配信できる時代ですから、日本人もチベット弾圧に抗議していると強くアピールできます。

この心意気に共感し、少なくとも胡錦涛・国家主席の来日まで、プロフィールのアイコンをチベット旗にします。大阪万博のシンボルで心の支えでもある「太陽の塔」が隠れてしまうのは残念ですが、せめてもの抗議の意味を込めて。チャンスがあれば5月には旗を持って、胡錦涛・国家主席と目が合うまでブンブン振ってやろうと思います。


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ピピ

Rioさんも随分と我慢されていたのだと思いますが、今の情勢からこの問題に触れないわけにはいきませんね。
私はチベット問題のような敏感な問題に何か意見できるほど見識の高い人間ではないですし、また見識の高い人間の考えが必ずしも正しいともいえないと感じます。
ただ、意見を述べるのは自由であって、良いことかもしれません。
私の考えは日本のマスコミや多くの人々のチベットに対する見解とかなり違うと思います。新聞は読みますが、中国人の知り合いから意見を聞いたことは一切ないのであくまで私の主観と実感です。

まず、中国、チベット(チベット仏教)、ウイグル自治区(イスラム教)、ネパールなどのその周辺の国々も含めて古来から攻めたり、攻められたりしているということ。
近代的な軍事力をもたない国が平和的に独立することは、過去から現在にかけて現実的に困難であったということ。中国が近代になって侵攻していなくても、他国が侵攻していた可能性もあるということ。
チベット僧は学童期から学校にも行かずに寺院で修行している。教育環境が整っていない。
医療水準が低く、平均寿命が短い。きちんとした行政がなく、インフラ設備がない。

これらの点をふまえると、チベットとウイグル自治区が仮に今日まで独立していたとしても、民族紛争、宗派闘争、暴動がない平和的な近代国家に成長できていたとは思えません。

私は中国の侵攻を肯定しているわけではなく、資源と領土拡大が目当てであったことは否定できません。しかし、少なくとも植民地や奴隷にしたりしているわけではありません。乱暴なやり方であり、チベットやウイグルのすべての人々が納得したわけではありませんが、中国の一部になったことによって、上記の問題がかなりの程度は解決されています。

宗教行事や宗教信仰に熱心なあまり、教育、医療、科学技術がおろそかになり、近代国家にほど遠いような国が世界にはたくさんあります。
そういう国の指導者は「純血主義が一番いいのだから、ほっといてくれ」と言うのでしょうが、そのために衣食住も足りていないような多くの国民が貧困、病気、災害で苦しんでいるわけです。インドの結核発病件数は中国を抜いて1位です。2位の中国は人口が圧倒的に多いので、仕方ないとしても、仏教の発祥地として世界に知られるインドはそういう国なのだと考える方がむしろ賢明です。インドに亡命しているチベット人たちが「完全独立」を唱え、五輪開催支持を表明したダライ・ラマを批判しているそうですが、本当の指導者なのであれば、その民族にとって一番良い道を選ぶべきなのではないでしょうか。中国の一部になることによって、医療水準が向上し、チベットの人々の平均寿命が延びたこと、教育水準が向上したことは純血主義の指導者にとって、喜ぶべきことではないのでしょうか。人間の根本的な幸せとは何でしょうか。近代的な暮らしができて結果的に満足している人もいるのです。これらのことを想像したときに、チベット問題について「独立したいのに、できなくて可愛そう。苦しめられてきたから暴動が起こっているんだ」とは私には考えられないのです。
さらに、どうやっても不満な人間、排他的で、状況をみて他者と折り合ったり、共存することを嫌う人間はどこの国にもいるもので、暴動を起こしている人間はイスラム過激派と大して変わらないとさえ思います。

by ピピ (2008-03-24 15:49) 

rio

>ピピさん、ご意見ありがとうございます。

ピピさんが中国をかばわれるお気持ちはよくわかります。私は元来、中国びいきで、学生時代は中国語を選択しましたし(モノにできませんでしたが…)、友人、文学、映画、旅行などなど、直接かかわった中国はいい思い出ばかりです。

だからといって、やはりひいきの引き倒しはできません。ピピさんの論理構成は、残念ながら、日本を含む列強が中国を含むアジアを侵略した時と同じものです。

占領下の中国や朝鮮でも、支配国によるインフラ整備が進み、医療水準や教育水準が向上しました。これをピピさんは「喜ぶべき」「幸せ」「結果的に満足」だとお考えなのでしょうか。それならばなぜ、三・一独立運動や五・四運動が起きたのでしょうか。

現実問題として、経済的にチベットが単独でやっていくのは難しいでしょう。しかしそれは、モンゴルや旧ソ連から独立した中央アジア諸国のうちのいくつかと同じ条件です。中央アジアだけではありません。経済的に自立が難しい国は世界中にあります。では、それらがすべてどこか大国の支配化に入ればよいのでしょうか。

近代化=西洋文明を受け入れるかどうか、それは民族の意思に委ねられるのが当然です。20世紀に、国際社会はそのように合意したのです。例えば、ブータンはつい最近まで鎖国をし、独自の文化を守ってきました。そしていま、西洋式の普通選挙の導入に取り組み、王族から一般国民まで、国を挙げて練習している状態です。ブータン国民はいままでずっと、貧困、病気、災害に苦しみ続けてきたのでしょうか?

ピピさんは「本当の指導者ならその民族にとって最良を選ぶべき」と述べられてますね。しかし、その意味するところは、「チベットにとって最良の道は中国の支配下に入ること」ですよね。

ダライ・ラマ14世は、「チベット独立」を民族にとって最良と考えたのです。それは14世が突発的に思いついたことではなく、チベット族の悲願でもあるわけです。

中国共産党は当初、イギリスを手本にした「連邦制」を目指していたはずです。中国がそういう形で民主的・平和的にチベットと連携するのであれば、それは”あり”だと思います。しかし、現在の中国が取っているのは「弾圧と同化」政策です。

識者によると、今回の運動で犠牲者が増えているのは、ダライ・ラマ14世と中国当局双方のコントロールがきかない事態に陥っているからだそです。中国がこのまま北京五輪を成功させて名実ともに大国の道を歩み始めると、そう遠くない将来、チベット族は歴史から消されてしまう。そういう危機感が人々を動かしているのではないでしょうか。

闇雲にその国を肯定することが、即ちその国を愛することとは限りません。現実に、中国内、漢民族内にも、チベット弾圧を批判している知識層は少なくないですよね。
by rio (2008-03-24 17:26) 

鯉三

はじめまして。
「チベット旗だらけにするOFF」の活動、とてもいいなと思いました。胡錦涛・国家主席来日時に、沿道で旗を振って取り締まられるということはまさかないですよね...
by 鯉三 (2008-03-24 19:39) 

rio

>鯉三さん、暴力行為や、路上を占拠するなどの迷惑行為がない限り、法的に取り締まることはできません。

しかし、「警備」を理由に、沿道では旗を含めたなどすべての持ち物を掲げることを禁止される可能性はあります。そうなれば服に貼り付けたり、チベット旗Tシャツを着たりすることになるんでしょうか、その辺はちょっと分かりません。

中国はいま、英米露仏の4カ国に対し、北京五輪についてボイコットを含む何らかの行動を起こさないように説得工作を続けているそうです。しかし、米下院や各国首脳の「自制」を求める発言など、国際社会の圧力は強まる一方です。

報道陣を追い出して情報統制し、チベットを一方的に非難する手法を変えない限り、抗議活動は北京五輪にも及ぶことは避けられないと思います。すでにダルフール問題、食品問題、大気汚染問題で世界をドン引きさせてますからねえ。。。
by rio (2008-03-24 20:27) 

匿名

管理人さんがズバリいい辛いであろうコメントをしても良いでしょうか。

空気が読めないと言われそうですが、ピピさん、ピピさんのコメントは乱暴な言い方をすると、右翼思想の方の先の大戦を正当化する時に使われるレトリックと同じ臭いを感じます。

例えば"大東亜戦争はアジアの独立の為の聖戦であった"と言った論調です。(植民地支配という事実はあくまで独立の為の手助けという考え方ですね。)

私は左右に振れない政治思想を心がけておりますが、ピピさんのコメントを拝見いたしますと、被植民地時代を実体験としてご存知ではない"現代の平和に温々と育った方のご意見"といった感想を受けざるを得ません。

いわゆる"強者強国の発想"ですね。

これではただでさえ理想論として考えられがちな世界平和など、到底見込めません。

私のコメントを受けてのお腹立ちはもっともなことだと思いますが、まずはチベット民族側に立った想像をされてみてはいかがでしょうか。
by 匿名 (2008-03-25 01:04) 

rio

>匿名さん、ご意見ありがとうございます。ピピさんへのコメントだと思われますので、直接のお返事は控えます。
by rio (2008-03-25 04:30) 

ピピ

Rioさん、私は中国に約10年住んでおりまして、中国に愛着はありますが、愛しているかどうかといったら、祖国日本の方をずっと愛しているでしょう。
私は中国をかばいたいのではなく、自分の見聞きしたことを皆さまに伝えることで、とかく毛嫌いされがちな中国共産党がひどいことばかりやっているわけでもないということを少しでも書きたいだけです。もちろん、自分の語り口が説得力のある内容であるなどとは考えていません。しかし、距離感があれば、言葉は悪いですが他国への偏見も無知も憎悪も生じ易くなります。
さらに、私は自分が中国や中国語を少し知っているからといって、自己顕示欲にかられてコメントを書かせていただいているわけではありません。書きたい内容はたくさんあっても、ブロガーやコメンテイターの方々と同じように、仕事、家事、育児などの限られた時間の中で書いていますので、書ける内容は非常に限られます。

匿名さん、ご意見、ありがとうございます。文面から、とても冷静で公平な視点をもっておられる方だと感じました。謙虚に受け止めたいと思います。
チベット問題は「もう中国の一部ということにして、平和的にやっていきましょう」と決着付けようとすれば、あまりにも矛盾が多いです。
矛盾のひとつには、Rioさん、匿名さんのご意見のように、「列強国が植民地に対して行ったことと同じこと」という反論が必ずあります。
これについては、植民地政策と同じ性質といえるものではないと私は思います。
国境を隔てて生じている利害関係だからです。歴史も含めて、複雑な事情は当事国でないとわからないと思います。

植民地政策と同じであるとして、列強国はもうそれを止めていますが、中国は列強国にやりたい放題され、近代後期辺りからようやく、強国になり始めた国です。
昔、自分も手を染めていたのに、自分が手を引いたからといって、「あいつは汚い奴だ」というのはいかがなものでしょう。
世界の大国の中国に対する態度は正にこれに該当します。匿名さんの言われるチベットの立場側から『チベット問題』を考えている人が世界中にどれだけいるでしょうか。

率直に言うと、私はこの国際世論とチベットの宗教指導者にうさん臭さを感じます。それで、暴論を持ち出しているといっても過言ではありません。
加えて、『宗教』というヴェールをまとい、何もしない宗教家と良い政策も悪い政策もあるけれども、結果(=近代化、市場経済の成長、教育の普及)を出している中共とを比べたとき、後者の方がよりマシであると思います。

最初に「敏感」な問題と前置きしましたように、中国の利権が絡むことによって人の血が流されている問題です。しかし、人の血が流されたということについては、かなり昔まで遡って、インディアン、アボリジニーなどの先住民族に対して強国が行った虐殺行為、同化政策も同じです。匿名さんのおっしゃる「強国思想」は大変もっともですが、日本がアメリカの核の傘下に入っている理由も「強国思想」=(長いものにはまかれろ)によるものだと思います。    
極論ですが、「『強国大国』が横暴なことをしてはいけません」というのは事実上、無理なことはないでしょうか。アメリカが日本、韓国などに軍事基地を多数、抱えていることは横暴なことではないのでしょうか。世界No.1の『アメリカのルール』だから許されるのでしょうか。仮想敵国が中国と北朝鮮だから、それでいいのでしょうか。それでも、国際社会が協調し、理性をはたらかせることによって、何とか平和を維持しています。
しかし、各国が軍事力を増強し、核抑止力で牽制し合っている、というのが現状です。
日本はアメリカという超大国を後ろ盾にしていますが、中国に後ろ盾はありません。
だから、軍事力も増強するし、核実験も行う、国防のためにも領土は広いほど良いわけです。上記内容について、不快に思われる方もおられると思いますが、私は物事をきれいごとで済ませられないタイプの人間ですので、どうかご了承下さい。


by ピピ (2008-03-25 13:34) 

rio

>ピピさん、ご自分でもお分かりでしょうが、展開されているご意見は19世紀の発想ですね。「帝国主義史観」にもとづく「侵略肯定論」。

ピピさんへの反論は、20世紀をかけて人類が血を流しながら築きあげてきた思想に基づいていると思うのですが、それを「きれいごと」の一言で片付け、時計の針を戻せ、とおっしゃっておられるわけです。

たとえ異民族に新王朝を作られてもいつのまにか漢民族風に同化させていく。これが中国大陸に住む民族のスタイルでした。端的に言って、中国民衆にとってはその日の生活が保証されれば、だれが統治しようとどうだっていい、という発想です。

清王朝が欧米と日本の侵略を粛々と受けれたのも、日中戦争後、周恩来が賠償を放棄したのも、そういう背景を持っていたからだと言われています。中共が文革以降、急に反日感情を持ち出してきたのは、左傾化していた日本に対する有効な「外交カード」だったからです。論理より情を優先させる日本民族の特徴をついて経済援助を引き出すためで、中国らしい合理的な国家戦略でした。

ピピさんの「国防のためには領土が広いほうがいい」という身もふたもないご意見も、そうした発想の延長にあるんでしょうね。しかし、チベット族は僧考えていない。この点を、ピピさんはまったく無視されていますよね。

10年で中共の言い分をそのまま代弁するようになる外国人もいれば、
王力雄や劉暁波といった著名作家のように、

「中国政府は暴力的な鎮圧を即停止すべきだ」
「報道の自由化と国連の調査受け入れを実現せよ」
「ダライ・ラマ14世が扇動しているというなら、中共はその証拠を示すべき」

と声明を発表している中国人もいます。

今回の中共の対応を支持している国は、北朝鮮、シリア、モンゴルなど中央アジア数カ国、フィジーなど14カ国のみです。いずれも中国からの経済援助に頼っているか、国境を接していて関係悪化を避けたい国ばかりです。

ピピさんが、「中共がひどいことばかりしているわけではない」などと気負う必要はないんじゃないですか。

中共への「偏見、無知、憎悪」も、そうではないまっとうな意見も、ネット上にはあふれています。そして、日本国内からはどんな情報にも制限なしにアクセスすることができます。あえてピピさんが中共の代弁者となる必要はないと思いますよ。
by rio (2008-03-25 18:24) 

匿名

言わでもの事ですみません。

一点だけ、やはりどうしても引っ掛かってしまいまして。
チベット側から考えた場合、"被植民地支配"と"同化政策"、どちらがより悲惨な状況かと言えば同化政策であると言えるでしょう。

無論悪に変わりはないですが、植民地支配には資源、資金、労力その他の搾取はあるにせよ、その本質は、"弱者"の最後の拠り所である民族意識まで奪おうとするものではありません。

それに対し過去の日本も行い、また現在の中共がとっている同化政策は、それまでのマイノリティが築いてきた文明や文化、民族意識まで根こそぎ否定してしまうという性質のものです。

それこそ渦中の民族にとっては死ねと言われるより残酷な政策でしょう。

擁護・批判というものがその本来の意味を成すには、自身からのみの視点ではなく相反する立場からの見方も踏まえた上で、己の価値観というフィルターをできる限り排除し、しかしながら相手方の置かれている立場や感情を推察し、それに基づきことの善悪を判断するという非常に困難な作業です。

しかしながらここを蔑ろにすると、つまるところは論破したものがゲームとしての勝ちを得るのみという危険な娯楽で終わってしまいます。

私の危惧しているところはまさにそこであり、またこの問題は絶対に娯楽で終わらせてはいけないものだと考えているため、このようなしつこい投稿をさせて頂いております。
何卒ご容赦下さい。
by 匿名 (2008-03-26 02:23) 

rio

>匿名さん、同感です。テレビでなにかを発言している人たち、政治家、評論家、お笑い芸人などジャンルの垣根なく、ゲーム感覚で言いたいことをいってますよね。

顔の見えないネット空間ではそれがさらにエスカレートするようで。これが市民ジャーナリズムの確立につながる生みの苦しみだといいのですが。


by rio (2008-03-26 03:19) 

ピピ

Rioさん、ことチベット問題については私は中共を代弁しすぎているようですが、中共を全肯定しているわけではありません。親が完璧な人間でないのと同じで、中共も自由民主党も過ちや試行錯誤を繰り返し、理想が崩れたり、挫折することを経験しています。
共産主義はどうあってもおかしくて、自由民主主義が絶対に正しく、それこそが幸せな生き方ができるとは限りません。世界には多様な価値観があっていいと思います。
どんな国、どんな家庭に生まれても、不満はあってもそれなりに生きていくしかないと思います。
Rioさんの言われる中国民衆云々…のくだりですが、
民衆は自国に力がないと、他国に統治されることをひとまず受け入れるか、反抗して生命を落とすかのどちらかしか選べません。どんな情勢においても、したたかに生きていくことは庶民の知恵だと思います。

長文を連稿しているわりには、仔細な部分にとらわれて、肝心な点が抜け落ちていましたので、さらに追加させて下さい。

匿名さん、わかりづらい書き方で申し訳ありません。
「人の血が流されたということについては、かなり昔まで遡って、インディアン、アボリジニーなどの先住民族に対して強国が行った虐殺行為、同化政策も同じです」と書きましたが、流血があったことが同じという意味であり、私はチベット問題を『同化政策』と同じと考えていません。私は『共存共栄』に近いと思います。
アボリジニーの血はそのうち消えて亡くなるのかもしれませんが、チベット人はチベット人として、文明、文化、民族意識と共に存在し続けると思います。あくまでも「チベット自治区」と位置付けており、反抗さえしなければ、チベット人として宗教、民族性、文化、文明を引き継いでもらうとことが中共の政策だからです。
『反抗さえしなければ、普通の生活ができる』という点において、中国国内のその他大勢の中国人に対する方針と同じであるといえます。

民族浄化、チべット民族がこの世から消えてなくなると考えておられる方がいるようです。
普通話の中国語を学ぶことは学校で義務付けられていますが、チベット語の名前を名乗ったり、チベット語、文化を学ぶこと、チベット仏教の信仰(過剰なやり方は禁止されるでしょう)は禁止されていません。


「中国政府は暴力的な鎮圧を即停止すべきだ」
「報道の自由化と国連の調査受け入れを実現せよ」
「ダライ・ラマ14世が扇動しているというなら、中共はその証拠を示すべき」

識者は対立がエスカレートし、挙句の果てにテロが起こり、泥沼化するのを懸念していると思います。

上記の意見についてですが、報道の自由や民主主義が保証されれば、この世からすべての悪がなくなるとは私は思いません。一連の動きは新聞報道されています。
暴徒化する人間がいるから鎮圧せざるを得ないのです。
ダライ・ラマが「非暴力」を唱えていることは賛成できます。が、ダライ・ラマにも逆らって、しびれを切らせて暴力に走る人間がいるから深刻化しているのです。
中国政府に自制を求めるというよりも、チベット人自身が自分たちに政治力も軍事力もなかったことを反省し、自分が何者であるのか、高度自治、又は独立を目指すのであれば、これから何をすべきなのか、中共とどうやって対話していくのかについて、冷静に見極めるべきです。



by ピピ (2008-03-26 13:34) 

rio

>ピピさん、議論が堂々巡りなので、これ以上の反論は差し控えます。

ピピさんが「小国は大国の支配下に入れ」という発想を持ち続ける限り、何万語を費やしても分かり合えないでしょう。

「帝国主義の侵略思想だ」という批判に対して何もお答えにならず、ひたすら主張を繰り返されるようでは議論になりません。ピピさんの「実情を伝えたい」というお気持ちも、逆効果だと思います。

私は共産主義がどうあってもおかしく自由主義がすべて正しいとは一言も言っておりません。ピピさんが頑なに中共の代弁をされるのは、この点に誤解があるからではないでしょうか。

民族自決が国際社会の大原則である
すべての民族問題は平和裏に話しあいで解決されるべき
中国がかつて被支配国から独立を達成した歴史を持つことを思い出すべき
チベット自治区にはチベット族全体の3分の1しか住んでおらず、ほかの省内に住む3分の2はほぼ同化が完了していることに思いを致すべき
中国国営メディアは中国に都合のいい報道しかしていないという事実は世界の周知である

もし、次回もまたコメントをくださるおつもりがあれば、「ピピさんの発想は侵略肯定論だ」という批判と、さらに上記の点を考慮した上でお願いします。
by rio (2008-03-26 19:59) 

ピピ

Rioさんの書かれた市民ジャーナリズムに私は賛同します。
チベット問題について、日本人にできることはないか、と考えることはとても大切で、この問題が穏便に解決するようにとチベット旗を掲げている方々を非難するつもりはありません。
偏見も交えて討論することは有意義だと思います。
偏見が全くない人間はいませんし、どんなベテランジャーナリストでも世界各国の複雑な情勢を細かく把握することはなかなか難しいと考えます。
私はrioさんのブログで、さまざまな世界情勢の話題を拝見しましたが、偏見が極端に少ない方だと感じました。
Rioさんが中共に対して、ダルフール問題も含めて言うべきことは言う、という姿勢をとっておられるのはジャーナリストとして当然の立場だと思います。

私はこの機会を通じて、私自身もチベット問題について勉強できたことに感謝しています。

Rioさんのご質問については、2回目の投稿で下記のようにお答えしています。
>「列強国が植民地に対して行ったことと同じこと」という反論が必ずあります。
これについては、植民地政策と同じ性質といえるものではないと私は思います。
国境を隔てて生じている利害関係だからです。歴史も含めて、複雑な事情は当事国でないとわからないと思います。

私はチベットを国と呼ぶことをできる限りに避けています。歴史の流れからみて、国といえるかどうかがはっきりと断定できないからです。このため、「小国は大国の支配下に入るべき」、「侵略肯定論」という反論は必ずしも当てはまらないと思います。
1949年に新中国が成立し、1951年に人民解放軍がチベットのラサに進駐しています。
清朝から数百年をを経て、チベットに侵攻し、中国の一部にしたことについて、年表だけを見ていると、嘘っぽさを感じる人は多いと思います。

チベットの厳しい地理、気象条件について、強く意識している人は少ないのでないでしょうか。チベットは韓国、朝鮮のような、統治者次第で何とでもなるような条件の恵まれたところではありません。九州ほどの大きさのブータンは近代国家に近づいているとのことですが、チベットのような厳しい地理環境に囲まれた国なのでしょうか。
高原農産物をほんの数種類、生産できるだけのチベットを植民地にしようと考える国は皆無だと思います。

1951年以前にチベット人がどんな暮らしをしていたかというと、電気、水道もなく、チベットの牛を狩猟するだけで、米、小麦粉、塩などの食料品も手に入らないらしいです。
まず、チベットに通じる道路を建設するだけで、台湾、韓国に道路を作るために費やす労力、資金の100倍近くを要することが容易に想像できます。鉄道にしてもそうです。冬は零下にまで気温が下がり、積雪が多く交通は遮断されます。
数百年もの間、誰も干渉せず、無政府状態で放置していたのは、中国政府にそこまでの力と物資がなかったからです。
中共が近代になって、都合よく出てきたのではなく、そういう事情があったために、チベットに対して意思表示することができなかったと考えられます。

北京市内にも10万人近くのチベット人が定住しており、チベット系小中学校もあります。清朝以前から移住してきたチベット人の子孫である僧侶が大規模なラマ教寺院で宗教活動を行っています。近代以降もチベットから3分の2の人口が移住したことがうなずけるほど、チベットは地理環境の厳しい地域です。チベットに残り、独立を主張している人々は、私が考えるにはおそらく、右翼が多いと思いますが、独立したとしてもそれを喜んで、チベットに戻って住む人はほぼいないと予想されます。民族問題はおっしゃるように平和的に解決することが理想です。
by ピピ (2008-03-27 18:05) 

rio

>ピピさん、一言だけ、チベットには世界有数のウラン鉱脈があることが分かっています。

人民解放軍が侵攻した1951年にはまだそのことはわかっていなかったでしょう。チベットへの同化政策は中ソ対立の深刻化に比例していますから、国防上の観点だったことがうかがえます。

そしていま、中国が頑なにチベットを押さえ込もうとしているのはウランやそのほかのレアメタルがあるからです。話がややこしくなるので触れてきませんでしたが、モンゴルと内モンゴル自治区が抱える問題も同じ構造を持っています。

こういう事態のことを、「政治はきれいごとではない」と言うのだと思います。
by rio (2008-03-27 23:19) 

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