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世界で一番クールな国、日本 [これはいいね]

韓国の3大紙の一つ「朝鮮日報」は、面白い日本ウオッチング記事(コラム)をよく掲載します。韓国人から見た”日本の優れた点”を分析し、韓国を叱咤激励する内容。やっかみも少し混じっていて、高度経済成長期の日本がアメリカをこんな目でみていたのかなあと想像します(←日本のアメリカコンプレックスはいまだに抜けていないようですが)。

今回の記事のテーマは、文化輸出大国になった日本。芸者になった学者の話を枕に、日本文化に世界中が「熱狂」している様子を伝えています。一方、韓国人は…(5日付から引用)

 「日本」と聞くと、韓国人は経済大国を連想する。トヨタ自動車やソニーの電子製品に象徴される製造業強国というイメージが絶対的だ。一方、日本文化に対しては、「倭色」として質の低いB級の扱いをする。

これはきっと、中高年層の見方ですね。韓国でも新聞を読む層が高齢化しているのでしょう。もちろん、コラムを書いた朴正薫(パク・ジョンフン)経済部長(←偉い人なんですね)は、「そうじゃないんだよ」という話を展開していきます。

その1
米紙ワシントン・ポストが「クール(Cool)な帝国・日本」という特集記事を掲載したのは、4年前のことだった。記事は日本について、「地球上で最もクールな国だ」という賛辞を贈った。日本の漫画・アニメーション・ファッション・映画が世界市場を席巻し、「文化が(製造業を凌駕する)日本最大の輸出品となった」と記していた。

その2
日本製文化商品の躍進には目を見張るばかりだ。世界は宮崎駿のアニメーションを見て、任天堂のゲームに没頭し、村上春樹の小説やケンゾー(KENZO)のファッション、安藤忠雄の建築に熱狂する。

その3
日本の漫画は世界の漫画市場の60%を占め、日本製テレビアニメの米国向け輸出は鉄鋼製品の輸出額の3倍にも達している。日本銀行によれば、1997年から2006年までの間に日本の総輸出額はおよそ1.7倍となったが、文化商品の輸出は3倍以上に跳ね上がった。

すごいですねー。日本文化への熱狂ぶりを説明するデータでアメリカを出してきてしまっているあたり、韓国も日本と同じアメリカコンプレックスの国なんだなって感じですが、ともかく「日本文化はすごいぞ」と。

私はチャットであちこちの人と話すことがあるんですが、若者の話題はだいたい「NARUTO」です。私は一度も見たことがないので、まったく話が合いません…orz というより、オタク文化に疎いので、ヨーロッパにわんさかいる(らしい)”腐女子”(←これってオタク語ってことでいいのかな)たちの迫力と知識の豊富さにどん引きです。

それほど日本文化はすごいんですね。そんな魅力を数値化しようと、ニューアメリカ財団(NAF)の研究員が6年前に、「国民総魅力(GNC)」というものさしを開発したのだとか。ウィキペディアによると、ニューアメリカ財団とは、ワシントンを拠点としたシンクタンクで、中道の立場から幅広い分野に提言を行っているそうです。

そっかー。何年か前、朝日が正月に「KAWAII」を特集していましたし、NHKがいま「東京カワイイTV」をやっているのにはこういう背景があったんですね。特に、NHKの番組は世界中で放送されるので、「東京」と「カワイイ」は、NAFが論文を出した6年前よりもさらに広まっていることでしょう。

日本国内では、ガソリン、道路、医療、年金、と重要だけど楽しくない話題ばかり。それでも、隣の韓国から見るとクールな国、先を行っている国、なんですね。

こうした魅力を、日本経済は戦略的に活用し、国富を創出している。日本経済は、もはや製造業だけの経済ではない。無形の国家魅力と文化的価値で金を稼ぐポスト・モダン経済に転換した。

だそうです。褒めまくりです。

話は飛びますが、今朝の報道で、「引きこもりが高齢化(=40代が増加)」なんて話をやってました。引きこもりの人たちは、見方を変えれば文化的価値の担い手、人材の宝庫なわけですよね。日本経済のトップはまだ頭が”製造業”ですから、彼らの能力を引き出す場の作り方がわかっていないのだと思います。

小泉みたいに「格差社会」を肯定し、人生を勝ち負けに分けるような国では、アメリカ文化のようなものしか育ちません。そんな底の浅い社会は嫌だなと感じる高感度センサーを持っている人たち、言い換えれば、天照大神のような感覚を持っている人たちが、天岩戸に隠れている(=社会参加をボイコットしている)。それが引きこもりの実態なのでは。

などと考えていたら、朝鮮日報がこれまたちょっと面白い記事を載せていました。(5日付)。「数独」を世界的に流行らせた会社の社長を紹介する記事で、その中の一節。

オタクは日本のあちこちにいる。ラーメン1杯に人生を賭けるオタクが、東京を世界最高の美食都市に押し上げた。漫画が世界市場を支配しているのも、オタクの力があったからだ。どんなに怪しい分野であっても、日本には必ず厚いオタク層が存在する。そのお陰で、日本では社員わずか20人の零細出版社であっても、世界のトップになることができる。

引きこもり=オタク、と言いたいのではありません。引きこもれるだけの経済力(←身内の支援であっても)とあり余る時間、そして内省的な思考を備えている彼らこそ、文化を生み出す条件を備えている人たちなんだということを、朝鮮日報の記事が示唆しているように思います。

ちなみに、「数独」の社長はこう言ってます。

会社を拡張しようという考えはあるのか尋ねたところ、「全くありませんね。このまま今の調子で、“潜水艦”みたいな会社でいたいです。やりたいことをやりながら…」

おお!すばらしいご発言。こういう方が増えると、日本文化はますます発展すると思います。


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コメント 4

匿名

素晴らしい記事に感動いたしました
by 匿名 (2008-10-11 18:42) 

rio

>匿名さん、ありがとうございますm(_ _)m
by rio (2008-10-16 11:05) 

NO NAME

東京カワイイTVは、来年4月からはTBSが「復活の日」の後継番組として放送するそうです。
by NO NAME (2008-12-10 21:50) 

rio

>コメントありがとうございます。

NHKの番組をTBSが買った、ということなんでしょうか。NHKでやってこそ、世界中で放送されて、日本の宣伝効果があるのに…と思います。

TBS・毎日新聞グループは、なんだか末期的な様相を呈していて、ちょっとどうなんだろう?という感じです。
by rio (2008-12-12 16:09) 

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