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09黒鷲・男子準決勝 東レVS堺ブレ [バレーボール]

第2セットの途中でへんなボタンを押してしまい、復旧作業に1時間以上…[雨]なかなか言うことを聞いてくれない機械ですが、やっと最後まで見ることが出来ました。

余裕の東レ/必死の堺という感じでしたねー。試合内容としてはそこそこ面白かったと思います。同じ顔合わせだったVリーグ決勝がぐだぐだだったので、余計にそう思うのかもしれませんが(笑)。ただ後半は、どうがんばっても堺に勝ち目はないな…って感じがことがにじみ出ていてちょっと切なかったです。

さて。この試合を見てずーーーっと、ゴッツ石島のことが頭を離れません(恋?)
石島は真ん中でブロックを跳んでることも、ときどきクイック(おとりにも)に入ってることもV決勝の時から少しは気になっていたのですが、さらに気になることができてしまいました。

石島はサーブレシーブに入るので、前衛のときも後ろのほうに構えてますよね。そこから攻撃に移る際に、サーブレシーブをした/しないにかかわらず、ほぼ毎回、センターの位置に助走(フェイク含む)を入れてからレフトに回りこんで打っているのです。つまり、前衛の時の石島は中→外の一種の移動攻撃(片足踏切ではないですが)なんですね。

世界の男子の”常識”で考えると、この石島の動き(堺ブレの戦略)は説明がつきません。北京五輪の上位国はすべて、「左右の速い平行トスでブロックを分散させ、間をバックアタックで抜く」というパターンだからです。中→外へと走りこむと、それだけ打つタイミングが遅くなり、不利なはず。実際、石島の対角・北島はレフトでもライトでも普通に外→中へ助走しています。

なのになぜ、石島は中→外にこだわり続けたのか。安直にネットで答えを見ようとネットでちゃこちゃこ検索してみたのですが、発見できませんでした(哀)。なので、ない知恵をしぼって考えてみました。

まず、V決勝の時には、石島はそこまで中→外にこだわってなかったような気がします。イマイチな試合だったので気づかなかっただけかもしれませんが、ここはひとつ、こだわってなかった(断言)で話を勝手に進めたいと思います。

で、コテンパンにやられたあと、ガイチ監督は考えました。これではいかん。黒鷲が終われば海外旅…いやいや、海外研修へと旅立たねばならん。その前になんとか一矢報いたい。東レ…東レ…ううう…東レといえばトレビーノ…トレビーノといえば浄水器…浄水器といえば不純物をブロック…おぉそうだ!東レといえばブロックではないか!よし!ひらめいた[ひらめき]

などとまわりくどいことになったのかどうかは知りませんが、ブロック網をかいくぐるためには、なにか違うことを仕掛けにゃならんと思ったのではないかと。

東レのブロックはさまざまな特長があります。バンチ・リード一辺倒ではなく、状況にあわせて開いたり左右に寄ったりコミットしたりと変幻自在。それにも増して目立つのが横移動の速さですね。移動が速い分、きちんとそろってきれいな形で跳べているんだと思います。

このブロック網を分断するには、世界の流れに沿って考えると、
たとえば、
石島…レフト平行、伊藤…クイック、エンダギ…ライト平行、北島…バックアタック
となるはずです。

勝手な妄想ですが、↑この形にするには何かが足りないんだろうなと。たとえば、北島のパイプ攻撃が越川・福澤ほど速くないとか。あるいは、エンダギのライト攻撃は高いけれど速くないとか。どれかひとつが「速くない」ことでシンクロできなければ、東レはそれをすぐに見切って、それ以外の攻撃に2枚、3枚のブロックをあっという間にそろえてしまいます。

そこで。急場しのぎ(?)かもしれませんが、石島に中→外のフェイクをいれさせるようにしたのではないかと。

石島がセンターと重なるように助走してくると、通常のコンビでは、センターのクイックか石島の縦の時間差、そこにライト攻撃がからんでくるパターンですね。なので、ブロック陣は真ん中で構えたまま様子を見ます。しかし、そこから石島が急にレフトへ助走することで、ブロック陣を一瞬、迷わせる効果が期待できます。

こうなると、石島がレフトで踏み切るのが先か、東レのブロック陣が見切って横移動してくるのが先かの勝負。その結果、第1セットの序盤では石島に軍配があがり、堺ブレがとんとんと先行したのではないかと。実際に、東レ・ブロックのセンター→レフトの移動を遅らせたり完全にふったりして、石島が気持ちよく決めている場面が目立ちます。

ところがどっこい。水は東レのトレビーノ(謎)。第1セット終盤ですでに、完全ではないもののかなり対応してきているフシがうかがえます。あとから振り返ると、ここが天下の分け目だったんでしょうね。堺ブレは23点目からのミスが続き、サービスエースまで決められてジュースに。肝心なところでトスがエンダギに集中してしまい、シャットアウト&ネット越えずで取られてしまったのでした。

第2セット、東レはもはや、石島の中→外を意識したブロック&レシーブになってます。堺ブレのセッター金井もそれには気づいていたようで、第1セットとは逆に、石島おとりの伊藤のクイックを使い始めます。展開としては正しいわけですが、同時に、ここが堺レブの限界だったかなーと。

「石島が読まれ始めたからセンター(伊藤)」ということになると、東レとしては第1セット序盤のブロック体制に戻せばいいだけなので、すぐに対応できてしまうわけですね。さらに、第2セット終盤では、篠田が松本をサーブで狙い、クイックに入れなくする作戦に。こうなると、石島がセンターの位置にフェイクを入れても意味がなくなるわけで、堺ブレの攻撃はドタバタし、ミスを連発。

そこで堺ブレが打った次の一手は、「伊藤が外(レフト)で石島が中(センター)」。これも作戦としては悪くないのかもしれませんが、結局、この2人の間での変化にとどまってるところが苦しい。サーブやスパイクのミスが続き、特にパイプ攻撃が不発(トスがあわない)だったこともあったのでしょうが、必死の抵抗も、かえって的をしぼりやすくさせただけに終わった気がします。

第3セット、金井はエンダギのライト攻撃を意識的に使っていますが、石島の動きが見切られている中での選択なので、東レに余裕を持って対応されてしまってます。さらに、北島の調子がイマイチで中途半端なプレーが多く、チームとしての一体感がなかなか生まれない状態。結局、個人技に頼ったバレーになってしまい、そのまま東レに寄り切られてしまいました。

というわけで、やっぱり選択肢が少ない&後手にまわると厳しいですねえ。第3セットはエンダギにボールが集まってますが、上げるところがそこしかないからという消極的な理由。これではなかなか挽回できません。第2セットの序盤にエンダギのライト攻撃をガンガン使っていればまた違った展開になったのではないかと感じました。

たとえば、8点目まではエンダギのライト、16点目までは石島を中・伊藤を外、20点目以降でエンダギのライトを見せながら石島は中→外に戻す、などという組み立てにして、先手々々で攻めて行くと勝機を見出せたかも。

なぜそうしなかった/できなかったのか。そんな単純じゃねえよ!ってことなのか、選手・チームの技術的な問題なのか、石島への信頼度が相当高いのか。気になるところです。

個人プレーでは、石島が可能な限りブロックカバーに走っていたのがとても印象的でした。無理があるように見える距離でもとにかく愚直に走りこんでます。すばらしい。こういうところで手抜きをしないのが石島のいいところですね。相手のフローターサーブをオーバーハンドで後ろにそらす”芸”も相変わらず見せてますが(笑)、全体的にまだまだ大きく伸びるはず。期待度大です。

松本のクイックも久々に見ました。相変わらずの速さと切れ味…なんですが、打つコースの選択が北京五輪までとまったく同じというのが気になりました。松本が得意にしているのは、松本から見てライト側エンドラインの中間あたりに落ちるコース。そこにレシーバーがいたりブロックでふさがれたりすると、センターの深いところにまっすぐ打ち込む。ほとんどこの2つのパターンです。

北京五輪ではこれ↑を完全に見切られ、センターへのコースはブロックで防ぎ、ライト側にはレシーバーを置くという体制を各チームが採用。その結果、打っても打っても上げられるという状態だったように思います。

この点だけで比べると、なぜか全日本に呼ばれていない篠田のほうがバリエーションが豊富。あらゆるコースに打てるので、堺ブレのブロック陣はぜんぜんついていけていませんでした。

松本は移籍問題でずっと試合に出られませんでしたから、北京五輪以後の成長速度が人より遅いのかも。実況は、ガイチ監督の言葉として「ブロックに課題あり」と言ってましたが、クイックも早く09年仕様にバージョンアップしてほしいです。


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古都の侍

再びおはようございます。

さて、松本は果たして実戦勘を早く取り戻せるかどうかがポイントだと思いますね。WLでポンポンとスパイクを上げられるようだと、悩みの種が増えてしまいます。
今シーズンは山村と富松の対角になるんでしょうかねぇ・・・富松はリーグを通して成長していたように思いますので、期待してもいいのではないでしょうか。

ゴッツは試合によっての出来不出来の差が、大きかったですね。
満足にスパイクを打てるような体の調子でなかったから、“動く”という戦術を取って相手のブロックを交わそうとした、と言うのは考えすぎでしょうか?満足な体調だったら、素直に打って勝負していたかもしれない―――と言うようなことですが・・・
真相はわかりませんね。

モントルーに加えて、WLも始まりますね。諸隈コーチの手腕が気になるところです。

by 古都の侍 (2009-06-09 10:14) 

rio

>古都の侍さん、富松のサーブが力強くなってたのが印象的でした。上半身がかなりしっかりしてきているように見えたのですが、その効果でしょうか。

富松の場合は、クイックが遅いという致命的な欠点がどこまで克服できてるかですね。Vリーグ内のブロックレベルでは成長が図れないところがあると思うので、世界で試してみてほしいです。

石島のあの動きは、個人的な思惑ではないと思います。個人で勝手にあんな動き方をされたらものすごくじゃまなはずなので(笑)。チームとしてなんらかの戦略があったはずで、第1セットのスタートダッシュにつながったところは一定の評価ができると思います。

ただ、その次の手がなかった(しょぼかった)ので、結果的に奇策に終わってしまったのでは。

WLでは、まず辰やんがどれだけ落ち着いて采配できるのかを見たいと思ってます。
by rio (2009-06-09 22:42) 

まりふぁな

ゴッツの変態ブロード(違、実際に観てもない素人が全く無責任に思うに、

「逃げちゃ駄目だ」なシンジ君・ガイチHCがゴッツを捕まえて曰く、
「…スパイク自体でかわすなっ!打つ前にブロッカーをきっちし振っとけっっ!!」
とガツンガツンしつこく五月蝿く述べ続け、苦肉の策でやってみた…ものの、
結局のところ苦肉=苦痛なだけですた↓ とかなんすかね?と。

…てかそんなイレギュラーな動きやってっからあちこち故障すんでない?とか。
by まりふぁな (2009-06-10 02:43) 

rio

>まりふぁなさん、そこなんですよ、謎なのは。

ブロッカーを振るための動作には違いないと思うんですが、それだったら石島がレフト平行で、北島がパイプ攻撃だったらだめなの?という疑問がぬぐえないんです。まあ、バックアタックのトスが全然あってなかったということもあるのかもしれませんが。

前衛でなんとかしたいということなら、センター→レフトの移動だけでなく、たまにはライトへ移動してもよさそうなものなんですが、それは一度もありませんでした。

それもこれも、ガイチの海外高飛び(違)のために、謎に包まれたまま終わりそうです。
by rio (2009-06-10 21:50) 

子豚のこむぎ

rioさん、こんばんは。

ゴッツのオーバーハンドで後ろにそらす“芸”には、会場でも思わずオデコに手をやってのけぞってしましました(笑) でも、ゴッツのオーバーハンドのフォームが好きなんですよね。落下点に素早く入って、顔の前でコンパクトに「ハの字」を作ってボールを待っている姿を見ると、小学校で習った基本を思い出します。(今の教え方は不明ですけど…)

私も久々に「よっちゃん」←堺応援団内でのコール名です(笑)、松本選手のプレーに期待して見ていたひとりです。相変わらず細身で横から炊飯ジャーを持って走って行きたくなりました(笑)

合宿を経て、明日から始まるWLでどういったプレーをするのか注目です。rioさんご指摘のクイックコースをガン見しながら楽しみたいのですが、リアルタイム放送がない海外地域(?)なんですよ…orz
週遅れで、BS・CS放送をひとり寂しく待つことにします(笑)

今週のWLは、越川選手に続きゴッツも登録から外れています。故障の回復待ちかもしれませんけど、なおさら新しい選手の活躍が楽しみですし、セッターは、隊長と阿部ちゃんどちらが先発なのか、タッチャンの采配にも注目したいと思います。

by 子豚のこむぎ (2009-06-12 19:12) 

rio

>子豚のこむぎさん、ゴッツのオーバーハンド、ほんと美しいフォームですよね。なんで後ろにそらすんでしょうか(笑)。汗で滑ってるのか、落下地点に入りすぎなのか。

最近の男子は筋トレ意識が定着しつつあるのか、ゴリ&ユキチに触発されたのか、上半身がしっかりしている選手が増えてきましたよね。その中で、ひときわ細さが目立つ松本(と山村)。ブロックが課題になるのも、体重(と筋力)が原因の一つなんじゃないかと思ってます。

WL、今日からですね。所沢まで見に行こうかと思ったのですが、都合がつかずに断念。これから録画で見ます。私も植田監督の采配(の成長度)に注目してます。
by rio (2009-06-13 18:00) 

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