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WGP予選・オランダ戦 “事業仕分け”ならぬ“選手仕分け”? [バレーボール]

WGP予選の最終戦はオランダ。2時間超のフルセットの末に2-3で負け、それはそれは大変な試合でございました。以上。…で終わってもいいぐらい、試合展開そのものはとてもシンプル。各選手の個人技・体力・精神力・集中力がどこまで続くか、通用するかをチェックしてこれからに備えようという意図だったんでしょう。こうしたことを大会のなかで取り組んでいくのは重要だと思います。

とりあえず、ローテはこんな感じ↓

 荒木       吉澤/石田   迫田/江畑

 竹下         木村        井上  L濱口
------------------------------------------------------------
スタエレンス       フリール     フールマン(MB)

ウェンシンク(MB)   ダイケマ(S)   フロットヒュース  Lファンティエネン

最終戦で負けたものの4位で予選を通過した日本と、7位で惜しくも予選敗退したオランダ。セリンジャー監督はWGP予選のグループに不満があるようで、試合後の会見で「オランダは世界トップ5との対戦が5回あり、中国とイタリアに勝ったドミニカとの対戦も2回あった」と指摘。この結果だけで実力を比較することはできないと強調しています。※FIVBの公式ページ

「5回」というのは中国2回とブラジル、イタリア、日本ですね。それにドミニカ2回。自国開催の多い日本は、うっかりランキング5位なんかになってしまってたんですね。一方、日本の対戦相手は、イタリア2回とブラジル、ポーランド。ドミニカは1回で台湾が2回。こう比べると確かに差があるようにも思えます。しかし、「WGPに参加するアジア代表は予選開催を負担すること」という運営ルールの影響もあるでしょうし、日本が1回勝っているイタリアにオランダも勝てばよかったんじゃないの?とか意地悪く思ってしまいます。

オランダはドミニカにも1回目は勝ち、日本にも勝ったわけですから、予選敗退はグループ分けが原因ではないですね。そもそも、バレーの世界ランキングは実力を反映していません。そのことは、あの荒木田さんもモントルーの解説のなかではっきりとおっしゃっていました。JVAのえらいさんが言うんだから間違いないでしょう。

なので、セリンジャー監督のぼやきはさておき話を進めます。
オランダはこれまでどおりの固定メンバー。一方、日本は山口を温存し、両サイドとバックアタック、センター線はセッターの前でのクイックを多用するというシンプルなスタイルでの“力比べ”を仕掛けました。

決勝進出と予選敗退が決定しているチームの対戦ですから、決勝を見据えたオプションをさぐるのは当然ですね。なんで松浦を出さなかったのか、という気もしますが、“選手の仕分け”をするためには、松浦のトスでは見極められないという事情があったのかもしれません。

山口をはずすとなると、木村の対角に吉澤が入るしかありません。台湾戦の第3セットで見せたパターンを試合を通じて使えるのかどうか試す、というのが最大のポイントだったんでしょうが…だめでしたね。。。

吉澤には気の毒ですが、今季の全日本チームのなかでは戦力として浮いていると思います。台湾戦・オランダ戦で、前衛では厳しいことがはっきりしてしまいましたし、守備固めだったら井野や濱口がいますから。

ただ、吉澤が機能しなかったのは、本人の能力面だけが原因ではないと思います。竹下のトスが中途半端で、レフト側アンテナまで伸ばすトスが遅かったり、切り込ませる短いトスが高かったり、ネットに近かったり。きちんと合わせてきていないのがばればれでした。1軍・2軍で格差をつけて練習している弊害がこんなところに表れるわけですね。

それともう一つ、濱口も吉澤の足を引っ張ったと思います。アンダーでのバックトスでレフト吉澤にあげ、吉澤が打ち切れなくてシャットアウト、というパターンが何本出たことか。明らかにオーバーハンドでライトに上げられる余裕がある(高さがある)2ndボールでも、最初からアンダーで構えて待ってしまっている姿に、佐野の呪いでもかかっているのかと思ってしまいました。

眞鍋監督から「2段は全部、吉澤に打たせろ」という指示でも出ていたんでしょうか???そうではなく、濱口の判断なんだとしたら、チームが取り組んできた「ラリー中のライト攻撃」はどうなるのか、聞いてみたいところです。そもそも、なんで濱口が評価されているのかも謎なんですが。

というわけで、個人の能力はともかく、チームとして考えたときに、吉澤・濱口は「お疲れ様でした」ってことで仕方が無いんじゃないかと思っています。

一方、迫田・江畑・石田の競争は面白いですねー。オランダ戦では迫田がまったく通用せず、代わって入った江畑が、イタリア戦に引き続き大活躍。WGP予選では、江畑が最初にブレイクの兆しを見せたもののマークされて失速し、代わって入った迫田がブレイク。しかし、迫田へのマークが強くなると一気に失速し、V字回復の江畑がポジションを奪い返してブレイク、という流れ。

江畑はマークされてつぶされたことをバネに立ち直り、イタリア戦・オランダ戦では、マークされても逃げたり安易にぶつけたりせず、工夫して得点を重ねていました。ディグの意識も高く、何度もファインプレーでボールをつないでいて、一歩リードという感じです。ブロックに難あり、ですが。

迫田は竹下のトスや使い方にいまいちはまってないですね。竹下は迫田に、レフトからの高くてゆっくりしたトスと、センターからの低くて速いバックアタックを打たせていますが、迫田の本領はあの身長で高くて速いトスを打ち切れること。特に、ライト攻撃やライトからのバックアタックで存在感を出せる選手なので、竹下のトスワークに難ありという印象です。迫田は身長の割りにブロックが高く、位置取りも上手なので、江畑との比較ではそこもアピールポイントになりそうです。

石田はこの2人よりも1年早く代表入り。オランダ戦では、つぶされた吉澤との交代で入り、サーブレシーブにも参加しました。お世辞にもうまいとは言えませんが、生き残りをかけてやるしかないでしょう。攻撃面では、リバウンドを取って攻め返す技術や、ラリー中の2ndボールをレフト・ライトへ時にはバックトスで上げるつなぎなど、江畑・迫田と比べて一日の長を感じます。サーブはいいですし、ブロックも少しずつよくなっているし、守備を鍛えてチームの潤滑油的な存在になれば面白いかなと。

とはいえ、この3人の共通の課題はレシーブなんですよね。ディグでは3人とも成果が出始めていますが、170センチ台半ばの選手がサーブレシーブの中心になれない現状では、どう頑張っても世界に追いつけません。ポーランドのバランスカが178センチで代表スタメンなのは、攻撃力以上に、あの高い守備力があるからですよね。

栗原・狩野がどのタイミングで戻ってくるかわかりませんが、そうなると江畑・迫田・石田がそろってベンチ入りする状況は難しいのかなと。その場合、栗原・狩野よりも守備がうまくなければ自動的に落選でしょう。どうなることやら。目が離せません。

センター陣は、荒木・井上・山本で決まり。井上にはセッターの前でのクイックを強化(特に強打)してもらい、山本にはサイドへ攻撃へのブロックを頑張ってもらう。で、荒木はいつまでもしょうもないミスするな[パンチ]ってところでしょうか。

井上はA・Bクイックで相手のブロックの上からフェイントし、真裏に落とす“特技”をオランダ戦で多用していましたが、ほとんど拾われてチャンスボールになっていました。そんな自己満足な小技をやってるから、イタリア戦での重要な場面でブロード攻撃をネットにかけてしまうんだよなあと思って見ていました。

で、コメント欄でちょっと書きましたが、ここに庄司を加え、センター兼ライトにしてほしいですね。サーブレシーブも練習してもらって、山口とポジションを競う。バックアタックも打ってもらいましょう。さらに、センター陣とも競ってもらうことで、チーム全体の底上げにつながると思います。

最後に竹下。フルセットを戦う体力はすでに無いんじゃないでしょうか。第5セットの9-11、狙い通りにスタエレンスにサーブレシーブをさせ、自分でレフトから打ってくる場面。ここまでスタエレンスはフェイントかアウトばかりで、この場面でも100%、逃げのフェイントをしてくるというのは素人でもわかりました。竹下は再三、これを拾っていたにもかかわらず、フルセットの終盤、この重要な局面で一歩も動けず。

イタリア戦の最後も、チャンスボールに佐野が一歩も動けず、負けてしまいましたが、まったく同じことが竹下にも起きたわけです。どう考えても、スタミナ切れでしょう。

竹下はオランダ戦でも、ラリー中のトスのぶれが大きくなっています。オーバーハンドでのレフトへの送球なのにネットすれすれの高さの短すぎるトスになって、石田が返すしかなかった場面は印象的(悲)。アンダーでのトスは意識的にゆっくりと丁寧にあげるようになっています(←その分、ブロックにつかれる)。裏を返せば、そうしないともはやきちんと上げらないってことなのでは。

WGP予選レベルの連戦でこのパフォーマンスの落ち方だと、世界バレーは乗り切れないんじゃないかという気がします。そうだとすると、実質的には控えがいないだけに、かなり困った事態ですね。。。

などなど妄想を書き連ねていますが、まずはWGP決勝。相手がどう出てきても予選で作った“型”を徹底するのか。それとも、予選での“型”をベースに、新しいことを仕掛けるのか。予選通過順位と勝敗を勘案すれば、日本は銅メダル以上を目指せる位置取り。竹下についての一抹の不安はありつつも、中国・アメリカとの対決、そしてイタリアとのリベンジマッチを楽しみにしています。


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赤原

昨日の試合ちょっとスタメンいじってきておっ!て感じでした。
ただ5セット目は石田のミスがかなり気になりました。
特にスパイクはもうちょい工夫をして、アウトやらシャットを回避
してほしかった気がします。まともに行きすぎてるようでワンチにも
ひっかりまくりでしたし(汗)
サーブレシーブにも参加したりしてますが、崩されて得点されたりやはり
実践レベルにはまだ達してないような。
でも若いのでこれから頑張ってほしいです!!

全日本のサイドプレーヤーで攻守が安定してる選手が少ないのが
痛いですね。そうなると木村がやはり天才に見えてきます。。。


竹下のフェイント拾えない事態・・・本当に共感しました。
あれはだめですよね。
スタエレンスはもうその前からサーブで崩されて、
フェイントのあらしだっただけに残念です。
おっしゃる通りで、再三フライングで拾っていたのに、
あの場面でフライングできなかったのは体力が響いてると思います。
by 赤原 (2010-08-23 20:42) 

α

いつもタメになるブログありがとうございます。


自分は会場で実際に見ていたんですが、正直面白いとは到底思えない試合でした[冷や汗]

あれだけ、攻撃が機能しないオランダと接戦ってのはいかがなものかと。

まぁ、木村が疲労困憊のなかでの活躍はホントにすごかったですね。

生で見て、改めてよくわかりました。


やっぱ選手起用とか、層の薄さがでますね[あせあせ(飛び散る汗)]


見てる側からすれば、木村休ませてやれよって思わずにはいられなかったです…。



木村がケガしないことを祈るばかりです。


ファイナルラウンもどーなることか。

イタリアが今回みたいな試合やるとは思えないし、アメリカ・中国はかなり不気味。
by α (2010-08-23 21:26) 

rio

>赤原さん、石田は、吉澤と交代したばかりのときはまだよかったのですが、セットを追うごとに苦しい攻撃になってましたよね。おそらく、竹下のトスやラリー中の2段トスの精度がどんどん悪くなっていたからではないでしょうか。

竹下のレフトへのトスは、何を意図しているのかよくわからないぐらい中途半端ですよね。

アンテナ一杯までのばしてブロックアウトを取らせるか、移動攻撃のように1~2メートルぐらい中へ切り込ませるか、その辺を使い分けようとしているのかなあと強引に推測していますが、そうだとしても疑問を感じるトスが多いと思います。

イタリア戦・オランダ戦とも、決勝進出が決まったからということで気持ちがばててしまった…なんてことだったとしたら、もっと大きい国際大会での結果は望み薄ですね。
by rio (2010-08-23 21:49) 

rio

>αさん、コメント欄に絵文字があったり汗がぴろぴろ動いていたりして、そんなハイテクをお持ちだというところにすんごくびっくりしたIT弱者の私です…。

あの接戦、日本もセッターが松浦だったら価値があったんですけどねえ。オランダのフェイントなんて全部チャンスボールのはずなのに、全然つながらないし、つながっても決められないし、文字通りの“力不足”でしたよね。

ブラジルラウンドでイタリアに勝ったときの日本なら、昨日のオランダなんて一蹴していたと思います。そうならなかったのは、やっぱり体力不足なんでしょうね。情けないなあ。
by rio (2010-08-23 21:56) 

76

レギュラーラウンド最後のオランダの試合の真鍋監督が思い切った(?)采配で試合に臨んだことはよかったと思います。木村選手を下げた采配だったらおもしろいかもとおもったんですが、さすがに今の状態ではそこまでは無理かもしれませんが... でも山口を下げてみたのはいい試しだったとおもいます。今年の全日本は山口とのコンビが核みたいなものでしたから、このコンビがないとなるとどんな風な試合運びになるか見るのによかったおもいます。

それにしても第3セットのデュースの場面、ほとんど日本のミスで点やってるじゃねーか! って感じでなんかイライラしました。なんか勝負弱いというか、デュースの場面であそこまで連続でミスで点をやるのは他国でもなかなかないような気がするんですが。あと、今大会みてるとなんか日本がやるミスって他国と比べると変なミスが多い気がするのですが...
なんかみんなバタバタしてボール追っかけたり、周りが見えなくなったりして...
特にお見合いのミスって日本が特に多くやってると思います。(今年に限らず今までも)
by 76 (2010-08-23 23:07) 

コージ

アタッカーの事業仕分けより、セッターの育成の方が
順番が先だと思うのですが・・・

フェイントを拾えない竹下はもう見たくないですね
by コージ (2010-08-23 23:35) 

to

rioさん、こんばんは。

オランダ戦はこれまでの試合で最もサーブ、アタックのミスが多かった様に感じます。3セット目なんか、それが無ければ取れたでしょうに。接戦でしたけど、複雑な攻撃はなく結構淡白な試合でしたよね。

最近、木村が大黒柱ということで、全日本ではこの人がいなきゃなんてことになっています。木村がしっかりした考え方を持つのはいいことではありますが、本来、器用さを特徴とする木村はエースというポジションではないんだろうな、それほどお寒いウイングスパイカー事情というのが全日本の現状かなと感じます。

江畑、迫田、石田の3人については、攻撃面では3人3様で面白いですが、今の状態では栗原、狩野が復帰すれば刺激を与えるだけの存在にしかなりえないかもしれないですね。

江畑は背の低さを感じさせない不思議さがあって、攻撃面ではやっぱりキレ。ただし、バックアタックにしても栗原の小型版の様な感じが否めない。

迫田はドライブ打ちが綺麗で、若いのでジャンプがあと5cmでも伸びればキューバンなクロスアタックが打てるのではないか。多分、日本では数少ない特徴を持った選手ではあるので、化けるとしたら彼女でしょうか。

それに比べて石田は攻撃面での上手さは長けているものの、抜きんでる特徴が無い様に思います。また、あのアタックを見ていると、本当にギリギリのところで打っていて余裕がない様に感じますし。

この3人がエースのポジションに入れるかというと、違うよなと言わざるを得ない。栗原、狩野が復帰したとき、逆にチームコンセプトが難しくならなければ良いなと思うんですが...、余計な心配でしょうか?。

by to (2010-08-24 00:03) 

ゆきお

いつも楽しく読ませてもらっていますが、コメントは初めてです。私もコージさんの意見に賛成です。そもそもどんぐりの背比べをしてるアタッカーの仕分けなんて今更感が強い。
それから、あのブロックチェンジ・・・・もう見飽きてるからなんとも思いませんが、私が対戦相手の監督で、初めてアレを見たとしたら床を転げまわって笑った後、「そこまでして・・・」と涙を禁じ得無いに違いないと思う。
竹下の疲労を少しでも軽減する意味でも、二枚替えのチャンスはいくらでもあったと思うのですが。
by ゆきお (2010-08-24 00:29) 

rio

>76さん、記事ではいいように書いてしまいましたが、正直なところ、オランダ戦の布陣にはげんなりしてました。

というのも、あのパターンは、柳本時代に散々やって少しも通用しなかったた形よりもさらに戦力ダウンしているからです。

柳本時代に、吉澤の位置に高橋みゆき、木村の位置に栗原で、木村がセッター対角に入ってたときがありましたよね。柳本さんは最後の最後まで高橋を切れずに北京へ突入し、その最終戦の第3セットの終盤で狩野姉と交代させるというむごいことをやりました(合掌)。

オランダ戦の布陣は、オポジットに攻撃専門の選手を起き、サーブレシーブは途中から吉澤から石田に代わりましたよね。竹下の劣化も顕著で、なんでいまさら、あのパターンを試そうと思ったのかよくわかりません。

これが、五輪翌年の09年のモントルーだったら意図はわかるんですが、世界バレーの直前にやることか???と思ってしまいます。

とはいえ、おっしゃる通り、山口をはずして1試合を戦うことを試しておかなければならないですし、山口をはずすと現状ではあのパターンしか作れないわけで、なんだかなあって感じです。

オランダ戦のミスの連発は、集中力のなさが原因でしょうね。はっきり言って、決勝進出組VS予選敗退組の対戦で気が抜けていたんだと思います。イタリアも最終戦でドミニカに負けてますし、モチベーションを保つのはたしかに難しかったんでしょうね。

ミスといえば、イタリアはブラジルラウンドの日本戦で2桁のタッチネットをしていますし、ドイツは日本のセンター攻撃にふりまわされて、アタッカーがいないのに竹下のジャンプトスにコミットブロックしたりと、かなりおかしいプレーをしていました。

集中力が途切れたり混乱したりすると、やっぱりどこのチームでもそうなると思います。準メジャー扱いのWGPの決勝進出をきめた程度で集中がきれる全日本では、世界ランク5位はまだまだ“名前だけ”ですね。残念。
by rio (2010-08-24 00:33) 

rio

>コージさん、私の勝手な推測ですが、まずは決勝が優先なんでしょうね。

私もこの先を見据えて松浦に上げさせればいいのにと思いました。ただ、このブログでも書いてきましたが、本当なら松浦は、所属チームでセッターの訓練をしっかり積んでから代表入りすべきであって、代表チームで育ててもらおうという日本女子バレー界の発想が根本的におかしいんですよね。

それなら、なんで眞鍋監督は松浦や冨永や宮下まで呼んだんだということになりますが、いろいろな政治的力学があるんだろうなあと想像するばかりです。
by rio (2010-08-24 00:40) 

rio

>toさん、世界的な意味での「エース」ということでは、全日本女子には大山加奈のあと、「エース」はずっと不在ですよね。

栗原はエースとして祭り上げられていますが、本来は潤滑油的な働きをするプレイヤーだと思います。大山が抜けた後、木村との相対評価でエースにされているだけですね。狩野舞子もエースというタイプではありません。その2人が抜けたいま、木村がエースと呼ばれる…。困ったもんです。

江畑・迫田・石田は、3人とも守備が標準レベルに達したとして、そこからが本当の生き残りをかけた競争ですよね。

女子バレーであんまりネガティブなことを書くのも疲れるので、記事ではガンバレ!調で書いてますが、おっしゃる通り、この中途半端な3人に故障明けの栗原・狩野・坂下・有田あたりが加われば、かえって困ったことになりそうです。

そうなると、またしても「まずはアタッカーを鍛えなければ」という理屈が先行し、「そのためにはベテランセッターでなければ」という結論に行き着いてしまうという。悪循環の繰り返しです。

悪循環はだれかがどこかで断ち切らなければいつまでも続いていくものですが、それをできる人材が女子バレー界にはいないようですね。

男子は、さんざんっぱら文句を言った私が言うのもなんですが、植田監督が悪循環を断ち切り、世界と同じ土俵に乗って戦っています。

私は、女子のロンドン五輪について、出れるかどうかも含めてあまり期待をしていないので、菩薩のような境地で生温かく見守っていくつもりです。
by rio (2010-08-24 00:53) 

rio

>ゆきおさん、コメントありがとうございます。

私も、正直「いまさら???」と思いました。

最初の「いまさら???」感は台湾戦の第3セットで、そのときの記事に文句を書きまくったので、同じことを2回書くのも嫌だなあと思って、オランダ戦では試合内容に触れずに、ガンバレモードで書いてみました。

ブロックのスイッチそのものについては、オプションとして取りれているチームは他にもありますよね。ストレート打ちが得意でそればっかり打っているというデータがあれば、相手の裏をかく目的でスイッチするのは有効だと思います。セッターが前衛の場合にスイッチすると、切り返しでのクイックがほぼ不可能なので、センターがライトからのハイセットを打てる必要がありますね。

ただ、竹下のブロックのスイッチは↑これと似て非なるものだと思っています。相手は竹下の背が低いからストレートに打ってくるわけで、竹下がクロスに跳べば、当然クロスに打ってきます。

さらに一枚上を行くのがブラジルで、ブラジルは竹下がストレートで跳ぼうがクロスで跳ぼうが、竹下とセンターの間を狙って打っています。

レシーバーは竹下側のコースにはりついていますから、ブロックの間は手薄。しかも、どれだけタイミングを合わせてブロックに跳んでも、手の長さとジャンプ力の差で数十センチの段差ができ、カンチャンあるのと同じ状態です。

これを防ごうとすると、杉山がよくやっていたみたいに竹下の上まで腕をワイプするしかなく、これではまるで、ブロックアウトをとってくださいといわんばかりのブロックです。

弱いチームほどブロックの段差を見る余裕がなくて適当に打ってブロックされたりしていますが、ブラジルは絶対にそういうプレーをしないチーム。なので、日本に負けたポーランドやイタリアがその辺をきちんと研究してくれば、日本はけっこう簡単に負ける気がします。

それにしても、オランダ戦で、松浦を竹下のワンポイントブロックで使った采配には度肝を抜かれましたね。そこまでして竹下でなければならない理由はなんなのか。謎だらけです。
by rio (2010-08-24 01:16) 

KGB

NEXTに加入しなかったため、全てを見ることができませんでしたが、だいたいはフル観戦できました。

rioさんの記事からは、なんとか良いところを見つけてあげようという「親心」のようなものさえ感じました。一方で、ワタシなんかは根が冷たいモンでついつい戦評が辛くなってしまいます。

以前からセンター陣の層の厚さに比べてサイド陣の層の薄さはずっと指摘されてきましたが、ここに来て一気に露見した気がします。
Vで助っ人外国人のサイドの打ち屋が重要な点を取り、その他大勢の日本人WSはおこぼれをあずかるという現状が要因の1つな気がします。

スポナビのコラムに予選ラウンドの総括が出てましたが、予選ラウンドをすべて見た上でこのコラムで原稿料取ってるとしたら、、、すんごい納得いかないっす。

選手のコメントもある程度編集されているんでしょうが、山本と佐野のコメントには唖然。。。T中女史はあっさりと流しているけど、荒木のコメントが全てを言い当てていると思います。

決勝ラウンドは全試合見れそうですし、しっかりと他チーム含めてガン見してやります!
by KGB (2010-08-25 01:12) 

haruka

rioさん、いよいよ決勝ラウンドですね!!
どうか・・・予選がピークでないことを祈りたいです(^^;)

意識の温度差。これって、女子において結構厳しいものがあると思います。
年齢・経験差により、勿論、差があるのは当然でしょうけど、危機感を持っているのが荒木・木村・竹下選手だけというのはやはり・・・。

先日、部の合宿がありましたが練習内容のミ―ティングで「勝つバレーか、楽しむバレーか」について延々と話し合いになった女子部(苦笑) 勝てば、楽しくなるに決まってますよね!何だか低レべルだなぁ・・・(^^;) でも、チームのなかに違う意識の部員がいると、必ず引っ張られる人が出てきて、見えないトコロで間違った力関係が出来上がってしまう恐れもありうるため、きちんとした方向性の確認は度々必要なのです・・・。メ―ルが簡単に飛び交うことも、やっぱり、女子はめんどくさいです(苦笑)

男子全日本が、韓国に負けましたね。
期待していたのですが、なにが起こるかわからないのが勝負事ですものね・・・。今度はストレートで勝ってもらわなければ!オ―ルアウトの力を見せてほしいですね。
日本のバレーが、活気あふれてほしいなぁ・・・。


by haruka (2010-08-25 07:51) 

rio

>KGBさん、ブラジル戦の勝利と中国戦の完敗で、KGBさんの辛口がどうでるか、楽しみです。

実は、日本女子バレーで層が厚いのはリベロだけですよね。センターも、代表レベルとなるといまの3人と杉山・庄司ぐらい。デンソーの矢野はモントルーで0点でした。セッターもご覧の通りの惨状ですし。

原因が部活での指導方法にあるのははっきりしていて、改善策もはっきりしているのに、それよりもやはり目先の勝利を優先してしまう“わかっているのに止められない”状態がつらいところですね。

荒木は努力でいまのポジションを勝ち取ってきた選手ですから、発言に重みがありますよね。故障で控えにまわっても、出てくれば必ず、なにかしらの爪あとを残しています。

そういう意味では、結果だけで評価される厳しい世界で戦っているはずなのに、オランダ戦での吉澤・濱口(特に濱口)には、その緊張感が欠けていたようにも感じてしまいます。
by rio (2010-08-27 01:24) 

rio

>harukaさん、予選がピークではなかったようです(笑)

勝つバレーか、楽しむバレーか。勝負事の世界では、なかなか不毛な議論ですね。

ただ、人生観をバレーに託して議論しているということであれば、とても意義がある話し合いだと思います。その場合はどっちが正解ということはなく、唯一の正解は、お互いの考え方の違いを認めて協調する、ですね。

男子バレー、実は韓国戦2戦も録画してあるのですが、まだ観ていません。宇佐美と阿部との競争でどんどん強くなると思っていただけに、正直、痛いなあという感じです。
by rio (2010-08-27 01:29) 

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