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Vリーグ男子・幕間:「テンポ」や「スロット」を知らんヤツはダメなのか??? [バレーボール]

今シーズンはVリーグ男子バレーと歩むことに決めた私は週末が待ち遠しくて仕方ないわけですが。そんな幕間に、常日頃、はて?と思っていることを考えてみました。

まずは……そう、『ハイキュー』です。生まれて一度も少年誌を買ったことがないのですが、この漫画は私のバレー好きを知ってる友人がコミック本化と同時に3巻ぐらいまで買ってきてくれて、そのあと自分で5巻ぐらいまで買ったので読んだことがあるのです。で、この漫画が人気になってアニメになって先日「テンポ」を取り上げて、それが一部でなかなかの話題になっていると知り、はて?と思ったのですね。

なんかとても新しい概念がわかりやすくアニメで紹介されたように歓迎されていて、それはそれでよいことではあるのですが、ただ、「テンポ」の考え方は40年以上前からありますよね?という。当時は「テンポ」という言葉が(少なくとも)日本バレーでは使われていなかっただけで、当時の日本人はそれを「タイミング」とか「リズム」とか言ってたんだと思います。

↓これはミュンヘン五輪金メダリストの森田淳悟さんの証言。久光の中田監督との対談にて。

今のクイックっていうのは遅いから、その辺の速さ遅さで言えば昔のほうが速い。僕も、ボールが上がってくる最中に飛んで打ってたから、一人時間差っていうのができたのね。

「森田クイックは速い」ということでタイミングを速くしてブロックが飛ぶようになった。それを利用して、ひと呼吸置いて打つ「一人時間差」っていうのができた。

↓これはこのブログのサイドバーにあるsuis annex weBLOGの管理人さんの定義。管理人さんは『Volleypedia(バレーペディア) -バレーボール百科事典』の主宰者で私もこの本、大好きです。

テンポとは「セット・アップ」からスパイク・ヒットまでの経過時間
テンポはセット・アップからアタッカーが踏み切るタイミングまでの経過時間によって決まる

その経過時間がほぼゼロとなる攻撃こそがファースト・テンポの攻撃

2つ並べてみるとよくわかります。森田さんが言っているのは、「ファースト・テンポ」よりさらに速い、いわゆる「マイナス・テンポ」の攻撃を常日頃からやっていたので、そのテンポを意図的にずらす必殺技「一人時間差」が生まれたのである、と。そういうことなんだと思います。ついでに言えば、テンポを意図的にずらせる選手は、私の記憶が正しければ「リズム感がいい」と表現されてきたように思います。

「テンポ」という言葉はどこにも出てきませんが、森田さんの話は明らかに「テンポ」についての話ですね。「テンポ」の概念は「リード・ブロック」への対抗策として編み出された(もしくは、普及した)と言われがちですが、one to oneのコミットブロック全盛の時代でも、やっぱりスパイクとブロックの攻防では「テンポ」が鍵を握っていたわけです。森田さんは攻撃のテンポとブロックの関係を発見し、一人時間差を発明した功績が評価されて殿堂入りを果たしています。

攻撃のテンポとブロックの関係はとても自然なことで、「テンポ」という言葉を知らなくてもみんな自分なりの方法と表現でやっていたことだと思うのです。それこそ「タイミング」とか「ひと呼吸」とか「リズム」とか言いながら。それが90年代になって再発見され、リード・ブロックとの関係において語られるようになったのかなと。

ということで『ハイキュー』に戻るのですが、あのアニメで「テンポ」が取り上げられた意義は、新しい概念/みんなが知らない概念/わかっていない概念を紹介したことではなく、みんな知ってたし、やってたし、わかってたんだけど、そのことについて同じ用語を使って話そうね、と提案したところにあると思うのですね。

ここを間違えると大変です。すでにツイッター上では、「テンポの概念を知らない指導者たちに『ハイキュー』を繰り返し見てほしい」なんて、読んでるこっちが赤面してしまうようなツイートがあふれています。テンポの概念を知らない(ように見える)指導者がいたとしても、それは概念を知らないのではなく、普段から当たり前にやっていることについて「テンポ」いう言葉で表現しようねという近年のバレー業界の流行を知らない、というだけのことかもしれないわけです。 

同じことが「スロット」にも言えます。同じ記事で森田さんが証言しています。

我々の頃は誰でもクイックを打てたし、誰でも二段トスを打ってた。だからレシーブの話もそうだけど、リベロがいなかったからクイックの僕がサーブレシーブを兼ねたし、スパイクに関しては、誰が二段トスを打つとかクイック打つとかってことは決めていなかった。その場その場で意思表示したっていうか、それが当たり前だった。

これは「テンポ」ほど直接的な証言ではありませんが、ミュンヘン五輪の時代に、すでにスロットの概念を流動的に運用していたことがうかがえるエピソードです。

ただ、「その場その場で意思表示した」というやり方は属人的で、選手が1人でも変わってしまうと機能しなくなってしまいます。それを、セリンジャーさんが「スロット」という言葉でまとめて(=体系化して)、みんなで同じ言葉を使いましょうねということで世界に広めたと。ある日突然、スロットという新しい概念が出てきたわけではないのですね。

で、最後に、これは私が無知なだけかもしれないのですが、セリンジャー式「スロット」の概念は本当に(=自然科学的な意味で)普遍性を持っているんだろうか?という疑問があるのですよ。

セリンジャー式では、幅9メートルのコートを1メートルずつ9分割にして、セッターの位置を0、そこからレフト側に1~5、ライト側にA~Cと番号を打っています。

第1の疑問、なぜ1メートルごとに分割したのでしょうか?

3メートルごとや50センチごとだとなぜダメだったんでしょうか?1メートルが便宜上わかりやすいよね、という程度の決め方だった可能性はないのでしょうか?ここのところをはっきりさせないまま「スロット」という言葉が独り歩きすると、1メートル幅ずつ考えないといけないのかな?それ以外は間違いなのかな?という本末転倒が起きる恐れがあります。

第2の疑問、なぜセッターはレフト側から数えて6メートル、ライト側から数えて4メートルの位置で、レフト側を向いてトスをすることが前提になっているのでしょうか?

セッターの定位置や向きに関するルールは存在しませんよね。長年の習慣で、全世界のセッターがスロット0の位置でレフト側をむいてトスを上げている、というだけのことですよね。別にセッターが右向いてトスを上げてもいいですし、定位置をレフト側アンテナ下に決めたっていいわけです。

つまり、セリンジャーさんは、彼が『パワーバレーボール』を執筆した時点で一般的・習慣的に行われていたバレーボールについて、みんながより効率的に議論できるように概念を体系化し、統一した用語で表現した、という功績の方なんだと思うんですね。おそらく彼は「正解」を提示したつもりはなく、ましてや、「テンポ」や「スロット」という用語を知らないから指導者失格、なんてことが日本で言われてるなんて夢にも思っていないのではないかと。

目新しい言葉に飛びつく人と、精神論・根性論を振りかざす人は、自分のなかできちんと消化していないという意味で、根っこが同じのような気がします。新しい言葉に誤解や誤用はつきものですが、「テンポ」や「スロット」はそうならなければいいなと思います。まして、他人を攻撃する道具に使うなんてありえませんな。
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sasaki

rioさん、更新ありがとうございます!
試合内容について細かく語ってくださるので、見方が分からない新参としてとても参考になっています。うれしいです。
テンポ、スロットと言う言葉を私も最近バボッターでやたらと目にしていました。(日本の指導者を批判するツイートも目にしました…)なんとなく流してしまっていましたが、昔からある観念を広く普及させる為にそういった言葉が生まれたのですね。

ところでWCにわかの私としては、今プレミアを観戦しながら参考にしているバボッターやバレーペディアの情報についていけず悩まされています。テンポは解説書を読んでなんとなく分かったような気がするものの、それがいざ試合中どのように効果的に使われているのかよく分かりません。スロットだのなんだの、恥ずかしながらローテーションから勉強しているにわかには、今どこにセッターがいるのか位置を把握するだけで精一杯で・・・。各々のチームの戦略が見えれば観戦も随分楽しいだろうなと思うのですが、初心者にはハードルが高すぎます(汗)

バレー経験がなく、観戦し始めたばかりで知識だけ急に詰め込んでも処理できず、色々気にして見ていると疲れすぎてこのままだとバレーを嫌いになりそう(泣)進行が早くて目がついていけないんです・・・。
rioさんは沢山の試合を見てこられたと思いますが、これからバレーを楽しみたいにわかにとって、一番分かりやすい観戦のポイントはなんだと思われますか?
初心者でもここに注目して見ると面白い、という箇所があればぜひ教えていただければと思います!
by sasaki (2015-11-24 14:34) 

デイちゃん

今から30年くらい前、私が中学生だった頃・・・「日本はコンビは1番2番とか言ってトスを上げるけど、アメリカはネットをマス目に分けててセッターがボールを取った位置でコンビが決まるんだよ。」とかって話を聞きました。
昔過ぎてはっきりは覚えてないんですけど、アメリカはセッターが「ここ」でボールを取ったら自動的にアタッカーのコンビが決まるの??とか思った覚えがあります。
今から思えば、ネットをマス目に分けてて・・・がスロットのことで、セッターがボールを取った位置でコンビが決まる・・・のは流動スロットのことだったんですね。
by デイちゃん (2015-11-24 20:19) 

オーソノ

こんばんは。W杯の流れからもしやと寄ってみたら週刊Vプレミア男子レポじゃないですか。混戦のようですね。自分はというと同じ混戦ですが、相変わらずフェイントが多く、決めるべき所で外して無駄なラリーが続く女子を観てます。(笑

男子混戦については追いつけずコメントできませんが本記事について少々。テンポに関してはツイッター界隈で観てまして、なるほどという点も多くあります。ファーストテンポの定義はバレペデによるとアタッカーが主導権を握って先に助走し、それにセッターが合わせるというコンセプトでセットスピードとの相関は無いであったかと。

ただ、日本のスポーツ界において、「テンポ」は時間的に速いことに使うのが通例で、バボタグの力説もこりゃ馴染まないなと感じていました。サッカーでもラグビーでもパスのスピードが上がって選手の連動が高まるとテンポアップのように実況するし、投球間隔が短い投手をしてテンポのよい投球と表現しますから。

FASTでは無く、FIRSTであって・・なんて講釈もしてましたが、自分としてはセットアップのあり方を説明する一つの固有名詞として覚えておくことにしてます。まあ、食事の時に使う二本の棒を「箸」と称する程度で。

それと、スロットですが、大会常連の女子高だったか横にも9分割して81個のマス目で戦術を考えるようなことやってました。守備のシフト込みでしょうか。まあ色々ですね。
by オーソノ (2015-11-24 22:24) 

rio

>sasakiさん、それはよいところに気づかれました!バボッターやバレーペディアは、バレーを楽しむツールではありません(笑)

あれは、バレーを学問したい人や、指導したい人や、競技したい人たちがその知識を競い合うために集うコロシアムとその装備、みたいなもので、われわれのようにバレー観戦を楽しみたい人には無用の長物です。いつの日かコロシアムに出場したくなるときがくればそのときに取り出せばよく、それまで寝かせておいてよいかと思います。

スロットやテンポがよくわからない、というのはとても自然で、恥ずかしいことでもなんでもありません。そんなものはバレーのルールブックには書いてないんですから。スロットやテンポという考え方でバレーを読み解きたい人たちがそう呼んでいる、というだけのことなのです。そういう業界用語を知っているかどうかと、戦略が見えるかどうかは関係ないのですね。

で、本題ですが、まずは応援するチームを決めることをおすすめします。きっかけはなんでもいいんです。とにかくマイチームを決めて見続けると、そのチームの動きに目が慣れてきて、パターンがわかってきます。そのうち、次はこうくるんじゃないか?など自然と予想しはじめるようになると思います。

そこまできたら、もう戦略は見えてるんですね。その予想があたれば楽しいし、はずれたときに、なんで?と考えることで、よりふかく戦略が見えるようになってくると思います。(あるいは、戦略なしに適当にやっていた、ということがわかるようになってきます)

また、すでにsasakiさんがされている「セッターを見る」こともおすすめです。アタッカーに目がいきがちですが、バレーで最も多くボールに触るのはセッターで、すべてがセッター中心に動きますよね。なので、セッターを追いかけていると自然とアタッカーが視野に入ります。

セッターがトスを上げたところが、納得できる場合はよっしゃー!ってなりますし、なんでそこに上げるの???と思ったときは、自分の見立てが浅かったか、そのセッターがポンコツだったか、どっちかです。このときにあれこれ妄想したり、仮説を立てたりすることで、より深い世界に入っていけます。※セッターがポンコツである可能性はかなり高いので、なんで?と考えても答えが出ないことのほうが多いかもしれません(笑)

そしてもう1つ、両チームのスタメンローテーションを紙に書いておくといろいろ楽しめます。セット開始時点のローテーションは、そのチームがもっとも自信があるローテーションですよね。

強力サーブの選手に最初にサーブを打たせるための順番、背が低いセッターが前衛に上がるのを一番遅くするための順番、強力なアタッカーを前衛レフトから始めるための順番、などローテーションにはいろいろな作戦パターンがあります。それをわかってみるだけでずいぶんと楽しめます。

ちなみに、Vリーグは試合後の公式記録で、ローテーションをきちんと書いてくれています。例えば、11月22日の豊田合成vsパナソニック戦。http://www.vleague.or.jp/direct/vleague_dataroom/printa/id=23015
勝った豊田合成はローテーションが4セットとも同じです。一方、負けたパナソニックは、第3セットで少しローテが変わり、第4セットでは大きく変えてきたことがわかります。劣勢のチームは同じことやっていても負けてしまいますから、ローテを動かすことで新たな作戦を発動させようとすることが多いのです。では、この試合でのパナの狙いはなんだったんだろう?とか、試合後に考えたりすることで、より楽しくなると思います。

ということでまとめると、お気に入りのチームのセッターとローテに注目、ということになりますね。ご参考になりましたでしょうか。
by rio (2015-11-24 23:00) 

rio

>デイちゃんさん、それはまた貴重な証言。森田さんのスロットの話と近いものを感じます。

そういう考え方はずっとあったんですね。指導者が「テンポ」や「スロット」という言葉を使わないから遅れてる、みたいな風潮を感じますが、本質はそこじゃないよ、という。

それこそ、タイ女子代表みたいに子どものころからずっと一緒にやってきたら、いまはやりのスロットやテンポでは表現しきれない微妙な呼吸がたくさんありそうです。
by rio (2015-11-24 23:20) 

rio

>オーソノさん、はい、男子見てます(^^ 会場も行ってます。柳田くんのせい……じゃなくておかげでサントリー戦は混みまくりで大変ですが。

Vリーグ女子は1シーズンだけでもいいから特殊ルールとして「フェイント禁止」をやったほうがいいかもしれませんね。そのほうが底上げにつながりそう。

それはさておき。ばぼってる方々のテンポについての力説はやたらと伝わりづらいですが、野球のテンポのいい投球も、サッカーやラグビーのテンポのいいパスまわしも、バレーボールのテンポのいい攻撃も、すべて正しい用法で「テンポ」を使ってると思います。

その意味で、日本スポーツ界でもテンポは正しく理解されている、時間的速度ではなく、運動速度(=動き出しから動き終わりまでの間隔の長短)を指すとわかってる、と言っていいんじゃないかと。

ただ、野球の投球、サッカーやラグビーのパス、テニスや卓球のリターンなどは、動き出しから動き終わりまで1人で完結するのに対し、バレーボールのスパイクの場合は、動き出しから動き終わりまでの間にセッターの協力が不可欠です。

ここが話をややこしくしている原因だと思うのですね。バレーの攻撃には、アタッカーのテンポとは別に、セッターのテンポが存在するわけですよ。なので、「アタッカーが主導権を握り」というのは、私にはちょっと詭弁っぽく聞こえるんですね。

バレーの攻撃にはアタッカーとセッターの2つのテンポが存在し、どちらがどちらに合わせて速い攻撃を実現しているかはそのときどきによって違うはずなんです。

それを明快に説明できる概念が見つからないままアタッカー側だけのテンポを説明しようとするため、「アタッカーが主導権を握り」と言ってしまいたくなるのかなと。

ただ、そう言ってしまうとツーアタックのテンポが説明できなくなってしまいます。あれは特殊攻撃として例外か?とか。もしくは、モトコさんがやっていたゼロクイックのテンポはなんだろう?とか。あれもツーアタックの変形だから例外。それでは、サーブで崩してチャンスボールをダイレクトで打った時のテンポも例外?とか。例外ばかり増えてしまいます。

そんな危うい言い回しから離れてバレーの基本に立ち返れば、攻撃の主導権を握っているのは明らかにセッターです。アタッカーがいくら呼んだって走ったって、セッターが上げなければ攻撃にはならないですから。

なので、その観察にもとづいて、セッターが主導権を握る「攻撃」というプレーにおいて、1プレーの中にセッターとアタッカーの2種類のテンポが存在するとき、「速い攻撃」とはどのように定義すればよいのか?というふうに筋道を立てるべきだと思うんですね。

アタッカーが5種類のテンポを持っていて、セッターが2種類のテンポを持っていた場合の組み合わせは10通り、さらにどちらかがゼロのときがありますから、バリエーションはさらに増えます。

なので、テンポは3つや4つとは限らないし、いわゆる1stテンポで打てるアタッカーがいなくても、アタッカー全員のシンクロ率が常に100%だったらセッターのテンポの速さでブロックを振り切れるのかなと。

効率よく得点するために、1プレーに2人のプレイヤー(セッターとアタッカー)がかかわる、というところが球技の中のバレーの特殊性で、面白くて奥が深いところなんだと思っています。

そして、そんなことを1ミリも考えなくても見ていて楽しいのがバレーの最大の魅力だと思っています(^^
by rio (2015-11-25 00:12) 

sasaki

rioさん、バボッター・バレーペディアは「バレーを楽しむツールではない」に目から鱗が…!!ありがとうございます、当分の間私がそのコロシアムに出場する事はなさそうなので、今は視界から遠ざけておくことにします!(笑)

バレー観戦のポイント、色々と教えて下さってありがとうございました。
とても参考になりました。応援するチームを決めてパターンを知る、ローテーションを紙に書く、セッターを観察する、即やってみます。
正直今回のWCで男子バレーにハマった人はとても多いはずなのに、試合後にツイッターを検索しても○○選手かっこいい、○○選手のサーブ凄い、のようなべた褒めツイートしかなく……逆に内容を解説(というかもはや批判?)しているツイートは、素人には用語からして理解が難しく……ではバボッターを参考んしようとしてもこれまたちんぷんかんぷん…「一体どうすりゃいいの!?」ともうお手上げ状態でした。
ネクスト4の人気がどうだの言う前に月刊バレーボールあたりが増刊として「にわか指南書」を出してくれたらいいのに!と本気で願っていました(汗)
rioさんに聞けて良かったです(涙)
丁寧に教えて下さってありがとうございました。
混戦中のリーグ戦評、今後も楽しみにしています!
by sasaki (2015-11-25 18:23) 

rio

>sasakiさん、お役に立てて何よりです。ほんとご指摘の通り、日本バレー界は競技そのものの楽しさを伝える努力が足りてないと思います。

人気選手をアイドル的にとりあげれば目先の利益は上がるでしょうけど、ブームは必ず去りますから。特に男子バレーはずっとその繰り返しです。今またブームが再燃している間に、今度こそ、バレーボールが戦略的にいかに面白いスポーツかという点を浸透させるさらなる努力をしてほしいですね。

各チームのSNSも選手の紹介とかグッズ販売とかだけなく、バレーの魅力を伝えるコラムを連載するなどの工夫が必要だと思います。
by rio (2015-11-26 00:30) 

デイちゃん

私がアメリカの話を読んだのは、月刊バレーボールで、指導者同士が対談してるようなコーナーだったと思います。
でも、バレーのシステムの話とか、月刊バレーボールでちょっと解説するとかしてもいいですよね。(あったのかな?覚えてないけど。)

かつて日本女子バレーが負け続けた時代。
「とにかく正確にセッターにレシーブを返し、とにかく速いトス&複雑なコンビで、スパイクを決める」という中田久美さんが全盛期だった時代。
どうして負け続けたんでしょうね・・・。
きっと世界と違う常識でバレーをしてたからでしょうねえ・・・。

そうそう、浅田真央さん、またトリプルアクセル&ルッツ失敗。やっぱり本番に弱いんですねえ。もう知子ちゃんいるから、出なくていいのに。
羽生くんは修正してましたけどね。
by デイちゃん (2015-11-27 23:36) 

rio

>デイちゃんさん、月バレは唯一のメジャーなバレー専門誌なのでがんばってほしいところですね。

紙媒体の先行きが大変なことはよくわかりますが、アイドル選手を紹介するだけになってしまっては利益の先食いで、いずれは行き詰まりますよね。。。コアなバレーファンを育てる努力にもっとコストをかけてもいいのかなと。

中田久美の゛全盛期”がいつだったのか、というのは難しいところですね。ロス五輪で銅メダルですが、あの五輪は旧共産圏のボイコットでソ連が出ていません。それでも銅メダルはすばらしいことで、ピークと言えばこの年から1~2年じゃないかなという気がします。

ロス五輪後、1986年に靱帯断裂ですか。以降は足の調子がずっと悪く、ソウル五輪で格下に見ていたペルーに負け、3位決定戦でも負けてメダルを逃したときから全日本女子が冬の時代に突入したのでした。このあとバルセロナまでが中田時代ですが、負けがこみはじめたのはこの辺りからですね。

それはそうと浅田真央。かつてサメの脳みそとまでバカにされていた森喜朗に「大事な時にいつも転ぶ」と言われたことが再現されてしまって残念な限りです。








by rio (2015-11-28 13:11) 

デイちゃん

コメントありがとうございます。
でも管理人様の話を聞くと、「この人、相当昔からバレーにドップリつかってるな・・・私以上に。」といつも思うのでした。(^^)

私も、15年くらい前に(多分シドニーに行けなくなった時に)月刊バレーボールを買わなくなったんですが、世界選手権やオリンピックで銅メダルをとったときの号は買ったんですよね。
やっぱり競技の結果と雑誌の販売部数は比例するんじゃないかな?と思いました。

中田久美さんは、ご自身が言うには、ロス五輪前の83年のアジア選手権のころが1番よくて、中国戦がベストゲームだったそうです。
でもそういう言い方って、当時世界一だった中国を破って結果が出たから言ってるんだろ?的な感じですし、それからずっと下降線のままかよ?勝つ努力しなかったのかよ?って感じなので、過去を懐かしむような言い方はやめたほうがいいと思うんですよね。その後結果が出なかった責任を放棄してる。

前に、管理人様が、大友のサーブはイップスじゃないか?と言ってたと思うのですが、浅田さんのジャンプ失敗もイップスなんかな・・・と思ったのでした。
イップスで引退したスポーツ選手、たくさんいるんですよね。
by デイちゃん (2015-11-28 17:13) 

rio

>デイちゃんさん、友人たちにたまにバレーのことを聞かれることがあり、そのときに待ってましたとばかり「ご説明いたします。6時間ほどで済むと思います」と言うと即拒否されるんですよ。不思議です。

全日本女子の低迷には政治案件もいろいろあって難しいところですね。女子は実業団の優勝チームを主体に全日本を組む慣例が中田引退まで続いていて、その頃は日立黄金時代だったのでセッターもアタッカーも日立だらけ、それ以外は佐藤伊知子と守備固めでユニチカから何人か呼んでくる、みたいな感じでしたよね。

で、日立の方々はAチーム=1軍で、Bチーム=2軍とはろくに口もきかないという。東洋の魔女の呪いとしか思えない理不尽さ。中田や大林はこの時代を正当化したい人たちなので、「勝つ努力をしなかった」という゛事実”を受け入れることはできないのでしょうね。。。
by rio (2015-11-28 22:26) 

デイちゃん

私は拒否しませんよ。(笑)
でも私も6時間くらい話させてもらいますが・・。(笑)

日立って、自チームでも、レギュラーとそれ以外の選手を、実力による区別・・というか差別をしてましたよね。練習時間を分けるなどして。
きっとレギュラーさん達は、変な優越感に浸ってたんじゃないでしょうか。

そして、日立の人たちは、「レギュラー6人をかっちりと決めてメンバーチェンジなどせず試合をする」というおかしな信念がありましたので、それも世界で勝てなくなった要因ですね。
バルセロナ惨敗の後、大林・吉原・山内・永富・福田・多治見でスタートした全日本は好調でしたが、あまりに6人が固定して試合に出るので疲弊しきってしまい、肝心の三大大会では結果は全く出ませんでしたね。

日立騒動の時、もし女子バレーが今だに世界大会でメダルをとれるくらい強かったら、日立もバレーを捨ててサッカーの方に行かなかったかもしれませんね。
ただ素子さん達がしたかったプロ化って結局何だったの?という感じで、結局給料を上げたかっただけなの?という感じでしたね。
その後、山内はダイエーにいながら普通にプロになったんだし・・・。
そう考えると素子さんは、「ずば抜けた能力を持ちながら、日立でのおかしな優越感に毒されて人格がゆがんでしまい、そのせいで会社ともめて追い出されてしまって、今までコンビがあわせられないからと行かなかった海外で無理やりプロになってみたけど、結局オリンピックどころか三大大会でメダルを一回もとれなかった残念な選手」なのかもしれませんね。

浅田選手、やっぱりダメでしたね。なんかトリプルアクセルとべない病みたいです。
羽生くんや宮原さんが結果出してるのとはとても対照的でしたね。
結果が出せる人と出せない人・・・何が違うんでしょう。
by デイちゃん (2015-11-28 23:51) 

rio

>デイちゃんさん、そうでした!日立は6人固定、なぜならそれがエリートの証だから、みたいなチームでしたよね。

私は、モトコさんを超える選手は(少なくとも日本には)まだ出てきていないぐらいの逸材だったと思っているのですね。左利きで、でかくて、サーブレシーブもブロックもつなぎもできて、全種類の攻撃ができて、頑丈、という。怪物です。

プロ化を目指したのは故山田重雄翁で、彼が大林や吉原といった子飼いの選手たちをそそのかしたということになるんだと思います。そこには女子バレー界の権力闘争もあったのでしょうが、人生=バレーの生活を送り、ガチガチのエリート意識を持っていた大林や吉原にはそこを冷静に判断するだけの能力も知識も経験もなかったのかなと。まだ20代半ばでしたし。

それにしても、大林・吉原・山内・永富・福田・多治見、このメンバーはいま実現していたとしても五輪でメダルを取りそうな顔ぶれですよね。大林・福田・山内の3人ともサーブレシーブができて、バックアタックが打てて、クイックも打てる(笑) なんで惨敗したんだwww

そんな日立に対抗心を燃やしていた(たぶん)イトーヨーカドーのベテラン石掛が、アタックをオープンスペースに打たず、日立の新人村田にガンガンぶつけていた場面をいま思い出しました。いや、私の記憶がデフォルメされているだけかもしれませんが(笑)
by rio (2015-11-29 01:32) 

デイちゃん

なつかしい・・・。女子バレーの暗黒時代が、私の青春時代だったんですよね・・・。

中田さん曰く、「日本は速くて複雑なコンビが正確にできないと世界では勝てない。そのためにはあうんの呼吸が必要。だからレギュラー6人は不動じゃないとダメ。」だそうで。
え?体力消耗したらどうするの?怪我したら?女子だから生理もあるでしょ?とかいう疑問がすぐ浮かびますが、そこは「根性でやり切るしかない!」と疑問をないことにされてしまうのでした。
まさに思考停止。
固定観念とエリート意識が結びついて、中田さんの時代は惨敗を続けたのですね。とてもわかりやすい。

山田監督って、教祖様みたいでしたよね。「先生が言うことは全部正しい」的な。
当時の選手たちはみな、その山田教にはまってましたね。だから冷静な判断が自分でできない。
ただ、大林や吉原は日立に切られたことによって、ちょっとは目がさめたのかも・・・しれませんね。
中田は会社にとっては「いい子」だったので、切られることはなく、目がさめずに今に至るのでしょう。

山内はレシーブが下手くそとか勝手に決めつけてる人もいたけど(故米田)、ダイエーでは普通にサーブレシーブしてましたからね。福田も上手くはないけど、普通にレシーブしてた。
日立+山内の6人を核にして、村田、藤好、坂本、松川、名取とか、うまくミックスして試合をしていけば、相当強くなったでしょうね。
劣勢になった時でもすぐ対処できるし。左利きだけのチームとか、全員がバックスパイクするチームとか、ツーセッターとか、いろいろできたでしょうね。
今よりも能力があるオールラウンドな選手が多かったから。いなかったのはまともな監督だけ。
でも当時の全日本は日立vsダイエーって感じで、協力するって雰囲気なかったのかな・・・。プロ化問題でピリピリしてたし。

石掛さん、スパイクフォームが男性的でしたね。BからAに切り込む攻撃が多かったような。それでムラにぶつけてたのかしら。
by デイちゃん (2015-11-29 12:16) 

rio

>デイちゃんさん、90年代の日本女子バレーはほんと無為無策、おっさんたちの権力闘争で才能ある選手たちを空費した時代でしたね。。。

日立帝国は崩壊し、混成チームを作る必要にせまられて人柄の良い葛和さんに白羽の矢が立ったものの、葛和さんは次第に代表=NECに偏っていき、明らかに準備不足の竹下を土壇場で正セッターに指名して五輪を逃す、と。

でもまあ、その時代があり、プロモーターとしての才能を発揮した柳本さんのつなぎがあって、真鍋監督が竹下体制で世界バレーとロンドン五輪でメダルをとったわけで、何がどう転ぶかわからないところがまた面白いですね。
by rio (2015-11-30 01:38) 

KGBH_007

こんばんは。ご無沙汰してます。
せっかくrioさんがテンポやスロットの話をしてるのに、vabotter界隈が誰もコメントしないのでしゃしゃり出てしみました(謎)

森田氏がテンポの概念を持っていたか、というと私は「当時、概念としては持ってないけど感覚として持っていた」のだと認識してます。であるからこそ、「固定化されたスタメンによる阿吽の呼吸」によるコンピネーションを必要としていたのでしょうし、「コンビを合わせるのに何年もかかる」という事が当然のように語られてきたわけで。

一方で、代表チームや人の入れ替わりの多いビッグクラブだと、それでは間に合わなくなります。そこで、職人技の感覚とは別に、皆が安定した品質を作れるようにしたのが、「テンポ」の概念定義だと考えます。いわば作業標準書。

「スロット」も基本は同じで、物差しを統一しようとした結果がアレで、1m幅なのは、人と人を並べたらそれくらいになるからじゃないかなぁと(笑)

ある意味、こういう作業の標準化って日本のお家芸(工業製品とか)のはずなんですが、何故か職人芸の方に走ってしまったのが不思議なくらいです。。。

なので、観戦者としてはスロットやテンポは知ってても知らなくても良いんでしょうけど、指導者としては長嶋茂雄氏タイプはともかく、並の指導者ならば作業手順書を実装しておいて損はないはずです。
by KGBH_007 (2015-11-30 21:01) 

rio

> KGBH_007さん、お久しぶりです。この記事、閲覧数だけは増え続けていて怖いったらありゃしない、という感じです(笑)

私が気になっていたのは、「テンポ」や「スロット」を21世紀の大発明のようにありがたがる人、それを〝理解”していることで特権を身につけたつもりでいる人、さらには話についていけない人を見下す人などなどなんですね。そういう人がネット上で目立ってきたなと。

「ディグ」「キャッチ」「パイプ」ブームのときは単に言い換えだけのことだったので大した問題ではなかったのですが、「テンポ」や「スロット」はその人のバレー観まで否定される事態になっていて、知らずにコロシアムに入ってしまった人はなんと気の毒な。。。と思っていたのでした。

話変わって「作業の標準化」ですが、私は逆で、実は日本人はこれが苦手だと思っているんですね。マニュアルを作って書面に残すのは得意ですが、現場はいまでも職人芸・徒弟制の色が残っていて、ベテランのマイルールがマニュアルに優先するという。旭化成建材の杭打ち問題なんてこの典型だと思います。

なので、セリンジャーさんはじめ多くの方々の努力で用語の統一が図られ、全世界共通で議論できる場ができつつあることはとてもすばらしいことだと思うのですね。

ただ、その準備ができていない人を攻撃し、排除して、それで本当にバレーは発展するのか?日本のバレーが世界標準に追いつけるのか?という疑問があるのです。

ばぼってる方々がみなさん高い見識とそれぞれの理想を持っていることは重々承知で、それをビギナーの方々に還元してこそ、すそ野がひろがり頂点も高くできるのではないかと。女子に続いて男子にもメダルを取らせたいなら、その方向に向かってほしいなと願っています。
by rio (2015-11-30 21:41) 

T.w

rioさん、大変ご無沙汰しております。

なかなかゆっくり、ブログを読む時間が以前と違って取れなくなって、コメントすることがなくなりましたが、rioさんのバレー熱が再燃しているようで、とても嬉しく思います。今後ともよろしくお願いします!

KGBH_007さん同様、vabotter界隈からコメントしてみたいと思います。

まず、記事本文にある

テンポとは「セット・アップ」からスパイク・ヒットまでの経過時間
その経過時間がほぼゼロとなる攻撃こそがファースト・テンポの攻撃

の部分で、後者の「その経過時間がほぼゼロとなる攻撃」の部分は、「『セット・アップ』からスパイク・ヒットまでの経過時間」ではなく「『セット・アップ』から『踏み切りのタイミング』までの経過時間」のことです。

もちろんrioさんはそれをご存じの上で引用頂いていると思いますが、記事本文を読んだ読者の方は誤解される方もいらっしゃるかも知れませんので、その点をご配慮頂ければ幸いです m(_ _)m
by T.w (2015-12-05 19:19) 

T.w

続いて、本文の趣旨である『「テンポ」や「スロット」を知らんヤツはダメなのか』について。

そもそも、こうしたタイトルで【テンポ】や【スロット】が採り上げられるようになったこと自体が、私としては大変喜ばしいことです。それだけ「【テンポ】や【スロット】の概念」の存在自体が、日本のバレー界全体に浸透してきた証だと思いますので^^


仰るとおり、「他人を攻撃する道具に使っている」という印象を与えてしまっているのは、反省すべきところだと感じております。

ばぼってる方々にも色々な立場の方がいらっしゃいますが、少なくとも私は、「それだけ浸透してきた【テンポ】や【スロット】の概念を知って、それを『思考の原点』としてバレーボールという競技を再構築し始めたり、さらに深くバレーボールそのものの面白さに気づいた底辺の中高生プレーヤー」が、上のカテゴリに進んだ時に、「そういった概念を知らない、もしくは知ろうとしない指導者」によって、考え方や自分自身のプレースタイルを真っ向から否定され、バレーの世界から離れてしまうことを何としても避けてあげたい、という思いが一番の行動の原動力になっています。

例えばこれは多治見麻子氏の件ですが、彼女と直接お話した際にきちんと【テンポ】の概念を理解されていて、但しそれにこだわるわけではなく、それを正しく理解した上で、自身が「指導に当たって、何を伝えていきたいか?」を思考されているご様子が、よく感じ取れました。もはやさすがに、指導に携わる立場にあって、こうした【テンポ】や【スロット】の概念の存在自体を知らないというのは、指導者としては「勉強していない」ことの証以外、何ものでもないところまでは来ていると思います。本来はバレーファンがこうした概念を知らなくても、何の問題もないのですが、バレーを専門にしてその道で生きている指導者が、そうした概念を知らないというのは、恥ずかしいことであるという、そういう文化は作り上げないと、結局のところは、底辺からのボトム・アップも泡と消えると思います。

体罰問題がいつまで経ってもバレー界から消えそうにないことからわかるように、日本のバレー界における「上に逆らえない」雰囲気や、「結果を出してからものを言え」的な空気というのは、相当に根深い問題です。そうした現場で苦しんでいる指導者やプレーヤーの方々にとって、少しでも希望の光が与えられるように、これからも頑張っていきたいと思っています。




by T.w (2015-12-05 19:47) 

rio

>T.wさん、ご無沙汰しております。ご指摘ありがとうございます。大事な部分の引用を飛ばしてしまい大変失礼しました。追記しました。

「テンポ」や「スロット」という共通語を使って指導できるようになることは、私もそれが望ましいと思います。「スピード」「速く」と言われたときにどの部分のどういう速さを指すのかがあいまいで、その結果、誤解が生じているということが出発点でしたよね。

T.wさんが問題提起をされてから10年ほどにもなりますでしょうか。私も勉強させていただき、昨今はアニメや中継の解説でも使われるようになって、理解が進む環境が整ってきていると感じています。

一方、今回に限らずそうした過程で必ず出てくる行為がありますね。その単語を知らないからという理由で他者を見下げる行為、これが気になっていたのです。

バレペデの制作チームや古参のばぼったーの方々は、たとえ相手が「テンポ」のことを「タイミング」という言葉を使って話していたとしても、この人はテンポのことを言ってるんだなと受け止められると思うのですね。

一方で、そこまで深ぼりできてない人たちの中には、「タイミング?なにそれ?テンポって言葉知らないの?」とか言ってしまう人もいるわけで。そうなってしまう最大の理由は、概念は単語と1対1対応で結びついている、という〝信仰”にあると思うのです。

なので、それは違うよね、と。セットアップからスパイクヒットまでの時間の短さが重要だという「概念」は、指導者も競技人もみんなもってると思うのです。「セットアップからスパイクヒットまでの時間の短さが重要だと思いますか?」と聞いたらみんなyesと答えるはずですよね。それだけ自然かつベーシックな発想だと言えます。

ただ、それを体系的かつ効率的に学ぶ/伝えるときに、そのための用語が統一されていなかった。だから「テンポ」の定義が重要だったと思うのです。

でも、言葉は生き物ですから、「テンポ」という言葉でバレー界のインフラになるかどうかはまだわからりません。感覚的にはなるだろうと思っていますが、もしかしたら「それって要するにタイミングのことでしょ?」という主張のほうが多数派となって書き換えが起きるかもしれません。

なので、伝えたいことは「テンポ」という用語なのではなく、「セットアップからスパイクヒットまでの時間の短さが重要」ということを再認識してほしい、ということなんだよ、と言いたくてこの記事を書きました。

余談ですが、1stテンポというと私はいつも、クルム伊達公子さんのライジングショットを思い出します。用語を増やすことでそういう発見や考え方を言語化しやすくなり、他者へ伝えやすくなる。指導される方々はこの点にもっと気を配ってもいいかもしれませんね。
by rio (2015-12-07 12:52) 

T.w

rioさん。

大変失礼いたしました m(_ _)m
ブログにトラックバックを送って頂いていたのに、すっかり最近、ブログ更新・管理作業をサボっていたので、まったく気づかずに放置してしまっておりました。

遅ればせながら、公開させて頂いたので、ご確認下さい。

最後に、1点だけ、強調させて下さい。

「テンポ」の概念に関して、私の最初の頃の提案にも誤解が含まれていたことは、その後色んなところで機会があるごとにお話しさせて頂いているところなのですが、改めてこちらでも書かせて下さい。

「テンポ」の概念で、皆さんに伝えたいことは、

セットアップからスパイクヒットまでの時間の短さが重要「なのではない」

ということです。
10年前から提起してきた「スピードではなくテンポ」の、一つの集大成が、先日のバレー学会2日目に行ったポスター発表でもありましたので、それをここで紹介させて下さい。

http://suis.cocolog-nifty.com/suis_blog/2016/04/post-ac1f.html
by T.w (2016-05-08 17:43) 

rio

>T.wさん、こちらこそTBを送った自覚がなく大変失礼しましたm(_ _)m ソネットのブログの使用で、リンクを張ったらTBが自動的に送られてしまうようなのですね。

スピードとテンポについて、T.wさんの問題提起がバレー界に浸透し、漫画でも取り上げられて学生の間でも話題になっていて、これってすごいことですよね。

「がんばってる選手になんで文句言うんですか」的なファンが多数派だった時代からここまできて、ファンの目が肥えてきたことでバレー界全体のレベル向上につながっていると感じます。

ここから東京五輪を経て、日本がまた世界のバレーをリードするところまで持っていきたいですね!
by rio (2016-05-15 00:54) 

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