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Vリーグ男子:ファイナル3、残るイスはあと1つ [バレーボール]

ファイナル6は舞台を東京に移しての折り返し。大田会場でばっちり観戦してきましたですよ。雨模様の中、やなぎゃる抜きでもそこそこの客入りでまずは一安心でした(←なに目線やねん……

↓本日の1枚は「安心してください、はいてますよ!」の足の角度を練習するセンター木村(15番)を激写してみました。ゴッツが合成写真のようになってますが、公式練習での1コマです。クリックで拡大します。

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さて。
第1試合、第2試合は1位・豊田合成と2位・東レが順当勝ちしてファイナル3進出が決定。残るイスはあと1つとなる中、連敗してしまったわれらが堺は暫定べべたんこになってしまいました(悲)。まだ下にサントリーとFC東京がいるとはいえ、このまま終わっては残念すぎます。

3位争いは勝ち点の最低ラインが10~11あたりの争い。堺はもはや自力では11に届かないので、勝ち点3で残り3つ勝って計10点とした上で、パナソニックとジェイテクトがどちらもあと2敗するように邪悪な念力を送りまくるしかなく。こうなったら式神でも呼び出してまじないを……。

そんなことはさておき。
第1試合の豊田合成vs堺ブレイサーズは、堺のストレート負けに終わったものの、本日の3試合のなかでは一番面白いゲームでした。合成ファンは面白いゲームに競り勝って最高だったのではないかと。隣で途中まで観戦していたおじさん2人組も「すごい緊張感だね」って言ってましたし。

堺はサーブを右から左への対角線に打ち、合成のセンター線を封じると同時にイゴールの動線もじゃまする貪欲な作戦。こういうの大好物です(笑)。合成のセッター内山、さあどうする!? みたいなわくわく感。ただ、ねえ、入らないんですよ、サーブが(^^;

特に、ブレイクの鍵を握っているペピチのサーブが全然入らない。これは今季の堺の負けパターンになってますね。ペピチ、石島、千々木の3人のうち、1人だけサーブがあたっても勝てない、せめて2人のサーブがあたらないと、というところ。この試合、石島はよかったと思うのですが、千々木が不調で途中交代となり、ペピチサーブでもブレイクできないあたりが、各セット競り負けた1つの原因かなと。

その石島ですが、先週の無気力プレーとは打って変わり、今日は攻守に大活躍でした。サーブレシーブがいまいちだったのでベストとは言えませんが、それ以外はすべてよく、久々にバックアタックも多用してチームの軸となってプレーしていました。石島がやればできるのはみんなわかっているので、あとはこのレベルをどうやって維持し続けるか、ですね。

キレるとかグダるとか体格に似あわないメンタルの弱さはありつつも、やっぱり石島が活躍すると盛り上がることも事実。第2セットの19-24の場面から、サービスエースも含めて崩しまくり、23-24まで追いつめて、もしかして?と思わせるあたりが石島の真骨頂、とファンは思いたいし言いたい。こうした場面が以前より減ってるのは腰痛のせいなのでしょうか。あるいは年齢のせいなのでしょうか。

一方、石島がこんなに好調なときに限って、謎の絶不調に陥る千々木。この2人はなんでいつも入れ違いに不調になるんだ???第1セット、22-19までリードして合成にタイムアウトをとらせ、あとは丁寧にサイドアウトの繰り返しでいけるよね、ってところから千々木がサーブで崩されまくって逆転を許す、みたいなね。

第2セットもそうです。開始早々から千々木が崩されて0-3。その時点で伊藤と交代し、堺は3点ハンデを背負わされてのスタートになるという。そのハンデを最終盤で石島が解消しかけたけど1歩及ばず、だったんですよね。そうなると、第3セット、千々木はもうスタメンでは出られない→強力サーブが1つ減る→ブレイクの可能性が下がる、という悪循環です。

少なくともコート上では、現在、千々木が〝Vプレミア8チームのなかで頼りないキャプテンランキング”でぶっちぎりの第1位に輝いてしまってますよ(哀)。この程度のプレーでもキャプテンを続けられているということは、選手・スタッフ・監督からの信頼が厚いということなんでしょうけど。。。

その千々木の代わりに出てきた伊藤も、今日はちょっとつらかったですね。第1セットがジュースになってしまった直接の原因は、23-23の場面で合成のクイックをワンタッチかけたのにフォローの位置にいる伊藤がつなげなかったからです。第2セットの10-12の場面でも、レフト攻撃をワンタッチかけたのにフォローしなければいけない伊藤が1歩も動けず。

さらに、23-24の場面、あと1つでジュースというところで石島サーブでまた崩し、合成は苦し紛れのイゴール。そのストレート打ちがなんとか上がったのに、ブロックに跳んでいた伊藤は決まったと思い込んでしまって(たぶん)動きをとめ、ボールが そこへ飛んできてあわててしまって処理をミスって失点するという。

結局、第3セットの途中で伊藤→千々木の交代になってしまう残念さ。サブメンバーが機能せずに「だったら不調のスタメンのほうがマシ」となることほどむなしいことはないですよね。。。

まあ、そうした残念さはありつつも、そしてアタックがびたんびたん止められたりしつつも、チーム全体が最後まで集中力を保っていたことが、試合内容の面白さにつながったんだろうなと。不調の選手が何人もいて、サーブレシーブも安定せず、被ブロックも多い。結果だけみれば散々なのに、実際の試合は、1位のチームと競り合う見ごたえがあって面白い内容なんですよね。ということは、(同じことを何度も書いてますが)全選手がピタッとかみあったときの強さは手がつけられないほどのはず。いつかそういう日がくることを信じて応援しています。

(おまけ)
ささいなことが気になってしまう杉下右京のようなわたくし。試合前の公式練習でイゴールがアタックをあまり打たずに突っ立っていたのはたぶん、グダってたりサボってたり観客に見とれていたりしたわけではなく、堺のアタックを観察していたからなんだろうなと。

一部ファンの間で超音波ボイスとさえ呼ばれている高松が、第1セット序盤、傳田の耳元に手をあてて愛のささやき。あんなキンキンした声を耳元で聞いたら頭痛が起きそうですが、実は話す声は普通なんですよね。結局、そのあとペピチのライト攻撃が決まり、ささやき女将作戦は不発?だったようです。

普段から試合中のベンチでも選手をガミガミ叱っているヴォルデモート……じゃなくて、アンデッシュ監督(苗字はクリスティアンソン)。第2~第3セットにかけて、古賀にやたらとガミガミとなにを言ってたんでしょうね。ゾウの鼻のようなジェスチャーのあと相撲の突っ張りをしていたあたりから察するに、「コイチロー、ゾウサン、倒ス、突ッ張リヤデ!」とか。もしくは、堺が打ちおろしてくるときの守備位置を修正せよと指示していたのかも。古賀がイラッとして言い返していたように見えてほほえましかったです。

そんな古賀が試合の最優秀選手に選ばれ、オカマのキリコ?かなにかそんな呼び名のものをもらってました。広島会場だとエビがもらえたのにな。。。イゴールと内山はエビだったのにな。。。とか思ってたら素敵です。

そのヴォルデモート……じゃなくて、アンデッシュ監督と印東監督が試合後にコート上で密談?……って、観客全員に見えてますけど(笑)。いや、あれはもしかして、密談ではなく印東監督がガミガミ叱られていたのかも(違)。もしくはゾウさんの倒し方を教わってたのかも(たぶん)。


そんな2人から少し離れたところで出来田と内山が談笑。仲いいんですね。ニコニコユーザーの間では事務職顔とか経理顔とか職場でお土産のお菓子を配るのがうまそうとか言われている内山。出来田が持ってきた経費精算の領収書を笑顔で却下してたのかもしれません。

最後に、この試合の主審はあの田中昭彦という方。登場した瞬間からひやひやしましたが、反省したのか誤審はなく、ヴォルデモート……じゃなくて、アンデッシュ監督に「アンドレフェリーテリブルテリブル」って呪いをかけられずに済んだのでした。めでたし。


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Vリーグ男子F6:合成、東レが1抜け?熾烈な3位争いに [バレーボール]

Vリーグ男子ファイナル6の2日目、変則スケジュールなので本日は合成vsJT東レvsジェイテクトの2試合です。上位が2連戦、ということは連勝すればファイナル3への進出の可能性がかなり高まるわけですね。この変則方式の心理的影響はかなりのものではないかと(笑)

結果、合成がJTにフルセットで辛勝、東レはジェイテクトを振り切って勝ち点3を確保し、両チームが勝ち点10で並びました。一方、連敗したJTは残りを勝ち点3で全勝してあとはほかの結果次第、ジェイテクトは自力での進出の可能性を残していますが、勝ち点3での全勝が必須であることは変わりません。

ということで、まだ1試合しかしていない堺とパナソニックを含め6チームがそろう来週の大田会場(20日)と翌21日、ここが正念場ですね。パナソニックはここで連勝すれば暫定1位の可能性もあります。一方、われらが堺はF3進出には全勝必須。どきどきしますね[揺れるハート]

さて。今日の2試合はどのチームも非常に気合が入っていて、とても見ごたえがある内容だったと思います。

合成vsJTでは、対策をされまくって苦しい合成が、選手交代でしのぎつつの粘り勝ち。もう手の内をすべて出してしまってこれ以上はビタ一文もあらしまへん、というところから、基本に忠実なプレーを愚直に貫いたのはさすがです。

イゴールが何度もどシャットされる珍しい展開。白岩がなかなか決まらない課題も再浮上のなか、古賀が走り回ってチームを支え切りましたね。高松も攻撃面ではしぶとく食い下がり、守備面ではフォローを徹底。そうこうしているうちに近が早めにクイックに入るようになって決定率が上がり、土壇場でJTを突き放す原動力となりました。

JTの言い分もわかります。ブコビッチ監督は「不可抗力的な要素で勝敗が決してしまったのはとても残念だ」とコメント。要するに、重要な場面で誤審があって試合の流れが変わってしまった、ということですね。ニコニコ動画の映像はそこまでクリアではないしリプレイもないので断定的なことを言うのは避けますが、この試合はどちらに有利だったかに関係なく、ん?と思う判定が多々あったことは確かです。そのことに監督があえて言及すべきかどうかはまた別の議論ですが。

ちょっと話がそれますが、ん?という判定のときに選手はどこまでアピールすべきなのか、というのが気になっているんですね。例えば、アタックやサーブのイン/アウト判定。これって、常識的に考えれば選手よりも審判団のほうがはっきり見えているはずなんです。ボールがラインに少しでもかすっていればインというルール上で、選手は当事者意識を持って見るわけですから、自分たちに有利なように見えてしまうのは当然。なので、微妙な”イン/アウトについてはアピールしても仕方ないと思うのですよ。

とはいえ、線審がぜんぜんダメな試合が多すぎるのも事実。旗を上げ下げしてアウトかインかわからないようなことをしてみたり、線審が2人いるときは片方が相手につられて判定を変えてみたり。あるいは、以前の試合では、しっかりかがんでしっかりと見極めた上でインのボールにアウトの旗を上げた線審もいました。こういう審判への不信感がアピール連発につながっているわけで、そのせいでしょっちゅう試合が止まっていてはいずれファンが離れてしまうのではないかと心配です。

一方、ワンタッチのある/なし判定については、特に男子バレーの場合、審判団よりも選手のほうがはっきり見えていることがほとんどだと思うのですね。触った選手はもちろん、打った選手もはっきり見えているから打てるわけで。これについては審判団はアピールにもっと謙虚に耳を傾けるべきだと思うのです。少なくとも主審が各審判を集めてヒアリングするぐらいはやってもいいのでは。

同時に、選手もワンタッチしたときは自己申告しようよ、っていう。イゴールやペピチなど外国人選手は自己申告してますよね。「触ってない!」って言い張ってもめて時間をつかって……って、そんな〝弱者の戦い方”をして流れが断ち切られるよりも、自己申告して次のプレーに集中したほうが流れが保てていいでしょうに。

そんなこんなで、試合内容はとてもよく面白かったのですが、後味はいまいちなのでした。

もう1試合、東レvsジェイテクトも熱い試合でした。あまりに熱い試合だったせいか、小林監督は試合後に謎のコメントを残してます。「ただ、攻撃の軸である、カジースキ、李といった選手の調子が上がらない状況でも、他の選手のカバーによってチーム力を発揮できたことは評価できる」って、えーっと、カジースキ……?ってあの魔帝??家事好きの魔帝がほしくなってしまった気持ちはよくわかりますが、決定率4割を切ってしまったジョルジェフ・ニコラがこれを知るととてもとても悲しむと思います(^^; 修正してあげてください。→ 2月15日に修正されました。よかった。でも、面白いので残しておこうかな(笑)

東レはほんと苦しい試合でしたね。第1セットの終盤で、ジェイテクトの高橋(和)のスパイクミスをきっかけに東レがたたみかけたときは、さすが東レ、1チャンスを見逃さないね!と思ったのですが。続く第2セットは、競り合いの終盤で辰巳のサーブに崩されまくり、そのまま4連続?失点でセットを落とすという。第3セットも先にセットポイントを握りながらブロックにつかまってジュース。ここは日々進化している星野が踏ん張って競り勝ったものの、第4セットもシーソーゲームという。

ただ、苦しみながらもフルセットにさせず、勝ち点で合成に追いついたのはすばらしい。なにがすばらしいって、予想屋rioの読み通りの展開になってきたことがすばらしい(笑)

ジェイテクトは故障欠場が続いていた浅野を投入。見た感じでは跳べて動けていたと思いますが、もう大丈夫なんでしょうか?一方、今季ずっとぱっとしない古田はこの試合でも途中交代でした。ジェイテクトがなんとなく中位につけながらもブレイクしない原因の1つが古田のくすぶりですね。で、浅野の〝攻撃力”に期待が集まるという。へんなの。もしかして古田はオポジットに向いてないのでは……と思ったりもしますがはたして。

こうやって見てくると、開幕前~リーグ前半を通じてチームを固め、大きな故障者も出さなかった合成と東レが頭一つ抜け、チームを固め切れないまま年が明けたり、故障者を出してしまったりしたチームがいまも混戦の中にいる、と。そんな感じですね。無事これ名馬とはよく言ったもので、とにかくまずはケガをしない身体を作ることなんだなと、ファイナル2日目でそんな当たり前のことを改めて感じ、いそいそとジムに行く準備を始める私なのでした(プ
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Vリーグ男子:ファイナル初日がこれでは…… [バレーボール]

Vリーグ男子のファイナル初日、生中継があるニコニコ動画には早起きして待っていた人から夜勤の直前まで観戦していた人まで、混戦の今シーズンを見守っているファンが集まっていたわけですが。いやはや、こんな試合内容でええのんか?という。

勝敗だけを見ると、豊田合成>ジェイテクト東レ>JTパナソニック>堺と、順位が上のチームの順当勝ちです。でも、その内容はけっこうなぐだぐだっぷりでした。

合成vsジェイテクト

ファイナル6のなかで唯一、合成に全敗しているジェイテクトは、一応の対策を立ててきたんですね。センターの動線をじゃまするサーブを打ってクイックを消し、イゴールのクロス攻撃をとめる/拾う。第1セットの1本目でいきなりカジースキがイゴールのクロスをワンタッチかけるぐらい、タイミングを見極めてきていました。クイックの入りが遅いは動線をじゃまされて全然打てず。年明けからの合成の失速の理由の1つは近が封じ込められていることだと思うのですが、この試合でも8打数で2本しか決まりませんでした。

なので、このまま作戦を徹底すればいいじゃないかと思うのですが、それができないんですね。狙ったサーブが打てなくてネットにかけまくる。サーブで追い込んだとしても、トスがどこに上がるのか予測ができてないからリードが遅れる。で、イゴールの前に2人並んだとしてもカンチャンを開けてレシーバーをはりつけるのか、カンチャンは閉めて脇を抜いてくるところいレシーバーなのかはっきりしない位置取りで抜かれまくる。

そうやってるうちに足が止まり、心が折れ、カジースキなんとかして……ってな感じです。で、単調なバレーになってブロックに取り囲まれたカジースキがリバウンド狙いでブロックにあてても全然拾えないという。要するに、ジェイテクトは第1セット中盤で早々と諦めてしまってたんですね。で、彼らはきっと、「浅野がいればなあ」とか思ってるはずなんです。そうやって本質から目をそらし続けてきたバレー、って感じです。

合成は決して本調子ではなかったと思います。近は打てないし、イゴールはシャットアウトを食らったり凡ミスしたり。しかし、白岩が攻撃面を改善し、しぶとい打ち方で10打数6得点とレギュラーラウンドでは見られなかった活躍ぶりでした。その反動でサーブレシーブ成功率は下がってしまいましたが、白岩がリスクをとって挑戦し、結果を出したことで、合成はまた1つ階段をのぼったのでは。

というわけで、白岩のがんばりとカジースキの孤軍奮闘、この試合の見どころはこの2つ、という結論になりました。

東レvsJT

レギュラーラウンド最終週での対決にJTが勝ち、ファイナルに滑り込んでのいきなりの再戦。話題性もあって注目していたのですが。なんでしょう、この2チームの試合はなんでいつもこう、眠たくなるんでしょう。手の内を繰り出して……てなことをやったのは第1セットぐらい。あとはもう、拾ってサイドにぶん投げて打つ、の繰り返しで、早く終わればいいのにと思ってしまいました。主審がポンコツで露骨な誤審もあった、だからモチベーションが……という事情はわかります。わかりますが、でも理由はそれだけじゃないはず。

JTの深津兄は相変わらずサイド一辺倒で安永は4セットで3打数です。これは深津兄だけの問題ではなく、それだけ安永がクイックに入らない=仕事しないということでもあるわけですが。素朴な疑問として、4セットフル出場して3本しか打てなかったことをさすがに恥ずかしいと思うのでしょうか、それともブロック2本したからまあいいやと思うのでしょうか。もしくは、何も思わないのでしょうか……。

そんな苦行のような試合でしたが、見どころは東レ・星野。サーブ失点1位としつこく言い続けていたのが功を奏したのか(違)、今日はエース2本を含め効果率24.2とチームで断トツトップ!サーブがいいと評判の鈴木をはるかに上回る活躍を見せたのでした。なんだ星野、やればできるんじゃないか、という。

そうなんです。Vリーグの選手たちはたいてい、やればできるんですよ。そりゃそうですよね。原則として、そういうレベルの選手しかVリーガーになれないんだから。やればできることをやらない。やらないだけなのに「できない」と言う。これが、日本の男子バレー界が長年にわたって苦しんでいる〝病気”の正体ですね。

そう思うと、パナソニックの白澤、豊田合成の白岩、東レの星野など、今シーズンの前半ではやろうとしていなかったことに取り組んで結果を出し始めた選手たちがいることは、男子バレー界にとってとても心強く、明るい話題だなと思います。

パナソニックvs堺ブレイザーズ

やればできることをやらない。本日、その言葉がもっともあてはまる試合をしてしまったのは残念ながらわれらが堺ブレイザースでした。私は今季初めて、石島に怒りを覚えましたですよ。なんだあの無気力なプレー。攻守すべて中途半端でフォローにもいかない。ベンチでずっと腰を冷やしてるけど、冷えすぎて逆に血流が悪くなってんじゃないの?っていう。

「腰痛で足をひっぱってすまんね」という謙虚な態度でチームに貢献しようと努力するならまだしも、ずっとふてくされて周りが気をつかって声をかけても無視。得点が入って円陣を組んでも適当に手だけ出して目も合わせず。で、千々木のサーブレシーブが乱れて石島の正面にボールが上がってるのに二段トスに動きもせず、そのあとのレフト攻撃で適当に打ってアウトにして下げられたわけでしょ。当然じゃ!さっさと引っ込め!と思いましたですよ。

そこまで腰が痛いんなら今すぐ休みなされ。完全に治るまで2年でも3年でも戻ってこなくてよし。ファンは石島を見てるんじゃないからね、堺のバレーを見てるんだからね、っていう。じゃましないでください。

一方、やる気はあるし、がんばってるのは伝わるんだけど、やればできることをやらない選手がもう1人。リベロの井上ですね。なんでもっとつなぎや二段トスを練習しないんだろう。堺の攻撃力をもってすれば、相手のスパイクを拾ってしっかりとハイセットを上げることができれば、ブレイクする確率はけっこう高いはずなんです。

なのに、井上の二段トスがことごとく打ち切れないレベルになってしまうという。ネットに近すぎたり遠すぎたり、〝ハイセット”なのに低すぎたり、挙句の果てにはアンダーで超ゆっくり上げたりして、そりゃ打てるけどシャットアウトされるわ、っていう。

それを拾うならまだしも、ブロックフォローやフェイントにまあ足が動かない。特に、自分と誰かの間にきたボールに対して固まってしまうという。例えば今日の試合で対戦相手の永野のプレーを見て、自分のプレーはちょっとヘンだ、なんとかしなければ、と思わないんでしょうか。

同じヘタでも、JTのリベロ唐川のように一生懸命動いているのはまだいいと思うんですね。動き続ける中でいろいろなことが身につくでしょうし、判断も的確になってくるはず。しかも若いので吸収も速いでしょう。井上は唐川よりも10歳も年長で、しかも動かない。そんな状態からの〝成長”なんて見込めるんでしょうか。もはや「がんばってるね」だけで評価される年齢ではないと思うのですが。

堺の印東監督はレギュラーラウンドの最終日に、石島→高野、井上→今富の交代を試しました。気持ちはとてもよくわかる気がします。印東監督が目指している世界標準のバレーを実現する上で、石島・井上の同級生コンビが精神面・技術面でチームの足を引っ張ってるんだろうなと。

というわけで

男子バレー界全体に思うのですが、やればできることをやらない選手はもう、引退させて社業に戻っていただけばよいのでは。バレーでずるずる時間を費やして30半ばぐらいになって社業に戻ってこられて、「仕事わかりません。ワードもエクセルも使えません。パワポってなんですか?」では会社も困るでしょう。

そうやって世代の歯車をまわして、各チームが東京五輪世代をメインに据えたチーム作りに専念できる環境を整えたほうがよいのではないかと。せっかくバレーファンが増えているこのタイミングでなければできないことですし、各チームのお偉方はぜひご一考を。


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Vリーグ男子:大予想!さてさて優勝はどのチームに? [バレーボール]

Vリーグ男子のレギュラーラウンドは最後の最後まで大混戦の大波乱。前シーズンの1位と2位が最後のイスを争って、サントリーがはじき出されてしまいました。サントリーの入れ替え戦出場は23年ぶり?なんですね。

でも大丈夫。転んでもただでは起きないサントリー。セッター山本柳田のラインに活路を見出し、センター塩田の起用にもめどをつけました。これをきっかけに世代交代を進め、新生サントリーとしてよみがえってくることでしょう。

一方、そのサントリーにストレート負けした豊田合成はどうしたもんでしょうね。消化試合での誤審に次ぐ誤審でやる気をなくしていたことはあったにせよ、6敗のうち5敗が年明け。「合成の失速は冬の季語」とか言われる始末で、転んだらただではおかないアンデッシュ監督がこのまま黙っているとは思えません。

ただ……、3週目の戦いでは、ジェイテクト(とFC)を除く全チームに負けてるんですね。しかも調子が悪いとか故障者が出たとかそういうことではなく、有効な対策を取られて抑え込まれているわけです。チーム成績でサーブレシーブ成功率とアタック決定率が1位……という記録がちょっとかすんでしまってます。

一発勝負の天皇杯ならイゴールに7割打たせて勝つ方法もアリでしょうけど、Vリーグファイナルはそうはいかない。と考えると、レギュラーラウンドと同じバレーをするならポイント5点あっても1位通過は難しそうです。で、たとえ2位か3位で通過できたとしても決勝までたどりつけるかな?というところかも。しかもセッター内山が腰痛?だったりすると、ね。スランプ気味のも気になります。

となると本命は東レでしょうか。ストレート負けはわずか1試合、一方、フルセットは9試合という群を抜いた粘り強さを見せています。軟打やワンタッチを徹底してつなぎ、ラリー中のクイックやニコラの速いバックアタックで「ぬるっと勝つ」パターンを確立していてポイント4点も持ってます。これは強い。

ただ、安定のセンター線やオポジットに比べ、星野鈴木の両サイドが弱点ですね。星野は攻守にバランスのいい選手ではありますが、ここ数試合は攻撃面が失速気味でした。さらに、なみいるビッグサーバーを抑え、サーブ失点ランキングで堂々の1位。私なんかもう、星野サーブのときはお茶飲んで一息ついてしまうぐらいです(哀)。一方の鈴木は低くて直線的な弾道のサーブが破壊力抜群ですが、バックアタックがセッター藤井とあってない感じ。コースを狙っての強打はできないんじゃないかと思われ、チームの攻撃の幅を狭めてしまっています。この辺りをどう修正してくるか、注目してます。

本命・東レ、対抗・合成としたところで、3位通過のジェイテクト。これを言うとジェイテクトファンの方に叱られるのであと1回だけしか言いませんが(笑)、天皇杯で東海大に負けたんですよね。そのときから何が変わったわけでなく、相変わらず家事好きの魔帝頼みでやりくりしているにもかかわらず、パナソニックや堺といった順位争いのライバルたちが勝手に転んだせいで3位に浮上、という感がぬぐえません。

チーム成績でアタック決定率がワースト1位、ブロック決定本数がワースト2位というところから、魔帝の力でどこまで粘れるか、というところでしょうか。故障で離脱中の浅野はファイナルには間に合わせると言っているようですが、178センチの彼が万全じゃない状態で出場しても穴になるだけなのでは……と心配です。

では4位通過のパナソニックは?レギュラーラウンド終盤、ダンチの失速でチームの歯車が狂ってしまい、まさかの5連敗。入れ替え戦争いも見えてきた崖っぷちからセンター線の打数を増やすことに活路を見出し、どうにか立て直しました。なんだ白澤、やればできるんじゃないか、という。ただ、決してダンチが復調しているわけではないので、ポイント2点を握りしめてのがまんが続きそうです。ファイナル初戦は堺との対戦。ここがいきなりの勝負所、という気がします。

そして、われらが堺ブレイザーズ(←「われら」って誰だよ)は5位通過。おかしいな……合成に勝った時点でのrio脳内ではよくて2位、悪くて3位通過だったのにな……と若干、狐につままれたことがあるようでないような気分ですが、やっぱりここが大穴でしょう。サーブ効果率は合成に次ぐ2位ですが、レシーバーをはじいたサービスエースでは断トツの1位。ペピチ石島千々木とスタメンでビッグサーバーを3人そろえているのは堺だけです。

さらに、ペピチに頼らない分散型のトスワーク、シンクロ率の高いクイックとパイプ攻撃、石島・出来田のスイッチによる相手オポジットへのブロックの圧力やトリッキーなコンビなどなど、多彩な技を持っています。ほんとだったら、序盤から相手を翻弄してそのまま逃げ切る先行型にもなれるし、相手の出方をうかがってそれに合わせてまくっていく追い込み型もできる自在なチームなんですよね。

ただちょっと、ほんのちょっとだけ、チームプレーが苦手なだけ(笑)。ミスったらキレて、離されたら落ち込んで、勝ってたら吠えまくるっていう、永遠の少年たちなだけ。そんな少年たちが「でもやっぱ、優勝するのは俺たちじゃね?」ぐらいに思って強気で臨めばきっと台風の目になるでしょう。

最後に、残り1枠に勝ち点1の差で滑り込んだ前シーズンの覇者JT。開幕当初こそ越川がガッチリ握って危なげない試合をしていましたが、早々に失速。ビソット頼みの単調なバレーを繰り返しているうちに越川が謎の離脱→リベロで復帰→アタッカーで復帰→故障離脱、と。パナと同様、センター線をテコ入れし、バレーが苦手な町野安永を入れ替えた采配があたり、なんとか踏みとどまりました。その町野=サーブ効果率41位(4位でも1位でもなく41位)をピンチサーバーで起用する謎の采配はもうこの際、深く考えないことにします。

サーブレシーブ成功率はワースト1位、八子はサーブで狙われ続けると攻撃まで崩れてしまうというガラス感が満載なチームですが、ブロック決定本数(セット当たり)は東レと並んで1位なんですね。緻密なブロックシステムがあるようには見えないのですが、ランキング上位にいるビソットに加え、バレーが苦手なセンター町野よりもブロックがうまいセッター深津兄。この対角の個人技でチーム成績を押し上げている感があります。町野→安永の交代がこれを強化した感もあり、マッチアップ次第では相手を慌てさせることができそうです。

こう並べてみると、当たり前ですがどのチームも一長一短。だからこその混戦なんですね。長所と短所は表裏一体ですから、短所を長所に転換できるたチームが勝つ。というわけで、私の予想は、本命◎東レ、対抗○合成、単穴▲堺、連下1△パナソニック、連下2△ジェイテクト、無印JT、となりました。さてどうなりますことやら。2月21日の東京会場はNHKの中継も入りますから見逃せません!
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Vリーグ男子:誤審だらけ。「Terrible for Japanese volleyball.」 [バレーボール]

Vリーグ男子、レギュラーラウンドの順位が決まってあれこれと思うところがある本日ですが、それを後回しにして、まずなによりも豊田合成vsサントリー戦の田中昭彦主審の誤審の多さに怒り心頭ですよ。それも、ファイナル進出がかかっているサントリーに有利な判定ばかり。合成は1位確定だから?と勘繰られても仕方ないですよ。これね、サントリーの選手たちもさぞ迷惑していることでしょう。

NHK-BSの生中継だったこの試合。セット間の監督インタビュー(←これ、やめたほうがいいと思いますが)でアンデッシュ監督が非常に怒っていて、修正すべき点を聞かれたときに「常にレセプションとサーブ、そして審判」って言ったんですね。通訳とリポーターの松野靖彦アナウンサーが一瞬かたまったところへ、続けて「Terrible.Terrible for Japanese volleyball.(最悪だ。日本バレーにとって最悪だ)」と。

凍りつくNHK。セット間の監督インタビューなんてアホな企画を思いついたことをさぞ悔やんでいることでしょう。

通訳はこれを訳さなかったのですが、松野アナウンサーはそこを突っ込まず。これはずるい。きちんと日本語で伝えないと。解説席の植田さんが「気持ちはわかるが言っていいことと悪いことがある」と言っていたのはその通りで、アンデッシュ監督はそんなことを言うべきはなかった。だから彼も一瞬、こらえようとして言葉を切ったんだと思うんですね。それでも言わずにいられなかったぐらいひどかったわけで、その言葉をきちんと伝えてこその報道なのでは。

この田中昭彦という方は、2009年の時点でこのブログにすでに登場しています。たぶん、ものすごくひどい老眼か、そもそも審判業務が苦手なんだと思います。なのにやらされてしまうから断れなくて、見えていなかったことを適当に判定して、文句言うヤツにイエローカードを出してるんだと思います。そういうことにしておかないと、なんでサントリー有利の判定ばかり?というところがあらぬ憶測を呼んでしまって非常に危険。もう、この試合限りで引退していただいたほうがよいのではないかと。

あらぬ憶測を呼んでは困るので先に1つだけフォローを。第3セットで、合成のレシーブがダイレクトで返ってきて、それを塩田が〝ブロック”した場面をオーバーネットと判定しました。これは正しかったと思います。

3rdボールだったら塩田のブロック、でいいと思うのです。でも、このときは1stボールで、ネット際には内山とイゴールがいたので攻撃が可能だったわけですね。それを両手を出して叩き落としたらオーバーネットでしょう。内山もイゴールもセット・アタックをする気はなく、レシーブに構えてしまっていたところが微妙ではありました。それでも、塩田はブロックではなく、しっかり待ってからダイレクトで打つべきでした。

そういうちゃんとした判定もできることはわかりつつ、それでもありえない!と思ってしまった田中昭彦主審の誤審の数々を見ていきましょう。

第1セット

合成8-サント9でのイゴールのサーブ、これがアウト判定。しかし、エンドラインの手前でしっかり入ってます

さらに16-21の場面、イゴールのライト攻撃がアウト判定。しかし、これはエバンドロの中指に当たっていることがリプレイでも表示され、解説の植田さんも「タッチしてますね」と言ってました。

第2セット

13-16
の場面、サントリー・塩田のクイックがワンタッチ判定。しかし、リプレイではブロックのワンタッチはありませんでした。で、コートキャプテンの高松が質問に行くと「レシーブが触った」と。はあ???どうやらストレート側に入っていたセッター・前田が触ったと〝判定”していたようですが、触ってないのは誰の目にも明らかです。高松が何度も「ほんとに触ってたんですか?」と食い下がったところイエローカード。ふざけるな!ですよね。

さらに22-23の競り合いの場面で、エバンドロのライト攻撃にワンタッチありの判定。これもリプレイで出ましたが、ブロックに跳んだ近も高松も触ってません。

ここまでの誤審の数々を受けてのアンデッシュ発言。これは審判団もJVAも、謙虚に受け止めるべきだと思います。外国からきているプロの監督や選手の口コミで「日本のジャッジは最悪だよ」ってことが広まりかねない危機的状況だということを認識すべきですね。

費用面の制約からチャレンジシステムを入れられないのはわかります。1日1~2試合のために毎回10台ぐらいのカメラとシステムとスタッフを全国各地の会場に用意するのは現実的ではない。それは別の議論だと思うんですね。

田中昭彦主審の問題は、チャレンジシステムはおろかスローでのリプレイを使うまでもなく、素人の目視でもわかる判定を〝ミス”していて、しかもその誤りを決して認めず、ノーカウントにもしないところです。これがほんとに見えづらくて難しいプレーなら、選手は不満があってもそこは大人ですから(←ごく一部除く)、こらえて流すと思うんですよ。しかし、明らかにレシーバーが誰も触ってないボールについての〝質問”にキレ気味に「レシーバーのワンタッチ」とか言い返す姿を見たら、なんでこの人のジャッジに従わにゃならんのだ、ってなりますよ。

でね、気になるのがJURYの伊藤博之という方。JURYって、私の理解が正しければ、〝審判の審判”役も含む運営の責任者ですよね。真面目に試合を見ていたなら誤審連発なことぐらいわかったはず。少なくとも高松が食い下がった場面についてはノーカウントにすることを指示すべきでしょう。そういう権限を持ってないとしたら、JURYって必要?って議論になってしまいます。

今季のVリーグ男子は混戦続き。1点の攻防が非常に多いシーズンです。ファイナルがかかっていたサントリーはもちろん、1位確定の豊田合成もファイナルに向けて新戦力を確認しておくという重要な課題を掲げて臨んでいたわけで、それを審判が台無しにしてどうするんだ、という。

この日、ニコニコ動画で中継された呉会場のほうも誤審があり、ユーザーたちからも指摘が出ていました。ほんともうまじ勘弁。ちゃんとしてください。


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Vリーグ男子:堺が新展開!千々木大爆発、新人・高野も [バレーボール]

本日はなんと、呉会場の試合はNHK-BSで生中継なんですね。その第1試合が堺vs東レ、終始主導権を握り続けた堺がストレートで勝利しました(祝) 東レはなんとなんと、今季初のストレート負けです。

[ぴかぴか(新しい)]千々木[ぴかぴか(新しい)]がすごかったですね。先週から1週間で完全に立て直してきました。前衛ではレフトからもライトからも広角に打ちまくって、ブロックが3枚ついても問題ない。脇を抜いたり、利用して外に出したり、軟打も相手の嫌がるところを確実に狙って、本気を出せばこれだけ勝負強かったのかと目からウロコがぼろぼろですよ。打数はペピチを上回り、大活躍でした。で、試合後のインタビューで「今日は佐川に打たせてもらいました」と。さすが主将、チーム全体への気配りも忘れません。ファイナルに向けて、頼もしい存在になりましたね。

そしてこの日、実況が「腰を気にしていた」と紹介した石島に代わり、内定選手の高野がスタメン入り。ファイナル進出は決まっているものの1つでも順位を上げておきたい堺にとって重要な一戦、そこでのスタメンが今季初出場という。かなりの緊張だったと思いますが、プレーからはそんな感じは全然なく、1つ1つの動作をとても丁寧にやっていることが印象的でした。

なによりもまず、サーブレシーブが安定してますね。セッターにただ返してるのではなく、ボールの勢いをきちんとコントロールして、トスを上げやすいパスにしていることがうかがえます。狙われても崩れず、新人とは思えない安定感でした。

2段トスを含めてつなぎも問題ないですね。攻撃面でも、きちんとブロックを見て考えて打っていることが伝わってきました。ありゃ?というスパイクミスもあったけれど、そんなときは周りが声かけてフォローして、その分、千々木ががんばると。新人のデビューにはとてもいい環境だったと思います。

この日はペピチも弱気が一切なく、ペピチらしい高い打点から重いスパイクを連発。苦しんでいたサーブも第3セットで3連続エースを決め、劣勢だった展開を一気にひっくり返しました。出来田はアタックの決定率が88.9%と、2枚ブロックがついても決める怪物ぶりを発揮。チームの雰囲気がいいってことはほんと重要ですね。

こうした各選手の大活躍のベースとなったのが、堺の徹底したサーブ戦術だっと思います。東レのサーブレシーブ本数は、鈴木6本に対して星野22本。リベロ渡辺がカバーした分も含め、堺が徹底して星野を狙っていたことがわかります。星野を崩し、クイックを使わせないようにしてサイドを止めに行く、という作戦だったんですね。

これを徹底した結果、アタック効果率が星野と鈴木の両サイドが20%台、ニコラで30%程度どまりと、完全に抑え込むことができていました。星野は第2セット終盤の時点でアタック決定本数ゼロでしたから、堺のサーブ戦術がいかにプレッシャーだったか、ということですよね。

ただ、これだけでは星野がちょっと気の毒なのでフォローを。第2セット19-14の場面、星野のライト攻撃がアウト判定になり、星野はワンタッチがあることを何度もアピールしてました。あれね、ブロックに跳んだ松本の中指に当たってたと思います。本日はテレビ中継が入っていてリプレイが出るので、それをさらに録画でコマ送りにしてみると、中指がぎゅいんって反った感あり。チャレンジシステムがあれば判定は覆ってたかも。だったらこれが星野の初得点だったのに、という。審判の方々、がんばってください。

それはさておき。
堺はサーブ戦術に加え、佐川ができるだけ高くトスを上げるようにしてましたね。これがとてもよかったと思います。佐川もまだまだ発展途上で、ゲーム開始から全アタッカーにピタッとはまるトスを上げている、という試合があまり多くないと思うんですね。この試合でも、序盤はペピチとなかなか合わず、短いトスになってしまったりしていました。

それでも、高さを保つことに集中していた結果、多少ぶれてもアタッカーが個人技でしのぎきる。そうなるとリズムが出てきて、佐川のトスがどんどんよくなってくる、という好循環でした。今季、1セットあたりのブロック本数でダントツのリーグトップの富松が、この試合ではブロックなし。ワンタッチも少なく、佐川のトスにつききれていませんでした。佐川、今季で会心のトスワークの1つと言ってよいのでは。試合後のインタビューでは「もうちょっとクイックを使えればよかった」とのコメントもありましたが、ラリー中を含めて使っていたタイミングはばっちりだったと思います。

堺と言えばラテンのノリ、浮き沈みがあってそれが面白くもある、というところが定番の評価で、東レの小林監督も試合前に「乗せたくない」と語っていたそうです。だがしかし。今日のチームはそういうノリのチームとはまったく違うチームカラーで、新たな面白さ=冷静かつ丁寧に、そして一致団結して攻め続けるバレーを見せてくれました。

リードしている状況でも、流れが変わりそうな場面ではすかさずタイムアウトを取り、現状と対応と作戦を確認しあって戻ってくる。このこまめなコミュニケーションもゲームを支配し続けた大きな要因ですね。今後の成長が楽しみです。

堺はこれで東レに2連勝の勝ち越し。この勢いでジェイテクトも突破し、ぜひとも3位通過、そして……期待が高まります!


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Vリーグ:パナの復調、合成の失速、堺は……? [バレーボール]

今季のVリーグはレギュラーラウンド大詰めでもまだ波瀾に次ぐ波乱。このままファイナルになだれ込みそうな混戦模様ですね。。。FC東京は残念ながら入れ替え戦が決定し、[ぴかぴか(新しい)]堺ブレイザーズはファイナル進出[ぴかぴか(新しい)]が決まりましたが、なんと前季1位・2位のJTとサントリーでファイナル残り1枠を争うという前代未聞の展開。つまり、それだけ前季と今季のバレーが変わったということなんだろうなと。

そんななか、ほんとは「東レが加速!」と明るい話題を書きたいのですが、堺を中心に見ているために堺と別会場になる試合がなかなか見終わらないのですね。ただ、本日の東レ戦はGAORAの生中継を録画したのであとで楽しみに観戦しようと思います(昨日の中継は録画をミスったのでした……orz)

で、合成ですよ。まさかの2連敗。それも、東レ・堺に2連敗した後、ジェイテクトに完勝して立ち直ったかと思いきや、JT・パナソニックにまたしても、という。ずっとご覧になっている方々はもうピンときていると思いますが、勝った4チームの合成攻略法はほぼ同じです。

前衛のサイドをサーブで狙って攻撃参加を遅らせる、特に白岩が前のときはブレイクチャンス、イゴールはクロス打ちに追い込み、ストレートのフェイントはつねに警戒して拾う、センター線はリードブロックで対応。今日の試合では、パナソニックはイゴール対策が甘く、両サイドも抑え込めずに第1・第2セットを落としたのですが、それでも同じ攻め方をしようという意識はうかがえる内容でした。

さらに、年明けの5連敗の間で目が覚めたのでしょう。清水ダンチで7割打つ異常な配分こそ変わっていないものの、本日もセンター白澤に2桁打数を打たせ、14打数で13得点、ノーミス。決定率92.9%。ものすごい結果です。

合成はついに白澤にコミットブロックをつけるしかなくなったのですが、そこを見透かされ、白澤を軸とした時間差攻撃でブロックを分断されまくったのでした。合成の強さはブロックとレシーブの連係を徹底した堅い守備。そこで拾ったボールをイゴールにつなげる勝ちパターンですよね。それが今日の試合、特に第3セット以降はサイドのヘルプがないか遅れている場面が目立ちました。

その結果、不調だったはずのダンチを復調させ、もう1人のサイド、渡辺にいたっては決定率62.5%。清水の決定率が50%に届いていない状態で合成に逆転勝ち、という波乱を見せたのでした。白澤を軸にするパターンで堺と合成に勝ったことで、今後はおそらく、そこに活路を見出した作戦を繰り出してくるんでしょうね。

ただ、ファイナルで確変!というところまで戻るのかどうか、まだ微妙なところだと思います。ダンチ復調とは言え、白澤が大爆発している状況下の話ですから、各チームが対策ととるとまたどうなるか、という点がありますね。もう1つ、パナソニックがクイックの打数を増やす作戦が唯一繰り出せなかった相手=東レがいます。

勝ち負けに関係なくセンター線の打数が増えていたなかで、東レ戦だけはリーグ前半と同じ1桁打数で2~3本決まれば御の字、みたいな成績なんですね。たまたまうまくいかなかっただけなのか、東レの秘策がはまっているのか。レギュラーラウンドでの対戦はもうないので、それが吉と出るか凶と出るかも興味津々です。

そんなこんながありつつも復調のきっかけをつかんだっぽいパナソニックに対し、合成はここにきて急ブレーキ踏み過ぎ。首ガクンなってムチ打ちなるで……っていう。ただ、攻撃パターンがシンプルで少なく、その攻略法をさらに攻略するための引き出しもない以上、耐えに耐え、貯金を守り抜いて逃げ切るしかなさそうです。

今日の試合では、ルーズボールの処理にセンター伝田が動かず、といってクイックに開いているわけでもなく、お見合いで落としてしまう場面がありました。その直後のチャンスボールでもコート中央で一瞬のお見合いがあって古賀が走り込み、オーバーで処理しようとしてドリブル。アンデッシュ監督は思わずタイムアウトを取ったんですね。

そのタイムアウト間、伝田がまあ怒られること。アンデッシュ監督は背中しか映ってないのでわかりませんでしたが、古賀にガツンと怒られていて、その迫力に見ているこっちが泣きそうでした(違)。さすがにしょげた伝田はそのあと少しパフォーマンスが落ち、笑顔も出なかったのですが。

ただ、チームが苦しい状況で怠慢プレーをしたから怒られたわけで、それは本人もよくわかってるはず。周りも伝田をつぶすためにキレているわけではないので、タイムアウト中にガツンと言ったらもうそこで終わり。引きずらないんですね。強い信頼と結束があることがうかがえます。その結果、伝田もセットが終わるまでには元気を取り戻し、結果的に試合には負けたものの、なんかちょっとさわやかなのでした。

これはいいチーム。応援したくなりますね。合成はこの先、リーグ終了まで苦しい試合が続くと思いますが、せっかく開幕ダッシュからここまできたわけで。天皇杯で1つの〝完成型”となったスタイルの発展型(あるいは解体・再構築)を模索しつつ、乗り切ってほしいなと思います。

さて、われらが堺。この2連敗についてはグチしかわいてこず(^^; 合成に勝って勢いに乗るかと思いきや、リーグ開幕当初に戻ってしまったような負けっぷりでした。石島はタイムアウトのたびにベンチに寝そべるほどの重症?でどこか痛めてるのかもですし、ペピチは片脚すっぽりとサポーター、松本は欠場と30代が軒並みガタついている中での、千々木の絶不調。2試合とも途中降板で、合計のアタックが1得点1失点。攻撃に関して言えばなにもしてないも同然です。

パナ戦ではそれでも〝不調”だと思ってみていたのですが、今日のJT戦では、攻撃は上がったから仕方なく打ちに行く、守備は動かずに諦める、という無気力に感じるプレーが目立ちました。千々木→伊藤の交代でチームが急に盛り上がったように感じましたが、まあそりゃそうだろうなと。

不思議ですね。合成・サントリーに2連勝して、実質3位タイまで順位が上がって、残り、パナ、JT、東レ、ジェイテクトのうち、比較的戦いやすい相手との連戦だったはず。なにをやる気なくすことがあるんでしょう?それとも、まさか故障??と心配です。

千々木がいないことでコートキャプテンとなった石島。審判の判定に対して延々と〝説明”を求め続けるウザい感じもイヤでした。そういうガキっぽい目立ち方をしたがるのは越川と相場が決まっていて、ファンがそれを見て「またやってるよ……」とうんざりしていることを、石島は知っておいたほうがいいと思います。全然かっこよくないです。ダレるし、ウザいです。

一方、伊藤は何度見てももったいないなあと思います。でぶっちょなのと膝の故障で跳べてない&動けてないのに、レシーブはうまいし、サーブもうまいし、サイド攻撃では広角に打てるし、ブロックを利用した打ち方も難なくこなせる。たぶん、センスは石島や千々木より上なんでしょうね。ただ、でぶっちょなのと(←しつこい)ぎょっとするぐらいヘタクソな二段トスを見せたところから察するに、しっかりした練習はまだできてないのかなと感じました。

こんな堺が来週は分が悪い東レとジェイテクト。もはや心配しかないですが、ファイナル進出は決めたぞというところを拠り所に、開き直って堺らしいバレーを見せてほしいです。


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Vリーグ男子:データと試合を比べてみると――堺vsサントリー [バレーボール]

豪雪の北九州、ホームで2連勝した堺のサントリー戦をニコニコ動画の録画で観戦しました。立ち上がりこそサントリーが先行したものの、内容は堺の完勝でしたね。サントリーはその前の対戦で堺にストレート勝ちしているので自信をもって挑んでいたように思いました。一方、堺は前日の豊田合成戦で接戦をものにしてこちらも自信をつけて臨んだ一戦。となると、地力で勝る堺が上回ったのは当然か……と書こうと思ったのですが。

試合後にデータを見てみると、あれ?と。例えば、アタック決定率は堺の51.1%に対し、サントリーは49.3%でほとんど差がありません。一方、サーブレシーブ成功率は堺の50.9%に対し、サントリーは55.7%とはっきり差がついています。ということは当然、サーブ効果率も堺の11.1%に対し、サントリーは16.4%と明らかな差がついています。サントリー、なんで負けたんや?

実際に試合を見てみると、サントリーはまず、アタックのミスが多かったんですね。決定率は変わらなくても、効果率では堺が45.5%と合格点と言える結果だったのに対し、サントリーは32.4%。せめて40%には届きたい、ということを考えると、これではつらい。確かに、エバンドロは序盤からミス連発/決まらず、アウト判定のたびに審判のせいにして抗議する始末。結局、途中降板となってしまいました。ちなみに、エバンドロの効果率はわずか6.7%です。

実はサントリー、もともとアタックのミスが多いチームなんですね。チーム別アタック決定率は現時点で7位。ワンタッチを狙う精度が甘くてアウト、もしくはストレートに切りすぎてアウト、という場面をしょっちゅう見ている印象があります。特に、第2セット最終盤、22-21の場面、ここで柳田がミスを出したのが痛かったですね。

その前の攻防で、堺がドリブル、アタックのミス、ホールディングと3連続のミスをして21-21の同点になっていたわけですよ。で、堺がサイドアウトを切って22-21だったわけですが、流れはサントリーにきていました。第1セットを逆転で競り負けたサントリーとしては、相手のミスで追いついたからには、ここだけは、この1プレーだけは、絶対にミスってはいけない場面。試合の最大の山場です。そのボールを託すアタッカーがエバンドロや栗山やベテランのセンター陣ではなく、まだ2年目の柳田しかなかった、というところがサントリーの弱さかなと。ミスってすぐにジルソン監督がタイムアウトを取った気持ちがわかるような気がします。

ワンタッチを狙ってミスったらもう、勝負するしかない。と思ったかどうかわかりませんが、サントリーは中途半端な、もしくは強引なアタックでブロックを抜こうとしてシャットアウトされる場面も目立ちました。ブロック本数は堺7本、サントリー3本。公式記録にはありませんが、ワンタッチを取ってつないだ本数でもおそらく堺が勝ってるでしょう。さらに、サントリーはペピチをわかっていても止められない、石島/出来田のスイッチで石島のクイック/出来田のレフト攻撃にまったく対応できないなどの弱点を露呈。堺が戦術を徹底すれば大ベテランの200センチ超級センター2人は機能しないんだね、っていう、なんとなくみんな知ってたことを改めて確認する結果となったのでした。

そしてもう1つ、データと実際の試合の印象が最も違っていたのはサーブでした。柳田はこの試合、第1セット序盤でサービスエース2本を取った実績を見込まれ(たぶん)、第2・第3セットとも柳田サーブで始まるローテになっていました。その期待に応えて第2セットでも2本、第3セットでも1本のエースを取っているのですが、そのほかのスタメンのサーブが弱すぎたせいで、柳田のサーブが〝単発”に終わってしまったんですね。

一方、堺は第2、第3セットとも石島サーブで始まるローテにしていました。石島のサーブは効果率こそ低めに判定されていますが、相手の攻撃のシンクロ率を下げ、ブロックの的をしぼりやすくすることに貢献していました。石島はこの日、スパイクレシーブでもファインプレーを連発するほど守備が好調で、後衛スタートによってその点も活きたように思います。

ちょっと脱線しますが、石島の守備で第1セット。、相手のワンチ狙いを拾いまくったのも感動しましたが、そのあとの15-17の場面、松本のクイックが完全に読まれていてどシャットを食らったそのフォローに石島が入っていて、そこからつないだボールで1点を取った場面。あれはすごかった。松本はたぶん、やられた!と思って着地したら右にゴッツがいた、みたいな(笑)。あのプレーは、私のなかではこの試合で最も印象的でした。

それはさておき。石島サーブから始めると、もう1枚の看板=ペピチサーブが最後になってしまいます。サーブ効果率のランキングでは、1位のイゴールに続いて、ペピチが2位、石島が3位。この2人が連続でサーブを打ってこそ堺、勝負どころでは松本→内藤のピンチ―サーバーを送り、内藤→ペピチ→石島とつなげる、というパターンがあるわけで。

どうするんだろうと思っていたら、印東監督、出来田のサーブで伊藤をピンチサーバーに送ったんですね。この日、千々木の調子がいまいちで、アタックが決まらない、サーブも返らないという状態。勝負どころでは伊藤と交代になるんだろうなと思っていたのですが、リーグ序盤以来?となる意表を突いた伊藤ピンサ起用。これが当たりましたね。

第1セットではネットインでブレイクしてサントリーにタイムアウトを取らせ、逆転のきっかけとなりました。さらに第3セット最終盤で登場したときには、2連続サービスエース23-17と突き放し、さらに相手を完全に崩してチャンスボールをゲット。これを千々木が決めてマッチポイントをつかんだのでした。

あの体型でほとんどジャンプできてないのに、直線的に飛んでいく重そうなサーブ。伊藤が鍛えられたアスリート体型でひざも万全だったら……と思わずにはいられません。

などなど、データに記録されないところでも好プレーが相次いだこの試合。ヒーローインタビュー(略してヒロイン?ニコニコ動画ではそう言うらしい)は佐川でした。もちろん納得です。

堺はリーグ序盤に今村で勝ち切れず、佐川がスタメンになってからペースをつかみました。その時の佐川は、トスの精度はともかくとしても、意図がよく伝わってくる組み立てで、特にブレイクチャンスの時にはアタッカーに託すトスを上げて勝負させていたと思います。

ところが、リーグ中盤、トスワークが相手に読まれはじめてからちょっとずつヘンな感じになり、アタッカーとかみ合わないまま難しいことばかりやってリズムが作れず、イラッとしてツーアタック(そして3本に1本ぐらいミスる)ということを繰り返していた気がします。

それが前日の豊田合成戦とこのサントリー戦では、トスをしっかり分散させ、トリッキーなトスワークで相手を翻弄する場面と、アタッカーの個人技に託して打ちやすいトスを上げる場面を使い分けるようになっていました。ペピチの調子が急回復したのも、出来田/石島のスイッチが再び機能するようになったのも、この佐川の変化=成長が大きく影響したのではとにらんでいます。

開幕から苦戦続きですったもんだした堺ですが、じりじりと上がってきて現在、実質3位タイ。〝ピーキング”ということで言うと、堺はまだ上り調子でピークに達していないはず。マラソンで言えば2番手集団のトップから抜け出してトップ集団についたところです。なかなかの好位置じゃないですか。ここから1勝ごとに堺の勢いが加速していく気がしていて、ノリだけでなく戦術意識を高めた堺からますます目が離せないのでした。今週末が楽しみ過ぎて、夜もぐっすり眠れます(^^


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Vリーグ男子:戦術を徹底して勝つということ――堺vs合成 [バレーボール]

1月23日に北九州会場で行われた堺ブレイザーズvs豊田合成の試合、やっと録画放送を見終わりました。いやー、ものすごい試合でしたね。しびれました。両チームとも積み上げてきた戦術を徹底して繰り出す組織戦。戦術の多彩さでは堺、チームの完成度の高さでは合成という状況でのガチンコ対決は、最後まで攻め続けた堺が、ついにあのイゴールをキレさせるところまで追いつめ、3-2で競り勝ちました。

先に言ってしまうと、イゴールがキレたのは最終セットの大詰め、12-11の場面です。合成はサーブレシーブが乱れてイゴールしかない状況。そこに堺のブロック3枚がついたため、イゴールは外に出そうとしたんでしょうね。で、狙って打ったらフォローに構えていた内山の頭に……。これはダサい。

「よけろや!」と言ったかどうかは定かではありませんが、イゴールは思わず内山に声を荒げてしまい、ユニまくりあげて顔を隠してしまったようで。なんとか気持ちをしずめたものの、チームメイトにここまで怒ったイゴールを見たのは初めてではないかと、ニコニコ動画では映ってませんでしたが、会場からの報告でした。レシーブやスパイクのミスには絶対に文句を言わないイゴールですが、ぎりぎりの場面での凡ミス中の凡ミスにがまんできなかったんでしょうね。普段怒らない人ほど怒ったときは怖い。合成にとってこれがトラウマにならなければよいですが。

そんなこんなで1ブレイクを守り切って勝った堺。長い長い道のりでございました。堺の戦術、大きく分けて3つあったと思いますが、そのうちの1つ目は、白岩を徹底的にサーブで狙ってつぶすこと。守備の要の白岩ですが、サーブレシーブをすると攻撃力がと落ちるという弱点があります。そこを突いたんですね。これはほかのチームもやっていることですが、堺のサーブ&ブロックの圧力だとより効果的。白岩は結局、2セット出場で7打数2得点と機能せず、無念の途中交代となってしまいました。

さらに堺は、徹底したイゴール対策を取ってきました。イゴールのアタックはほとんどがクロスです。それも、208センチの身長があっても打ちおろさず、高い打点から長いコースを打ってくるんですね。また、ブロックの間を抜くのもとてもうまい。

一方、クロスに気を取られてストレートを開けたり、トスが乱れて打つ場所がなかったりすると、ストレートを打ってきます。ただ、ストレートを強打することはあまりなく、多くの場合はブロックアウト狙いかフェイント。しかも、フェイントを1回拾われると次からは当分は使わないようにする用心深さです。

合成に負けるチームはたいてい、このイゴールとの駆け引きに負けてるんですね。クロスに決められ続けてるからクロス対策、ストレートやられたからストレート、なんて後手後手にやってるとわけがわからなくなってしまいます。まして、ブロックシステム自体が存在しないあのチームとかあのチームとかは勝てるわけがないと。

ただ、よくよく見ると、イゴールが使うのは結局、2パターンだけです。大ベテランで戦術理解が深く、チームプレーを重視する彼は、みんなをぎょっとさせるようなことはしない。そこが彼の強みであり、弱点でもあるという。長所と短所はつねに裏表なんですね。

なので、打数の多いクロスを徹底マークしながらストレートにはレシーブで対応する。このシンプルな勝負にどれだけ勝てるか、そこにかかってくるわけです。先日の東レに引き続き、堺もイゴールにストレートを許さず、クロス一辺倒に追い込んでブロックとレシーブの網にかけていました。

だがしかし。そこはイゴール、第1~第2セットをそうやって封じ込められると、第3~第4セットはクロスのコースを変えてきたんですね。ライト側からレフト側サイドラインへやや鋭角に打つところを、後衛中央を狙った鈍角のクロスに。ストレートもクロスも対応されているというなかで、それを個人技のなかで修正してみせるあたり、さすが大ベテランです。

さすが大ベテランですが、やはり選択肢が1つではいかんともしがたい。2つ以上の選択肢があってこそ、先手を取って駆け引きができるわけで。その結果、合成はつないでつないでイゴール、という勝ちパターンを繰り出せず、イゴールに打たせて決まらずに逆サイド、というあまり見せないパターンなども繰り出してしのいでいたのでした。

さらにもう1つ、堺は合成のクイックも抑え込みましたね。伝田7本打って5得点1失点と効果率はよいですが、打数が一桁どまりです。一方、11打数で5得点で、東レ戦に引き続き十分な仕事をさせてもらえませんでした。これは、堺のブロックが、バンチ・リードとクイックへのコミットを併用し、サーブ戦術と絡めて繰り出していたからですね。

前衛サイドの攻撃参加を遅らせるサーブを打ち、時にはイゴールへのマークを1枚にしてでもクイックにコミットしていました。近と伝田の両センターはスピード重視で、基本的なクイック=まっすぐコート奥に打つパターンがほとんどなので、ミスが少ない特徴があります。ということはつまり、クロスやターンでブロックをかわされるリスクも少ない。コミットする意味があるセンターだとも言えるわけで。ここでも長所と短所はつねに裏表なんですね。

この試合、両センターで唯一のミスとなった伝田のクイックは、第1セットの24-18の場面、なれないクロス打ちでラインを割ったのでした。このときの堺のサーブは松本。コントロールサーブでクイックに上げさせるように仕向け、伝田が打ちたいまっすぐなコースをブロックでふさいだため、クロスに逃げるしかなかったという。ただ、伝田はこのあとの第2セットで果敢にクロス打ちに挑み、第3セットではターン打ちを決めています。1回ミスったからといって怖がらない。この健気なところがニコニコ動画の視聴者の心をつかんでます(笑)

守備型サイドをつぶす、得点源のオポジット対策、クイック対策。こうした戦術を最後まで徹底して、それでフルセット。合成の完成度がそれだけ高いということですね。堺が落とした第3~第4セットは、各プレーが若干甘くなったんだと思います。ミスとは言えないレベル、でも強い相手だとそこにつけこまれるよね、という。

例えば、第1~第2セットで堺が流れをつかんだきっかけは石島サーブでした。第1セット序盤から強力サーブを古賀と白岩の間に打ち、ノータッチエースを立て続けに奪ったんですね。合成は古賀が握っているチーム。彼が動揺するとチームが崩れます。事実、エースを取られたときにすぐイゴールが古賀の背中をたたき、何かささやいてはげましていたほどです。

ところが、第3セットに入り、白岩→岡本の交代で古賀の守備範囲が広がると、なぜか石島がサーブを古賀の正面に打つようになってしまったんですね。強さはそれほど変わらないのですが、正面にいくもんだからきっちり返される。そうなるとサイドアウトの確率が上がり、得点源だった石島サーブでブレイクできない。そこにもってきてイゴールが打つコースを変えたので、対応にも少し時間がかかると。

そんなこんなで気づいたら13-19の6点差まで開ていました。ただ、崩れて開いたわけではないので、ここから巻き返すことも十分可能です。ということでタイムアウト明け、印東監督は佐川→松岡、ペピチ→今村の2枚替えを敢行しました。その松岡がいきなりレフト攻撃を決めて流れを変えるか!と思われたのですが。

このせっかくの2枚替えのローテを、石島・出来田が連続サーブミスでどんどんまわしてしまったんですね……。これはもったいない。勝負所で繰り出した一手。ここが山場で、点差を縮めれば逆転でセットを取り、ストレート勝ちしていたかもしれないところです。サーブを入れとくだけでいいとは言いません。こういう場面で最大限の集中力を発揮してブレイクできるかどうか。そのプレッシャーに耐えて結果を出せるレベルであることが求められていると。「堺はこういう場面、強いよね」というイメージがあるわけで、そのキャラを出せなかったのは残念でした。

この第3セットまでで両チームとも手の内を出し尽くし、第4セットはどちらがより早く相手の変化に対応して先手を握るかの勝負。この組み手争いは互角だったと思いますが、合成が先に16点を取り、そこからイゴールのサーブが炸裂したところで勝負あり、でした。

どれだけ戦術を徹底していても、強力な個人技の前に一時的にやられてしまうことはありますよね。でも、実力伯仲の団体戦で、強力な個人技だけで組織力を打ち破ることは不可能です。一時的にやられただけで心が折れてしまってはしょうもない。その点、この試合の堺は第4セットを落としても諦めず、第5セットも序盤から攻め続けました。ホームの声援の後押しもあり、第5セットを最後の最後まで集中して競り合って勝ったことは、チームにとって大きな成長となったのでは。

その結果、冒頭で触れたとおり、あのイゴールがいら立ちを抑えきれなくなるところまで追いつめたわけです。この勝利、そして1月24日のサントリー戦の連勝で堺は4位に浮上。3位のジェイテクトとは同ポイント、セット率の差だけです。すったもんだで苦しみつつも、じわじわと上がってきた堺。やはり今季は、戦術意識を徹底させて組織力で戦う堺、合成、東レ、そこにジェイテクトがどうからむか。今からもうファイナルが楽しみです!

(おまけ)
第2セットの23-14の場面のセットプレー、ライト側アンテナ付近にいた松本がものすごい速さでレフト側まで8mぐらい走って行ってクイックを決めたあれはもはや衝撃映像です(笑) なんだあの足の速さ+クイックの速さ。別の生物を見るような強烈なインパクトでございました。
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Vリーグ男子:パナの軌道修正は間に合うか [バレーボール]

Vリーグ男子もいよいよ大詰め、本日は楽しみなうえにも楽しみにしていた堺vs合成の試合がまさかの生中継なしという……orz 会場のネット環境の都合で24日午後9時放送だそうで、まあ仕方ないと自分をなだめていたら、なんとフルセットで堺の勝利!早く見たいっす。

などと思いながら、静岡会場のパナソニックvsJTを見ていたのですが、まったく本調子ではないJTに負けてしまうパナソニック。軌道修正を図ってきたことは伝わりましたが、それでも完敗ってこれ、迷路にはまりこむパターンのやつですよ。

パナの攻撃面で、清水ダンチで7割を打つ異常事態は改善されていません。おそらくチームがこれを〝異常”だと認識しておらず、連敗の原因がここにあることから目を背けてるんでしょうね。で、パナが軌道修正したのはセンターです。シンプルに、打数を増やしたんですね。

その結果、白澤10本打ってノーミスで9得点。1試合3打数・決定率は問わずのノルマ(違)を大幅に超え、驚異的な数字を残しました。そのうち1~2本ぐらいはサーブからのダイレクトですが、それでも打ったほうです。おとりもいい加減に跳ぶのではなく、しっかり打つ気で入っていて、キャプテンとしてようやくチームのやばさに気づいたのかと。

ただね、そりゃ打てば決まるでしょうよ。白澤のクイックは無視。それがどのチームでもセオリーになってるわけですから。JTはブコビッチ監督の指示だったのか個人の判断だったのかわかりませんが、特にセンター中島が白澤のクイックに全力でコミットブロックに跳んでました。で、止められないってどういうこと?

白澤のクイックが勝敗に影響してない以上、コミットする必要があるのか?という疑問がまず浮かびます。それでもコミットするというなら止めないと意味がない。サイドを1枚にしてしまうだけの〝無駄な動き”になってしまいます。なのに、中島が異様に悔しがるもんだから、それって誰に対するなにアピール???と思ってしまいました。

白澤が目覚めて90%の効果率をたたき出してもチームは負ける。それが現実です。白澤が打たないよりは打ったほうがいいに決まってますが、白澤をマークしなければやばいとほかのチームが思わない以上、大勢に影響はありません。問題はここですよ。

年明けからの4連敗、敗因はすべて同じで、打数7割を担う片翼、ダンチが不調だからですね。本日も決定率で40%、効果率だと30%でした。 バックアタックは3本とも決まらず、そのうち1本はシャットアウトされるレベル。守備でも、へなちょこサーブ王に君臨する町野からサービスエースを取られたり、ブロックを簡単に利用されて決められたり、もう〝劣化”としか言いようがない状態です。

気力がないのか、体力的な問題なのか、そのあたりはわかりませんが、清水・ダンチありきでやってきたパナソニックは、このままダンチと一緒に沈んでしまうのでしょうか。

そんなパナソニック相手に、ビソット頼みで2度のジュースをものにして勝ったJT。ラリー中、前衛中央に突っ立ってテニスの観客のように目だけでボールを追ってる町野を下げたのはなによりですが、まさかのピンチサーバーで起用……。ダンチを狙うためだとしても、控えの中で町野よりもきちんとフローターサーブを打てる選手がいないのだとしたら、JT、相当やばい。

越川
はこの試合、後衛の守備固めというこれまたよく意味の分からない起用。バックアタックをするでもなく、そんなにどこかが重傷なんでしょうか。ビソットは明らかに太って腹が出てきていて、リーグ途中に太りだすってなに……と思ってしまいました。

なんかもう、八子安井のサイド陣が痛々しく、八子が笑顔を見せるたびにいたたまれなくなってしまいます。がけっぷちでパナソニックに勝ったもののまだ7位。優勝メンバーが翌年に入れ替え戦に出るなんていう珍事が起きないことをねが……いや、この際、それも面白いかも(プ

堺>合成、サントリー>ジェイテクト、FC>東レ、JT>パナソニックと、この日はすべての試合が〝下剋上”でした。どこがファイナルに進出しても大波乱、大荒れがあるような気がしてますます目が離せません!


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