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フジテレビ系「西遊記」にバッシング…って、いまさら? [今日のニュース]

 Yahoo!でたまたま見つけたこのニュース(スポニチ配信、共同電によると、との注釈つき)。三蔵法師を女優が演じることなどに「文化の改ざん」だと憤り、「中国で孫悟空役として知られる著名俳優が国内紙の取材に『民族が誇る古典が踏みにじられた』と嘆いた」と報じられている。これについて、フジテレビのカウンターコメントは「そういう事実を確認していないので、特に申し上げることはございません」という無難なもの。反論して騒ぎを大きくするよりも、場末のいちゃもんとして聞き流すほうが得策との判断か。

 Yahoo!のニュースサイトを見ると、このニュースはすでに、11月17日に「サーチナ・中国情報局」というサイトから署名入り記事として配信されている。こちらの記事はスポニチのような”又聞き”ではなく、
1、映画版のクランクインをきっかけに一部のブロガーの間で反発が出ている
2、伝えた中国国内紙は信息時報(11月17日付)など
3、中国国内紙はブロガーの反発と併記する形で、制作協力の上海電影集団の「中国と日本では文化が違う」とするコメントを掲載するなど冷静なトーンを保っている。
としている。

 Yahoo!はなんでこの旧聞に属するニュースを、再びトップページに採用したのだろう?ライバルのグーグルではいまのところ取り上げられていない。

 わたしは親中・親韓を含む親アジアの立場だが、この手の妄言にはうんざりする。小泉時代に鬱積した反日感情が「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とばかりに噴き出しているだけの話だ。モダニズムもポストモダンも経験していない国だから古典の解釈と改ざんの違いについての価値観を共有するのはまだまだ難しいかもしれないが、それにしてもこの文化大革命のような”なんでも批判”ムードはいただけない。

 それにも増していただけないのはスポニチの報道姿勢だ。著名俳優も中国国内紙も匿名。肝心なところは「共同電によると」で済ませている。せっかくなので共同通信の配信記事を読んでみると、先にあげたサーチナ・中国情報局とまったく同じ構成で、新情報としての”著名俳優”は匿名。このニュースで匿名にする意味はまったくないどころか、説得力という点でマイナスにしかならないだろう。

 そのほかの新情報としてはインターネット投票(←統計学上の有意性はない)で反対派が賛成派を大きく上回っているということぐらい。「だからなに?」って感じのニュースなのだ。まあ、共同通信はどんなニュースでも投げるのが仕事といえば仕事なので仕方ないのだが、中国国内紙が報じてから約一ヶ月もたったいまさら報じるのは、速報性を重んじる通信社としてはどうなの?とも思う。

 ちなみに、文化云々で言えば、シドニーのチャイナタウンでは日本の話題映画やドラマの違法コピーDVD(中国語字幕つき)が2~5ドル(180~450円ぐらい)でわんさか売られている。これは「文化の改ざん」どころではなく、他国の領域に無断で立ち入って文化的成果を略奪しているという点において、「侵略」に等しい。フジテレビ系の「踊る大走査線」なんかもばんばん手に入ってしまうのだから、フジテレビもその辺を軸に反論してもよかったんじゃないか。まあ、フジが反論しなくても、生き残りをかけた極右化にひた走る産経新聞やその系列雑誌が何か物申す(すでに申している?)のかもしれないが。


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