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選挙報道を考える ”開票率0%”のむなしさ [けっこう気になる]

選挙報道の流れを無視して、最初にとりあげるのはこれ。たぶん、疑問に思われるのは以下のような点ではないだろか(私も感覚がマヒしてるかもしれないので不足があればツッコミ入れてください)。詳しく書くと社外秘漏洩になって、会社を離れた後でも損害賠償を起こされることもあるので大まかにかきます。

1、なんで開票率0%で「当確」(以下、ゼロ打ち)が打てるんだ?
2、なんでゼロ打ちする必要があるんだ?
3、間違えたらどうするのか?
4、なんで結果が一発で分かる電子投票にならないのか?


1について。
ゼロ打ちをするための資料は、精度が高いと思われる順から主なものとして、
世論調査…投開票日の前日まで電話による調査を何度かくり返す。
出口調査…投票を終えた人をつかまえ、どこに投票したかを聞く。
取材…各陣営の独自調査を入手する。あるいは正攻法で、候補者の支持団体や町内会をまわって情報を集める。そのほか、演説会や集会の盛り上がりも、風を読むには欠かせない。
だいたい、この3つを総合し、各マスコミが独自に決めている基準で判断する。取材の精度が3番目なのは、調査の精度が上がったこと、無党派層が増えたこと、地域コミュニティが崩壊しつつあること、などの理由がある。

2について。
公式見解は「事実を分かった時点で速報するのが報道の使命」だからです。ちゃんちゃらおかしい。ゼロ打ちはあくまで「予想」で「結果」ではない。テレビはどうせ結果がそろうまで放送するんだし、新聞だって地域によっては午前2時か3時ぐらいまでは結果が紙面に入るのだ。インターネットもある。主権者にとってみればそれで必要充分なのである。
では、本音ベースの理由は何か?単にマスコミ業界内のメンツ争いである。素早い当打ちには莫大なコスト(システム費、開発費、人件費など)がかかり、リスク(後述)も大きい。だから、基本的には体力のあるNHK、朝日・テレ朝、読売・日テレの3グループが強い。中でも朝日・テレ朝は「選挙の朝日」と自称してしまってるぐらいで、ゼロ打ち(だけでなく当打ちの速さ)に異様な執念を燃やしている。
だがしかし!最近の立候補者は慎重になってきているので、朝日・テレ朝が当確を出しても、NHKが当確を出すまでは万歳しない=信用しないのだ。その結果、視聴者は「選挙ステーションでは当確になってるけどNHKはまだだからどうなんだろ?」なーんて結局NHKを見守ったりしているはずなのだ。
こんな主権者を無視したむなしい争いが、新聞代と広告(テレビCM含む)費、あるいは受信料と税金をじゃぶじゃぶ使って毎回繰り広げられているのである。

3について。
当確を打ったものの、選挙管理委員会発表の確定得票を見ると実は落選でした、ってなことが実は結構ある。信用が失墜するだけでなく、損害賠償を求める民事訴訟を起こされると確実に負けるし、テレビの場合は放送法にも抵触する。こんな仕打ちにあった人は打ちひしがれてる場合じゃない。民主主義の根幹である報道が、逆に有害になっている最悪のケースである。どんどんマスコミを訴えればよいのだ。
ゼロ打ちの場合は、もっとリスキーだ。ゼロ打ちは投票が締め切られる午後8時00分01秒から打てるが、手違いで午後8時00分00秒に打ってしまうと、公職選挙法違反になる。ゼロ打ちをするときは投票締め切り前から準備をする。その際に、手違いやシステムエラーなどが起き、投票締め切り前にテレビで「○○氏当確」が出ないとは限らない(まだ起きたことはないと思うが)。
そこまでしてまでも、業界内のメンツが大事か?

4について。
地方自治体では導入しているところもあるが、国政選挙では議題に上るたびにつぶされている。総務省の公式見解は「システムトラブルが起きたら怖い」。あほか。地上デジタルも全面導入しようかという時代に、なんでこんな下手な言い訳をするんだろう。
マスコミ業界の本音は電子投票の導入のはずだ。出口調査はほぼ不要。世論調査の回数も減らせる。コスト大幅カット、リスクも回避、速報体制は維持できる。言うことなしである。総務省や全国の地方自治体にしても選挙事務負担と費用が大幅に削減できる。これまた言うことなしである。
障害になっているのは、第一に、古い政治家たちである。信じがたいかもしれないけど、「投票用紙に名前を書いてもらってこそ選挙」という馬鹿げた理由で断固反対しているのだ。だったらこの層がみんな引退すればいいのかというと、そう単純ではない。電子投票で簡単に投票できるとなると、投票率が上がると予想されている。だから、組織票頼みの自民・公明が導入しようとしない。ふざけた話である。


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