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TBSに続きテレ朝も終わりか/再掲 [けっこう気になる]

テレ朝の捏造報道といえば、『報道ステーション』でマクドナルドの元店員に制服を着せてカメラの前に立たせた事件が記憶に新しいですね。テレ朝は「内容は捏造ではなかった」などと言い募り、古館が「やり方は間違っていた。番組の信頼を失わないために、あえて報告した」と発言。放送倫理検証委員会(BPO)から厳しい批判を浴びました。

これを受け、2月4日の放送で古館は「重く受け止める」「常に初心に」と発言。しかし、これが”政治家の謝罪”と同じ程度の軽さしかないことは明らかです。BPOが問題視した「あえて報告した」という発言については、何のコメントもないままでした。

2月1日の別の番組(←番組名不明)では、中国の”毒入り餃子”に関連して、中国メディアの取り上げ方を報道。中国の「日本のメディアが毒餃子事件を騒ぎ立てている」という見出しを、「日本のメディアが毒餃子事件を捏造している」と報道。外務省も巻き込んだ騒動になったそうです。

この件についてのテレ朝のコメント。
「該当する『炒作』(←注:騒ぎ立てる)という言葉は口語表現で、辞書にも載っていないが、『捏造』といった意味合いで使われることもある」とした上で、「該当する中国語は広い意味で使われているが、今回の訳は、誤訳や誤報に当たらないと認識している」(産経系ニュースサイト・ZAKZAKより引用。2月6日付)

だそうです。外務省が誤訳だと指摘しているのに謎の強気。「炒作」という言葉に「騒ぎ立てる」と「捏造」という意味があるとして、何を根拠に「捏造」の意味だと判断したのでしょうか。私は中国語ができないのでこれだけでテレ朝がどうだと決め付けるわけにはいきませんが、この件に関する興味深い記事を見つけました。中国人のネット書き込みから、餃子事件に対する「温度」を伝える内容です。これを読むと、テレ朝の”やってしまった感”がぬぐえません。

そしてさらに、2月11日。『スーパーモーニング』では、「志賀高原スキー場にサルが出没。観光客に被害」というネタを放送しました。ところが、この収録が行われたと思われる1月下旬、地元ホテルの方のブログでやらせが指摘されていたのです。

このニュースはリアルタイムで見ましたが、おかしいところだらけでした。

・「サル被害」というネタなのに、サルが観光客を襲う姿をカメラで追うだけ。観光協会、観光業者、行政などへの実名取材はまったくなし。『スパモニ』は行政への徹底取材で売っているはずなのに。
・サルが頻繁に出没しているなら、あちこちに注意喚起の看板があったり巡回者がいたりするのが普通なのに、まったく取材なし。映像にも写らず。
・サルに襲われた男性がお菓子の入ったスーパーの袋を投げてしまうシーンがあったが、投げ方がいかにも不自然(驚いて手を離したというよりは、笑顔でわざと投げたように見えた)。
いまのところ、他局の後追い報道がない。

この方は、ネタが放送された2月11日時点で、「環境省に告発する」と書いています。「撮影の模様とカメラマン、音声の顔写真、撮影済みです」だそうですから、調査が始まりさえすれば、やらせかどうかはすぐに分かると思います。やらせの可能性が高そうなので、私もBPOにもメールで調査依頼を出してみました。どうなりますことやら。

私はすでにTBSをほとんどみません。気が向いたときに『世界ふしぎ発見』を見る程度。このまま行くとテレ朝のニュース系番組も一切見なくなるだろうなあ、なんて予想してます。

(追伸)
ネタ元となった地元ホテルの方がブログから記事を削除しました。

(以下、すべてIT mediaニュースより引用
というわけで、「サルの被害ネタ」はテレ朝が完全否定という決着を迎えそうですブログの記事は「13日午前8時半までに削除」だそうですから、この記事をアップしてから1時間以内に削除されたんですね。

ネタ元の方は「1月20日の記事で誤解を与える表現があり」となっていますが、誤解を受けるような表現はありませんでした。「今年は1月20日(←取材のあった日)にサルが初めて出没した」。書かれてあった内容はこれだけです。

(ネタ元ブログの)記事中の写真(←カメラマンが屋根の上のサルを撮影している画像)については「いつ・どこのものかも定かではない。カメラを構えていた人物についてディレクターに確認したが、該当者はいなかった」と話した。

テレビ朝日がホテル側に「スタッフがサルに餌付けをしていたと言える根拠はあるのか」と問いただしたところ、「ありません」という返答があった。


だそうです。
ブログには「撮影の模様とカメラマン、音声の顔写真、撮影済みです」と書かれていましたが、アップされていた写真に写っていたカメラマンは横向きでカメラを構えており、しかも距離があるので顔を判別できるものではありませんでした(←執筆者の配慮?)。また、写真にキャプションをつけていたわけではなく、記事と写真の関係は明示されていませんでした。

そもそも、記事を書かれた方はどこの局のクルーか知らなかったのです。なので、「このニュースを見た人は教えてください」という趣旨が書かれていました。『スパモニ』ほかテレ朝で「サル被害」のニュースを見た人が、ブログ執筆者の求めに応じて、「志賀高原でサル被害のニュースをやっていた」とコメント欄に書き込んだことで、クルー=やらせ=テレ朝という図式になったのでしょう。

また、ブログでは、「建物裏にバナナが束で落ちていたことがあった」ということは書かれています(←1月21日の記事。こちらは削除されていません)が、「マスコミが餌付けした」とは書かれていません。

などなど、テレ朝の対応に不審な点は多々ありますが、発信した方が「猿の被害は事実です。がココまで問題が大きくなると私個人では対処できません」(13日付)と取り下げてしまったので、これ以上は何も言えません。

「やらせの可能性が高そう」と書いたことについては、テレビ朝日にお詫びします。


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ピピ

昨年、ダンボール紙入り肉まんの「やらせ報道」をめぐり、これまた大騒ぎになりました。日本のメディアは「あれはやらせじゃなかった」とわざわざ報じたところもあったようです。
中国紙は「放送局の臨時社員が売名行為として主導的にやったことで、処分された」と報じていました。私は当時、臨時社員が中心になれるのかなーという疑問を抱いたものの、露店で販売しているような肉まんですから、普通は買うことないし、「まー、どうでもいいか」と思っていました。
でも、実際、マスコミ業界ではこういう生存競争はありがちですよね。

そして、今回の毒入りギューザ事件で、中国の食品業界は完全にカウンターパンチをくらった状態です。オリンピックを控えているというのに。
日本人の私を含む中国人民の心情としては、「信用のある会社と取引すればいいのに、まるで中国の餃子メーカーすべてが悪いみたいじゃないか」というのが正直なところではないかと思います。
食品に限らず、衣類でも、工業製品でも中国企業と取引している日本企業は多いですが、どの企業も現地の工場で生産する製品の品質、工程管理、従業員の管理(労働基準法の遵守を含む)に神経を尖らせています。
そうでなければ、消費者に安心してもらえるような製品を生産できませんし、一時的にコストを削減できても、信用を維持できずに失敗してしまいます。これらのことがビジネス界では「常識」になりつつあるんですが、そこで発生した「毒入りギューザ事件」は例外的な最悪のケースと考えられてもよいぐらいだと思います。もちろん、大きく報道されることは当然ですが。

「炒作」は私はこれまで「(メディアが)騒ぎ立てている」と訳してました。
中国人に尋ねると、その中に「誇張表現、多少の作り話も交えて、にぎやかに報じる」というニュアンスがあるそうですが、報道の大筋において「捏造」を意味する言葉ではないと私は思います。
ただ、今回の報道について中国人の心理としては「日本側の虚偽報道であってほしい、何かの間違いであってほしい」という見方が強いことは否定できないでしょう。そこら辺が「社会主義国」のおかしなところで、「ショックな報道でも事実なんだから、仕方ないじゃない」と割り切りることができない人が多いのだと思います。日本や外国に住んだことがある人は別として。
テレ朝は中国人の心情まで読み透かして「意訳」してしまったのだと思います。問題を深刻化するだけなので、報道関係者としての配慮が必要だと思いました。
by ピピ (2008-02-13 12:01) 

rio

>ピピさん、詳しい情勢をありがとうございます。

日本のマスコミの場合、例えば「炒作」に「騒ぎ立てる」と「捏造する」という意味があるとして、意味の強いほうをあえて選ぶには、それ相応の根拠が無ければだめだ、と考えるのが常識です。

ところが、テレ朝の場合はそれが感じられませんよね。現場は、中国語訳を担当している人が「捏造」って入ったからそうした、という程度だったのではと想像します。これだけ重要な案件なんだから、見出しをつけた中国メディアに取材するなどしなければいけないと思いますが、どこまでやったのか疑わしいところです。

たったいまニュースで、中国側は「工場には何の問題も無かった」と結論付ける会見を開いたとやっていました。今後は輸送過程も含め、警察の捜査を待つ展開になるそうです。

「会社に恨みを持つ社員の犯行の可能性」と日本側が報じた件についても、「一つの可能性に過ぎない」と否定的でした。となると、本格的テロの可能性が高まってきた、ということになるのかも。

日本のメディアは見当違いの騒ぎ方をしていますね。「農薬」というくくりだけで、中国人が野菜を洗剤で洗う姿や、「野菜をそのまま食べたら死ぬ」というコメントを流していましたし、コメンテイターはしたり顔で、「中国はもともと農薬を気にしない(から、日本の姿勢が理解できない、というニュアンス)」なんて言ってたり。

旧正月には横浜中華街に取材班を出し、「餃子の売れ行きはどうですか」なんて聞いていて、あまりのレベルの低さにあごがはずれるかと思いました。横浜中華街で天洋食品の冷凍餃子を出してたら、毒が入って無くてもそんな店はつぶれます。

全然別件ですが、ダルフール紛争に中国が肩入れしていることを理由に、スピルバーグが北京五輪芸術顧問を辞退した、というニュースをたった今、やってました。昨年から辞退をちらつかせて圧力をかけていましたが、改善が見られないのでついに、という感じですね。

こうなると後任者は「ダルフール問題に目をつぶるやつ」という烙印を押されかねないので、人選は難航するでしょうね。共産党員から出すしかなくなるかも。オリンピックに新たな暗雲です。
by rio (2008-02-13 18:02) 

ピピ

ダルフール紛争に絡んでスピルバーグが北京五輪芸術顧問を辞退したことは勇気のいることであり、人道的にみて正しい選択でしょうね。
世界各国の政治的な利害関係は本当に難しいです。
『民族浄化なんてけしからん、すぐに止めさせないと」と普通は考えますが、独裁政治による餓死、テロ事件、大量虐殺などの似たような人殺しがどこかの国で今日も起こっているのですから。
パキスタン市民も「私たちの国は毎日が911だ」と語ってました。

中国は先進国に追いつけ追い越せしか目に入らず、良かろうが悪かろうがあくまで「内政干渉しない」姿勢ですよね。
毒入り餃子の犯人についても、素直に認めてくれそうにないことが気がかりです。
類似事件の再発を防ぐためには、コミュニケーションを欠かさず、何度も確認しながら、上手に付き合っていくしかないのでは、と思います。
by ピピ (2008-02-13 19:24) 

rio

>ピピさん、いまの中国はまさに高度経済成長時代の日本や韓国と同じですね。

ニッチを突くのは商売の鉄則。日本もかつて、アパルトヘイト政策を嫌って撤退した欧米系企業のあとに乗り込み、「名誉白人」と(差別的に)呼ばれながら大もうけしていた時代がありました。

いまの中国がアフリカでやっていることは、中国からの人口移動(移民化政策)、ひも付き援助、資源の大量輸入、廉価品の大量輸出の4点セット。見事にかつての日本と同じです。日本の50~70年代を学んだとしか思えないぐらい。

アフリカ諸国は、当初は旧宗主国に変わって中国を「しがらみのない国」として経済発展の救世主のようにとらえていたそうですが、現在では「中国も旧宗主国とやってることは変わらない」という失望になってしまっているそうです。ダルフールで中国人労働者の誘拐事件が相次いでいるのもそのような背景があるのだとか。

資源も軍事力もない日本の場合はアメリカの手で高度経済成長を無理やり終結させられました。が、資源も軍事力もある中国は誰が止めるんでしょうか。

歴史的に、歴代の王朝は膨張・勝利すると、まもなく革命が起きて王朝がかわりますよね。この急成長がいくところまでいけば、共産党王朝は崩壊してしまうんだろうなと思ってます。
by rio (2008-02-13 23:14) 

ピピ

中国は高度経済成長期にありますが、アナリストはバブル経済と同じで長くは続かないと予想してます。
日本と違うところは、農村部に想像を絶するような貧しい地域がたくさんあるという点です。豊かな地域よりも貧しい地域の方が圧倒的に大きいです。
日本のマスコミは、中国の景気の良いところばかりを報じて『中国脅威論』を煽っていますが、天洋食品の社員なんかは『野麦峠』の女工さんたちのように搾取され、重労働を強いられてきたのだと想像できます。
中国の貧しい農民が「廉価で劣悪な農薬を使って野菜を栽培しないように」ということが日本人にとって一番、切実な問題かもしれません。
おそらく私たちが生きているうちは中国が日本を超えることはないと思います。
by ピピ (2008-02-14 11:32) 

rio

>ピピさん、同感です。

中国の高度経済成長(=2桁成長)はもうずいぶんと続いていますが、それでも中産階級以上の富を持つ層は3億人に満たないといわれてますよね。ということは10億人以上の貧困層を抱えているわけで。。。

北京五輪にむけ、都市部に不法流入している農村部出身者たちが静かに”消されて”いるという話も聞きます。最終的には出身地に戻されるのでしょうが、都会の生活を知った後に貧農地域で暮らしていくのは並大抵のことではないでしょうね。

まさに「歴史は繰り返す」だと思います。中国の王朝は、膨大な人口と莫大な国土を等しく豊かにすることができず、「持てるもの」は膨張主義に走り、「持たざるもの」を搾取して革命が起きてきたわけですから。

その連鎖は、専制主義、共産主義では断ち切れませんでした。新たなチャレンジに選んだのが資本主義。しかし、このままいくと、資本主義国家が20世紀初頭に繰り返した過ちにはまっていきそうな気がします。
by rio (2008-02-14 15:28) 

をちゃ

オーマイニュースというニュースサイト(?)に

テレ朝の「サル報道」は報道か?
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080229/21554

という記事が載ってますね。

記者によると、現地にいって取材した結果、ヤラセではないけど報道でもない、という見解ですね。(動画もついてますけど、やはりテレ朝がひどかったようです)
by をちゃ (2008-03-02 02:33) 

rio

>をちゃさん、コメントありがとうございます。so-netの同時多発テロ、じゃなくて不具合、のせいでずっと読めない状態が続いておりました。

オーマイニュースは玉石混交ですが、この記事を書かれた方は現地に行ってきた、という点がすばらしいですね。私は「過剰演出」を報道とは認めない(むしろ過剰演出=やらせと考えています)という意見なので、テレ朝の姿勢には今でも疑問を持っています。

テレ朝『スーパーモーニング』といえば、行政批判の急先鋒だった玉川記者が、道路財源を巡る国交省批判の中で決定的な誤報を流し、先日、番組内で謝罪をしていました(与党側はその後、BPOへ提訴)。

地道な取材で新聞が扱わないネタを掘り起こしているいいコーナーだったはずが、いつの間にか批判のためのコーナー、刺激的な情報提示でボルテージを上げるコーナーに変質してしまった結果なんでしょうね。視聴率至上主義に足元をすくわれた感じで残念です。
by rio (2008-03-03 12:39) 

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