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月刊バレーボール 5月号 [バレーボール]

まずはVリーグ結果の特集。楽しみにしてたんですが、今回も内容にばらつきがあるというか記事の質が一定じゃないんですよねえ。だんだん慣れてきてしまってますが。

面白かったのは東レ・荒木のインタビュー(以下は要約)。聞き手は岩本勝暁記者、知りたいところをずばり聞いてくれてます。

ブロックについて、「これまで全部リードブロックだったが、コミットやフロントなどシステムを混ぜて使うことを意識していた。大体は自分で考えて、サイドやレシーバーに伝えていた」。

どんどん頼もしくなってます。伸び盛りですね。もう気軽に「牛みたい」とか言えなくなってきました。

リード、コミット、フロントの使い分けは、たぶん、トスが上がった方向へ止めにいくことをリード、打ってくる相手を予想して待ち構える状況をコミット、打ってくる相手と位置を予想してトスが上がるまでの間に移動することをフロント、と言ってるんだと思います。間違っていたら教えてください。

ベンチの指示もあるそうですが、「大体は自分で考えて」なんだそうです。これが一般的なのかどうか分かりませんが、素人考えでは、荒木の”個人技”に頼ったブロックシステムのような気がして、チームとしてはどうなんだろう?と思ってしまいました。

スパイクについて、「スパイク賞はローテーションでデラクルスの横だったから」と謙虚です。

W杯から進歩した点について、「今のスパイクは決まったけど、ブラジル相手には決まらない。イタリア相手だったらドシャット。今のブロックは止まったけど、あの選手だったらはじかれてた。というように、世界のプレーを意識して取り組むようになった」そうです。

進歩するためには「気づく」ことが必須ですから、これは大きいですね。5月の世界最終・アジア予選、女子は荒木のプレーを第1の楽しみにしようと今決めました。

男子のインタビューはパナソニック・山本。内容がねえ…いくらなんでも、これでは山本が気の毒です。聞き手は例によって田中夕子記者。この人、誌面で見る限り、インタビュー技術にまったく進歩がみられませんね。

話はすべて抽象的、精神的なことばかり。唯一の具体的なエピソードが、「Vリーグ開幕時にケガでスタメンを離れていた山本が、ほかの控えの選手と一緒にユニフォームの洗濯をしていた」。どーでもいいって!しかもこれ、山本が自分で話したのではなく、田中記者がわざわざ話題をふった構成になってます。

これがこぼれ話的なインタビューならいいんですが、Vリーグ優勝の立役者に話を聞く場でこの質問。。。メディアに厳しい選手だったら、田中記者、次から相手にされなくなるでしょうね。

男子パナソニックについては、もう一つ気になる話題が。優勝までの道のりを振り返る記事(署名はなし)で、油谷トレーナーの言葉が紹介されています。アメリカのトレーニングプログラムをバレー選手向けに改良して選手にさせていたそうなんですが、

「もともとの素質がある選手たちばかりなので、トレーニングに取り組む一方で『7~8割の力で走ればいい』という考え方もどこかにあり、執着心に欠けていた」

ここを改善して優勝を手にした、という流れなんですが…こういう気持ちになってしまうのは仕方ないことなんでしょうか?なぜか、日本男子バレーってこの手の話題が多いですよね。

続いていろいろな意味で面白かったのは柳本監督へのインタビュー。世間の空気を読むことにかけては抜群の柳本さん、じわりと路線変更をしています。さすがです。したたかです。

世界最終・アジア予選メンバーとして確定的な7人と先行練習をしていたそうですが、

栗原について「21点目以降は決定率が50%近くになるのに、20点までがまだまだ。レセプションから速く打てるようなトスを前半で取り入れて決定率を上げたい」

高橋
について「後衛時のサーブレシーブは90%なのに、前衛時では70%。トータルで80%になってしまっている」

杉山について「ラリー中の決定率が下がっている。荒木と違って、コーナーに打てていないことが原因」

チーム全体として、「メンタル的なばらつきを調整していかなければならない」

こんなふうに”弱点”を具体的に解説したことなんてなかったように思います。さらに驚きの発言がこれ。

「日本は絶対、世界で横綱になれない。でも強い大関になっていくという目標がある」

「OQTを1位通過とか、そんなことはどうでもいい。4位でもええと。何でもいいから、切符を取れ

就任以降、口を開けば「メダル」だった監督がこの発言。あえて無茶な目標をぶち上げて選手も周囲も自分も鼓舞する方法から、なりふり構わぬ泥臭さを前面に出す方法に変えたんですね。確かに、W杯のあの淡白な試合運びを考えると、これもありかなと思います。ただ、代表監督が今のチームだけでなく「日本は絶対に横綱になれない」と言い切ったことについては、それはいかがなものか、と眉間にしわがよってしまいました。

こぼれ話を3つ。

1、「世界のバレーボール」(協力 Ruriko Shoji)で紹介されていました。

セリエA1のコリリアーノ、ミラノの両チームが経営不振で、選手への給料が未払いなんだそうです。試合のボイコットも計画していたそうですが、ファンのために回避したのだとか。もうかってるのはFIVBだけ、ってやつですか。

世界最終で日本男子の初戦はイタリア。チェルニックがひざの手術で代表を離れ、代わりにと要請したパピには代表復帰を断られたそうです。少しはつけこむ隙ができたかも?

2、竹下がアシックスとアドバイザリースタッフ契約。

こういうのって大事ですよね。商品開発に現役一流選手の意見は欠かせないでしょうし、こういう仕事が増えると、プロ転向へのハードルも少しは下がるのではないかと。

そんなわけで竹下さん、型をとったオリジナルの靴作りをしていました。世界最終はそれで登場するのかな。あと「肩バランスアップアンダー」「コアバランスタイツ」ってのを試着してました。”補正下着”って言っていいのかどうかわかりませんが、こういうのが普及するとケガが減りそうです


3、最後に松平翁。

竹田恒和・JOC役員(←元馬術の五輪選手。慶應なので松平翁の後輩)との対談。相変わらず先輩風を吹かせて言いたい放題。馬術話の流れの中で、最年長選手で話題を呼んだ法華津寛さんの素晴らしさを竹田さんが力説している場面。

松平「それでも補欠ですか(笑)」
竹田「(笑)」

こええええええええ!!!!!竹田さんの「(笑)」が怖すぎです。おそらく日本中誰もが1度は考え、しかし、そんな自分のアホさ加減を恥じて口にしなかったはずの言葉を、誌面でここまで堂々と言い切るとは。しかもおっさん、自分で言うてわろてるで…orz


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area71

イタリアのセリエAは華々しい印象ですが、どこも経済的には潤っている状況ではなく、それはもう慢性的に続いている状態です。
不払い、遅延などは日常茶飯事。


日本のシステムをよく聞かれますが、一つの企業がスポンサーになっているといっても信じてもらえません。

しかもスタッフの数も尋常ではなく、応援団も毎試合登場。
こんなシステムのリーグの国は世界中にどこにもありません。

ロシアやトルコも最近良くなってきていますが、
日本のように男女合わせて1部リーグ2部リーグ全てがこういう経営が出来ているわけではありません。

ミラノはものすごくいいチームです。
素晴らしい選手が揃っていますが、やはりテンションが上がらなく、
競り合っても負けることが多い。
やはり、モチベーションの部分、
または、集中してプレーに打ち込むという環境作りがなされていない
状態にあるからだと思います。



by area71 (2008-04-18 20:23) 

七誌@お茶お茶お茶

>>日本は絶対、世界で横綱になれない。でも強い大関になっていくという目標がある

それはそれで良いと思うし、WCで五輪の出場権を取れなんて、ようは五輪でメダルを取れと言ってる事と一緒だと思う。WCなりWGなり本当の目標とかやりたいとこをすっとばして何かといえば、勝利勝利勝利とマスコミも広告代理店もファンもサポも騒ぐ。今でも未来でも横綱になる必要はない、ようはまずは大関になって、北京場所でそれなりの実績まずは前回以上の成績を残せればそれで良いと思うけどな。大関にだって優勝のチャンスはあると思うし。

by 七誌@お茶お茶お茶 (2008-04-18 20:39) 

rio

>area 71さん、日本は恵まれた環境にあると何度も指摘されている通りですね。こういう情報って日本語ではほとんど入ってきませんからとても貴重です。

イタリアはなんでこんなことになってしまうんでしょうか。ジャニーズがいないから、なんていう身もふたもない理由だったらいやだなあ。そういえば代表チームのもめごとも多いですよね。JVAに負けず劣らず、協会がいけてないのかも。
by rio (2008-04-18 22:39) 

rio

>七誌@お茶お茶お茶さん、このブログのバレー過去記事を見てもらえればわかると思いますが、少なくともここでは「勝利勝利勝利」と騒いでいません。

私もフジやTBSがすぐに「メダルの可能性」なんていうのは視聴者をばかにしていると思います。柳本監督がマスコミにあわせて「メダル」というのは、メディア戦略としてありだと思いますが、本来なら代表監督のそういう戦略に冷静につっこんでいくのがマスコミの役目なんですけどねえ。

それとは別に、柳本監督のコメントは不用意だと思います。「横綱になれない」とは、そのまま受け取れば、中国やブラジルのようなレベルには達しない、あるいは60~70年代のような地位には戻れない、ということでしょう。

「いまのチームには無理だ」というのならば、話はわかります。しかし、「日本」と枠を拡大して、柳本監督が責任を持つわけではない将来の日本チームの可能性まで否定してみせるのは、一線でやってる方とは思えない脇の甘さ、気の緩み、あるいは傲慢さを感じてしまうのです。

月バレが監督の真意を伝え切れていないという可能性もありますが、読者にとっては活字になったものがすべて。現時点では、柳本さん、ちょっと偉くなりすぎたんじゃないの、って感じです。
by rio (2008-04-18 22:56) 

まりふぁな

晶ちゃんカントク、どぉせなら前回のド失言を月バレに・今回のまともコメントを一般紙に載せようよ↓
どのメディアを誰が読むのか?って考えた時に、前者は身内での(許されるかどうかは置いといて、の)軽口、後者は一見さん含めた広く一般へのアピール・ってした方が普通は効果的な気ぃするよ?
いくらバラエティに毒されてるつっても、ことスポーツに関しては専門家や当事者が「野次馬的無責任発言」するよか「よくわからんけど専門的なウンチクの詰め合わせ発言」してる方がウケはいいはずやし。

rioさんは晶ちゃんカントクの対マスコミ戦術を結構評価されてますが、俺的には上記の見解から「なんか上手いんだか下手なんだかよくわかんないヒト」って風に思えますです。


しかし七誌@お茶お茶お茶さんのコメントは興味深いですねぇ?
「北京場所で横綱を食う大関(かそれ以下)」ってのが凄くイカしてます♪
そう、直接対決で食うもよし、取組自体では負けても場所そのものの優勝かっさらうもよし。
そもそも日本人のメンタリティ的には完全王者よりもチャレンジャーの方が人気獲りやすいしw
一発夢を魅せてほしいもんです、うんうん。

…ただ問題は現状大関どころか前頭の中位ぐらいみたいなんすけどね orz
さすがに上位陣差し置いての平幕の優勝は正直キツぃと思います、はぃ↓


と、そこで再び晶ちゃんカントクにハナシ戻して。
rioさんが憤っておられる「横綱にはなれない」のくだりですが、原文読んでないんでアレですけど(汗 多分普通に「今の」とか「現時点では」とかが「日本」の前に省かれてるんやないかなぁ?って思うんですけどね。
そこら辺はさすがにオモシロ記事満載っぽい月バレの記者/編集者よか晶ちゃんカントクを信じてあげたいなぁ?と。
というかむしろ補足なりフォローなりをちゃんとしろよ?と。<月バレ

某阪神のカントクさん辺り、記者の補足の方がなきゃなんのコトやらさっぱりわからんちんなコメントがしょっちゅう紙面に踊りますし。
※場合によっちゃ「補足」というより「翻訳」、果ては「推理」に近いモノもあるw
http://www.sanspo.com/baseball/tigers/okada/okada.html

まぁ何はともあれカントクさんである以上、不要なバルーンぶちあげて自ら先頭切って無駄に煽り入れんのも、変に自虐的な悲壮感漂わせるのもほどほどにして、ダンマリでいいからしっかり結果出すのがまず第一ではないか?とは思いますね。
by まりふぁな (2008-04-18 23:56) 

おじさん

チームの維持はイタリアでも大変なのですね。
9人制バレーも国体の影響か、変革の動きがあるみたいです。
ただ、心配なのはリーグ戦導入されると9人制実業団はさらに廃部が加速し実業団競技が成立しなくなるかもしれないなと。
リーグ戦をすると全国への旅費負担だけでも厳しいものがあります。個人負担で考えると実業団の地域リーグ試合回数レベルでも大変ですからね。
協会はその辺かんがえているのかぁと。おそらく学校とかしかしらないと配慮できないでしょうね。
Vチャレンジも来年降格チームの廃部がおきないか懸念してます。なんたってオリンピックイヤー翌年ですからね。シドニーの頃も廃部が相次いだきがしますし、景気も先行き厳しそうですしね。
by おじさん (2008-04-19 00:24) 

rio

>まりふぁなさん、私の勝手な推測ですが、柳本監督は「ポーランド」発言で各方面からバッシングされ、軌道修正をはかったのではと思ってます。言い換えれば、あの発言がなければ今回もめちゃくちゃ言ってた可能性があるかも、ということなんですが。

私は柳本監督のマスコミ戦術、評価してるわけではないんですよね。。。ただ、事実として、メディア受けする選手起用やスローガン、国際試合の番宣をかねて監督も選手もバラエティに出まくるという手法は、柳本監督でなければ実現しなかったと思います。発言もつねに世間の反応、風を読んでやってますし、そういう海千山千だから、今回もさっさと軌道修正なんだろうな、と。

野球はちょっと独特ですからねえ。本来なら、監督の発言を記者が咀嚼して、意味の通る文章にして載せるべきなんですが、野球に関しては読者がそれを嫌がるんだと思います。読者みんなが監督なので(笑)。それで、生の言葉を収録してそれに付け足す手法をとっているんだと思います。

「横綱」のくだりは原文ママなんですが、ほんとなら記者はそこをきちんと確認するべきですよね。ひとこと、「それは体格で劣るからでしょうか」みたいなことはさめば、その答えで柳本監督の真意が「いまの日本」なのか「これからもずっと」なのか判断できるはずなんです。

私も、月バレがそういうところまで気が回ってないんじゃないかという気もするんですが、ただねえ。。。失言や人選をみてると、柳本監督、もうどうでもよくなってるんじゃないかという気がしてしまうんですよね。

by rio (2008-04-19 00:29) 

rio

>おじさん、9人制は日本以外にどれぐらいの国でされているのかよく知らないのですが、状況は厳しいでしょうね。日本でも、ほとんどの人はもはや、6人制と9人制のルールの違いを知らないのでは。私もその1人で、いくつかをうろ覚えにしている程度です。

ビーチバレーが急成長していて、イメージもよく、若者をひきつけるかっこよさもありますよね。これがインドアと競ってしまって、バレー人口を食い合うみたいなことになると悲惨ですよね。

6人制、9人制、ビーチ、ソフトバレーなど、全部がいいように相互作用して盛り上がるのが一番なんですが…音頭をとるべきJVAがねえ。問題はいつもここですねえ。
by rio (2008-04-19 00:37) 

大鷲の健

おはようございます。
自分も月バレを読んでいて、非常に違和感を持ったところです。

端的に言います。毒がありますが。
本当に「切符を取ること」が監督の目標なら、チームは「切符をとることすらできない可能性が高くなる」と思います。
実際の生活においても、目標を低く設定すると、実際の結果はそれよりもさらに低くなることのほうが多いからです。
選手達の意欲と監督の放言との摩擦で、選手だけでチームがまとまってしまうような、アテネ出場決定後のような雰囲気はもううんざりです。
「切符が取れればいい」「出られればいい」チームにしたのは誰か?
答えは一つなんですがね。
by 大鷲の健 (2008-04-19 09:14) 

rio

>大鷲の健さん、同感です。

なにふり構わずいけ、という意味で「何でもいいから、切符を取れ」というのはありだと思いますが、今回の柳本発言はどうもそれだけじゃなさそうな感じがするんですよね。

ブログ本文では省きましたが、前回の世界最終で初戦のイタリアに勝ったことを聞かれ、柳本監督は「またすぐにそういうことを言う…」とかわしてますよね。その後に「シドニーのときのような気持ちでやっている」とも。

つまり、今回のチーム、あるいは代表監督としての集大成にまったく自信がないのではないかと。日本の資金力のおかげで、全日本女子の五輪出場はほぼ確定的です。なので、その低いハードルをこけずに跳んでくれたら、それでいいという気分になってしまっているように感じるんですね。

やっぱり、アテネ組はチーム柳本ではなく「チーム吉原」だったんですね。。。
by rio (2008-04-19 16:35) 

madoka

今年の柳本ジャパンのテーマは「団結」だそうで・・・。
2005年の「変化とスピード」は良かったと思うんですが(具体的だし)、次の「-2(アンダーツー)」、その次の「究極の勝利」と、年々わけがわからなくなり、今年はついに「団結」です。
これを聞いて、「そうか、よっぽどチームがバラバラなんだな」と思う私はひねくれているのでしょうか?(笑)

別の方のブログで、TBS記者による「バンキシャ日記」というものが紹介されていたので読んでみたら、これがけっこう笑えました。

【全体練習が終わり、ゆっくりと腰を下ろすと監督はこう呟いた
「団結やからな・・選手がやるんやもんな・・
選手がまとまる事が大事や、まだまだいろんな事があるわい・・」 】

なんか口調が昔話に出てくるお爺さんみたいだということはさておき、rioさんの言うように、かーなーり自信なさげじゃないですか?
アテネ前後の、ばんばんハッタリかましていた頃とは別人のよう。
どちらがいいとは言えませんが、極端すぎるよ晶ちゃん(笑)。

まあ五輪の切符が確実視される中、選手たちのモチベーションも上がらないのかもしれませんが、女子の国際試合はここしばらく、つまらない試合が続いている印象があります。
せめて心を一つにして、見る人の心を動かすようなバレーを…という意味では、「団結」って、いいテーマなのかもしれませんね。
とでも思わなきゃ、一国の代表チームの目標が「団結」ってなんだよ!春高バレーか!とやさぐれてしまいそうなので、そういうことにしときます(笑)。
by madoka (2008-04-22 16:45) 

rio

>madokaさん、先日、フジで深夜にやってたバレーの番宣番組で、柳本監督は「チームワークということではなく、団結が大切」と選手に訓示なさってました。。。

スローガンを掲げるのは、それが足りない(目指している)からこそ、ですよね。W杯の戦い方を見ていると、全日本女子がばらばらなのは明らかでした。ごにょごにょいっても仕方ないので名前を出すと、恐らく、高橋、栗原、木村のサイド陣が全然しっくりいってないんでしょう。センターばっかり召集するのもこの辺に事情があるのかも、なんて邪推してしまいます。

久々復帰だった栗原はレフトオープンとセンターからの遅いバックアタックしかしてないし、木村は前衛での変化にもバックアタックにもほとんど絡んでこないし(サーブで徹底的に狙われたのもありますが)、高橋は前衛の時にサーブで狙われて崩されるし、カバーには入らないし。

W杯後に高橋が、「今年(2007年)のチームは前衛でクロスする攻撃が一つもなかった」と批判してましたが、これは監督批判であると同時に、コンビに絡もうとしない栗原、木村への批判でしょう。こういうのが大会直後に実質上のエースから出てしまうチーム事情だからこその「団結」。

良くも悪くも感情が伝わってきた男子と比べて、女子はほとんどの時間を能面みたいな顔でプレーしてましたよね。集大成の年になって、あえて「団結」を掲げなくてはならなかった柳本監督。まとめあげるのも手腕の一つと言えばそれまでですが、どうしようもない部分もあったのかもしれません。

後任は…っていまからもう既定路線にしてますが(笑)、ぜひ理論派の女性監督になってほしいと思います。ソフトやシンクロを見ても、あるいは郎平さんを見ても、団体競技の女子選手を本当の意味で鍛えられるのは、女性監督でしょう。
by rio (2008-04-22 18:55) 

madoka

↑三屋さんでしょう?大賛成!!(笑)

でも、もし「初の女性監督」が実現したとしても、脳に苔が生えた上にカビまで生えてるようなJVAのお偉方のことだから、東洋の魔女あたりから引っ張ってきそうで、かなりヤな予感。というか悪寒・・・。




by madoka (2008-04-22 22:42) 

rio

>madokaさん、いくらなんでも東洋の魔女世代は…(笑)。みなさん、もう70歳前後ですから。

私も三屋さんと思ってたんですが、どうもねえ。バレーに限らずどこの代表監督もそうだと思いますが、周りや協会がもうあれやこれやと口を挟んできますよね。それを切り抜ける能力もある人でないと…いまの代表監督はどっちも、そこで大きくつまづいてますし。。。
by rio (2008-04-23 21:18) 

madoka

たまたまテレビをつけたら『マルコポロリ』をやっていて、池谷幸雄がゲストだったのですが、オリンピックに行く時の、選手の自己負担について話してました。
スポンサーが付いてるような競技(選手)はいいけど、「馬術の人なんて、自己負担金、数千万ですよ」と言ってました・・・。
バレーはどうなんでしょう? タダっぽいなあ・・・。

それから、池谷は「僕、体操協会の理事なんですよ」と言ってスタジオを騒然とさせてました(笑)。
東野なんか、「えーっ、昼間からパチスロ行ってるイメージですけど・・・。意外とちゃんとしてらっしゃるんですねえ」と妙な感心の仕方をしていて笑えました。
銅メダル3個と銀メダル3個持ってるのに、この扱い・・・。
ま、私も、「えーっ、こいつが理事?!」って思いましたけどね(笑)。

体操も、数日後には代表の最終選考会です。
楽しみです。
by madoka (2008-04-29 02:02) 

madoka

訂正!「銀メダル1個」ですね(汗)。

by madoka (2008-04-29 02:04) 

rio

>madokaさん、メダルの数がものを言う世界ですからねえ。

政治家になってみたり、政府の諮問機関に呼ばれてみたり、IOCやJOCの要職についてみたり。そういう意味では、身内(体操協会)の理事なんてかわいいものかもしれません。

それよりも池谷、慰謝料は全額支払ったんでしょうか。

バレーの五輪行きは…タダだと思いますよ。柳本監督が就任した時に、飛行機がエコノミーなのはいくらなんでも選手がかわいそう、なんてことをいってビジネスクラスにさせた、というニュースがあったような気がします。去年のW杯でも、滞在先のホテルの部屋割りで、途中から栗原が一人部屋になった、なんて話もありましたし、JVAの丸抱えでしょう。

さらに、areaさんが何度か指摘されているように、”役員”と名乗るおっさん、おばはん連中も丸抱えで押しかけるんですよね。だからカネが足りなくなって学生たちの懐を狙っている、ということなんだと思います。

それはさておき、きょうは男子柔道100キロ超級の代表選考も。井上康生、引退かかってますからねえ。どきどきです。
by rio (2008-04-29 07:40) 

madoka

ちょっと遅れて見始めたら、もう終わっとりましたわ、康生・・・(涙)。
シドニーでの金メダルに興奮した身としては(家族がらみの感動物語は個人的にはいらんかったけど…)、あのキレッキレの内股がもう見れないのは、ほんと寂しい。
ここ数年の、苦しみもがく姿は見てて辛いものがありましたけど、今日は本人も、なんか吹っ切れたような顔してましたね。お疲れさん!と言いたいです。

解説の篠原さんの、柔道一直線な視線がなんかよかったなあ(笑)。
結局、優勝した石井が代表になっちゃいましたけど、石井に関してまあ厳しいこと!(でもその気持ち、わかるわ~・・・。)

まあ、石井のようなタイプの方が、外国勢と戦うには向いてるのかもしれませんけど、うーん…なんともフクザツです・・・。
by madoka (2008-04-29 19:39) 

rio

>madokaさん、私も見逃してしまいました。。。

康生、引退ですね。最近は内股に頼った柔道だったので、見ててもちょっと痛々しいものがありました。マークされ、研究されて、みんな内股すかしを用意して臨むようになってたのに、そこを切り抜けてもう一段上にいく何かがありませんでしたね。振り返れば、お母さんの弔い合戦をやったシドニーがピークだった気がします。

それにしても、ケガしてた石井が勝ったんですね。技とメンタルと身体能力で言えば棟田が文句なくトップなんでしょうけど、体格差はいかんともしがたいのでしょうか。

篠原は「ジャンクスポーツ」で、野村の五輪3連覇について、「決勝の、あんなん一本とちゃいますよ。全部有効、いや効果や。ビデオ持ってきてください」とか言って笑いをとってました。野村自身も意識してることみたいですけど、それをバラエティでさらっと笑いにしてしまうところが面白いですよね。
by rio (2008-04-29 22:03) 

madoka

篠原さんね、今日もバシバシ言ってましたよ。もうたまりませんでした(笑)。

決勝の前に、石井と鈴木の過去の対戦のVTRが流れた時は、アナが「この場面の石井は、かけ逃げとも取られかねないような…」と言いかけたのをさえぎって、「あれはかけ逃げです」とバッサリ。

決勝は、最初の1分でガーッと攻めて有効と技ありを取った石井が、残り時間はとにかく逃げて逃げて逃げまくる(指導→注意→警告までいった)という見慣れた展開で、篠原さんは怒り心頭。
「決勝でこんな試合は見たくなかったですね」と憤懣やるかたない様子ながらも、しぶしぶ「おめでとうという言葉はかけたいと思います」と言うあたりが篠原さんらしくて良いなあ、と思いました^^。
が!
優勝インタビューで、「柔道らしい柔道ができなかった。情けない。最悪」と泣きじゃくる石井を見て、「ああ、あの涙は、うれし泣きではなく、悔し泣きの涙だったんですねえ」と言う実況アナに、「そうですね。でも石井は試合のたびに同じことを言ってますからね」とどこまでもキビシイ篠原さんなのでした(笑)。

でも、どんなことを言っても、柔道に対する愛と信念があるので、全然嫌みが感じられないんですよねえ。
人徳ってやつですね。

私は、直接対決で敗れたとはいえ、代表は実績で棟田、と読んでいたのですが(だって他の階級の選手たちの選ばれ方を見ても、ねえ…)、石井だったのでちょっと意外でした。
大会終了後、全選手が並んだ時も、棟田がすごくニコニコしてたので、てっきり棟田だと思ったんですが・・・。
もっとも、石井は優勝インタビューでも「こんな試合をして、これがオリンピックだったら最悪だった」と先走ったことを言っていたので、「とにかく優勝すれば代表」というのは決定事項だったんでしょうかねえ。

バレーに関しては、「正面突破の豪快なスパイクだろうが、あいたところに落とすフェイントだろうが、1点は1点。逃げる技術も必要」という考え方の私ですが、柔道に関しては、やっぱりかけ逃げとかやられると「うーん…」って思っちゃうんですよねえ。矛盾してますが…。
内容にこだわらず「勝ち」にこだわった石井の戦い方を「クレバー」と評していた記事もありましたし、まあそう言われればそうなんだけど…。

石井のような勝ち方が良しとされる柔道は、なーんかつまらないなあ…と遠い目になってしまうのでありました。
by madoka (2008-04-30 00:17) 

まりふぁな

俺は今日の試合全然観てないんで偉そぉにはいえませんが。

今回の場合棟田は「負けない」、石井は「とにかく勝つ」、井上は「いい勝ち方で勝つ」ってのがノルマやったはずなんで、石井でOKなんやないかな?と。
てか「柔道」では正直アレにせよ、「JUDO」するなら「とにかく勝つ」が必須やし。

「勝負に勝って試合に負ける」ってのは日本では通用しても国際試合ぢゃ正直クソの役にもたたない・ってのが悲しいかな「JUDO」ってのの現状ですし。
そぉいう意味でやっぱ止む無しかなぁ?と。

「JUDO」に「柔道」の勝負観を再興させるのは当然の課題ですが、まずは勝つコトこそが重要で、それこそ「日本人的にアリな完勝」を望んだあげくにヤラれた場合はますます日本の立場が隅っこにおいやられそぉな悪寒が…
そぉいう意味で棟田が「文句ナシ」の勝ち方してくれてたら、少なくとも代表選考の面ではスッキリしたんすけどね?
※つ~かTAWARAを代表にするって辺りもちと「はぁ?」なんやけど。

さておき篠原。
madokaさんのレポに乗っかってゆっちゃうと、いみじくも自分が「柔道≦JUDO」を国内外に知らしめた試合(シドニー五輪)の当事者なんやしなぁ?
正直なトコ優勝者叩く≒「柔道的スジ論」通す前に「勝ったモンが強い」っていうべきなんじゃねぇの?って思います。
なんぼスジ論述べても五輪でヤラレちゃ元も子もないんやないの?と。
おまいさんが述べたみたく、敗者は「弱いから負けた」んやろ?と。
つっても俺も本筋ヘボい柔道は嫌いなんで、がんばって「柔道的に納得の勝利」を「JUDO」で挙げれる選手を是非是非育ててくだされm(_ _)m

※ちなみに野村は天理大の後輩なんで、多少キツめなんはシャレなハズです。
by まりふぁな (2008-04-30 01:05) 

madoka

そーなんですよね~、まりふぁなさん。私もフクザツな気持ちなんです・・・。
今の日本柔道って、「勝つ」ということが、もうおぼつかなくなってきてますからねえ。この際、なりふりなんてかまっちゃいられないよ!という方向性も、当然あってしかるべきだとわかっちゃいるんです・・・。

ただ、篠原がシドニーでああいう形で負けたことで、「柔道≦JUDO」になっちゃうのかな。
そこはちょっと疑問…。
私は「柔道≠JUDO」になった、とは思うけど…(甘い?甘いか。すんません…)。
まあ、日本柔道が「柔道」に戻るためには、とりあえず「JUDO」でも勝つしかないわけで、その点では、「内容が悪くてもとにかく勝つ!」にこだわった石井は、あれはあれで正しかったんだと思います。
ただ石井の場合、今大会の重要性を鑑みて、クレバーにああいう戦い方を選んだ、とは、やっぱり思えないところがねえ・・・。
ほんと、いつ見てもあんな柔道(JUDO?)なんだもん・・・。

「柔道的に納得の勝利」を「JUDO」で挙げれる選手、っていう表現は、まさにその通りですね!
北京ではそういう試合を見たいものですね。
by madoka (2008-04-30 01:58) 

rio

>madokaさん、まりふぁなさん、私は世界の舞台で「柔道」だったことは一度もないと思ってます。

「○道」というのは日本固有の文化ですから、それを異文化の人たちに理解させようとした出発点がそもそも間違いだったと思います。個人レベルで理解できる人はいるでしょうが、柔道が広まれば広まるほど、伝言ゲームのように内容が変わっていくのは宿命ですよね。

まして、国別でメダルの数を数えるような五輪に、「日本固有の文化的背景にあわせた試合をしよう」なんて選手はいません。欧州がレスリング文化の伝統を背景にJUDOで躍進してくることは予想できたはずで、柔道≦JUDOの現状は全柔連の無策が招いた結果でしょう。

谷亮子がすごいのはこの辺だと思います。柔道をしているフリをして、国際試合ではきっちりJUDOをしています。一つ技を放つたびに審判と目線を合わせてアピールする、うつぶせに丸まってしのいでいる選手の帯を持って3回か5回揺さぶる(←なぜか回数が一定)、絶対に技がかからない状況でも定期的に出足ばらいなど小技を繰り出す(←単に相手の足を蹴とばしてるだけ)などなど。これで判定勝ちはほぼモノにしてますよね。

しかも、五輪などの重要な大会の前には必ず手足のどこかをケガします。私は谷亮子も含めた五輪選手たちと親交のある人に聞いたことがありますが、あれは完全に仮病だそうですね。しかし、谷亮子がケガしたとなれば、世界中で大々的に報じられます。それが対戦相手への心理的プレッシャーになることも計算済み。

柔道の素養をもってJUDOで”谷亮子劇場”を演じきっていることが、彼女が世界に君臨し続けている理由だと思います。そういう意味で、今回、代表になったのも納得。谷亮子に1回勝ったぐらいでは、劇場の幕はおろせません。おそらく今回が最後の五輪でしょうが、今回も谷流JUDOが通用するのかどうか、見ものです。

棟田のようにあくまで柔道にこだわる選手は、それはそれでありだと思います。ただ、棟田は大会前に「五輪や世界選手権よりも重要な試合と位置づけている」と発言しながら、石井流JUDOの前に敗れたんですよね。なんか幕末の佐幕派のようで切ないです。

日本は、一発狙い・3球勝負のbaseballを、犠打重視・カウントを整える野球に変換して”世界一”になっていますよね。野球はそれでいいけどJUDOはダメ、ってのでは、理屈にあわないと思います。
by rio (2008-04-30 07:04) 

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