SSブログ

WGP予選・ポーランド戦 日本の真価が問われるのはここから。 [バレーボール]

WGP第2週の山場、ポーランド戦は3-1で勝利。いやー、危なかったですねー。セットカウントと点差だけ見れば日本の快勝のように見えますが、内容はぎりぎり逃げ切った感じ。山本が徹底マークで封じられ、前衛が2枚のときに迫田・江畑に頼らざるをえない展開で、観ていてそれはそれは心配でございました。

そんな手に汗握る試合の第1セットのローテはこんな感じ↓

 迫田        山口         井上

 山本        竹下         木村  L佐野
-----------------------------------------------------------
ベドナレク(MB)  コセク      スコルパ(S)

スコブロニスカ  バランスカ   ガイガウ(MB)  Lゼニク

ポーランドのサーブからのローテで、日本は竹下を前衛センターからのスタート。この意図について解説・川合は、「ブロックのいい山口を、スパイクのいいバランスかに3ローテとも当てるつもりだったが、相手に読まれたか偶然かでポーランドもローテを変更してきたので、竹下とバランスカが1回当たってしまう」という主旨のコメントをしていました。「読まれた」ってなに???

ポーランドは、台湾戦の第1セットで1stサーブをセッターが打つローテにしていました。しかし、第3セットには、ガイガウに1stサーブを打たせるローテに変えています。素直に考えれば、それだけガイガウのサーブ効果率が高いから、ということですよね。日本戦でも、試合開始直後の1本目がサービスエースでした。

一方、日本は、ガイガウの1stサーブで始まるローテを想定したうえで、竹下を前衛センターから始めたと考えるのが妥当でしょう。竹下/バランスカをまったく合わせないようにしようとすれば、竹下を前衛レフトから始めなければならなくなり、リスクが高すぎます。攻撃面でも、前衛が迫田・山本という最弱ローテが一番多く出現する確率が高くなります。なので、竹下/バランスカの組み合わせをもっとも減らしつつ、全体的なバランスをとるには、前衛センターでのスタートがベターという判断だったんでしょう。

ポーランドは試合を通じてローテを変えていませんから、バランスカを竹下にぶつけようという意図がなかった=日本のローテ変更を「読んだ」なんてことはありえない、ことは明らかです。

それはさておき。

実力伯仲のチーム同士の場合、第1セットはお互いに様子見。ブロックのタイミングやセッターのトスワークを見極めることに意識が集中するはずです。その点では、手数の多い日本は有利です。

欧米チームのバレーはいまや、すべて同じパターンです。攻撃ポイントは前衛3カ所と後衛のセンター・ライト。これを4人でまわすスタイル。交差する時間差はほとんどなく、センターの一人時間差やB→A、A→Cなどの一人時間差攻撃もほとんどありません。

守備も↑こういうことを前提に組み立てられていて、リードであれコミットであれ、またはバンチでもスプレッドでも、基本的には、5つのポイントのうち、打数が多く決定力が高いところへ集中的に圧力をかけるブロックシステムと、それに連携させたレシーブシステムになっています。

日本も09年まではそのスタイルでやってきて、欧米トップにはまったく歯が立ちませんでした。日本バレーはよく「自分たちのバレー」という言葉を好き好んで使いますが、実は欧米の土俵に乗っかって欧米バレーをやろうとしていたわけで、それを「自分たちのバレー」だと思っていたわけです。だから”1秒の壁”なんて誤解も生まれてきたわけで。

しかし、いつまでも同じことをしていても勝てない。欧米のバレーもこの数年間で学んだし、それを活かしつつ“オリジナル”をつくろうぜ、というのが今回の全日本。では、“オリジナル”とはなんぞやと考えたときに、最初にたどりついたのが、ライトに万能選手を配置し、センター線と連携して攻撃ポイントを一人で複数作り出すというスタイル。各選手の“つなぎ”の能力の高さをベースとするこの攻め方は、実は“強かった時代の日本バレー”スタイルの応用編ですね。

欧米チームは4人による同時多発攻撃が武器ですが、実は、4人がおとりに走りこんでくることはあまり多くありません。サーブで崩れたり、つなぎが乱れたり、サボってる選手がいたりするからです。それでも、サイドの決定力が高いのでなんとかなってしまうんですね。

一方、日本の今のスタイルは、同時多発ではなく連続した時間差で守備を釘付けにする発想です。たとえば、センターがA→ブロードというステップを常に入れることで、相手ブロックは1度の攻撃で2つのクイックに対応しなければならなくなります。さらに、Wクイックがある、時間差でライトの選手の切込みがある、レフト攻撃やバックアタックがある、そういうものが連続して繰り出されてくるとなると、人間の判断能力は限界でしょう。相手チームにとって、精神的な負荷はかなりのものだと思います。

しかも、欧米チームは普段、そんなチームを想定した練習はしていないので、対応に時間がかかります。なんとか拾って切り返そうとしても、日本の守備システムは欧米スタイルを学んでいるので、対応されてしまう。「自分たちは見たこともない相手なのに、相手は自分たちのことをよく知っている」といういやーな感じが、この大会での欧米チームの日本への印象ではないかと推測しています。

予選第3週までに日本が対戦した欧米勢では、イタリアとドイツは完全に心が折れた状態でミスを連発し、自滅しました。ブラジルは貫禄を見せつけましたが、セッターやサイドをとっかえひっかえでの逃げ切りで、彼女たちにとっては快勝とは言えない内容でしょう。ギマラエス監督も試合後に、「今回の試合はほぼ互角だった」とコメントしています。

そしてポーランド。ここまでの日本戦を研究してきたことは、一発目のガイガウのサービスエースや、山本のブロード攻撃をコセクが1枚でシャットアウトしたことからよくわかります。山本はその後もサーブを取らされるなどマークされ続け、ついに荒木と交代させられます。

つまり、ポーランドは、いまの日本のスタイルの要であるセンター線の片方をつぶすことに成功した。でも勝てなかった。試合の主導権は常に日本が握っていた。このことは、日本の“オリジナル”をつくっていくうえで、とても重要だと思います。

その意味で、第1週の日本戦でブロック陣がタッチネットを量産し、なすすべなく敗れ去ったイタリアが、来週の東京ラウンドでどのような策を繰り出してくるか。受けて立つ立場になった日本が、相手のリベンジを返り討ちできるかどうか。この1勝で、日本へのマークはさらにきつくなってくるはず。日本の真価が問われるのはここからですね。


せっかくなので、簡単に試合の流れを記録しておきます。

<第1セット>
山本が押さえ込まれ、サイドの強打に頼る展開に。、ブロード攻撃をつぶされたことでブロックが中央に寄ってきてしまい、それはそれはつらい立ち上がりでございました[たらーっ(汗)][たらーっ(汗)]

山口・井上のコンビが機能していたことと、ポーランドのサーブが弱くミスが多かったこと、日本のディグが冴えていたことで20点以降の攻防から抜け出せてなにより…という観ていて疲れる展開。レフト攻撃が徹底した強打で押していたことが印象的でした。

<第2セット>
日本の徹底したバランスカ狙いにポーランドががたがたし、するすると走って10ー4。ここで井上のサーブは、眞鍋監督が「絶対入ってる!」と大声で抗議するほど完璧に入っていましたが、判定はアウト。

もうほんと、バレーの審判レベルを一刻も早くなんとかすべきですね。日本戦に限らず、今大会で私がテレビ観戦した試合だけでも、必ず1回以上の明らかな誤審があります。日本VSポーランド戦のまえの台湾VSドイツ戦でも、ベトナムのおっさんが、台湾のワンタッチありのアタックを3回連続で「アウト」と判定。許せません。

脱線してしまいましたが、井上サーブの誤審でちょっとおかしな雰囲気に。さらに、ここから木村がフェイントを作戦を発動しますが、これが不発でした。

木村のフェイント作戦は、おそらく計算したものだったと思います。第1セットで強打で押したので、ポーランドはブロックでストレートをきっちりとしめ、レシーバーは深いコースに守らせていました。なので、空いてるスペースを狙う攻めの軟打を選んだんだと思います。

狙いはよくて、ポーランドの守備陣はどたばた。だがしかし。必死で上げたり、返球したりしたボールを、日本がきちんと処理できなかったんですねえ(痛)。

たとえば、12-6では、木村のフェイントがコート中央にしっかり決まっています。計算どおり。12-7でも、ラリーから木村がフェイントをレフト側アンテナの真下ぐらいの絶妙な位置に落としますが、これが「上がっている」の判定。木村が主審に指差しで「落ちている」の抗議をしていたため、日本全員の足が一瞬止まってしまいます。その結果、バランスカのバックアタックへの対応が遅れて失点。画面では「上がった/落ちた」の判断はつきませんが、微妙なところだったんでしょうね。

さらに、木村はクロスの強打を1本決めたあとの14-7で再びフェイント。これもポーランドはどたばたし、返球するのが精一杯だったんですが、チャンスボールを日本が決めきれずラリーになって失点。その直後に、木村がライトから放ったフェイントは、相手に対応されてブロックされてしまいました。

この時点で点差は14-8ですから、まだ安全圏内です。ただ、狙っていた作戦が不発だと、どうしても雰囲気はおかしくなりますよね。ここですっぱり、フェイント作戦は捨てるべきだったんですが、このあと、木村以外の選手もフェイント作戦に乗っかってきてしまい、点差ほど余裕のない展開に。

雰囲気のおかしさは最年少の迫田にまっさきに影響し、20-15の場面のバックアタックは、ブロックもコートもがら空きなのに大きく外れるアウト。さらに、井野がサーブレシーブをミスる想定外のハプニングもあって21-20のどきどき。

山口・井上のコンビとしぶといディグで切り抜けましたが、これまた、観ていて大変疲れるセットでございました[あせあせ(飛び散る汗)]

<第3セット>
おかしなムードのまま突入した第3セット。ポーランドは、第2セット途中からスコブロニスカに変えて投入したカチョルをそのままスタメンで起用。バランスカのサーブレシーブが崩れると、カチョルのライト攻撃・バックアタックに上げて、力と高さでねじ伏せる作戦に出てきました。

これがドンピシャではまりましたねえ。日本は最後までカチョルに対応できず終始リードされる展開。こうなるとバランスカ狙いへのサーブが慎重=ゆるくなり、バランスカが余裕で返球して息を吹き返してくる始末。つぶしかけた選手が息を吹き返したときほど怖いものはありません。

そんな大ピンチに登場したのがアラキング。やっぱりキングは違います。17-24で次のセットを見据えなければいけない場面、荒木はサーブできっちりバランスカを崩し、1本はチャンスボールで木村がダイレクト、2本目はサーブレシーブの乱れからアタックがネットと2連続得点。「バランスカ、逃がしまへんでー!!!」と立ちはだかったのです。この精神的ダメージはでかかったでしょうねー。

<第4セット>
日本はここでローテを変え、本来の竹下の1stサーブから。
第3セットを落として気合を入れなおし、攻めのサーブが復活します。立ち直りかけたところをアラキングに叩き潰されたバランスカは、なすすべなく振り回されるばかり。一気に9-0まで走るなんてなかなか観られませんよね。江畑が、コセクの思いっきりアウトのフェイントを拾わなければ…というのは、今回は大目に観ることにいたしましょう。

このあと、山本がカチョルをブロックしてつぶし、スコブロニスカが再登板。このまま楽勝で行くかと思いきや…山本、江畑が立て続けにつかまっておかしな雰囲気に。こうなったらやはり、アラキングの出番です。

このセットは、荒木の良さがとてもよく出ていたと思います。ブロード攻撃はアンテナ一杯まで走り、そこからの強打。速さも華麗さもありませんが、ブロック・レシーブを弾き飛ばすパワーがあります。この説得力が荒木、ですね。

もう一つ、荒木はブロックでもパワーを見せつけました。5本中4本がワンタッチですが、これがなんと、アタックの勢いを完全に殺してきれいに自陣コート内にあがっていました。レシーバーが余裕でつなげるぐらい。しかも、荒木の姿勢はまったく乱れておらず、すぐに次の動作に入れています。各国が荒木のブロックを嫌がるのはこういうところなんでしょうね。「ブロックアウトを狙って思い切り打ったのにチャンスボールになってしもたっ!!」パターンで相手の心をへし折る荒木。

井上はシャットアウトすることが多いですが、体が半回転してしまったり、腕が持っていかれたりしているので、「頑張ればぶち抜ける」と思わせてしまう弱さを感じます(それが狙いなのか?)。しかし、荒木のブロックは、まともに打つと当然シャットアウトされるし、ワンタッチ狙いも効きません。かわすしかなく、無理な攻撃になってミスを誘発します。この貢献度はかなりのもの。改めて確認できてなによりでした。


というわけで、このほかに川合の悪口を山ほど書くつもりだったんですが、アラキング復活の兆しに免じて許してやることにします(←偉そう)。

日本はぜひ決勝に進出して、今のパターンが中国・アメリカにも通用するかどうか、あるいはブラジルに一矢報いることができるかどうか、挑戦してみてほしいです。


nice!(0)  コメント(20)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 20

haruka

rioさん、こんにちは。
今回のrioさんの試合分析、読み応えがあって感動しました!
バレーの見どころ・楽しさを改めて感じることができました。これからもお時間が許せば・・・どんどん色んな事を教えてくださいね。

ポーランド戦は、本当にハラハラしました。
でも、柳本監督時代と違い、真鍋監督・ベンチサイドはデ―ターをより有効に使いながら指示もはっきりだしておられるように思います。
「ここからここから」等という掛け声的だけな指示で、選手(セッター)に戦術責任を丸投げのようなイメ―ジが感じられず、どの選手にも指示をされてるように思いますから、それだけでも進歩しているのかな、と。

荒木選手のパワーは、実に頼もしいですね!
センターはそれぞれにタイプが違い、試合の流れによって交替できるのはいいですよね。山本選手が加入されただけで、人数的にもコートに立てるチャンスが減る可能性に、「頑張らなくては・・・」と意識も高め合うことが出来ると思います。また、今大会は選手たちもよく話をしてコミニュケーションを取り、迫田・江畑選手を育ててあげようという気持ちの伝わるプレーが見られるため、嬉しく感じます。

rioさんの言われるように、日本の真価を問われるのは「これから」先の試合ですよね・・・。イタリア・ブラジル・ポーランド、また中国などという対戦が楽しみです(←決勝に行けるつもりで!ここまで来て、行けないと逆に問題でしょう?!) rioさんの分析をまた、楽しみに待ってます^^
by haruka (2010-08-15 09:43) 

あ!?タッカー

私は作戦とか全然わからない素人です。
今のバレーボールはサーブ(無回転)で試合が終わってしまう
感じなのですね。
ポーランドの選手がサービスエースはとれなかったと?
思いますけど強烈なジャンプサーブを連発していた時、
一番”どよめき”が大きかったですね。



by あ!?タッカー (2010-08-15 11:02) 

あ!?タッカー

連投、申し訳ありません。
木村選手がフェイントを連発する前に持病の肩に痛みが出たんじゃないでしょうか?。腕を上げたりして肩を気にしていたような。
by あ!?タッカー (2010-08-15 11:16) 

eigo

ライトの機動力がすごい今の日本バレー好きですね。
井野ちゃんは微妙な速効トス、バックトス、バックアタックトス、ブロードトスをレシーバーをしつつ早い切り返しに持っていってるのも素晴らしい。
真鍋監督もよく考えてるなと高評価です。

しかし山口選手がいざつぶされると何もできなくなるのはrioさんもおわかりの通り。
山口選手以外の選手が機動力を身につけてクイック、ブロードをしていかないと本当にオリジナルバレーにはならないんではないかと。
たとえて言うならライトに入る、石田、狩野、有田選手ですかね。
狩野選手はセンターでしたからクイックくらいは可能なのでは?
山口選手が抜けたら単調になるバレーでは、今はいいとして今後が不安です。でも非常に楽しいバレーですね。

あと気になったのは佐野選手のサーブレシーブ。
あんまりにもほかのレシーバーのコースに取りにいきすぎてるような。
昨日も井野選手のレシーブコースに入ってきて乱れていたようなシーンが。
もっと周りを信頼してもいいと思います。
by eigo (2010-08-15 12:17) 

rio

>harukaさん、柳本さんも06年の世界バレーまでは声が出てたんですよねえ。。。

今から振り返ると…というより、当時もブログに書いていますが、柳本さんは策士であっても戦略家ではなかったんですよね。なので、セッター出身であるにもかかわらず、竹下に戦略を教えられなかった。というより、柳本さんにそれがないので、竹下が試合で日本の戦略を表現できなかったんだと思っています。それが最後には“無言のタイムアウト”につながったのではないかと。

ポーランド戦では、タイムアウト中に迫田が眞鍋監督に何かを質問し、眞鍋監督が即答して作戦を授けているシーンがありましたよね。音声が拾えていなかったのでなにを言っていたのかはわかりませんが、そういうところが垣間見えるだけで、チームとしてのまとまりを感じます。

センター陣は日本の課題ですから、山本の復活はほんと大きいと思います。ブロックがねえ…というところは本人も課題としているようですから、少しずつでも進歩するでしょうね。

ただ、センター3人というのはベンチ入りメンバー構成のセオリーですから、ほんとはあと2人ぐらい競争相手がほしいですよね。荒木がWGPを休んで世界バレーに備えても、その穴をしっかり埋められるぐらいの選手層の厚みがほしいところです。

今日の台湾戦に勝って5勝。東京ラウンドで1勝でもあげれば決勝はほぼ確実です。イタリア戦、楽しみですね♪
by rio (2010-08-15 14:15) 

rio

>あ!?タッカーさん、 1プレーごとに点数が入っていくスポーツは、バレーに限らず、テニス、卓球、バドミントンなどどれも、サーブがとても大切です。

サービスエースがいちばんラクに点数が取れる方法だからですね。また、点がとれなくても、サーブで相手を崩してしまえば、そのあと得点しやすくなります。

ポーランドのバランスカが打っていた強力なジャンプサーブは、以前はすべての国が挑戦していましたが、いまではあまり使われなくなっています。ミスしやすいことと、いまのボールがジャンプサーブよりも無回転のフローターサーブに向いているからです。

木村に肩の痛みが出たかどうかはわかりません。
by rio (2010-08-15 14:19) 

rio

>eigoさん、いまのチームと戦術の弱点は、山口への依存度が高いことと、山口がバックアタックを打てないこと、サーブレシーブができる選手が少ないことの3点ですね。

山口のようなスタイルは、狩野舞子が完全に復活すれば、コピーすることはできると思います。ただ、山口はシーガルズで長年の積み重ねがあってのことですよね。なので、狩野舞子がやるにしても、代表でだけ練習するというのでは厳しいように思います。

石田・有田あたりは難しいでしょうねえ。攻撃の前に、サーブレシーブができないと“ライト”としては使えませんから。木村の対角に、木村並みにサーブで狙われても大丈夫な選手を入れる(育てる)ことが喫緊の課題だと思います。

佐野については、実況が「できるだけリベロの守備範囲を広げようとしている」と言っていましたが、井野のじゃまをしてミスるあの行動は謎ですよね。「守備範囲を広げる」ってそういうことじゃないだろう、と。

リベロの守備範囲を広げるのは、それだけ後衛サイドの選手の攻撃参加を早め、チャンスを増やす意味合いですよね。佐野はそれが理解できていないんだと思います。だから、レシーブ専門で入っている井野の守備範囲まで侵食してしまうんでしょうね。

一方、井野はレシーブ専門、いわばリベロの意識で入っていますから、当然、佐野にまかせるという発想がありません。その結果、井野が余裕でとれるボールの前に佐野が突進してきてミスるという地獄絵図が展開されているわけで…。ほんと、頭のわるいリベロだなあと思います。

佐野は今大会から、ぎこちないながらもオーバーハンドを見せていますが、それもわずか数回。消極的なのがみえみえです。チーム全体の約束事を徹底できない選手が一人いるだけで、その弊害は必ずどこかで出てきてしまいます。日本が本気で上を目指すなら、佐野を切って、井野を正リベロにすえるべきでしょうね。
by rio (2010-08-15 14:34) 

haruka

いつもお返事をくださり、ありがとうございます。

タイペイ戦も、ちょっとハラハラ場面がありましたが、勝利できましたね。
rioさんの分析は、いかに!!

私事ですが、まだ未成年学生ですのでパソコンも家族で共用です^^;
ですから、ツイッターやバボッターの参加などは家族に許可がもらえず(苦笑)見ることだけで楽しませてもらっています。
今日も、少し見ていたら・・・なぜ、あんなに竹下選手がスタメンの苦情?が多いのでしょうか。松浦選手への期待・若い長身セッターへの期待が大きいのはよく分かっていますが。深い意味はないのでしょうが・・・。
でも、タイペイ戦ではもう少し松浦選手のトスアップを見たかったのも正直なトコロです。木村選手がベンチにさがったのも、真鍋監督にしてはと驚きましたが、少し休ませてあげたい&木村選手の替えがいないことも、深刻なんですよね。
でも、ベンチにさがっても「ダメならいつでも、替わります!!」的な顔つきの竹下選手には、ちょっと笑えました。早く若手が育てば、安心で強力な控えになれるのに・・・と、今まで他のセッターが育ってこなかったことが本当に悔やまれますね。
by haruka (2010-08-15 20:00) 

どこどこ

こんばんは!!
去年くらいまではまっっったく女子を見る気が起きず男子専門になってましたが、女子も弊害が少しだけ取れてイライラ半減で見れるようになりルンルンです(´∀`)

ところで素人の素朴な疑問です。
高身長セッターを追いて辛抱強~く育て、そして世界最小最強(リベロ←セッター)っていう展開にはならないんですかねぇ。
なんか佐野ちゃんはあまりにも腕が重いのか肩より上に上がらないようですし。。。実況で「佐野がバックアタックに上げた!!」って褒められても(うん、アンダーでね)と突っ込みを入れてしまいます。。。
by どこどこ (2010-08-15 21:43) 

rio

>harukaさん、台湾戦、私も中継で観ましたがいまいち納得がいかず…地上波が終わってからアップしますね。

台湾戦で松浦をフルで使え!というのはわからなくもないですね。台湾のメンバーはほとんどが20歳前後で、松浦と同世代ですから。ツイッターは思いついたことをすぐにつぶやく感じで、それも一言、二言でどんどん流れていくので、深いところまではよくわかりませんよね。

木村をさげて井野を入れた理由については、

○サーブレシーブをさらに手堅くして松浦を助ける親心
○トスの選択肢を前衛だけにしぼることで松浦の負担を減らす親心
○松浦にセンター線を無理やり使わせるためのシバリ

のどれか(すべて?)だと思って観ていました。

そんな松浦がブロード攻撃のトスをきれいにあげたのに、うっかりミスってしまう荒木キャプテン。どんな場面でも自分のキャラをくずさないところがさすがです(違)。

パソコンを家族で共有し、ルールを決めて使うのはとてもとてもいいことだと思います。そういうふうにつながっていられることが、家族の醍醐味ですよね。
by rio (2010-08-15 22:54) 

rio

>どこどこさん、去年の女子はきつかったですねえ。。。いま思い出してもげんなりします。

私も、このブログでなんども「竹下のリベロ転向」を主張したのですが、いまでは、もはや時間切れだと思っています。いまから竹下を転向させるより、トスがきれいにあげられる井野を鍛えたほうがいいですよね。

佐野が代表の正リベロでありつづけている理由は、ほんと謎です。今大会のリベロ部門では1~2位に水をあけられた3位、佐野のとりえのようにいわれるディグ部門では5位で、木村と大差ありません。

なぜ佐野じゃなければいけないのか。びしっ!と納得のいく答えがあるなら、聞いてみたいものです。
by rio (2010-08-15 23:08) 

赤原

どうもお久しぶりです~
>ライトに万能選手を配置し、センター線と連携して攻撃ポイントを一人で複>数作り出すというスタイル
このスタイル去年から確立されたのですが、
さり気に05柳本政権下でもやろうとしていたのを思い出しました。
05グランプリでライト大友と宝来・杉山の絡みのバレースタイル大好きでした!
割と強かった気もしたしね。あの頃の大友はバックアタックもきれいなフォームでマスターしかけていたし、センス抜群て感じでした。
だから今の全日本のバレー見てて結構楽しいかもです♪
rioさんも去年よりはかなり評価してるみたいですしね!!

ただなーんか山口のサーブが回って来るとあぁだめだ↓↓みたいな。。。
見てて思うのですがゆるゆるすぎませんか?^^;
崩してるところなんて稀だしかなりレシーブしやすそうなふわっとしたボール(笑)
どうせ前衛竹下だしなんか攻めるサーブ・得点力あるサーブにしてほしいなぁなんて思ってたり。

そういえばしばらくバレー観戦から離れていたのですけど、
坂下いなくなってますね。どうしたのでしょう?
あのサーブ結構効果的だったし、なんか去年まで多用されてたのに
急にいなくなって、、あれ??みたいな(笑)
実況も真鍋監督が“打つ専門のプレーヤーは日本にはいらない”的なこと
言ってたし。
by 赤原 (2010-08-15 23:55) 

rio

>赤原さん、お久しぶりです。

去年の眞鍋監督は、まだ柳本体制を引きずってましたよね。山口とセンター線を絡める攻撃にも取り組んでいましたが、肝心なところではサイドでごり押ししていて、確立までにはいたっていなかった印象がありました。その意味では、今年は精度をあげてまさに確立という感じなので、新しいステージに進んだかなと。

柳本さんもライト大友にチャレンジはしたんですよね。構想だけでいうと、近年の監督のなかではピカイチでしたよね。メグカナを対角に、木村をセッターにしてライト大友、センター荒木・杉山、リベロ成田。控えに宝来・大村。実際、大友がライトに転向した05年のときのグラチャンでしたか、地上波で視聴率40%近くとってるんですよね。04年・05年が柳本さんのピークでした。

山口のサーブはおっしゃるとおり、なんとかならんもんですかねえ。ジャンプしている意味が無いあのやまなりサーブ。狙いに届かせることが最優先なんだろうなあと思ってみています。

山口はもう一つ、ブロック力が???です。本職センターというだけあって位置取りは確かですが、今日の台湾戦では腕の間をむりむりっと抜かれていました。ありえない…。

坂下はたしかケガで、前季のVリーグもずっと休んでましたよね。坂下をオポジットで入れるといまのパターンは使えませんから、難しいところですね。

江畑・迫田・石田に坂下が加わったとしても、五輪に向けた最終段階では、このうちのひとりぐらいしか残らないだろうと思います。サーブレシーブができないサイドアタッカーを何人も抱えることは眞鍋構想とは真逆ですし、そのためにレシーバーをいれて補強して…なんてことになるとさらにやっかいです。そもそもそういうチームでは勝てませんよね。

ただ、Vリーグを見渡しても木村並みの身長とサーブレシーブ能力のあるサイド選手はみつかりません。栗原・狩野の復帰が待たれるところです。

いつもの繰り返しになってしまいますが、こればっかりはVリーグの意識改革と全面協力なしにはどうしようもないですね。就任時にもめた眞鍋監督にそんな人望があるのか?という問題になっていきそうで、ため息が出ます。
by rio (2010-08-16 00:30) 

あ!?タッカー

rioさん有り難うございます。
>1プレーごとに点数が入っていくスポーツは、バレーに限らず、テニス、卓球、バドミントンなどどれも、サーブがとても大切です。

それはわかるのですが・・・・・・・・・・
あまりにも” あのボール ”の変化に頼り過ぎというか。
スピードがそんなに速くないバレーボールが正面に(実際は変化してるけど)飛んできても何回も横、後ろにはじくって・・
そんなボールでいいのかな〜と。
(サッカーボールもなる事はなるけど)
何年か前に「” ラリーが続くように ”反発力の弱いボールを使う」
って話があったような気が。(勘違いかも、男子?)
ラリー以前に連続得点が入る。競っている場面でも
”あのボールの無回転”サーブであっさり点差が開いてしまう。
大袈裟に言えば
良い無回転サーブ打てる人が多いチームが
サーブだけで勝つ、あのボールを極めていけば勝てしまう。
”トップ”アスリートにならなくても。

あのボールが変わったら極めても意味がないのだろうけど。
長文乱文失礼しました。

by あ!?タッカー (2010-08-16 12:34) 

rio

>あ!?タッカーさん、ラリーポイント制のスポーツには、サーブだけで試合が決まってしまうというジレンマがつきものですね。

男子バレーが一時期、「つまらない」と言われて人気にかげりが出ました。
強力なジャンプサーブが主流になって、レシーバーは上に上げるのが精一杯。攻撃は単調なオープン攻撃に偏り、サーブ&ブロックで試合が進むことが原因でした。そのうち、これが女子にも広まり、女子にもビッグサーバーが多数登場するようになってたんですね。

いまの新ボールは、↑こういう事態を解決し、できるだけラリーが続くようにという意味もあるそうです。男子と女子で若干、ボールのつくりが違うようですが、おっしゃる通りやわらかくしてレシーブしやすくなっていることや、空気抵抗を受けやすくしてスピードが出にくくなっていることが特徴のようです。無回転のフローターは、この特徴を応用しているわけですね。

いまのボールは、08~09年にかけて、世界中で切り替えられたばかりです。なので、サーブでどういう変化をするのか、選手たちもまだ完璧には把握できていないんだ思うんですね。

把握できていなくてもサーブは打てますが、レシーブは難しい。ということで、サーブとレシーブの技術に、一時的に差が出来ているんだと思います。
そのうちレシーブの技術が追いくと思います。

そしてもう一つ。ボールが切り替わる前も、というよりいつの時代も、無回転のフローターサーブは大きく変化するので非常にレシーブしづらいことで有名でした。かつて中国女子の元エース・孫月の無回転フローターサーブは、“魔球”といわれるぐらいに奇妙な変化をしていたぐらいです。

つまり、良い無回転サーブを極められる選手は、イコール“トップアスリート”なんだと思います。
by rio (2010-08-16 14:29) 

to

rioさん、お久しぶりです。

ゆえあって勤務地が変わり、なかなかコメント出来ませんが、WGPの記事は楽しく見させていただいております。また、このブログでモントルーを日テレG+で放送するのを知り、録画して楽しんでおります(感謝です)。

新ボールについて、ディンプルを施しているという表面から考えると、空気抵抗を受けやすいとは言えないと思いますよ。無回転フローターは、サッカーボールも同じですが、1つのボールを構成するパーツの枚数が減り、より真球に近づいたことが理由だと思います。

あと、中空粒子が含まれた塗料が塗布されていて、表面が汗を吸って滑りにくいことでラリーが続くという特徴があるそうです。えらいハイテクなのに、その特徴は全くといって良いほどTVを見ていても感じませんが...。

ではでは。

おやすみなさい。

by to (2010-08-16 22:57) 

rio

>toさん、お久しぶりです。ご指摘ありがとうございます。

新ボールは空気抵抗が少なくなってるんですね。いい加減なことを書いてしまいました。すみません。

表面が汗を吸ってラリーが…竹下はWGP予選だけで、ドリブルや手がすべってのトスミスを数回やってますが、ハイテクを超越する滑りっぷりなんですね。。。どうした竹下!

by rio (2010-08-16 23:10) 

rio

>toさん、追伸です。トリノ国際も明日から日テレG+でやりますよ。録画をお忘れなく。
by rio (2010-08-16 23:13) 

haruka

新ボ―ル、なかなか厄介なようですよ!
ボ―ルの表面が汗を吸うのはどんな意味があるのか分かりませんが、夏場はその汗を吸い取る量が追いつかず、逆に表面に吸い取れない汗がべったりつき、とても滑りやすくなるらしいと、スポーツ店の方が言っておられました。革が今までとちがい、手にピタッ・キッユッと吸いつくような良い感覚が得られにくいそうですよ。軌道変化も大きいため、慣れるまでは、本当に大変みたいです。
by haruka (2010-08-17 19:08) 

rio

>harukaさん、汗を吸い取る量が追いつかず…そんなおそろしい現実があるんですね。

国際試合では、試合中にボールがたびたび変えられていると思うんですが、それでもあの選手たちの汗をみていると、追いつかないのかもしれませんね。そうだとすると、ハイテクもなんだか、ありがた迷惑ですね。。。
by rio (2010-08-18 07:55) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。