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「日本は中国と互角以上に戦える」 by荒木田さん [バレーボール]

6月のモントルーの日本戦+決勝戦(中国VSアメリカ)を一挙観戦。結果は3-1で中国が優勝しました。荒木田さん(←モントリオール五輪金メダリスト。若い人は知らないでしょうが、私だって荒木田さんの現役時代は知りません)が随所に織り込む“モントルー・トリビア”がかなりツボでした。

カメラが観客席のガモワを捉えると、「ガモワ選手は今回のメンバーに入っていませんが、FIVBのポスター撮りのためにわざわざ来てくれたんです」(ほほ~)とか。キューバの名センターだったトレスが映ると、「最近は五輪メダリストがナショナルチームのコーチになるケースが増えましたね」(ふむふむ)と、アメリカチームのコーチ・ワイショフにまで話を展開。審判の大塚さんが映ったときには、「お会いするのは久々なんです」(しらんがな!)などなど。“おばちゃん力”をフル稼働し、数秒から数十秒以内の短い時間でトリビアを繰り出すんですからすごい技術です。

さらに、誤審はすかさず指摘。審判がアウトの判定→荒木田さん「入ってます」→実況「審判は…アウトの判定ですね」→荒木田さん「今のは入ってますよ」。一歩もひかない(笑)。逆に、審判がアウトボールをワンタッチと誤審した際には「あの打ち方ではワンタッチはとれません(キッパリ)」。その後、審判団をさりげなくフォロー。キャリアが違いますなあ。

そんな荒木田さんの名言が、「いまの日本なら、中国と互角以上に戦えます」。当事者割引を適用したとしても、頼もしいお言葉です。荒木田さんは、モントルーで日本がストレート負けしたアメリカについても、「ちょっとやれば勝てるかなというレベルだった」とばっさり。大会中のアメリカの急成長をたたえつつも、「全日本のベストメンバーなら十分に戦えますよ」。おおー!この目線の高さが金メダリスト!「自分たちのバレーを一生懸命やるだけです♡」なんていうおためごかしは口が裂けても言わない。見習ってほしいですなあ。

そんな荒木田語録に乗っかって、モントルーの中国を観察してみました。日本はほんとに中国に勝てるのか?


モントルーの中国のローテはこんな感じ↓

ギ・シュウゲツ(S)  マ・ユンブン(MB)  ケイ・ジャクキ

チン・レイイ      セツ・メイ(MB)    チョウ・ライ 
----------------------------------------------------------

チンは補助的にしかサーブレシーブに参加せず攻撃専門。ケイとリベロ、オポジットのチョウの3人がサーブレシーブを担当していました。

ブロックはスプレッドのコミットが基本で、センターがサイドのヘルプに間に合わないこともしばしば。たとえサイドが1枚になっても、相手のサイドを止めたり、ワンタッチをとったりできる個人技があるほか、レシーブとの連携がしっかりできているので、そう簡単には崩れません。

攻撃面では、クイックやブロード攻撃、チョウ・ライが絡むダブルブロード、Xプレーや縦の時間差でサイドアウトなどセンター線を軸にした攻撃でサイドアウトをとり、相手の攻撃を拾ってレフトに決めさせるパターンが基本。バックアタックは単発が多く、ライトバックアタックはほとんどありませんでした。

なるほどなー。↑これってWGP予選で、日本がやっているバレーとまったく一緒ですよね。攻撃は言わずもがな。ブロックも“一緒”です。

今年の全日本は、去年まで原理主義的にこだわっていたバンチ・リードブロックシステムを弾力的に運用する方針に転換し、状況に応じて、選手の判断でコミットしたり、相手をマークしたりすることも取り入れています。

つまり、09年に一年かけてバンチ・リードシステムを身につけ、そのうえで、日本の従来の方式に戻したんですね。戻したといっても学習したことが乗っかっていますから、進化したことは言うまでもありません。井上がブラジル・タイーザと1~2位を争うほどににブロックを決めているのは、この方針がうまくいっている証拠でしょう。

「日本の“オリジナル”は、欧米バレー神話からの脱却と原点回帰だ」ってなことを別の記事とかコメント欄とかで書きました。日本が「欧米と同じことをやっていても仕方がない」と悟ったときに、中国がずっと継続してきたアジアバレーを“再発見”するのは自然な流れだと思います。

眞鍋監督は、モントルーで中国が優勝した試合を会場で観ていて、「やっぱりこれやろ!」と改めて気づいた(≠ぱくった)のではないかと。これなら日本にも蓄積があるし、やろうと思えば明日からでもできる。そう考えて、トリノをはさんで2か月で“型”を作り、WGP予選に臨んだのではないかと。そんな妄想をしながら観ておりました。

その結果、日本は欧州勢をことごとく撃破し、第2週が終わった時点で、ブラジル、ポーランドと並ぶ5勝1敗。一方、中国はブラジルとドミニカに負けて4勝2敗。アメリカはドイツとポーランドに負けて4勝2敗。なんだか、モントルーでの荒木田語録が現実味を帯びてきましたねー。

ただ、それでもまだ、日本は本当に中国に勝てるのか?という疑問がぬぐえません。というのも、中国のバレーは“型”とかなんとかいう以前に、強い筋力と正確な技術が最大の武器で、日本にいちばん足りないのはこの2つだからです。

たとえば、中国のサイドアタッカーは、20歳そこそこの若手でも肩も二の腕も背中もマッチョです。そのために腕の振りが速く、相手ブロックの一瞬の遅れや乱れを突くアタックが打てるんですね。さらに、相手レシーバーがコースにきちんと入っていても、逃げのプッシュなんか使わずに真っ向勝負。レシーバーがまともに上げられないほどの威力があり、相手は必死で拾ったとしてもチャンスボールで返すのが精一杯、という場面が多々ありました。

相手チームにすれば、リードブロックで攻撃カ所を特定し、2枚ブロックでストレートをびっちりふさぎ、クロスにはレシーバーが入って、“理論上”は攻撃を食い止められる万全の態勢…なのに、思い通りにならない。これって相当なストレスですよね。

さらに、中国のアタッカーがすごいのは、かぶったトスを打った場合でも、尻もちをつく場面がほとんどなく、すぐに次の動作に移れるんですね。えええっっっ?と思うほどのけぞって打っても着地して立っているという。おそるべき背筋・腰筋とバランス感覚。訓練の賜物ですね。

日本が↑ここまでになるには、絶対に手を抜かず地道に筋トレを続けたとして2~3年はかかるでしょう。「続けたとして」なので、筋トレを軽視する風潮の強い女子バレー界では、永久に中国の身体能力には追いつけないかもしれません。眞鍋監督が「ロンドンでメダル」と言っていることがテレビ用のコメントではなく、女子バレー界の悲願なら、女子バレー界全体でもっと真面目に身体強化を考えるべきですね。

技術に関して、中国のつなぎはやはりすばらしい。センターがトスをきれいにあげる、ラリー中にオーバーハンドでサイドへ上げるなんてのは当たり前。選手たちはまったくちゅうちょすることなく、自然な動作で“つなぎ”をやっています。

いまの全日本女子で、中国レベルでのつなぎができるのは木村、山本、井野の3人だけでしょうね。山口は意外とぎこちないし、そのほかの選手は論外です。確かに、日本のディグは良くなりましたし、つなぎを一生懸命練習しているのもわかりますが、中国はそれ以上にやっている。それで結果を出しているという。その現実についていけない選手は、ばっさり切るぐらいの荒療治も必要だと思います。

ではでは、筋力と技術が中国並みになったと仮定して、それなら日本も五輪のメダル常連国に返り咲けるか?となると、まだ足りないかなーと思うことが2つあります。

一つは、“必殺技”ですね。中国には、セツ・メイのAクイックとマ・ユンブンのブロード攻撃という2つがあります。どちらも、打てばほとんど決まる。相手がどこであろうと決まる。マークされていても決まる。わかっているのに止められない。

日本にはこれがないですよね。山本のブロード攻撃はポーランド戦であっさりつぶされています。レシーブを弾き飛ばせる荒木のBクイックが、必殺技にちょっと近いかなという感じですが、セツ・メイの有無を言わせぬAクイックに比べると、まだまだ「頑張れば上げられるかも」と思わせてしまうスキがあります。

必殺技ってなにも、複雑な攻撃じゃなくていいんですよね。「あの選手にこれやられたらどうしようもねえなあ」と思わせられればいいわけですから。そのためには、個人技と身体能力が重要で、行き着く先は身体強化です。

もう一つ、日本に足りないのは戦略でしょう。戦術を構築するにも、選手起用の方針を決めるにも、その前提となる戦略がなければ、これまでの日本のようにすべてがその場しのぎになってしまいます。

で、中国の戦略は?と、そんなだいそれたことを語るのはプロの方々におまかせしますが、素人目線でこれだけは真似してほしいなあというものがあります。守備ではブロックとレシーブの連携。これだけです。当たり前のことなのに、日本はこれがいまでも不完全ですよね。そもそも、この戦略を確固たるものとして持っていれば、ブロック力のないセッターを起用するという発想には絶対になりません。

さらに、日本の場合は、味方ブロックの動きにレシーバーが振り回されててんてこ舞い、ってなおかしなことがよくありますよね。最近はだいぶマシになってきましたが、それでも中国のような“あ・うんの呼吸”レベルまでにはまだまだです。

攻撃面では、中国は、1試合のなかで5人のアタックの得点にあまり差がつかないように組み立てています。←この戦略、もう何十年も変っていません。アタック決定率とかアタック効果率とか、そういう発想とは違う視点・発想なんでしょうね。

モントルー決勝では、アタック本数がちょっとわからないのですが、アタック得点は合計80点。そのうち、サイドのケイが25点と突出していますが、あとの4人は12~14点の間にぴたっと収まっています(もちろん毎回こんなきれいにいくわけではないですし、オウ・イメイが出ている試合は彼女に頼りがちになっていますが)。

これはたぶん、「センター線でサイドアウトを取る」というサイドアウト制時代の鉄則をいまも守っているためなんじゃないかと推測しています。なので、Vリーグでよくあるような、“エース”アタッカーが全アタック本数の半分以上を打っていて、センター線は一桁台しか打数がない、なんていう極端な差はまずありません。

サイドアウトをセンター線で取れるのは、サーブレシーブが固いことと、セッターが少々ぐらい動かされてもクイックを使える高さがあるからですね。つまり、攻撃面でも、戦略にもとづけば、高さのないセッターを起用するという発想そのものが生まれないわけです。

戦略・戦術・選手起用が一貫していて、強化方針が簡潔明瞭。相手に勝てるレベルになるまで反復する。だから強い。


ここまで徹底している中国に、日本は本当に勝てるのか。最近のアジア選手権では準メンバーの中国に勝って優勝していますが、フルメンバー・本気モードの中国には20年以上、負けっぱなしです。その原因は、日本が場当たり的な強化しかしてこなかったからです(断言)。

だがしかし。ネガティブになっているだけでは面白くありません。とりあえず、目先の対戦予定のWGP決勝に向けて、中国につけ入る隙があるとすればどこか。

一つは、セッターのギ・シュウゲツがほとんどジャンプトスをせず、読みやすいことですね。ラリー中ではボールの下に入れず、アンダーになる場面もたびたびありました。モントルーを会場で観戦されていたarea71さんによると、ギ・シュウゲツは故障で足がぼろぼろなんだそうで…。それはそれで気の毒なんですが、勝負事ですから、“隙”であることは確かです。

もう一つ、中国と言えばネット際の攻防。ブロックで真下に落とされても拾ってしまう鉄壁のブロックフォローがあって、アタッカーはそれを信頼して果敢に攻めるという印象がありましたが、いまのチームはフォローが弱そうです。そのボールが取れないか???という場面が何度もあり、ちょっとびっくりでした。

取れないといえば、ふわ~っとしたフェイントに反応が遅れて届かなかったり、お見合いしたりという場面もあって、中国らしくないなあと。モントルーの段階だったからなのか、それとも弱体化の傾向なのか。

そんなわけで、まったく歯が立たないという相手ではなさそうです。荒木田さんが「互角以上に戦える」と太鼓判を押したわけですし、そんな全日本を観られればこんな痛快なことはなく。期待しております。


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エアリン

興味深い記事をありがとうございます。

中国国際、モントルー、エリツィン杯…と中国を見て、たしかにセツメイのクイックは止められないし、若手のレフト2人が頑張っているという印象はあるものの、『何だかとらえどころのない、強いのかいまいちわからない』というのが私の感想でした。
王が腰を痛めている間に陳の時代到来!?てのがもっぱらの関心事って感じでして…(ダメですね~ワタシ笑)
rioさんの記事のおかげで中国がモントルーで優勝した理由がわかった気がします!!

ですが、今回のWGP決勝は中国はかなり苦戦を強いられるはずです!!
シーズン前半にあれだけ欧米各国を苦しめていたセツメイは怪我でもしたのか調子が悪く、予選ではスタメンじゃないこともしばしば。
陳もモントルーの頃の活躍がなく、WGPでは王の出番が増えてます。
更に不運なことに、攻守の要だった惠が2次ラウンド初戦のオランダ戦で負傷!!
中国ボロボロです。。。
ブラジル戦はレシーブが返らず、王のパワーに頼るしかないって感じの試合でした。
その王も丸見えの腰のサポーターが痛々しくてすごく心配です。。。
by エアリン (2010-08-18 13:00) 

eigo

男子バレーも盛り上がっている中、スポーツナビでビーチバレーに関する、大山みき選手のコラムを読みました。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/volley/text/201008180003-spnavi.html
↑の記事なんですが、大山選手はなんでもできるが故に、「控えに置きたい選手」になってしまっていたそうです。これはビーチにとっては大きいでしょうね。そういう選手がビーチには必要ですし。
ですが、

絵里香さんが、普通の会話の中で「一緒にロンドン(五輪)行こうよ」と言ってくれて、それが私はすごくうれしくて、じゃあ頑張ってみようかなと思ったんです。でも(全日本は)大型セッターを育てるといいながら、結局そうはならなくて、「なんだ、そうなんだ」と。今年のリーグも、周りの皆がうまくなったねと言ってくれるぐらい、よかったと思う。それでも(全日本に)選んでもらえなかったから、もういいや、と。自分のやりたいことをやろうと思いました。

この部分。日本のバレー界を表していると思いませんか?

大型セッターが何年も問題とされてきて、代表の現場は話題性だけで全く手をつけてこなかった。
大型化するといわれて、がんばってきた大山選手は最後まで呼ばれず。
たしかにスタメンでないこともありましたが、今シーズンはスタメンを任せられるまでに成長しました。

大型化するんじゃないの?これだけできるようになったのに呼ばれないの?

彼女は全日本に興味がなかったと語っていますが、決してそうではなかったと思います。今年呼ばれたら行くと言ってますし。

そしてそのほかセッターが考えていることだとも受け取れます。
代表セッター=竹下さん
控えはセッター経験の少ない選手か、話題のある選手。
私は竹下選手がいる限りスタメンセッターは無理なんだ。スタメンは決まっているのに呼ばれても行く必要はない。控えになるために代表になるんじゃない。

どんなスポーツでもそうですが、使ってくれなければモチベーションは上がらない。竹下選手しか使わなかった北京までの全日本。
いつまでもきれいにまとまっているセッターを使っていては進歩はないのです。リスクを冒さないと発展は絶対にありえない。

竹下選手は悪くありません。自分でも体のことはわかっているはずだし、シドニーの過去を乗り越えてバレーをしている彼女はすごい人だと思います。
 でも勝てない。オリンピックで通用しない。

選手がわかっていて、荒木選手は大きなセッターでも試合を組み立てられる大山選手が将来的に、必要だからそういう言葉をかけたんだと思います。スポーツをしている彼女たちが何が必要なのか一番わかっているのかもしれません。今のままではいけないこと。

かつて加奈選手と試合をしたいと語っていた未希選手。その願いは今シーズン叶ったはずです。しかしそれは長くは続きませんでした。完全に気持ちも吹っ切れたはずです。

大型セッターがしっかりと活躍できる環境を真鍋さんにはつくっていただきたい。
竹下選手は外さないなんて前の監督と同じようなことをいうのはやめてほしい。
一番怖いのは竹下選手が引退した後。あれだけ正確な早いトスを出せるセッターはいませんね。
by eigo (2010-08-18 18:08) 

haruka

rioさんの記事は、周りでも評判です♪♪
いつもありがとうございます。

荒木田さんなどのスタッフの生の声、今までほとんど聞いたことがないので非常に興味がわき、面白いです!いつも全日本チームに帯同され、やや?渋い表情で国際試合を見守っておられる姿しか知りませんでしたから。荒木田さんの言葉に、ますますWGPの決勝が楽しみとなりましたね。
中国は国際経済大国としても、すっかり日本を上回っています。
ここで、元気で強い日本パワーが見られると嬉しいのですが。

話変わりますが、部でトリノやモントルー大会の映像を見る機会に恵まれました。結構、松浦選手が起用されていたのですね。大会の位置付け(重要視度)にもよるのでしょうが、WGPだけを思うと「なぜもっと松浦選手を出されないんだろう?」と思っていましたが、監督たちはモントルーやブラジル遠征を踏まえた上で、色々思うトコロや考えがおありなのかな~と思うようになりました。
(でも、CS放送を見る機会のないファンにとっては、WGPが今年初めての国際大会。松浦セッターを見てみたい気持ちも、分かります)
そして、大山未希選手ビ―チ転向のインタビューも、ありましたね。
未希選手には全日本に招集してみてほしいと願っていました。
でも、大型セッターを育成すると言いながらそうならなかった現実に「なんだ、そうなんだ」と言うような発言をされていましたね・・・^^;  Vチームよりは厳しいであろう全日本での練習・環境・試合を実際に乗り越えた選手の言葉ならまだしも、ちょっとがっかりな言葉でした(笑)今までエリートできたから、選出されないこと自体にも不満があったのかな。

世界バレ―HP・男子チームの練習風景映像を見ていると、男子はいいなぁ~と単純に思ってしまいます。女子は、細かい部分が何だか本当に難しいです・・・なり手のいなかった女バレ部のマネージャーを頼まれ、毎日頑張って務めさせてもらっていますが、なぜ女子はこんなに精神面がプレーに影響されやすいのか悩んでます(苦笑)^^; もしかしたら・・・セッターがなかなか替えられないのも、こういった目に見えにくいメンタル部分が弱い理由でもあるのかな?!昔は、リーグ優勝強豪チームがそのまま全日本チーム、みたいな形でほぼ固められていたと聞いたことがあります。とはいえ、全日本チ-ムは日本の代表であり、トップ選手たちだからそんなことは理由ではないですよね・・・
話がそれて、すみませんでした。
by haruka (2010-08-18 18:22) 

rio

>エアリンさん、チンは19歳?20歳?ぐらいですよね。江畑や松浦と同級生ぐらい。陳もまだ太めですが、それでも日本の同級生たちと比べると身体ができつつありますよね。

モントルー決勝でのチンは、トスとのタイミングがあまりあっていなかったのですが、それをギ・シュウゲツが試合のなかで修正したんですよね。トスを調整しながら何度もチンにあげ、第4セットにはすこんすこん決まるようになっていました。竹下にはない能力だなあと思いながら観ていました。

セツ・メイのあの足のテーピングは痛々しいですよね。毎年まいているように思いますが、まだ20代前半なのにぼろぼろなんでしょうか。オウ・イメイはたしか、ひざも故障してますよね。ひざをかばっていて腰にきたのかな。あの体重では…という気もしますが。

ケイも負傷したとなると、WGP決勝は中国開催なだけにつらいですね。惨敗すれば世界バレーまでの間に更迭される可能性もあるでしょうから、監督・スタッフたちも必死だと思います。

中国としては郎平さんの復帰を繰り返し要請している、とも聞いたことがあります。郎平さんはたしかいま、中国内の実業団か軍か大学かどこかの監督なんだそうで。ナショナルチームは生活を犠牲にしなければ務まらないので、戻るつもりはないのだとか。

FIVBの現会長は中国の方ですし、バレー人気はもちろん、経済成長・国威発揚の面からみても、中国はますますバレー強化に力を入れていくと思います。日本としては、まだ背中が見えている間に、後ろにぴったりつくぐらいのところまでぐらいは行ってほしいと思います。
by rio (2010-08-18 21:02) 

rio

>eigoさん、コラム情報をありがとうございます。読んで、うなってしまいました。

竹下以外に、横山、松浦、冨永、大学生の佐藤、中学生だった宮下も召集しておいて、Vリーグの大型セッターでもっとも実績を残していた大山未希を呼ばなかった理由は何なのか。

呼んでて使ってみて判断するならまだしも、呼びもしないというのが、それ相応の事情か問題かなんだかわかりませんが、どうしても何が裏があったんじゃないかと思ってしまいますよね。

大山が召集されて代表で結果を出せば、「ロンドンは大山」という選択肢ができていたはず。それを妨げたかった“勢力”(個人ではなく)があったんじゃないかという下司の勘繰りをしてしまいます。

今年呼ばれなかったということは、竹下が規定路線ということ。来年呼ばれて試合に出られる可能性は限りなくゼロに近いわけで、自分の頭でものをかんがえられる人間なら、そんな組織にはさっさと見切りをつけて当然だと思います。

自我をしっかり持ち、自分で物事を判断して人生を組み立てていける選手ほど、日本女子バレー界では不当な扱いを受けたり、干されたり、敬遠されたりする傾向が強いですよね。

大山未希の流出は、かつてのヨーコ・ゼッターランドの流出に匹敵するぐらいの損失だと思います。いまとなっては歴史的ifでしかないですが、ヨーコ・ゼッターランドが大学生で全日本入りして中田のあとを継いでいれば、全日本女子はここまで低迷することはなかったでしょうし、竹下が正セッターになることも、ここまで長く使われることもなかったでしょうね。

大山未希は、このブログでも何度か、全日本代表に!と書いたことがありますが、もっともっと書けばよかったなあ。

眞鍋監督はいまや、竹下を「固定メンバー」と言ってしまっています。世界バレーの結果にクビがかかっているために、竹下以外のセッターで冒険するわけにはいかないってことなんでしょうね。

北京とちがってロンドンの出場権をとるのは、かなり大変だと思います。竹下が2回目の“戦犯”にされるようなことがなければいいのですが。
by rio (2010-08-18 21:30) 

rio

>harukaさん、荒木田さんはいつも渋い表情、渋い声ですね(笑)

WGP決勝に出てくるチームは各国とも世界バレーの決勝進出を想定してチームを作っているはずなので、この時点でしっかり叩いておきたいところですね。

とはいえ、WGP決勝ですべてを出しつくし、燃えつきては意味がありません。WGP用の戦い方をして、しかも勝つ。世界バレーでは、WGPから発展した戦い方を展開する。いまの日本にはとても難しいことですが、チャレンジしてほしいと思います。

大山未希が全日本にがっかりしてしまったという気持ちはよくわかる気がします。未希は、アタッカーの道を続けていても、ポーランドのバランスカのような選手になっていたと思います。しかし、その道には大山加奈という偉大な姉がいて、オールラウンダーの未希は常に2番手扱い。

ということで、セッターに転向すれば、能力も活かせ、姉とのコンビも実現し、一緒に代表にという夢も可能性が出てくる、と思ったんでしょうね。

転向したばかりの未希のトスはくにゃくにゃで見られたものじゃなかったのですが、年を追うごとに見違えるほどよくなって、前季リーグでついに形ができてきた、というところでした。ここから戦略・戦術を深め、駆け引きを身につけ…ということを期待していただけに、残念です。

「全日本に選ばれないならやめる」と受け止められる発言内容になってしまっているところには、いろいろと議論の余地があるとは思います。しかし、Vリーグで3連覇を果たし、木村・荒木に続いて、濱口・迫田も東レから呼ばれるなか、竹下と同じ159センチの中道や大型セッターの未希には声がかからないというのでは、そこから何を目指せばいいのか迷いますよね。

前季リーグでは、未希はリーグ序盤~中盤をスタメンでトスをあげています。後半も、中道が前衛のときの3ローテをリリーフセッターとして務め、たびたびブロックも決めています。

それでも東レからセッターが呼ばれないということは、全日本スタッフの判断が、「東レの3連覇はアタッカーの力」だと考えてるからなんだろうなと思っています。

08~09年にはリーグ入れ替え戦に出るほど衰退していたJTが、09~10年には山本とキム・ヨンギョンの加入で劇的によみがえりました。しかし、手柄は“竹下”なんですね。竹下が2人を使いこなしたということになっています。その逆が東レで、木村・荒木がいて、迫田が成長して、バルボッサもいたから、中道・大山のセッター“でも”3連覇できたんだという。

そーんな感じで、女子バレーってなんだかなあと思ってしまいます。男子バレーでは、大学生の内定選手で活躍した堺ブレイザーズの今村が、さっそく代表入りして活躍しています。男子はこれからますます強くなるでしょうね。

なぜ女子選手はメンタルがぶれやすいのか。これ、あんまりはっきり書くと女子選手に猛反発を食らいそうで怖いんですが(笑)、理由は簡単です。

女子選手たちも周りの人たちも家族も大人も社会も、要するにほとんどの人が、「女子選手はメンタルがぶれやすくて扱いが難しい」と固く固く信じている。信じているから、余計な気をつかいすぎてしまう。ただそれだけのことですね。

ほんとはまっっっっったくそんなことなくて、へなちょこな男子と比べて、女子のほうが数百倍ずぶといと思います。シンクロで日本に何度もメダルをとらせた名コーチ・井村さんは、「女子はすぐにさぼる。すぐにできないという。男のコーチはそれでだまされるが、女同士では通用しない」と言ってました。

女子は「通用しない」と観念したら、あっさりと開き直って強くなりますよね。一度開き直った女子は、何があっても開き直りっぱなし。どんどん強くなります。なので、「細かい部分が難しい」女子はまだまだ余裕がありまくりなんだと思いますよ。
by rio (2010-08-18 22:45) 

haruka

rioさん、いつもありがとうございます!

なるほど~(笑) 確かに、なぜか余計なことで女子は気を遣い、引きずっているところがあります。それが普段の生活にも、部活にも出ていて・・・。口(言葉)に出して先に言ったもの勝ち、みたいなトコロがありますからね^^;
図太さを、うまい(良い)方向に持に持っていけれたらなぁ。

女子の集まりは間違った空気が出来上がると、その意識を修正していくのが大変です。だから、“正しい”睨みをきかせれるコワ~イ先輩か、厳しい同性のコ―チがいてくれると、やはり違うのでしょうね。rioさんのおっしゃる通り、女子の開き直った強さはハンパないですから(笑)
私も悩んでましたが、ちょっと視点を変えてもう少し客観的に我チームを見てみようと思います。何か出来ることがあるかもしれませんから。早速、今日から^^  ありがとうございます!

全日本男子は、ロンドンに向けワクワクする期待が感じられますね。
女子も頑張ってほしいなぁ・・・。 色んな意見があるでしょうが、私の思いは、結局頼ってしまっている竹下選手がシドニーに続く戦犯扱いにされないかと心配です。歳のことを言うのは失礼かもしれませんが、ここまで頑張ってくれていて、最後は戦犯扱いで代表を終えることだけはないようにと・・・心から祈ってます。でも、こんな心配を今からしていることが、全日本女子の未来は本当に心配なんですよね^^;
by haruka (2010-08-19 06:42) 

ミウミウ

rioさん、こんにちわ!すごく久しぶりにおじゃまします。

Vリーグを通して、未希が成長していくのを見て応援していただけに、全日本に招集されなかったこと、本当に残念でした。その結果として、真鍋全日本の方針も見えてしまい、私はロンドン切符をサッサと諦めましたとさ~!(早)

ロンドン行きを逃さないと、改革の風通しは悪いままなのかしら…
ウッウ…(涙)

ガンバレ男子!!!



by ミウミウ (2010-08-19 11:53) 

Taa

rioさん、お久しぶりです。こんにちは。。

個人的にはバレーを積極的に観始めた頃解説者として全盛だった(?)のが荒木田さんや生沼さんだったので、今でもテレビを見ていて解説が荒木田さんだったらなぁ・・なんて思うことがよくあります(笑)。

中国と互角の戦いが出来るかどうかは、どうでしょうね・・・。最近の中国は意外にモロさがあるような印象なので終始日本ペースで進められたら勝機もあるのかな?って感じかな。とは言っても序盤日本のペースで良い形を作っていても、あっという間に高さとパワーと巧さでねじ伏せられそうな気がしないでもないですが。。

最近木村選手がしっかり打つようになってきて嬉しいです。以前は打数の半分以上がフェイントや軟打(よく言えば巧打)の印象の試合もあり、相手の守備にプレッシャーが与えられてなかったような気がしていましたが、強打する本数が増えることで彼女の巧さもより活きてくるんじゃないかと思います。

ただ日本の選手全体にいえるパワー不足は木村選手にもそのまま当てはまることで、彼女がもっとアスリートととして自覚を持って下半身・上半身の強化に取り組めば、スパイクやブロックはもちろん、守備面でも好影響を及ぼすと思います。日本の中では上背があるのに巧いという貴重な選手、見る側の要求も高くなりますが、本気でがんばってほしいですね。『全部Aキャッチになる薬が欲しい』と言う木村選手には、体力アップのトレーニングをすることが一番の薬だと思ってほしい。

大山末希選手のインタビュー見ました。いろいろストレートに答えていて、それはそれでいいのですが、やはり気になる部分もありますね。例えば『今までは何でも自分で考えて、それで結構できてしまっていたので、あまりコーチに教わるということがなかった。』自分で考えて取り組むというのは素晴らしいと思います。ただ、『人にこんなに教えてもらってプレーするのは初めての経験です。注意されたりアドバイスされたり…』もし今まで本当にこれをしていなかった、あるいはそういう助言なりを聞き入れようとしなかったというのなら、彼女が全日本に選ばれなかった最大の理由はここにあったのかなと思いました。また、もし東レが彼女を必死に引き止めようとしなかったと仮定したなら、それもそこが最大の理由だったんじゃないでしょうか…(あくまで憶測です)。

今日から東京大会。個人的には庄司選手をセンターじゃなくライトで起用してほしかったし、坂下選手や冨永選手もみたかったですが、メンバーのエントリーは同じみたいですね。

長々とスミマセン。。
by Taa (2010-08-20 16:02) 

rio

>harukaさん、女子の集まりでの間違った空気…怖いですねえ。。。笑い仮面がうようよしてそうです。

眞鍋監督としても、竹下で負ければ言い訳がたつ、という計算があるのかも…と疑ってしまいます。監督が選んだ別のセッターで負ければ、監督が戦犯扱いされるでしょうから。

そもそも、日本のマスコミの手のひら返しはハンパないですよね。バレーに限らず、ほかのスポーツでも、期待している選手・チームが負ければ、監督や選手の人格まで傷つけるような報道が噴出してきます。

そういう“槍玉”が見つからないときは、「体格の差」「身体能力の差」で片づけるという。日本はいろいろな面で、まだまだスポーツ後進国だなあと思います。
by rio (2010-08-21 16:50) 

rio

>ミウミウさん、今季の全日本から判断すると、ロンドンの正セッターは竹下、控えにはピンサ・ワンブロ扱いの松浦で決まりでしょうね。

で、中国が弱体化していてタイが強化されているので、W杯からこぼれてきた中国と日本、タイ、韓国で世界最終・アジア選手権を戦うことになり。

ぎりぎりで切符が取れたとしても、五輪ではいつものごとく予選をぎりぎり通過して準々決勝であっさりと負け、3大会連続の「5位入賞」で終わるという。

そんな全日本女子を誰が望んでいるんでしょうか。謎です。
by rio (2010-08-21 16:55) 

rio

>Taaさん、選手のプレーに「いまのは○○さん、いけませんよ」とつっこむ荒木田節は健在でした。

実況の問いかけにも「はい、はい」と必ず2回、食い気味で返事するところも昔のまま。

そして、もったいないミスの場面では叫ぶ(笑)。なかなかのおばちゃん力です。一度披露したトリビアを、違う実況相手にまたやってしまうあたりもおばちゃんだなーと(笑)

WGPの中国チームですが、通りがかりの中国人いわく、主要メンバーがほぼ全員故障してしまっている上に、若手まで今大会でケガをして、WGP決勝の結果については諦めムードだそうです。だとしたら、手負いの中国相手に、日本としてはあっさり勝っておきたいところですよね。

木村は今季、意識的に強打で押しているように感じます。特に第1セットは、ほとんど軟打を使わないですよね。その分、試合後半に集中してフェイントを使う場面が目立ちます。これがけっこう効いてますね。

私は正直なところいまでも、眞鍋監督のいう「Aパスを目指す」方針に疑問を感じています。

WGPのここまでのサーブレシーブ返球率(A・Bの合計)は日本が1位ですが、それでも47%ぐらいです。つまり、ほとんどの試合で、半分以上はCパスなんですよね。さらに、ラリー中のパスは大半がCパスなわけで。

日本がAパスからの得点率が世界3位だったとかどうこういっても、サーブレシーブからの攻撃だけでは勝てません。なので、Cパスからの得点率にこだわる世界の潮流は理にかなっていると思うのですが、眞鍋体制下ではそうではないらしい。

ということで、どういう具合に展開していくのかを、見守っている状況です。ラリー中にセッターにきちんと返っても、竹下がドミニカ戦のようなトスワークをしていては絶対に勝てないですし。とは言え、竹下でCパスの得点率を上げるのは不可能。結局、「Aパスにこだわる」ってのは「竹下にこだわる」ってこと?とか思いつつ…まあ、なんとか好意的にみようと努力しています。

未希について、「全日本に選ばれなかったから辞めた」と受け取れる発言、「自分でなんでもできた」という自己評価、この辺りへの風当たりはなかなか強いものがありますね。

日本社会では、「辞める」ということについて、理由はどうあれネガティブな印象になってしまいますよね。理由が怪我や病気の場合にのみ「仕方ない」とされ、それ以外のケースでは裏切り者扱いか、落伍者扱いか、変人扱いです。

辞めた人が新天地で活躍して実績を残せばある程度は認められますが、そうならなかった場合、「ナイストライ」という評価を得られることはまずありません。たいていの場合、「それみたことか」と言われてしまいます。

こういう社会的背景のなかで、未希のビーチ転向をどう評価するか、とても難しいなあと感じます。

未希の転向には、本人がコメントしたような理由の部分のほかに、日本女子バレー界の構造的な問題があるはずですが、それがすべて未希個人の責任に矮小化されてしまうという。で、結局、組織の構造改革は実行されないまま、同じことが繰り返されることになります。

人間だれしも、ネガティブな現象を“自分の責任”として捉えたくないですもんね。それよりも、現象の当事者を「あいつはそういうヤツ」と切り捨てるほうがラクだから。

インドアに見切りをつけた選手がビーチへ転向する、という流れを、インドアのためにもビーチのためにも断ち切る知恵を働かせてほしいと思っています。
by rio (2010-08-21 17:30) 

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