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W杯2011 メダルとれるかな? [バレーボール]

 長らくお休みをしている間に気づいたら11月。ワールドカップの季節となりましたね。外はまだまだ陽気が続いていて実感が薄いのですが、川合があちこちのバラエティに無駄にゲスト出演しているのでやっぱりワールドカップの季節なんだなあと。そんなわけでブログをこっそり再開いたします。お時間がございましたら一緒に遊んでくださいまし。(とか書きつつ、初戦はいきなり、用事があってリアルタイムでは見られないのですが)

 さてさて。日程表をながめてみますと、敵役ロシアがいないではありませんか。欧州選手権でセルビアが優勝?ドイツが準優勝?FIVBランキングでイタリアが推薦枠?なるほど…これまでの真っ黒な感じとは違ってやっと明確に選考されたようなのでこれはこれでよしとしましょう。

 ロシアがこのまま弱ってロンドン五輪にも出られなければ世界中のチームがほっとするのに…と思う一方、女子バレーはやっぱり敵役ロシア(と中国)がそろわないと盛り上がらないだろ~という思いもあったり(←冷戦世代の思考パターン)。秋の男心は複雑です(謎)。

 それはさておき。W杯は長丁場の総当りなので、あの時代やその前の時代のような特攻精神だけではどうにもなりませんよね。今回こそは賢く戦ってほしいなと思ってます。現実的に、日本を含めどのチームも全勝できるほど突出した力がありません。きっと星のつぶしあいになるはず。

 なので、格下相手にはベストメンバーを組まず、手の内を明かさずに勝つ。そこで温存した体力および戦略をイタリア、ブラジル、中国、アメリカ、セルビアの5試合に投入する。なんてことが必要になる気がします。これって文字で書くと当たり前に見えてしまいますが、日本がW杯でこういう組み立てをやったことはほとんどないと思います。常に全力。玉砕。エイエイエオー!でしたから。

 大会を通じた組み立てという目で見ると、日本が初戦でイタリアを指名したのは賭けですねー。ここのところ分がいいので、勝てば波に乗れるという判断なんでしょう。ちょっとやっかいな相手を時差ぼけが直る前に叩く。実はこれ、W杯が日本開催で固定されて以来、脈々と受け継がれている全日本の伝統です。かつてはキューバやブラジルをこのせこい…いや賢い方法で叩いていました。もう30年近く前の話です。

 まあ、実力差がはっきりしている韓国を選んでもいまいち盛り上がらないでしょうし、ケニアやアルジェリアを選ぶとフジテレビが納得しないでしょうから、やっぱりイタリアがベターなのかな。

 で、難しいのは第3戦目が中国になってしまったことだと思うんですね。W杯が五輪予選を兼ねていることと各大陸予選のアジア選手権と世界最終予選が合体していることによっていろいろなことがぐちゃぐちゃになり、結果的に「日本にとっては中国がW杯で切符を取ってくれたほうが五輪出場には有利」ってなことになってしまってるわけです。

 日本が弱体化して中国と圧倒的な実力差がついてしまった時代、日本を救済する(=五輪に出す)ためにぐちゃぐちゃしてしまったので、その前提が崩れると、ぐちゃぐちゃがさらにぐちゃぐちゃになって日本のシドニー五輪落選→竹下バッシング、ってなことになるわけです。

 とりあえず、現状のぐちゃぐちゃでは、日本にとっては中国戦が最終試合になることが理想です。日本と中国の星勘定を見比べて、中国が3位までに入りそうで日本にその可能性がなければ日本は若手主体チームにして勝ち星を譲る、それ以外のケースでは普通に戦う、という見極めができますから。

 しかし3戦目ではそれは無理。今回の大会では日本にもわずかながらメダルの可能性がありますから、中国とも全力で星のつぶしあいをするしかありません。たぶん、3-0/0-3ということにはならず、そこそこもつれるでしょう(←というか、もつれるぐらいじゃないとやばい)。そうすると、勝つにしても負けるにしても得失点やセット率でお互い手傷を負ってしまいます。その結果、共倒れ=どっちも3位に入れないってなことになると、アジア選手権兼世界最終予選で再戦しなければならずシドニー落選の悪夢の再来がかなり現実的なものになってきます。

 そんなうざったいことをうだうだ言わずに中国に勝ち続ければいいんだろ!ってのは正論ですが、もしかしたらブラジルやアメリカにもう一度勝つより、中国に重要な大会で勝つことのほうが難しいかもしれません。眞鍋監督はまだ中国に対する必勝法を見出していないように感じますし…どきどきです。

 ぐちゃぐちゃを早く解消し、アジア選手権と世界最終予選を元通りにそれぞれ独立させるか、あるいは世界最終予選をなくしてしまってほしいものです。

 再開直後からいきなり盛り下がる話をだらだらと書いてしまいました。いけません。ちょっと盛り上がる…かどうかはわかりませんが、夏のWGPの感想を。

 大会成績としては散々な負けっぷりだった日本ですが、世界バレー2010がまぐれではなかったことや、そこから進化している点もあることが垣間見えてちょっと安心しました。

 私が一番注目していたのはブラジル戦とアメリカ戦。2010年に両チームとも、打っても打っても立ち上がって無表情で迫ってくるゾンビ日本の試合運びに心を折られていますが、それをそのまま年越しさせるようなダサいチームではないはず。

 そう思って観ていたのですが、ブラジルは意外とそのまんまでしたね。ギマラエス監督はもしかしたら、いまのスタイルを“完成”と考えていて、あとは五輪まで磨きに磨いて精度を高めるという方向性を定めているのかもしれません。

 ブラジルがスタイルを変えていないので、日本は、相手センターのBクイックを徹底マークしてつぶす(ブラジルはBクイックが効かないとセンターがブロードに走り出す)→サイドマークにシフトする→ストレートを閉め、クロスは拾う、という“勝ちパターン”を繰り出していました。でも、こてんぱんの負け。

 理由ははっきりしてます。世界バレー2010のときより精度が低かったから。竹下のトスが不安定、レシーブ陣がスパイクのコースに完全に入って手もしっかり出ているのに弾く、全員のラリー中のパスが不安定、セットの要所でサーブをミスるなどなど。一言で言えば雑。中途半端。いい加減。って三言も言ってしまいましたが、それでは勝てません。

 “勝ちパターン”の要であるブロックが徹底できていなかった=中途半端だったことも気になりました。ブラジルがセッターの前でのクイックをあきらめてブロードに走り出しているのに、日本の両センターがまごまごする場面がたびたび。サイドにヘルプに行くのか、センターバックアタックにコミットするのか(←1枚でそんなことしてもレシーブのじゃまになるだけだと思いますが)方針がはっきりせず、ブロードが超遅い&不器用なタイーザにまで決められてしまっては、完全にブラジルペースです。

 想像するに、↑このミスは選手よりも眞鍋監督の責任でしょうね。世界バレー2010のときのような手厚いスタッフ陣がいれば豊富なデータをもとに戦えるけれど、そうでないアウェーでは従来の優柔不断っぷりが出てしまうのかもしれません。そういう点では、W杯はガチガチのホームなので、もうちょっとマシな戦い方を見せてくれそうな気がしています。

 選手の中では、山口が本気でオールラウンダーを目指しだしたようでなによりです。本職センターなのにブロックがヘタ(←位置取りの判断が遅いと思います)なのが以前から不思議なのですが、サイドからの攻撃はやっと見られるレベルになってきて、代表のスタートラインに立ったかなと。

 ただ、やっぱり同じポジションだと狩野が上ですね。なんでいつも自信なさそうな表情でプレーしてるのか謎ですが、攻撃も守備もセンス抜群。特にブロック/レシーブのときのスパイクコースの読みと位置取りの確かさはすごいと思います。本来ならスタメン狩野でいけるところまで行って、リズムを変えたい場面の2枚替えで山口が出てくるのが理想でしょう。WGPから3カ月でどこまで進化したか、楽しみです。

 ちなみに、アメリカ戦も見たんですが、なんつーかイマイチな試合で最後まで見るのがけっこう大変でした。アキンラデオはまだまだすごくなる気がします。

(追伸)
いろいろなことがいろいろ重なりどういうわけか大会中に一度、代々木に観戦に行くことになりました。チケットを取った後にジャニのコンサート禁止が発表され、大変うれしゅうございます。パンパン棒に若干の不安を感じていますが、それよりも、あまりにあまりなプレーが出た場合に野次ってしまわないか心配です(違)


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まりふぁな

おぉ、公約通りW杯に照準をあわせての復活ですな♪
とりま心身ともにお元気そうでなによりっす(・∀・)

ってもう今日からW杯始まるんすね~(汗
うっこり忘れて見逃すトコでしたが、rioさんの律儀さに敬意を表して
きっちしTV観戦+応援する所存であります。
…今日は録画してへんので見れねー可能性が特大ですがorz

ま、現時点では全日本の成績よか「ジャニ禁」が会場・TV番組的に
どんな影響を与えるのか?って方に興味逝ってますがねw

by まりふぁな (2011-11-04 10:23) 

Y子

rioさん、お帰りなさい。
っていうのも変ですが、待ってましたよ。

始まりますねえ。 いよいよです。
植田監督の「3位以内に入ります。」は軽ーく受け流して、女子はひょっとすると本当にそれが可能かもしれないと期待しています。

WGPやアジア選手権はW杯への調整時期だからと思ってみていましたが、竹下のトスは伸びない事も少なくなかったし、木村のキレはどんどん落ちて飛べなくなっているし、佐野のレシーブが悪くても監督は座安との交代をしないし・・・・と???が多いものでした。

また、今回栗原が外れたこと、狩野の調子があがってきていなかったこと、山本の代替えの完成度はどのくらいか等々、心配事はいろいろありはしますが、W杯は別格なのでこれまでの悪いイメージを払拭した試合を見せてほしいですね。

世界バレーの時のような集中力を保った試合ができれば、見てて面白い展開になるだろうと楽しみにしています。

日本の試合は、地上波では全て録画放送で延長も考えているようですが、CS放送の深夜には再放送をするようですよ。
地上波でカットされてもこちらではそんなことはないだろうと思っています。

バレー漬けの1カ月、おおいに楽しみましょう。


by Y子 (2011-11-04 13:14) 

KGBH_007

こんばんわー。ブログ再開嬉しい限りです。

WGPを見る限り、ライト側の攻撃強度をどう高めるかがキーになりそうです。バックライトの打てる狩野か、エバリオの走路をライトに集めるか、注目です。
by KGBH_007 (2011-11-04 23:59) 

o-kun

ほんとにこっそり復活されたのですね。何の気なしに寄って更新されていたのでびっくりでした。
昨晩のイタリア戦を観ました。
実況、解説は放っておいて。。。(相変わらずで進歩を感じなかった)
昨晩の負けは、Twさんが昨年の世界選手権で3位を取れた理由を含めた総括を月バレに解説されていたことをしっかり確認できたとともに、そこをイタリアもしっかり理解していたんだ、ということがよくわかりました。つまりは、世界選手権では木村がチャンスボールの2段をきちんと得点していたということ。そして昨晩はそこが全くできていなかったこと。非常に分かりやすい構図だったと思います。最近バレーボール観ていないし、細かいことはわかりませんが、木村(あるいは以前の栗原)がチャンスボールを決めきれないのは以前からあったことで、そこが世界選手権でうまくいきだした、というのはきっと木村以外の各選手のプレーのレベルが上がったからだろう、と思っていました。そこはきっとそうなんだろうと思うのです(思いたいです)。ただ海外の競合がやられてそのままであるはずがなく、今回のWCでもし思った成績をあげられなかったとしても、どこかでなんとか五輪出場権だけは勝ちとり、今からの一年で各プレーのレベルを再び上げて、五輪でのメダル獲得を目指してほしく思います。(甘い見立てでしょうかね)
ただ、、、
相変わらずの佐野の変なアンダーのトスは理解不能です。あれは決して「セット」ではないですね。いつまであれを良しとするのか、いつになったらリベロの位置づけをもっと高くしてくれるのか、そこだけは気がかりでした。竹下は相変わらずでやっぱり上手いのは上手いように思いました。以前ほど「いってまえセット」はないように思うし。それでもネックの一つには違いないのでしょうがね…
by o-kun (2011-11-05 17:01) 

rio

>まりふぁなさん、ジャニ臭さが感じられない“新生”バレーボール中継な感じです。

そこにまさかのゲストが!伝説の東洋の美魔女…じゃなくてただの魔女河西さんといつの間にかすっかり丸くなった丸山さん。

そんな魔法使い河西さんがはっきり言ってくれました。「イタリアはそんなに強くなかった」。拍手、でございます。

このまま調子にのって男子バレーの地縛霊になりつつある松平翁が出てこられると困るのですが、とりあえず、ジャニではなくバレーをわかっている人にコメントを求める姿勢は評価したいと思います。
by rio (2011-11-05 18:36) 

rio

>Y子さん、ただいま参上つかまつりました。

突然ですが、全日本女子って重要な大会の直前にセンターがケガすることが多くないですか?鈴木洋子とか森山淳子とか。荒木も世界バレー2010の前にケガしましたし。なんか歯がゆいですね。

竹下のトスは調子がそこそこ戻ってる感じですね。木村はがっつりマークがさらに厳しくなって、思案のしどころかもしれません。問題は山本の穴埋め。イタリア戦の記事であれこれ書いてしまいましたが、もうお願いだからがんばって!って感じです。
by rio (2011-11-05 18:44) 

rio

>KGBH_007さん、こんばんは。KGBさんが007になって世界をまたにかけたスパイに進化されたのでしょうか…。

ライト攻撃、確かに課題ですよね。山口の起用とも関連して難しさが増してます。新鍋は“新人効果”で最初は通用するでしょうが、大会中盤以降は厳しいのではないかと。そうなると狩野ですが、ケガの影響なのか、跳べてない感じですよねー。あのジャンプ力だと、170センチ台の選手とあまり変わらないんじゃないかと。。。

ただ、江畑のバックライトがレベルアップしていたように感じます。この辺に活路を見出せるかもしれませんね。
by rio (2011-11-05 18:48) 

rio

>o-kunさん、忍び足で戻ってきました(謎)

T.wさんの月バレの記事は拝読してないのですが、イタリア戦では、カウンターアタックの決定率を高める→スパイクレシーブの返球率を高めるという意図を持ったプレーをしていて、ある程度までは成功していたように感じました。

イタリアは完全に木村シフトできてましたから、竹下は意図的にボールを集めてなかったですよね。ただ、イタリアの目が木村だけに向いている間はひっかきまわせたのですが、途中で山口つぶしを優先して、そこにあっさりはまったことが最大の敗因ではなかったかと思ってます。

弱点を攻めるのはセオリーですから、他のチームもおそらく、山口をつぶして岩坂を出させる方向を考えるでしょうね。どうする岩坂!って感じです。

竹下がクイック主体の組み立てに頭を切り替えてきたことも大きいと思います。データは嫌というほどとられているので、同じことをやっていてはつぶされるだけですもんね。

“格下”アルゼンチン戦でどうやって勝つのか。注目です。
by rio (2011-11-05 18:56) 

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