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Vリーグ男子:かみあわない人たち――サントリー、堺 [バレーボール]

先週に引き続き、今週はニコニコ動画での観戦です。サントリーVSパナソニックはニコ動に献金せずにタダ見したのですが、あまりにも映像が粗くて酔いそうになり、堺VSジェイテクトは献金してから観戦しました。裏番組の東レも見たかったのですが行ったり来たりだとわけわからなくなるので断念。JTをフルセットで破ったんですね。これで混戦模様となりがぜん盛り上がってきました。東レは来週、東京に来るので楽しみです。

サントリーVSパナソニック

それはさておき。清水の地元での開催で客席が埋まっていたこの試合は、残念ながらサントリーのかみあわない試合運びで、パナのワンサイドゲームになってしまいましたね。。。

映像の粗さではっきりとは見えてないのですが、パナ・深津は先週と比べてトスの精度をきちんと修正していたように感じました。その結果、清水がどこからでも決まるという。地元であれだけやりたい放題できたら満足でしょう(笑)

圧巻だったのは第2セット中盤(12-13ぐらいの場面)、清水サーブで崩す→相手のスパイクを清水がレシーブ→セッターにきっちり返る→そこから自分でセンター位置からのバックアタック、という一連のプレー。こんなすごい清水、全日本でも見たことないぞ!!!円熟期を迎えた感がありますね。

一方のサントリーは、とても不思議な負け方でした。序盤から清水を中心に大爆発のパナに対し、山村・鈴木のクイックで対抗。中盤まで要所はことごとくクイックで、それがよく決まってたわけですね。試合全体で山村が6/7本、鈴木が7/10本。そのうち半分かそれ以上が第1セットだったはず。それぐらいセンター線が活躍すれば、少なくとも第1セットは取れてないとおかしいですよね。なのに、なぜ?

実は、原因ははっきりしてると思うんです。外国人選手がいないから……ではなく、サイド攻撃とクイックが絡んでないから、なのかなと。両センターは、実際に打つときに入ってくるタイミングや動作と、おとりのときのタイミングや動作が全然違うんですね。差がありすぎる。なので、2人で決めまくっていてもコミットブロックの必要性が感じられないという。リードブロックでセッターとセンターをきちんと見てればクイックかどうかは一目瞭然なので、簡単に見切りをつけられたんだと思うのです。

実際、パナ陣から「クイック!」という声がとんでいるのに、その通りにクイックを打っていた場面が何度かあり、ちょっと笑ってしまいました。さらに、第3セットだったかな、最後はシャットアウトされていたような。

センター攻撃は好調だったし、サイドだって悪くなかったんだから、あとはそこをどう絡めて立体的な攻撃にしていくか。今日みたいな調子でスト負けはもったいない。セッターの力量にかかってますね。

堺ブレイザーズVSジェイテクト

先週の堺はフルセットで1勝1敗、そこから修正してくることを期待したのですが。。。第1セットでジェイテクトが競り勝ってからあとは、なんかヘンな感じで試合が壊れ、これまたワンサイドゲームになってしまいましたね。なんじゃこりゃ?

堺迷走の原因を映像で見えた範囲でさぐってみましょう。第1セット堺23-ジェイ21の場面、接戦とは言え、ここまできたら普通は堺の圧倒的優位です。そこで、ジェイテクト・増成監督はピンチサーバーで清野を送り込みます。この采配が当たり、ノータッチエースで23-22。堺・印東監督はすぐにタイムアウトを取って流れを切りました。

ここまではよくある展開で、堺優位は変わりません。問題はここからですよ。タイムアウト明けで、堺の攻撃はレフト石島。1回で決まらず2本目も石島に上がり、ブロックアウトを狙って強打。大きく跳ね返った打球にフォローがなく、そのままエンドコート近くに落ち、23-23の同点となってしまったのです。

走って追いつかなかったんだったらわかりますよ。なんで誰も走らなかったんだ???素人が画面で見ててもインなのは明らかだったし、大きい軌道だったので追いかければ間に合ったはず。なのに、第1セット終盤の競り合いで足が動かないってどういうこと???

これで流れは一気にジェイテクトに。堺は次のサーブでもやや崩れでレフト石島が決まらずにラリーに持ち込まれて逆転、その次もまた崩されてレフト石島が決まらず、カウンターを食らって23-25で落としたのでした。サーブレシーブの乱れは石島の責任でもあるので、乱れた分を自分で挽回できなかった、とも言えるのですが。

石島は指先狙いのワンタッチを試みたり、強打したり、ブロック裏のフェイントを狙ったり、あの手この手を繰り出してました。それでも、ジェイテクトのブロック・レシーブがちがち連携のマークをこじ開けられず。クロス側ではなくストレート側のブロックアウトを狙って切れなかったのか?という疑問は残りますが、苦しい場面ではありました。

ただですね、石島だし、代表経験者だし、堺の柱だし、そこできっちり決めてこそなんじゃないの???と思ってしまうんですよね。試合の組み立てから主導権を握るまではセンター線の力が欠かせませんが、最後の競り合いで物を言うのはサイドの決定力ですよね。ペピチが「跳べないペピチはただのペピチだ!」状態になっているいま、「石島はんが踏ん張りなはらんと堺はどないなりますのや」(←NHK朝ドラ、近藤正臣の口調で)、ということですよ。

そのペピチが、第1セットをひっくり返されてしまった根本の原因だと思うのですね。

第1セット序盤、堺は悪くない立ち上がりでした。サーブ、レシーブ、アタック、1つ1つ丁寧にプレーし、きちんと相手のブロックも見えていたように思います。10点目ぐらいまでに、今村は全アタッカーに一通り決めさせていたのでは。

ただ、全体のリズムというか流れがすごく遅い。ペピチの動きの重さにあわせてしまってるように見えたのです。第1セットは両チームとも探り合いなので形になりましたが、石島・千々木・松本の機動力が活かせないまま、ジェイテクトに着々と包囲網を築かれてしまったのかなと思います。今村のトスがネットから離れていく=いわゆる割れているトスになっていたのも、ペピチの遅さにカンが狂ったのでは・・・と思ってしまいました。

一方で、普段から攻撃参加が遅い出来田にとってはやりやすかったんでしょうね。いいタイミングで打っているクイックが目立ち、6/9本とまずまずの結果を残しています。それはそれでいいんですけど、これまたちょっとカンが狂いますよね。。。

出来田はさておき、ペピチは一生懸命やっていたはずの第1セットでも凡ミスがいくつもありましたし、第2セット以降は腑抜けになってしまって下げられたりも。もはやペピチに頼る時代は過ぎたんでしょう。あの遅さに合わせていてはどうしようもない。せっかく、前衛の石島・松本おとりで千々木のバックアタック、みたいな世界レベルの速さの技も持っているわけですし、ペピチは2段トスだけ打ってくれればいいや、ぐらいの位置づけのほうがうまくいきそうな気がします。巨人時代の清原状態(笑)。もしくは、丁重にお引き取りいただいて、外国人でも日本人でも、きときとの若者を入れたほうがよいのでは。

第1セットで競り負けた堺は、第2セット、得点力がある千々木サーブのローテから始めましたが不発。セッターを代え、サイドを代え、セッター対角を代え・・・と打てる手はすべて打った感がありますが浮上せず。アタックが目に見えて弱気になり(特に石島)、つなぎのミスや雑なプレーが増え、そして第3セット11-17の場面、バックアタックを決めて振り向いた千々木主将を誰も見ておらず、千々木の両手ガッツポーズがヘリウムを入れた風船ぐらいに浮きまくっていてとても悲しかったです。。。

そんな堺は堺じゃない。野球の阪神を例に出すまでもなく、本拠地を大阪に置く以上、おもろいこと、明るいこと、前向きなことが大前提ですよ。鶴瓶師匠の言うように「わろとけ、わろとけ」の精神です。チーム全員、『じゃりン子チエ』全67巻を3回ずつ音読して逆境を切り抜ける術を学ぶことをおすすめします。♪雨が降ってもまた明日
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maki

Ⅴリーグの時期にrioさんの記事がこんなに見れて嬉しいです!
昨日も今日も仕事で。
結果だけ見ました。
読んでいて堺の昨年の悪夢が蘇ってきました。
第一セットいい感じできてたのにだんだん足が動かなくなってしまうからなんでだろうってずっと思ってました。
何をやってもナシのつぶて、みたいな。
今日は勝ちましたね!
来週はrioさんも行かれるんですか?
私は先週と今週のrioさんの記事を思い出しながら観戦したいと思っています。rioさんのおかげでバレー観戦が楽しくなってきました♪
by maki (2015-11-15 23:09) 

maki

Ⅴリーグの時期にrioさんの記事がこんなに見れて嬉しいです!
昨日も今日も仕事で。
結果だけ見ました。
読んでいて堺の昨年の悪夢が蘇ってきました。
第一セットいい感じできてたのにだんだん足が動かなくなってしまうからなんでだろうってずっと思ってました。
何をやってもナシのつぶて、みたいな。
今日は勝ちましたね!
来週はrioさんも行かれるんですか?
私は先週と今週のrioさんの記事を思い出しながら観戦したいと思っています。rioさんのおかげでバレー観戦が楽しくなりそうです♪
by maki (2015-11-15 23:51) 

rio

>makiさん、男子はリーグ序盤からフルセットの連続で、選手たちも大変でしょうね。

堺はいろんな技を持っているので、第1セットは相手を翻弄して勝つことが多いですよね。一方、相手が技に慣れてくる第2セットが鬼門で、第1セットで決まっていたことがちょっとダメだったりするとすぐに足が止まるという。

理由ははっきりしています。コート上でゲームメイクできる選手がいないんですね。通常はセッター、キャプテン、コートキャプテンあたりがゲームメークの構想を監督・コーチと共有し、コート上では゛現場監督”になって進めていくんだと思います。

堺にはそれがない。なので、勝ってるときはいいんですが、負けてるときはみんな一緒に沈んでいくという。ゲームメイクの肝は、劣勢の時にいかにがまんしながら相手を観察して巻き返しの糸口をつかむか、だと思うんですね。

堺の選手たちはそれができず、おそらく、その部分を監督・コーチにべったり依存しているのではないかと。第2セットの壁を破るときがいつくるのか、注目ですね。
by rio (2015-11-16 01:59) 

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