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Vリーグ男子:戦術を徹底したパナ、あいまいになってしまった東レ [バレーボール]

Vリーグ男子のファイナル3の準決勝、パナソニックと東レの一戦はフルセットでパナの勝利。熾烈なシーソーゲームを制したパナが辛くも逃げ切りました。パナソニックは終始一貫して戦術を徹底していました。それに対し、東レはパナ封じの作戦があたって完全に試合を支配していたにもかかわらず、なぜか自ら主導権を手放すという。

そんな謎めいた試合のローテがこちら。

渡辺 深津 白澤

山添 清水 ダンチ L永野
--------------------------------------------

富松 星野 藤井

ニコ 鈴木 李    L渡辺

第1セットはこのローテで一進一退でした。パナソニックは原則として、フローター系サーブを永野とダンチの2枚でとるシフトなので、李、藤井、富松はダンチ狙いを徹底。強力ジャンプサーブのニコ(ジョルジェフ)、星野、鈴木のうち、ニコと星野はダンチ狙い、鈴木はそーご狙い(=深津の動線をじゃまする+レフト攻撃の清水に上げさせてブロックする)、だった気がします(間違ってたらごめんなさい)。

作戦はとてもよかったのですが、東レのサーブが弱かったためにパナは崩れず、むしろ清水・ダンチの2枚看板がよく機能していました。決定率50%前後をキープし続けていたと思います。

一方、パナは試合前、白澤「清水とダンチ頼みだといずれつかまる。もっとセンターが絡んでいかなければいけないと思っている」とコメントしていました。その思い通り、早い段階から白澤・山添がクイックを打っていきますが、これが全然決まらず。パナ8-東レ9の場面では、深津/白澤のラインで、サーブレシーブが崩れたところから東レのお株を奪うようなタテBを使ってみたもののどシャットを食らうという。もうわかった、無理なものは無理だったね、ごめんごめん、って感じでした。

ただ、センター攻撃以外は、パナも実は、作戦があたってたんですね。パナの作戦は、星野・鈴木のうち前衛にいるほうをサーブで狙って攻撃参加を遅らせ、ブロックで東レのセンター攻撃に圧力をかけつつニコを止めにいく、というパターン。東レは星野・鈴木のバックアタックがほぼない(実際にこの試合では1本も打っていません)ので、前衛レフトの攻撃参加が遅れ、センターが打てなければニコしかないわけで、パナはこれを第5セットまで徹底していました。

さて。
まず謎だったのは、東レが第1セットのローテを李のサーブから=前衛の攻撃が2枚・リベロがいない・鈴木が後衛(=攻撃型サイドなのにパイプ攻撃がほぼない/決まらない)という弱いローテからスタートしたこと。

余談ですが、私は弱いサーブのセンターから始める、というローテの意味がよくわかっていません。どこのチームもけっこう普通にやってますよね。。。

例えば、豊田合成がセンター近のサーブから始める、というのはわかります。近は強いジャンプサーブですし、次のサーバーはイゴールなので、近のサーブ時はイゴールが前衛ライト、続いてイゴールのサーブ、というブレイクを狙う流れがはっきり見えます。でも、例えばこの試合での東レはなぜ李サーブのローテから???

気になって過去の公式記録を見返してみたのですが全然わからず。東レが李サーブから始めた試合は、もしかして今季初?ではないでしょうか。少なくともファイナル6では1つもなかったですし、ファイナル6でのパナソニック戦は星野サーブから始めるローテでストレート勝ちしています。

しかも、東レは李サーブから始めた第1セットを落とすと、第2セットはローテを2つまわし、ファイナル6のときと同じローテにしています。第1セットを取ったパナはそのままのローテだったので、第2セットは東レが25-14で圧勝。ダンチはアタックのタイミングがずれてしまって決まらなくなり、両センターは相変わらず機能せず、という。そりゃそうなるでしょうね、ファイナル6もそれで東レが勝ってるんだから。

もはや〝たられば”ですが、東レが最初からファイナル6と同じローテだったら、第1セットを東レがとっていたかもしれず、そうすると結果は変わっていたのではないかと。実はこれって、今季を通して小林采配の長所でもあり短所でもあったのでは……と感じていたりもするのですね。

小林監督は入念に相手を研究して作戦を立ててくるタイプですし、その采配は先手先手を打って変化していくところに面白さがあると感じています。一方、相手がまだ対応できていないのに〝変化”してしまい、その変化後のパターンに対応されてしまって苦しむ、という試合も何度かありました。ま、端的に言えばおっちょこちょいなのかなと(笑)

それはさておき。
第3セット、第2セットを圧勝した東レは当然ステイ、今度はパナがローテをまわして来ました。ダンチを前衛ライトから始めることで、サーブレシーブで狙われたときの攻撃面への影響を最小限に抑えようとしたのでしょうか。ダンチがライト側にいてショートサーブで狙われたときには白澤がサーブレシーブをしていましたし、第4、第5セットはさらにローテをまわし、ダンチを後衛ライトからスタートさせてました。

この辺りから、東レが徐々におかしくなってきたんですね。そもそも1stサーブが星野、という時点でいけてない。そこそこ強いサーブを持っているとは言え、サーブ失点1位ですから。案の定、星野は1本目こそ強いサーブでダンチを狙いましたが、それ以降は入れとけサーブに逃げてしまいました。

また、第1セットと同じ理由でそーご狙いを指示されていたはずの鈴木が、わざとなのか狙いがはずれたのかダンチに打ってみたり、李の代わりにピンチサーバーで入った大木がそーごに代わって守備固めで入っていた専田の真正面に打ってみたり、さらに富松の代わりにピンチサーバーで入ってきた佐野がこれまでのすべての流れを無視してそーごに入れとけサーブを打ち、その結果、ダンチにパイプ攻撃を打たれたり。なんでいきなりそんな適当になるんだ???という。

佐野の意味不明なサーブの前には、藤井のめちゃくちゃなタテBトスを富松が打てずにネット、なんてことがあり、このセット初めてパナにリードを許してしまってタイムアウトを取ってるんですね。で、立て直すかと思いきや、余計にパナを勢いづかせてしまうという。

逆に言えば、東レのこうしたほころびを見逃さず、佐野サーブの時にすかさずダンチのパイプ攻撃に上げた深津は偉い!と思いました。試合の展開がしっかりと見えていて、自分がいま何をすべきかがよくわかっているセッター、ですね。自己満足に走りがちな藤井との差がはっきりと見えた瞬間でした。

そんなこんながありつつも、佐野サーブ不発の時点で東レ20-パナ21、そのあとニコの連続サービスエースがあって23-21まできたんですね。どう考えても流れは東レ。なのに、ここでニコがサーブ時にラインを踏むという……。パナは崩れていただけに、もったいないでは済まないミス。

さらに、次のプレーで鈴木のレフト攻撃が清水にブロックされつつもぎりぎりのブロックアウト、という〝幸運”があったにもかかわらず、サーブにさがった鈴木はなぜかそーごを狙わず、永野の真正面にサーブを打ってしまうという。鈴木のサーブがいいといっても、永野はサーブレシーブ2位ですからねえ。真正面にくればそりゃ返りますよ。で、深津がそれを見逃すはずはなく、ここでもすかさずダンチのパイプ攻撃を選択。東レはこれをさせたくないからダンチ狙い、深津の動線のじゃま狙いをしていたはずなのに。。。

ダンチのパイプに李はさすがに反応してブロックに跳びましたが、ダンチは高い位置から思い切りターンして鋭角に。あんなの絶対にとれません、っていう強烈な一撃でした。これで24-23。さらに、そーごがサーブで崩し、チャンスボールをダンチがレフトから叩き込む。これで24-24のジュース。こうなるともう、ダンチは完全復活です。

一方、東レはさらに迷走してしまいます。パナ・そーごのサーブミスで25-24となって、東レは李のサーブ。レシーバーはダンチと永野の2枚で、そーごはライト側でほぼ外れているのに、なぜかそっちに打ってしまうんですね。深津と清水の動線を邪魔する目的だったのかもですが、そこは当然、永野がカバーに入って完璧に返球します。となると、前衛はダンチ・山添・清水、後衛からはそーご。パナの攻撃力がもっとも高い布陣になってしまい、ブロックできるわけないですよね。結局、ダンチがレフトから叩き込んで25-25

続いて、サーブに下がった山添が崩し、藤井が2ndボールを押し込む際に堂々のオーバーネットで25-26。ミスってニコニコ笑っていたのがとても憎たらしかったです。で、最後は清水にサービスエースを決められて25-27。なにしとんの?という落とし方でした。

ガマンにガマンを重ねてつぶれかけた選手が復活したときほど手ごわいものはない。ゾンビは死なないのです。第2セットで30%台まで落ちていたダンチの決定率は、第3セットのジュースの時点で45%、さらに第4セット・第5セットで50%に乗せたんだからどれだけの復活ぶりだったか。

第4セット、東レのダンチ狙いはもはやぐだぐだになってしまい、各選手が打ちたいところにサーブを打っている(としか見えない)状態に。そうなるとダンチにやりたい放題やられるのでタイムアウトで修正→そうすると今度はサーブが弱くなる、という悪循環になってしまったのですね。ただ、センター線がないパナ相手では、サーブが緩くなってもなんとかなる。結果的にシーソーゲームが続き、ミスの差で東レがこのセットを取りました。

東レのサーブが緩くなっている+ブロックのマークがあやふやになっている→センター線が使える、と深津が気づいた(たぶん)のは第4セットの最終盤でしょう。もっと早く気づいていればこのセットをとれたかもしれず、3-1で勝っていたんじゃないかと思います。

それでも、気づいた深津はやっぱり偉い。第5セットは序盤から白澤・山添の両センターにクイックを決めさせて流れをつかみます。さらにパナは、藤井のトスワークの傾向を読み切って、あえて緩いサーブを打ち(たぶん)、藤井に好き勝手に上げさせて個人技で=1枚で止めに行く大胆(というか捨て身)の戦法を繰り出しました。これが大当たり。ニコや富松がビタンビタン止められて、藤井がいかに相手ブロックや守備隊形を見ておらず、適当かつ自己満足なトスワークをしているかがバレバレになってしまったのでした。

ここで白澤が本領発揮。シャットアウト、ワンタッチ、リバウンドも取らせないなど、リーグ有数のブロック力を十分に発揮して12点まで走る原動力になったのだからすごい。第5セットのこの大活躍で、攻撃が不甲斐なかったことは大目に見ましょう!ってほどでした。

で、東レは最後、ピンチサーブで入ってきた佐野がまたしても意味不明。サーブを永野の真正面に打ち、パナが完全有利な状況を作ってしまったのですね。結局、ダンチがレフトから叩き込んでゲームセット、となったのでした。

東レはなぜ途中で、采配と選手のプレーがかみ合わなくなってしまったのか。そして、なぜそれを修正できないままずるずるといってしまったのか。そもそもなぜ、勝ちパターンではなく、これまでやってないようなローテでスタートしたのか。謎だらけです。

一方のパナは終始劣勢で、課題はまったく克服できなかったのですが、そんなジブンタチノバレーしかないチームとしての戦い方を見せてくれました。ヒーローインタビューには清水が呼ばれてましたが、勝ちを拾えた最大の要因は、ごくごくわずかしかなかったチャンスを深津が見逃さなかったことだと思います。川村監督はこの試合でも〝空気”そのもので、選手はコーチの話しか聞いちゃいない感じでしたが、セッターがちゃんと目配りしていればなんとかなるものなんだなと。

決勝でパナを迎え撃つ合成が、この試合をどう分析して対策を立ててくるのか、とても楽しみです。


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デイちゃん

パナソニック、東レにはストレート負けが続いてて、どうなるのかな?と見ていたのですが。見事に勝ちましたね。
個人的には、清水を応援してるので、全日本のエースがいるチームが東レに簡単に負けたらだめよ・・・と思って見ていました。

ダンチがネット際で待ってて、上がったトスをバシッとはたきおとす奇襲攻撃(笑)は、佐伯美香を思い出しました。助走なしサイドスパイク。でも助走しないから打点が低い。奇襲攻撃だからブロックがつかれたら簡単にブロックされてしまう。
第二セットはあれよあれよと点を失い、やっぱりパナソニックだめか・・・と思ったのですが。
深津って、ていねいにトス上げますね。レシーブが高く返ったボールも基本に忠実にていねいにオーバーで上げてる。他のチームのセッターだと、ジャンプトスして打ちにくいトスになったり、ドリブルとられたり。
清水も、以前だったらミスにつながるような場面でも、ブロックを見て丁寧に打ちぬいたり、苦手(だった)レフト攻撃でも難なく決めていた。

東レのニコラは、さんざんアピールしてたけど、第5セットの一番大事な場面で連続シャットアウト。しかも清水一枚で。面目丸つぶれで黙ってしまいましたね。そういうところで人間の大きさが出ますね・・・。
東レのチームメイトも「あいつ、さんざんえらそうに言っといて結局それかよ。」みたいに思ったんじゃないでしょうか・・・。
しかもその後、セッターが上げるとこ上げるとこ全部コミット1枚ブロックで止められていくという、マンガのような展開。エースとセッターが一番大事な場面でつぶれて終了。

できれば東レ、男女とも優勝させてあげたかったのですが、監督の采配なのか、選手のモチベーションなのか、レギュラーラウンドの好調さからは失速して3位で終了。女子はいっそのことレギュラーラウンドで順位決めて欲しかった。(笑)
東レ自体にはとても好感をもってるので、来季もがんばってほしいです。
ニコラ、来季もいるかな?
by デイちゃん (2016-03-07 10:09) 

しょう

東レがこれまで積み上げてきたポイントって何だったのでしょう。
全てクリアにした状態での一発勝負ですから、酷ですね。
にしても、パナに負けるとは思いもしませんでした。

が、最終セットの立て続けのパナのブロックは圧巻でした。
てゆーか、東レ、どうした!?って感じなんですけどね。
勝ちへの焦りもあったのでしょうか。

さて、サントリーもFC東京も、プレミア残留が決定しました。
サントリーは、今のスタメンでレギュラーラウンドから戦っていれば、
入替戦行きはなかったのではないかと思うほど、上手く機能しています。

ちょっとサッカーのなでしこと共通する部分があるのかなと。
ベテラン勢中心の采配にこだわり、若手は遠慮もあってかベテランとは
噛み合わず、ずるずると負け越していくというパターン。
なでしこも、一気に若返りを図れば、調子を取り戻すかもしれません。
サントリーみたいに。
by しょう (2016-03-07 11:06) 

ぼーの

投稿お疲れ様です。

私も、デイちゃんさんと同じように、第二セットの時点で半ばあきらめていたのですが、それでも勝てたのは東レのほころびを深津が見逃さなかったからなのですね。

今まで私は、正直「深津、何でセンターに上げんの!?」と深津ばかりを責めていたのですが、深津は(まあ元々サイド中心に上げる選手ではありますが)「上げない」のではなく、センターの選手の攻撃力不足で「上げられない」状態だったのですね。

そういえば、「勝った時に称えられるのはスパイカーで、負けた時に責められるのはセッターである」という文言を思い出しました。
セッターになんかなるもんじゃないですね^^;(失礼

それと私が気になったのは、清水・永野・ダンチ選手の二段トスが雑すぎたことです。
三人とももっと練習すればいいのに・・・
特に永野選手、いくら私がファンとはいえリベロであの二段はさすがに擁護できませんよ・・・

あと、勝敗が決まってがっくりしている選手がいる中で3位の表彰式やるってあれ、嫌がらせなんですかね?(笑)
メダルとかもらっても絶対嬉しくないでしょ・・・

まあ、何はともあれ、ファイナルに進んだパナソニック。
合成にぼこぼこにされる未来しか思い浮かびませんが、その日をおびえながら待ちたいと思います(笑)
by ぼーの (2016-03-07 15:12) 

rio

rio
>デイちゃんさん、東レ戦の深津はぎりぎりまで可能性を探り続けながら組み立てていた印象です。

第2セット以外はずっと気が抜けない接戦。心身ともにつかれる試合で、平凡なセッターなら集中力がきれて適当にトスを上げてしまいそうなところ。そんな試合のフルセットから再びクイックからの組み立てにチャレンジするとは、なかなかのメンタルの強さを感じました。

東レのニコはあんなもんでしょう。ヤツが吠えてる試合はたいてい負けてます。リーグ前半は味方にキレて負けてたのですが、さすがにそれはなくなりました。

でも、あんなふうにサーブに行こうとしている選手まで呼びつけて調子を狂わせたり、興奮しすぎて思い切り頭を叩いたり、ベンチに叫びにいったり、力こぶを自慢したり、じゃまでしょ、っていう。

富松は苦笑してましたが、内心、本気でイヤなんでしょうね。篠田キャプテンがコート内で踊っていた時代の東レならウケたかもしれませんが、今の東レは地味さが売りですからねえ。

とは言え、サイド出身で攻守のバランスがいいオポジット、なんてなかなか手に入るものでもはないので、東レは手放さないでしょうね。前任のボヨも7年いたわけですし。
by rio (2016-03-07 21:55) 

ぼーの

連投すみません。

昨日の試合を見返してて思ったんですが、東レがブロックを抜けた先にレシーバーが入れば比較的きっちりと上がっていたのに対し、パナは(5セット目を除いて)ほとんど上がっていませんでしたよね。

それはやはり、ブロックとレシーブの関係が完璧にできていないからでしょうか?
それとも、レシーバーの位置取りがおかしくて取れないまたは練習が足りなくて(?)はじかれてしまうのでしょうか?
by ぼーの (2016-03-07 22:04) 

rio

>しょうさん、心中お察しいたします(^^;

この試合ではパナも決して調子がよかったわけではなく、実力差からいっても東レがストレート勝ちでもおかしくなかったと思います。

ただ、東レは手の内をたくさん持っているものの、たたみかけることができるほどの絶対的な攻撃力がなかったんでしょうね。強いて言えばニコですが、パナソニックが清水とダンチの2枚看板、さらに渡辺そーごも手堅く攻めてくるとなれば、サイドの攻撃力の差は歴然。

さらに、この試合では李が封じ込められていたので、攻撃力の点で余計に差が出てしまいました。東レは来季に向けてまず、鈴木・星野の両サイドがバックアタックを打てるようになってほしいところです。

チャレンジマッチ、見てました。FC東京は1セット落としておいおいと思いましたが、サントリーは危なげない勝ち上がりで何よりです。星谷も戻ってきましたし、サントリーはこれを〝けがの功名”として世代交代を一気に進めてしまえばいいと思います。

どんなチームでも世代交代は難事業ですが、例えば東レのように、すったもんだをきっかけに一気に進めてしまえば意外とすんなり復活しますよね。サントリーもチャンスだと思います。

問題はわれらが堺ですよ。。。ベテラン主体で昨季はファイナル6位滑り込みの結果4位。今季は5位で入って結果6位。このまま同じメンバーで来季を戦ってもブレイクは見込めません。せっかくの印東バレーが宝の持ち腐れになってしまうのではと心配です。。。


by rio (2016-03-07 22:08) 

rio

>ぼーのさん、パナソニックはセンターが仕事をしない時代があまりにも長すぎたせいで、センターの攻撃参加が遅いのだと思います。

深津はジャンプトスからタメを作って前にも後ろにもクイックにも上げられるセッターですよね。しかも、パナのサイドは入りが速い。なので、クイックおとりのサイド、という時間差は決定率高いですよね。

なのに、クイックを打たせてみるとシャットアウトされる。ここが大きな課題ですね。レギュラーラウンドで白澤がいきなり2桁打ち始めて9割決まった試合がありましたが、それぐらい警戒されてないセンターなわけで。

ただ、山添は攻撃力も積極性もありますし、本来は遅くないと思うんですよ。なので、ミソジーズな白澤はもう諦めて、山添にばんばん打たせればいいと思います。

パナの2段トスが異様にヘタ(リベロでさえも!)なのも、ブロックとレシーブの連係が取れていないのも、サイドの強打頼みのチームカラーと無縁ではないと思います。結局、左右にぶん投げればあとはアタッカーが個人技でなんとかしてくれる、というバレーですよね。

そもそも、清水は目の前にきたルーズボールも拾えない選手でしたし、ブロックでどこに跳んでいいのかわからず体がまわってしまう選手でした。

その〝前任者”の山本はブロックは上手でしたが、真面目にブロックカバーに入ったり、手のひら一枚でフェイントを上げたりするようになったのは北京に向けて代表復帰を果たしてから=30歳に手が届いてからです。

それぐらい(よく言えば)パナは〝超攻撃型”のチームだったわけですから、いまになって、強力サーブの時に清水が一応、レセプションに入っているのを見ると時代は変わったなあと思います(笑)

ところで、負けた直後の3位の表彰式ですが、これはたぶん、〝節約”ですね。決勝のあとに表彰式をやると、3位はそのためだけに会場に来なければならないので、旅費やらなにやらが大変だからだと思います。式を省略してモノだけ渡すのもリーグ3位に失礼ですし。

東レは1位通過だったのでうれしくないでしょうが、これがもしパナだったら、俺たちあの連敗からよくがんばったよな!的な明るい表彰式になっていたかも(笑)




by rio (2016-03-07 22:27) 

デイちゃん

女子の決勝見たのですが、これが女子バレー国内最高峰の試合か・・・と思うと、ちょっとさびしいですね。

日立って高速バレーって言われてたけど、どこが?という感じで、どうしてこんなチームが1位で勝ちあがったのかよくわからなかった。
パオリーニは機能してないし、他の日本人選手も特に目立った活躍なし。
東レ、うまくやれば、決勝で日立とあたって優勝できたんじゃないの・・・。

杉山さんが、「パオリーニのブロードが決まらないのは、トスを待ちきれなくなってるから。セッターにボールが返ってから助走を始めたほうがいい。」って言ってたのが印象的でした。
確かに、トスが上がって追いかけていくブロードは、助走の勢いを利用して跳ぶので、トスより先にネット際に来てボールを待ってたらそこで止まっちゃってるから助走の勢いが死んじゃうのね。
オギエンコのCワイドは、セッターが取る前に移動を始めてバンと跳んだところにトスがポンと上がってドンと打つから最恐だったけど。(笑)

新鍋が、試合途中で、レフトの平行トスを相手のブロックを見て打てば簡単に決まるってことに気がついて(というかそういう感覚を思い出して)、それからはブロックアウト、ストレートと決めまくってました。ロンドンの韓国戦みたいに。
長岡はあんまり目立たなかったな。途中で、たたみかけるようにバックアタック決めてたけど。
中田監督が、「このチームでもう試合することはない。」と言ってたので、何人か引退するんでしょうね。もしかして監督も?
by デイちゃん (2016-03-12 20:27) 

デイちゃん

連投すみません。
豊田合成、とうとう優勝しましたね。
トレフェルサじゃなくて、イゴールズとかに名前変えたほうがよいかも。

乱れたボールはイゴール、セッターがオーバーで上げられる時もイゴール。
Aパスがセッターに返ってるのに、イゴールにライトオープン上げてて、こんなバレー、今、絶対世界じゃ通用しねえって思いました。
が、勝った後のインタビューで、イゴールが、「今は空っぽですね。」と言ってて、めちゃかっこよかった。あんだけサーブ・スパイク打ちまくってたら、そりゃ力出し切って空っぽになるよな。しかもイゴール、細かいつなぎもしてくれてたし。他のチームのオポジットだと、こぼれ玉の処理とかしないだろうし。

時々決定的なところでイゴールがミスをして、「やっぱり年齢的に衰えてるのかな・・・」と思ったのですが、年齢的な衰えという点では、ダンチの方がひどかったですね。
パナはソーゴがつぶされて、交代で出てきた今村は、まあまあがんばってた。もうちょっと早く出したらよかったかも?
清水は結構がんばってたと思うけど、イゴールと比べるとやっぱり見劣りする・・・かも。苦しいボールを打ちに行ってシャットされて、しまったって顔する場面が目立ちましたね。
なぜか福澤さんがいらっしゃって。あれ?ブラジルのリーグはどうしたの?って感じでした。でも30でブラジル行くくらいなら、25くらいで行ったほうがプレイヤーとしての伸びはあったよな。何してたんだろ?25の時。
山内って、何もしてないけど、全日本には参加するみたい。なぜだろう。絶対役に立たないのに。

できればパナソニックを勝たせてあげたかったけど、豊田合成も優勝となると会社がちょっともりあがりますよね。
これで少しでも多くの人がバレーに興味持ってくれたらいいですね。
by デイちゃん (2016-03-13 18:49) 

東レFan!

 男子決勝=独り『イゴール』に撃破サレタ気分じゃ~~!

 『決定率』ジャあ「ゴㇼさん」もガム貼ったが、結果が全て。
by 東レFan! (2016-03-13 19:23) 

rio

>デイちゃんさん、女子の決勝、私も見てましたが、杉山さんって方は、明美さんだけでなく祥子さんまでヘンなこと言うんだなと思いつつ聞いてました。

杉山がNECや代表でやっていたような移動攻撃=トスを追いかけていって打つ移動攻撃は、日本のセッターとアタッカーがダサくなってから生まれたなんちゃって移動攻撃です。これでは片足踏切をする意味がありませんし、高さも出ません。だったら男子のように、最初からその位置に移動して打てばいいのに、っていう。

むしろ、そのダサさを逆手にとって、これだったら私でもできんじゃね?と思ってやり始めたのがモトコワイドです。

杉山の場合、そこからさらに変な方向に伸びて、Aクイックのワンステップを入れてから走ってC、というのをやってました。これをフジだかTBSだかが杉山スペシャルとか言い出してトホホなのですが、それはトスを追いかけて打つことを前提としているから出てくる発想だと思うのですね。

世界標準の移動攻撃は、ネットに対してセッターとほぼ一直線になるように位置取り、そこから、レセプションがセッターに返る前に走りだし、いわゆるCクイック、もしくはCワイドの位置で片足で踏み切って、空中で流れながらトスを待ち、ブロックをかわして打つ。

オギエンコがやっていたのも、中国女子が得意にしているのも、竹下・大友のコンビで〝高速ブロード”とか言われていたのも、すべてこれです。大友は高さも速さも滞空時間も流れる幅もふつうの平凡な移動攻撃でしたが、それが日本では〝高速”という評価になってしまうんですね。

で、パオリーニは、本来の移動攻撃をしようとしているのか、なんちゃってのほうをやりたいのか、そこが中途半端というか、セッターと詰め切れてないと思うのですね。昨季まではなんちゃってしかしてなかったと思うのですが、今季から本来のほうも取り入れたことで決定率は上がったけれど合わない場面も増えた、という。

それを、なんちゃってのほうしかしていなかった杉山が見ると「トスを待てばいいのに」というヘンな〝解説”になってしまうんだろうなと。「私もやってたからわかるんですが、トスを待てずに走ってしまうと云々」と言ってましたよね。彼女がそんな勘違いをせず、持ち前の足の速さと高さがあって、本来の移動攻撃をやっていれば、柳本時代の勝率はもうちょっとよくなっていたかもしれません。

豊田合成は、以前にもこのブログに書きましたが、クリスティアンソン監督やイゴールの使命はVリーグで優勝することであって、日本人選手たちに世界に通用するバレーを身に着けさせることではない、そこに尽きると思います。

そのバレーに勝率9割を許したほかのチームの不甲斐なさ、って感じですね。試合前のインタビューで、清水が「日本のバレーのためにも勝たねば」という主旨の発言をし、その言葉通りに食い下がりましたが勝てませんでした。

ただ、豊田合成のバレーは、イゴールを含む各選手の技術がしっかりしていること、チームプレーに忠実であること、メンタルが安定していて優勢・劣勢にかかわらず堅実にプレーをし続けられること、などさまざまな〝基本”がベースになっています。イゴールの打数が多いからダサい、という評価はちょっと違うかなという印象です。
by rio (2016-03-14 04:33) 

rio

>東レFan!さん、ゴリは決勝で決定率4割いかなかったですから不完全燃焼でしょうね。ただ、足の調子が悪くてはいかんともしがたく。やはり酷使が過ぎたのでしょう。
by rio (2016-03-14 04:34) 

デイちゃん

そうなんですよ!
ブロードって、オギエンコや巫丹がやってたみたいに、アタッカーがスッと移動してサッと跳んだとこにセッターがポンとトスを上げて打つ。なので、相手ブロックが「あっ!ブロード!」と思った瞬間にはもうバンと打たれてる。コミットで跳ぶしかない。
だから、オギエンコのスタートが遅れて、トスが上がってから追いかけて打ちに行った時は、藤田幸子ごときにブロックされてたんですね。(笑)
日本は、中田・廣のブロードを1986年くらいからやってましたけど、ブロードというよりはランニングスパイク。中田がライトに適当に上げたボールを廣が追いかけて行って高さを調整して打ってた。ちなみに廣の卒業論文、「ランニングスパイクについて」だったそうですね。(笑)

パオリーニと佐藤がつめてないんじゃないの?って、本当にそのとおりですね。もう何年もやってるのに。
パオリーニが早く入ってるなら、トスを早くして、パオリーニが跳ぶのにあわせてシュッと早く上げてバシッと打たせればいい。入るのが遅いなら、手の中でタメてトスを上げて間に合わせればいいし。当然トスの種類もサインも違うでしょうに。
その程度のこともできんのかな・・・。監督セッターなのに指示はないのかな。英語出来んのかな。

杉山さんは、なんちゃってブロードの正しいやり方(笑)を教えてくれてたんですね。ただそれが世界で通じるかよく分かりませんが。
杉山スペシャルとかありましたよね。モトコスペシャルとか、なんでもスペシャルになるんですね。
杉山スペシャル、竹下がトスを上げたらそこから横に逃げて、竹下がいたところに杉山が走りこんで打つみたいな感じでしたよね。レシーブが乱れたら速攻はないだろうという相手ブロックの裏をかいた技だったはずですが、イタリヤには通用しなかったですね・・・。

豊田合成は、世界のバレーではない、清水はそれに勝たなきゃいけないと思ってる・・・のは、とても納得です。
豊田合成自体は良いチームだと思うんです。ただ、全日本につながるか?世界につながるか?と言ったら疑問ですね。
来年もこのバレーをつきつめてみたいに言ってたけど、Vリーグはガラパゴス化が進みそうですね・・・。

Vリーグの総括のようなよくわかる解説、ありがとうございました。
by デイちゃん (2016-03-14 12:17) 

rio

>デイちゃんさん、移動攻撃の「移動」に込められた本来の意味は、跳んでから移動することですよね。

それをなぜか、日本のほとんどの指導者や選手が、走って移動することと勘違いしてしまった。これは「移動」という言葉に惑わされた結果なので必ずしも彼らが悪いわけではないのですが。

走って移動するならそれはもうブロッカーとの横移動の競走になっているだけで、体力を消耗するわりに実入りは少ないですよね。

そうではなく、アタッカーが踏み切るからブロッカーはその位置で跳んでくれるわけで、そのあと空中を流れて打つからブロッカーをかわせるという、この構造を杉山の祥子さんのほうは引退してもなお気づいておられなかったんだなと。

実際、日本がやるなんちゃってのほうは、走るといってもせいぜい3~4メートルなので、海外の190センチ超のセンター陣からすれば、横移動2~3歩で追いつけます。

しかも低いので、手を出すだけでもブロックできるという。それで仕方ないから山口がぶら下がってプッシュしたりしてそれがたまたま決まると「なんとかしてくれる山口」みたいな評価になって代表に呼ばれ続けて、くっだらねえと思ってしまうという。

時をかける少女ばりに空中で移動してくれる選手、いないもんですかねえ。

by rio (2016-03-16 01:29) 

デイちゃん

個人的には、迫田のあのブロードジャンプをネットに平行にしてもらって、センター辺りで跳んでライトのアンテナあたりで打ってもらったらどうか?と思うのですが。(笑)
岩田さんがはじめやりだした時、「ライト流れ打ち」って言ってたんですよね。ライトに流れていって片足で跳んで打つ新技ですみたいな。
廣さんが、ランニングスパイクと言ってたあたりから、移動というのはドタバタと走って移動することって意味になってますよね。
で、高校生もやりだして、トスをライトに流して上げて、センターが追いかけて打って、相手のレフトブロックが跳んでくるのでその左手を狙ってブロックアウトを取る技、みたいになってましたね。
2008年くらいでしょうか。竹下がライトにポンと上げて、荒木がブロードで打ったら、イタリアにことごとくシャットアウト。ブロッカーは竹下が上げる位置がわかってるのでそこで待って素直に跳んだら、荒木が真正面に打ってくれてシャットアウト、どうもありがとう~って感じでした。しかも何連続も。
正しい使い方をしないと、相手にカモられるだけですね。
by デイちゃん (2016-03-16 12:28) 

rio

>デイちゃんさん、そうですよね。いまでは「流れ」という言葉だけが残ってしまって、実態は失われてますよね。

男子で、堺の松本が両足踏切からヨヨヨ……とライト側に流れて打つことがありますが、だったら移動攻撃すればいいのに、っていう。

アラキングは竹下・中道のトスが不運だったと思います。ネットから離した高いトスを打たせれば、広角に打ち分けて得点できる選手。宮下とのコンビを見てみたいです。
by rio (2016-03-17 00:07) 

デイちゃん

荒木は、子供も小さいし、バレーに集中できる状況じゃないと思うのですが、それでもVリーグブロック賞。
スパイク(6位)やサーブ(3位)、総得点(15位)でも上位だから、全日本に選ばれて当然ですね。
むしろ若手ミドルがあまり活躍してないということでしょうけど。
個人的には、センターは荒木・岩坂だと、外国チームも「日本のセンター=無視」ではなくなりそうですが。
荒木なら、ブラジルのタイーザみたく、高いAクイックをバン!と決めてくれそうですね。

レフト古賀・石井、セッター宮下、ライト木村、センター荒木・岩坂、リベロ筒井。
サーブレシーブは木村とリベロ中心で、古賀・石井はせまい範囲で参加。
サーブレシーブ成功率が向上するのでセンター攻撃を増やす。レセプションからは基本センター攻撃!
木村の攻撃力に少し不安がありますが、本来のライトに戻ってインナーに切りまくってもらいましょう。
あっ、長岡とか江畑とか、スパイクしかできない人達がいらなくなっちゃった!
by デイちゃん (2016-03-18 16:46) 

rio

>デイちゃんさん、アラキングが子どもを気にしてバレーに集中できないの図……浮かびませんね(笑)

どんなにプレッシャーのかかる試合の前日でも3分もすれば爆睡してた(栗原談)らしいアラキングですから、バレーのときはバレーのときだけ、子どもと一緒のときは子どものことだけ、ということが自然にできてそうです。

タイーザと言えば、それこそ〝ランニングスパイク”が超ヘタで遅くて、2010年時点ではそれで日本につかまって負けてましたよね。それがロンドンまでにはなんとかマシなレベルに仕上げていて、日本の裏をかいていきなりランニングから入ったもんだから、マッチアップしていた大友が混乱してしまって、という。

石井は今季、サーブレシーブ数が1000を超えてダントツ1位だったんですよね。たぶん、2位は東レの高田ありさか日立の遠井で、それでも700ぐらい?かなと。

そんなに狙われまくりながらも耐えた石井に、狭い範囲はかえって失礼になるといけませんから、思い切り広く守備範囲を取っていただきましょう(笑)
by rio (2016-03-20 00:24) 

デイちゃん

管理人様は、「あなた荒木の何なの!?」というくらい荒木のことを愛してますねえ。(笑)
私は、荒木はもう子育てに専念させてあげたいと思っているのですが(笑)、管理人様は荒木の引退を許しませんねえ・・。(笑)
昔、荒木がテレビで取材?された時、ご主人に電話かけて、「ちゃんとヨーグルトも食べさせてくれた?え?じゃあ食べさせて!」と言ってましたね。(笑)
上尾ではお母さんが試合にも帯同して子供の面倒見ながらプレイしてたようですが・・・。さすがですね。
今の全日本て、若い選手が多いので、やっぱり大人な選手がいたほうがいいのかな・・・とは思いますね。母は強し!

そうなんです。石井はレギュラーラウンドだけでサーブレシーブ受数899、成功率63.8%(4位)なので、サーブレシーブ力はものすごく高いと思います。
さらにその後、ファイナル6、ファイナル3、ファイナルとあったわけで、相当鍛えられてると思います。
少なくとも日本人のリベロよりは、よっぽどレセプション力があるでしょう。
なので、狭い範囲に限定すれば、よりレセプション成功率は上がるだろうし、石井自身もスパイクが気持よく打てるのかな?と思うんですよね。
オポジットで出場して、十分活躍してましたからね。
そうなると、レシーブができるスパイク力がある選手がいれば(石井・古賀・宮部・井上)、スパイクしかできない選手はいらなくなりますね・・・。
by デイちゃん (2016-03-20 13:50) 

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