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Vリーグ男子:堺ブレvs豊田合成、今季も弱点から目をそらし続けるのか。 [バレーボール]

Vリーグでの勝利にこだわったチーム作りの豊田合成に対し、世界標準のバレーを目指してきた堺ブレイザーズ。この対戦がなぜ興味深いかというと、正反合というかアウフヘーベンというか否定の否定というか、なんかそんな感じの弁証法的何かしらを感じるからなのですね。何を言ってるのか自分でもさっぱりわかりませんが、要は少年ジャンプ的な何かしらがあるわけです。

で、今季はどうなることかと楽しみでしたが、フタを開けてみればそんな高いレベルの話のはるか手前の問題で、前季から1歩も進化していない合成に対し、堺は20点以降の詰めが甘く自滅に近い形でスト負け。堺の豆腐メンタルは今季も頭の痛い問題のようです。

イゴール
だって疲れてるだろうに、今季もまた同じ戦術=高松白岩のバックアタックをなくして守備に徹することにした合成。ただ、ここまでの試合のイゴールは、ブロックにつかまる場面、レシーブで上げられる場面、動線をじゃまするサーブを打たれる場面が目立っています。

それでいいのか?と思うのですが、なんだかんだで開幕ぐだったあとはスト勝ち×2だから、今季もこれでいけるところまでいってしまうんでしょうね。で、イゴールとクリスティアンソン監督が同時ぐらいに抜けて、古賀はピークを過ぎ、チームがゼロからの作り直しになるんでしょう。不毛なことですが、今から手を打たないんだったらそうなるしかないという。宿命と書いてサダメと読む、みたいなね(謎)

それよりも重症なのは堺ですよ。

先にポジティブなことを書いておくと、監督は代わりましたがゲームメイクの基本線は維持されていて、それはとてもよいことだと思うのですね。さらに、新加入のウォレスは攻撃だけでなく守備もそこそこできるしパスもうまい。リバウンドをとって攻め返す判断の速さとうまさ、ブロックにあたって跳ね返ってきたボールにとっさに手を出していい位置に上げる身体能力とセンスのよさも目立ちます。潤滑油としても機能している非常に優秀なオポジットかと。

その影響もあってなのか、佐川のトリッキーなトスがさらに活きてますね。合成の試合では序盤からセッター後ろでのクイックを多用していましたし、その速い時間差でウォレスがライトバックから飛んでくる攻撃も。どっこいしょアタックのペピチではやりたくてもできなかったパターンです。

ビーチ転向を表明した石島もモチベーションを維持しています。攻撃時に逃げなくなり、サイドからしぶとく、バックからも積極的に攻撃参加してますね。持ち味のブロックはリードから飛ぶまでが速くて位置取りがしっかりしてますし、つなぎの面でもがんばってます。

出来田は今季も安定。サーブも入るようになってますし、順調に伸びていくことでしょう。松本は衰えは隠せないものの、得意の攻撃面では活躍してます。ただ、今日の試合ではラリー中に助走をさぼって打てず、手痛い失点もありました。ブロックではもはやリードが厳しい(=速さについていけない)ところが見受けられます。それでもなんとかして決める技術はピカイチでスタメンは譲らないぞ、という。

などなど、いいところがいろいろあるのに合成にスト負け。最大の要因は、前季キャプテンの千々木/今季キャプテンの伊藤です(断言)。監督が代わればちょっとはマシになるのかと思いきや、マシになるどころか印東時代以前のニコイチに逆戻りじゃないですか。

千々木がスタメンでサーブで狙われて足を引っ張る→後衛で伊藤に交代するも伊藤の攻撃力がゼロに等しく足を引っ張る→前衛でまた千々木に戻してサーブで狙われて(以下略)

↑これを何年も繰り返しているニコイチが2代続けてキャプテンやってるんだから、そんなチームが優勝を狙えるようなことにはならないんでしょうね。なんで伊藤をキャプテンにしたんだろ。

今日の試合なんて、佐川が必死につないで後衛伊藤が打てる状態のオープントスにしたボールを、伊藤は1歩も動かず前衛ライトのウォレスと見合ったまま床に落とし、ウォレスが激怒。「俺のボールか!違うだろ!」的なジェスチャーでほえまくるウォレスを松本があわててなだめに入るの地獄絵図。

プレーをさぼって(というか、ニコイチだから打つ発想がそもそもない)コート上でチームメイトに怒鳴りまくられるキャプテン、ほかにいます?しかも伊藤はこの直前に、サーブレシーブを2本ミスって失点しているんですよ。守備固めで入ってるのに狙われてミスるという。なにそれ?っていう。

結局、千々木/伊藤のニコイチが印東時代に自立できなかったツケを、今季以降、チーム全体で払っていくことになるのでしょう。

で、そのニコイチと同世代の横田内藤、この2人がいつまでたっても松本を抜けないところも情けない。松本/出来田がサーブがヘタだからそのピンサ枠で出場できてますが、別にピンサ要員というほどサーブがうまいわけでもないですよね。

この4人がどうにかならないことには堺の時代はやってこない気がします。でも、どうにもならないんじゃないかという気もしています。むしろ、この4人がピークを過ぎたあとも"ベテラン"としてチームに居座ってしまったときがつらいだろうなとか、そんなことまで考えてしまったり。

千々木は代表にも呼ばれなくなったし、酒井時代→印東時代と芽が出ないままきて真保監督のもとでこれが最後のチャンスでしょう。ここで自立して、ガイチ代表監督のコネで全日本復帰のチャンスをもらって結果を出すか、ニコイチのまま終わっていくか。正念場ですね。


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Vリーグ男子:全チーム開幕の話が全消しになったから。 [バレーボール]

Vリーグ男子、ほかのチームもすべて開幕したので、それぞれの進化したところ(喜・楽)と半年間なにしてたんや(怒・哀)というところをほぼほぼ書き終えてたのですが、突然、何の前触れもなくブラウザ(Chrome)が落ちて全消しになるという。このブログはツムツム(もしくはテトリス)ではないのでこれは大惨事、大惨事ですよ。

もはや書き直す気力がないので、とりあえず書いていた内容を箇条書きに……してみたせいでいつもの悪態がオブラートにも何にも包まれずにむき出しでぼろぼろこぼれ出てしまってもう……。すべてはGoogleのせいですから(違)

第1試合 サントリーvs東レ

サントリー

山本・柳田・藤中・塩田の若手軸にしたところはよい
星谷が入っていない理由をよく知らないのだけれど、いずれ加わるだろう
ただ、柳田の後衛要員で鶴田、藤中のところに栗山、みたいなセーフティネット(もしくはおむつ)が用意されている
おむつがとれるのはいつの日か
若手軸を通した結果、スタメン鈴木の控えが山村、みたいな地獄絵図も垣間見えるが、これも時間が解決してくれる
新加入のエスコバルは典型的な゛打ち屋”でバックライトからのクロスぐらいしかない
しかも守備がだめだめで目の前にきたゆるいボールに足が1歩も出ないレベル
なので早々に攻略されてしまう気がする

東レ
ニコラがコートキャプテンなのはきっと審判団の英語力を高めてあげようという小林監督の心遣い(違)
ニコラは前季、味方のミスに超ガミガミほえてたからなー
前季から世代交代を意識してきているだけにうまく歯車がまわっている感じ
藤井のトスワークから自己満足的なものが薄れて整ってきた
星野・鈴木が自信を持ってきているように見えつつも、相変わらずバックからの攻撃参加は極端に少ない
星野のサーブミス癖は改善されてない(←半年間、なにしてたんや)
最終的に米山が出てきて試合をまとめているあたりをどう見るか
ベテランと若手の融合と見るか、なんだかんだで米山頼みと見るか、もう少し様子見で

第2試合 FC東京vsジェイテクト

FC東京
ペピチの加入で手塚がレフトに異動
この2人でチーム打数の7割を打つ=前季のパナソニック化
事情はわからなくもない=前季は手塚1馬力でしかもケガ、ただペピチとの2馬力化で勝っていけるほど甘くない
ペピチはここぞというときにミスるからな、メンタル、超弱いからな
しかもセンター衛藤が打数4・決定2とパナの白澤化
衛藤はブロックも勘で跳んでるし、サーブで点が取れるわけでもないし、どこで貢献してるのか?
よくわからないけれどなぜかコートキャプテンだったり
とにかく最低限の攻撃枚数を確保したのはよいけれど、それ以前にチームのブロックがヘタ過ぎる
ブロックにシステムがないし個人技もなく、セッター山岡なんてじゃまになるだけから跳ばないほうがいいレベル 
上背がないのにブロックが適当で、また入れ替え戦に出るつもりかFC

ジェイテクト
センター線に廣瀬・福山の若手を抜擢し、辰巳が控え、袴谷がセッター対角にまわる大ナタ
セッターもベテラン高橋を控えに置いて久保山スタメン
カジースキ一辺倒にならないようにトスを散らし、今季は古田をもっと働かせる腹積もりらしい
飛び道具=浅野がいない今だからこそできるオーソドックスなチーム作りに賛成
ただ、古田の進化がまったく見られないところがとても残念
変わったところと言えば日焼け防止用もしくは冷え性防止用の黒い袖をつけてなかったぐらい
セッター対角なのに点取り屋でも守備の要でもない現状を彼はどう考えているのか聞いてみたいぞ
なぜなら、ジェイテクトがさらに順位を上げたいと思うなら古田覚醒が不可欠だと思うから

第3試合 堺ブレvsJT

堺ブレ
われらが堺ブレイザーズは印東監督の退任でどうなることかと思ったけれど意外とちゃんとやってる
佐川はトリッキーな組み立ての安定感が増して松本・出来田がいい感じで跳んでくる
今季限りでビーチ転向を宣言した石島は献身的なプレー(特に守備面)で貢献しまくり
立つ鳥跡を濁さず、居場所がなくてビーチに行くんじゃないってところを証明してやれ
新加入のウォレスはとてもよい
攻撃面では打ち分ける幅が広いし、強打も軟打も自在、上げれば何とかしてくれるタイプ
守備面でも貢献度が高い、足がよく動いているし、強打のレシーブでもぶれないし、つなぎも上手
それだけに、ほかの選手のつなぎのヘタさが目に染みる
ウォレスが半笑いになってたのは上がってくる2段トスがあまりにもブサイクだったからだろう
こんなに頼れる外国人が加入して、佐川が頼り切ってしまわないか、そこが心配
ところで、千々木って1秒ぐらいしかコートにいなかったけど何してたんだろ
ノーブロックのレフト攻撃でストレート切りすぎて大幅アウトにしたところぐらいしか記憶にない
あ、1本、バックアタック決めてたか
新キャプテンの伊藤は50グラムぐらいやせたんだろうか、いつか腹でタッチネットするんじゃないかと心配
あ、腹でタッチネットはおっさんの草バレーあるあるだからな

JT

新ユニのパンツのデザイン、裾が黒ずんでるのはやっぱりタバコの吸い殻をイメージしたんだろうか(違)
鳴り物入りで加入したクレクがわずか3ヵ月で契約解除?何があったのか……知りたくもないJTの闇
代わって引っ張ってきたルブリッチはまだ22歳、育成枠も同然だなと思って見てたらやっぱりそう
そんなこんなでチームができあがってない感ありあり
センター線はなぜか筧本を先発させて案の定、町野と交代、いや町野はバレー苦手だろうに
中島のサーブミス癖も直っていない、攻撃面ではちょっとからまわってたし
サイドも安井先発で案の定、八子と交代、今季もずっととっかえひっかえで行くのかな
結果的に何も進化してないんじゃないかと思わせるこのチーム、まじでルブリッチを育てながら進むのか? 



最後に
誰が解説席に熊田を座らせたのか
あれは解説なんかじゃない、感想ですらない、茶の間でオヤジがくだまいてるレベルだ
サントリーvs東レ戦で熊田が繰り返し強調していたこと=サーブは狙うな、入れておけ
サイドアウト時代から思考停止しているらしい
そんな熊田の本日の語録
(サーブは入れておけ、の流れで)「サーブを入れて相手の攻撃を確かめるんです。今、ニコにバックアタックがあることを発見しましたね」
(サーブは入れておけ、の流れで)「強いて言えば、サーブポイントが取れるのが最高ですけどね」
(サーブは入れておけ、の流れで)「次は狙うでしょうね。いや、狙わないかな」
(24-21のセットポイントで)「ここはサーブ、思い切り打っていいところです!」
熊田を呼ぶな、二度と呼ぶな。

 


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Vリーグ男子:開幕戦なのにぐだってしまうこの感じ。 [バレーボール]

Vリーグは今季からDAZNでプレミア全試合とチャレンジの一部を放送。なかなか評判の悪い動画配信サービスですが、これしかないので仕方ない。ひとまず契約してみました(1ヵ月無料)。

5~6回通信がとんだことと、どこからひっぱってきてるのか実況が選手の顔と名前を把握しきれてないレベルでほぼノイズになってしまってること以外は、問題なく見ることができました。画質もまあまあで、清水のキモカワイクナイ靴下の柄も識別可能です。

ただ、チャット機能がついていないことや、予約機能が見当たらない(ついてない?)ことなど発展途上であることは確かなので今後の改善に期待しましょう。

それよりも問題は前季1位豊田合成vs2位パナソニックによる開幕戦のぐだぐだっぷりですよ。イゴールのサーブと攻撃がまったく機能しなかった合成がストレート負け。第2セットは点数だけ見れば熱戦のように見えますが、合成に流れがきかけた終盤で、イゴール、白岩、傳田が3連続サーブミスでジュースに持ち込まれただけのことで。

合成がぐだった理由ははっきりしてます。内山のトスがぶれぶれだったからですね。短かったり、割れたり、近すぎたり。昨季のように何にも考えずただアンテナまで伸ばすゆっくりとしたオープントスを上げておけばよかったんでしょうが、まがりなりにもV優勝セッターとなっただけに、何かしらを見せようとしたのでしょうか。その「何かしら」が何なのか全然わからないまま試合が終わってしまいましたが。

で、イゴールはイライラを募らせ、サーブが入らずさらにイライラし、相手の返球時に動線を狙われて拾わされてさらにさらにイライラし、でも無茶ぶりな2段トスは上がってくるのでさらにさらにさらにイライラし……という。この試合、例の頭ポンポン、画面には全然映らなかったなー。してなかったんじゃないかなー。

これが王者となった翌年のジンクスなのか、進化した合成を見せるための生みの苦しみなのか、その辺りはまだわかりません。高松がたった1本だけどバックアタックを打ってみたり、攻撃参加がいつも遅い白岩がレフトから中へ切り込む形で゛速さを演出”してみたりと、前季の課題を何とかしようとしている場面も見られました。

その影響がイゴールへのトスのぶれになっているんだとしたら、どっちを優先すべきか難しいところですね。

一方のパナソニック、レフトに福澤が復帰、センターは山内とここだけ見れば弱体化ですが、 ダンチに代わってクビアクが加入し、彼が゛潤滑油”に徹したことで、清水・福澤・山内が気持ちよく打たせてもらってました。

って、それでいいのか?少なくとも私には、クビアクがクソつまらなさそうな表情に見えましたが。

そりゃそうでしょうね。クビアクは守備で何度もスーパープレーを発揮してます。エンドライン外の位置でスパイクに飛びついてセッターに正確に返球、コート後方から走り込んできてジャンプトスでライト清水に配給などの目立ったプレーのほかにも、位置取りやパスの正確性でダンチとはダンチがい(エ?

クビアクがそうやってつないだ1球をけっこう簡単にミスるアタッカー陣(白澤除く)。あ、白澤を除いたのは、相変わらず仕事してないからですね。打たなければミスらない←この哲学で今季も乗り切るつもりのようです。

クビアクはラリー中の守備のあとでもすぐに攻撃参加の態勢をとってますが、そこにボールが上がってくることはまずないんですね。バックアタックも上がってこない。清水・福澤がどうにもできないおこぼれみたいなボールばかりまわってきて決定率が上がらない。そうこうするうちにクビアクは守備後の攻撃にしっかり入らなくなってきて、あーあ、って感じです。

そういう意図でクビアクを取って、彼がそれに納得してるんだったらいいんですけどね。パナの偉い人「清水と福澤と山内はわが社のスターだ。君は彼らの攻撃をお膳立てする役割に徹してくれたまへ」、クビアク「イエスサーでございます」と。

前任者のダンチも全然やる気をなくしてたし、クビアクがこのチームでどこまでモチベーションを保てるか。彼がスターたちのお膳立て役に徹し続ければ今季もパナの上位は固いでしょう。でも、そんな都合よくいくかなあ?

パナのHPのクビアクのページ。「パンサーズの魅力 今シーズンが終わってから言います!」だそうで。何か言えることが見つかっていることを祈ってます。


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Vリーグがプロ化するってよ……って、なんか生煮え。 [バレーボール]

Vリーグ発足時のドタバタ劇=通称「もとこともこの乱」から20有余年。ようやく重い腰を上げてプロ化に取り組み始めたようですな。

バレー以上にドタバタしていたバスケがどうにかまとまってプロ化し、その利権にフジがキラーコンテンツ=サザエさんまで動員してなりふり構わずむしゃぶりついている構図の中、鈍いバレー界でもさすがに、避けられてるかもしれない予感それとなくそれとなく感じてた、のかも。で、あわててプロ化をちらつかせて、愛されてるかもしれない期待かろうじてかろうじてつないだ、つもりなのかも。そういえば工藤静香のこの歌、ちょうど「もとこともこの乱」の頃にヒットしてたなー。

そんな「Vリーグを世界のトップリーグへ スーパーリーグ構想」とやらを早速チェックしていきましょう。

プレゼン資料のどアタマに書かれている「Vリーグ再生宣言」の文字。目にしみますねー。「再生」って便利な言葉で、重体から回復した蘇生、不良がマジメになる更生、キリストとかブッダが得意とする再誕、廃品のリサイクルなどを含んでますが、Vリーグはどれなんでしょうね。いずれにしても、現状のVリーグは瀕死、不良、廃品であると認識していることはわかりました。そこまで卑下することないのに。

なんでそんなことになってしまったのか。課題認識が次にくるわけですが、これが中途半端なんですよね。

1、TV放送の限界化
2、体育館確保における競合激化と大会開催の困難化
3、歯止めのかからない競技者数の減少
4、大会運営者の世代交代の停滞
5、スポーツイベントとしてのマンネリ化


見栄え重視なのか5個も並べてますが、1と4と5は主に゛内的要因”としてひとくくりで、端的に゛松平体制の限界”でしょう。FIVB、JVA、テレビ局、広告代理店の癒着構造の中でバラエティ化・アイドル化して遊んでるうち、気づいたら世間はガチのスポーツ、それも国際試合を好むようになっていた。頼みの綱のフジテレビは今やオワコン扱いで、TBSもバレーを丸抱えする体力はない。なんとかしないといけないのにジジババが老害化していて自己改革できずマンネリ化だけが進んでいく、という。

一方、2と3は主に゛外的要因”としてひとくくりの課題で、少子高齢化とそれに伴う多様化の深化という、日本社会あるいは先進国に共通する大きなテーマにつながっています。バレー界がこの課題について抜本的に何かできるわけはなく、深ぼりしたところでたどりつく答えは「他競技とのパイの奪い合いに勝つ」しかありません。でも、その闘いに最終的な勝利はない(=一時的に勝って寡占化が進むと飽きられて衰退する)ので、広い意味での゛発展”にはなりません。

なので、そうはっきり書けばいいんですよ。松平体制は功罪あった。ソウル五輪の女子の゛惨敗”(と言っても4位だけど)でオワコン化しかけたバレーボールを延命させて21世紀につないだ点は評価できるが、どうしようもない癒着構造の中でバレーが色モノ扱いされる時代が続き、慢性的なダメージの蓄積が深刻化している。この現状を打破し、バレーの新たな魅力を創造しなければならない。ぐらいにはっきり言ってくれたらかっこよかったのに。

でも、そうはならないみたいですね。問題の本質を避けて課題認識を中途半端にしてしまったので、その次にくる問題提起がもはや意味不明です。

1、バレーボールの魅力を再構築し、現在の閉塞状態をブレークスルーするには今が最後の機会である。
2、リーグは今こそ一丸となって、できない理由ではなく、どうやったらできるのか、最大の緊張感をもって解決策を見出すことに全力を注がなければならない。


「今が最後の機会」ってなに?今回のプロ化構想がうまくいかなかったら日本からバレーが消滅するのか?世界最大のスポーツ市場を持つアメリカはバレーの国内リーグの創設に何度も挑戦して何度も失敗してますが、一定のバレー人気と実力を維持し続けています。今が最後の機会」ってのは結局のところ精神論なわけで、言葉に酔ってるだけなんじゃないの?っていう。

2もそうですよ。「できない理由ではなく、どうやったらできるのか」って要するに、新たな提案があるたびに誰かが必ず「できない理由」を言う組織だってことで、典型的な大企業病なんでしょう。それに対して「最大の緊張感をもって解決策を見出すことに全力を注がなければならない」って、バリバリの精神論。その「緊張感」ってのが、できない理由だけブーたれてじゃまするヤツはクビだからな!って意味ならわかるのですが。

話がそれますが、池上彰が朝日で連載しているコラムでリオ五輪報道を比較していて、そのシメの言葉が「驚きました。いまの時代、精神論で解説する新聞があるとは。」だったりするのですが、いやはや、驚きました。いまの時代、精神論で改革しようとする組織があるとは。と言っておきましょう。

課題認識と問題提起がすでにぐだっているために、そのあとにくる目標設定「2018/19シーズンより新しいポリシーを持った新リーグを立ち上げる」と書かれていても、その必要性がうまく理解できないのですよ。

そもそも、なぜ「ポリシー」なのか。そのあとにつづく↓この4個を見る限り、私には「コンセプト」に見えます。「見えます」と濁して、「コンセプトだろ」となぜ明確につっこめないかというと、文脈が破たんしてる=意味不明だからですね。

1、バレーボールの未来を切り開く魅力的なリーグ
2、日本を世界で一番バレーボールが愛されている国にする
3、バレーボールのビジネス化を追求するリーグにする
4、クラブで世界一を目指す


プレゼン資料だと、新リーグが1~4の「ポリシー」を持つとあるので、新リーグ=1~4に書かれている内容の主体、だと読めます。その視点で眺めたとき、1はそもそも体言止めで終わってるので、「リーグにする!」なのか「リーグですか?」なのか「リーグだにゃん♡」なのかわかりません。

また、2や3はVリーグの仕事なのか?JVAの仕事じゃないのか?という疑問がわいてきます。4にいたってはもはや「ポリシー」でも「コンセプト」でもなく、FIVB世界クラブ選手権で優勝、みたいな具体的な目標(アクション・プラン)ですよね。

改革の際に最も重要な土台の部分=前提条件がこれだけぐだぐだなまま、プレゼン資料はいきなり「スーパーリーグ」とやらの「Strategy」(←今度はなぜか手書きフォントのアルファベット)へと話が飛躍しています。でもこれ、Vリーグの現行の「ビジョン」(←またカタカナ……) と見比べてみてください(添付画像)。情けないことにほぼ同じです。

1. クローズドシステムからオープンシステムへ
ホームゲームの増加と充実、応援スタイルの変革により、チームとファン、自治体が一体となったビジネスモデルへ
チームの経営努力がチームに還元される仕組みへ
企業経営ノウハウの積極的活用によるビジネス展開

2. 骨太のチーム経営
スポンサー、支援者、チームにとって投資し甲斐のある大会品質へ
選手のやりがいを高め、青少年に夢を与え、人材供給に正のスパイラル創出

3. Qualityの追求
開催地の負担減、審判の負担減により、チーム、開催地、審判にとって持続可能な仕組みを構築

4. 大会運営の合理化
映像コンテンツをアジアへ向け発信し、新たなスポンサーメリット創出


↓Vリーグの現行の「ビジョン」(クリックして拡大)

Vリーグ.jpg 


ここまでの資料構成で「何かが変わる!」と期待する人、どれだけいるんだろうか。

そんな不安にお構いなく、資料は「スーパーリーグのチーム要件」などとむりむりと゛仕様”の話に突き進んでいくわけですよ。前提はすっ飛ばしてこの辺ばっかり話し合ってたんだろうなというのが透けて見えるツッコミどころ満載な仕様の数々なのですが(選手は「プロ化推奨」で監督は「プロであることが条件」、外国人枠は1+アジア国籍枠+前後半で入れ替え可能、など)、もうくたびれたのでこの辺でやめます。

ただ最後に、前提条件がぐだぐだな改革は、行き詰って内紛が起きて破たんするか、ぐだぐだが拡大して収拾つかなくなって責任者がとんずらするか、一部の真面目で優秀なスタッフが過剰な負担と自己犠牲を強いられて去っていくか、骨抜きになって看板のかけ替えだけで終わるか、どう転んでもいい結果は得られません(断言)。

思い出しましょう。「もとこともこの乱」は結局、行き詰って内紛が起きて破たんしたのでしたね。

企業スポーツから脱却してプロ化していこうという方向性自体は正しいと思うので、今回の資料をタタキにまずは議論をしっかり煮詰め、誰が見ても「なるほど、だからスーパーリーグを作るんだな」と納得できるレベルにまで精査してほしいと思います。ポリシーとかストラテジーとかビジョンとか、生煮えのカタカナ使わなくていいから(腹こわすぞ)。

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リオ五輪・アメリカ戦 敗因ははっきりしてるので。 [バレーボール]

準々決勝のアメリカ戦は大方の予想通りストレート負けでリオ五輪が終わりました。まずはお疲れサマンサ。前回が銅メダルだっただけに完敗感が漂いますが、北京もアテネも準々決勝敗退ですから、改めて出発点に立ったということですね。

アメリカはフジテレビが大騒ぎするほど世界一の無敵チームではなかったと思います。ブロックがいまいちだったり、乱れたときにアタッカーが弱気だったり、焦ってタッチネットしまくったり。その弱点を綿密なデータと先手先手の采配で補っている印象。むしろ、日本にとってはロシアよりやりやすい相手だったのではないかと。なのにこの完敗。敗因ははっきりしてますね。

そしてここから東京五輪への準備が始まるのだぞ、というスタメンローテはこちら。

  島村        石井      長岡

  宮下        木村      荒木  L佐藤
-----------------------------------------------------------------
アキンラデオ(MB)  ヒル     マーフィー

グラス(S)     ラーソン    アダムズ(MB)  Lバンワース


次の1歩を踏み出すためには、良かったところ、悪かったところをしっかり仕分けせねばなりませぬ。というわけで、まずはこの試合、明らかだった敗因は深刻度が高い順に、足をひっぱることしかしなかった佐藤、なぜか要所でのミスが目立った木村荒木、展開力と駆け引きが足りなかった宮下、ですね。

このうち、宮下はまあいいでしょう。初戦の韓国戦と最終戦となったアメリカ戦を比べただけでも成長のあとがうかがえるので、ここからまた伸びていくと思われます。

ベテラン2人が要所で凡ミスをかましたのは不思議かつもったいなかったですね。石井、長岡、島村、宮下の気迫と勢いがベテランのミスでそがれてしまって乗り切れない、という場面が目立ちました。

ただ、そんなこんなを引き離してぶっちぎりで深刻だったのは佐藤でしょう。どれぐらいヤバイかって、誰彼かまわず悪態つきまくりの私ですら、佐藤にはもう、いちいち文句を言う気もおきないぐらい……でも言うんですが。いやー、9割がた邪魔しかしてなかったですね。。。明らかにサーブで狙われてましたしね。。。真正面のボールもはじいてましたしね。。。予選中盤で心配した通り「選んだのが失敗だった」という結論になってしまいました。Vリーグではあんなに上手だったのに、残念です。

そんな佐藤の代表人生が今後どうなるかはさておき、この試合、悪いばかりでもなかったと思います。最も印象的だったのは[ぴかぴか(新しい)]石井[ぴかぴか(新しい)]。世界最終や予選序盤の受け身な感じ、ロシア戦あたりからやらされてる感じが消え、この試合では積極性と集中力と気持ちの強さが全身からほとばしってました。石井、やはり、やればできる子でした。

もうね、石井が後衛でもレシーバーと交代させなくていいと思うんですよ。東京五輪まで4年間あるわけだから、最初の1年は目をつむってコートに立たせ続け、自分で活路を切り開くように仕向ければよいと思います。1年も立てば相当しぶとい女に仕上がって、チームを引っ張っていってくれるはず。

島村の勝負強さもインパクトでかかったですねー。第3セット、またしてもスタメンからはずされた恨みつらみなのか、山口のピンチサーバーとして出てきて圧巻の6連続ポイント(サービスエース1本含む)。技術面ではアラキングにまだまだ及ばないところがあるものの、メンタルの強さではキング級ですな。

さらに、島村クイックおとりの石井のレフト平行、この高速コンビ、今回もきれいにきまりました。これまで必殺技がなく長岡単発か山口に頼っていた宮下ですが、島村/石井のライン、かなり有望じゃないですか?しかもこの2人が前衛の2ローテでは長岡が前衛か後衛のライト側なので、序盤で時間差を立て続けに使っておいて長岡にふる、という展開も可能です。

そう、最初に少し書きましたが、宮下に足りないもの……は、たくさんあるけど今すぐ学ばなければいけないのは、展開力だと思います。韓国戦で沈没してからよく立ち直ったタフさは立派。なので次は、沈没しないで済むように戦略性を身につければいいと思うのです。

今日の試合では、第1セット序盤から荒木の移動攻撃やBクイック、荒木おとりの時間差、島村のBクイック、島村おとりの時間差、とセンター線を重ねて7-7まで競り合った。ここまではよかったんですが、で?それから?ってところの構想がないなと感じました。

センター線を使う重要性に目覚めて積極的に繰り出していったのはいいのですが、それが布石になってないんですね。なので、クイックを消すサーブを打たれたり、ラリーになったりするとばたばたする。もっと世界のセッターのゲームメイクを研究したほうがよいと思います。宮下としては意表をついているつもりだろうなと思われるトスも含め、とてもわかりやすいトスワークになってしまっているところが課題ですね。

そして駆け引き。特に、宮下が前衛でサーブレシーブが長くなった時の対応ですね。サーブレシーブが長い→ツーアタック、という決め打ちでやってては1本目は決まっても2本目以降はダメでしょう。テラマワリンが何度か指摘してましたが、ワンハンドでトスを上げるふりをしないと。もちろん、それにはセンターがクイックに入ってくる゛演出”も必要です。

そうすることで、相手がブロックの手を出してきた場合はオーバーネットをとられます。1回でもオーバーネットを取られると、次に同じ場面になったときブロックの手を出しづらくなります。そこですかさずツーアタック!ですよね。

もしも「いやいや私はそんな駆け引きは……」というのであれば、開き直って規定打数に達するぐらいツーアタックを打ちまくれ。セッターなのにアタック決定率80%でスパイク賞獲得ですテヘペロ、みたいなね。ファンをおおっ!とうならせるのがセッターの醍醐味なのではないかと。

長岡は良くも悪くも典型的なセッター対角でした。苦しい場面で冷静に2段トスを打ち切ってくれる頼もしさがある一方、ラリーのときにふわふわしていて守備面で戦力になってないという。

若手で初五輪ということを考えると、功績のほうが大きかったと思います。ただ、石井と比べると覚醒の兆しがまだ見えないですね。万能型になっていくのか、攻撃型に特化していくのか、そのあたりの方向性もはっきりしません。2年ほど前に急激に伸び、踊り場の状態で五輪を迎えてしまった感じ。言い換えればそれだけ伸びしろがあるということなので、ここからさらに化けてくれることに期待です。

そして最後に真鍋監督。なぜか一部でぶっ叩かれているようですが、私は東京五輪も真鍋監督で行ってほしいなと思います。仮に、木村・荒木・山口が抜け、リベロも白紙になったとしても、監督が同じなら継続性=上積みが期待できます。そうでなければゼロからのやり直し。こんなもったいないことはないですよ。

がまんして使い続けた若手たちがようやく覚醒の兆しを見せてますし、真鍋流サーブ&ブロックもまだまだ通用しています。4年間でチームの勝ちパターンを練り上げられなかった点、選手選考をぎりぎりまで引っ張った点は痛かったですが、それもまた次に活かせるはず。2度目の東京五輪で再びの金メダル、あると思います。


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